寝取りチンポ vs 異世界【邪神によって異世界に送り込まれた俺に与えられたスキルが寝取りチンポだった件】 作:第三世界(うたかたとわ)
ケータ視点
「うわっ!なんだこれっ!?」
インターハイ予選を控えた梅雨のある日、異変は起きた。
いつものように退屈な学校の授業を受けていると、教室の中に巨大な魔法陣が出現したのだ。突然起きたできごとに、教室の中はパニックになった。
そして目の前が白く光ったと思ったら、僕たちはどこかの城の中のような場所に一瞬で移動してしまう。
漫画やアニメの世界でしか見たことがないような、中世の王城といった豪華な出で立ちの施設の中で、制服姿の僕たちは何もできずにたたずんでいた。
「ようこそ!勇者たちよ!」
そして僕たちが説明を受けたところ、僕たちは魔王に味方する悪の集団を倒すために勇者としてこの世界に召喚されたらしい。
小説の中の世界でしか起こり得ないと思っていたできごとが、実際に僕の身に降りかかっていた。
「ケータ、大丈夫?」
「レイナは平気?」
突然の異変に混乱しながらも、僕と同じクラスで授業を受けていたレイナが僕のもとに駆けつけてくれる。
「やった!クラス転移だ!」
アニメや漫画でよく見る異世界召喚に詳しいのであろうクラスメイトの男の子が、うれしそうに言葉をつぶやいていた。
どうやらこの場所に召喚されたのは、僕たちクラスの生徒だけらしく、授業をしていた先生の姿は見えない。
「で、あいつ、誰?」
でもなぜか、クラスメイトだけが召喚されたはずの集団の中に、スウェット姿の男の子がまぎれ込んでいた。
まさにモブキャラといった見た目の目立たない男の子が、興味深そうに周囲の様子を観察している。これに関しては、まったくの謎だった。
「あいつ、巻き込まれ召喚かもよ?」
しかしクラスメイトが会話をしているのを盗み聞きするに、どうやらこういった多人数が集団で転移する展開には、部外者が一人まぎれこむのが定番のできごとらしい。
僕はそんなものなのだと心の中で納得しながら、次の展開を待つことにする。
「では、これから、ステータス鑑定の儀をおこなう!」
そして異世界に召喚された僕たちは、最初にステータス鑑定をおこなうことになった。
自分が今、どんなステータスをしているのか、どんなスキルをもっているかの情報は、ゲームのようなこの世界では重要である。
突然、RPGのような世界に召喚された僕に与えられたスキルがどんなものかとワクワクしながら、僕は自分の順番を待つ。
……
……
……
「ケータ。ランクは帝国側が勝手に決めたことだから。自分がどう行動するかで、ランクなんてすぐに変わるし、関係ないよ」
ステータス鑑定が終わり、勇者歓迎会と称された立食会の中で、レイナが僕のことを慰めてくれていた。
「あーあ。いいよな。レイナはSランクに認定されて。ラッキーだよなー。それに比べて僕はさー」
残念なことに僕が、帝国側にBランク勇者と認定されてしまったのだ。そんな僕の気も知らないで、Sランク勇者として認定されたレイナがのんきに僕を元気づけようとしてくれていた。
帝国側が認定したランクは、Bランク、Aランク、Sランクの順に高くなる。つまり僕は、最下位のランクのスキルしか、手に入れられなかったのだ。
まあ、Dランク勇者という、僕よりももっと下の立場の人物がいるが、それは論外だろう。
「おい、Dランク!なにか言えよ!」
そしてさっそく、なぜか帝国側にAランク勇者として認定された不良グループの男の子たちが、Dランク勇者に認定されてしまったユーリというかわいそうなスウェット姿の少年に絡んでいる。
僕は巻き込まれ召喚をされ、役立たず認定をされたかわいそうな少年に同情をしながら、なるべくそれに巻き込まれないように、立食会での食事を続けていくことにした。
「あっ!レイナ、ダメだって!」
しかし、僕の静止をふりきって、あろうことかレイナがDランクの少年を助けに向かってしまう。
面倒なことにはなるべく巻き込まれくないのに、正義感が強いというレイナの悪い面がでてしまったようだ。
僕は自分が不良たちのターゲットにならないように関係ないふりをしながら、ことの成り行きを見守っていく。
しかし、僕の心配をよそに、不良グループたちはレイナに撃退されることになった。
「あの男の子、助けられてよかった」
そしてDランク勇者を不良グループから救ったレイナが、満足そうな顔で僕のもとに戻ってくる。
僕はレイナに歩み寄ると、彼女に説教をすることにした。だって彼女は、僕の身を危険にさらしたんだ。
この場合においての正しい行動のしかたを、僕はレイナに教えてあげなくてはならないだろう。
「あのさ、レイナ。レイナは周りの迷惑とか、考えないの?」
「……え?」
僕がうれしそうに笑うレイナに向かって説教をし始めると、自分が正しいことをしたと勘違いをしている彼女はおどろいたような顔をしてしまう。
やっぱりレイナには、頼りになる僕がついていなくてはならないようだ。
僕は彼女に対していまの場合はどうするべきだったかの正解を教えてあげるために、正しい行動のしかたを親切に説明してあげることにした。
「レイナがああいう面倒事に首を突っ込んだらさ、いつも一緒にいる僕にも迷惑がかかるって、想像できないかなー。ああいうときは、将来恋人になる予定の僕ことを一番に優先するべきだと思わない?」
「いや、ああいうの、放っておけなかったからさ……」
僕が彼女に言い放った鋭い指摘に、レイナが答えにくそうな顔をして僕に返事を返してくる。
想像力が足りないレイナに、彼女の行動がいかにして僕に迷惑をかけているというかを、ちゃんと教えてあげなくてはならないようだ。
僕の言葉を黙って聞かずにおかしな言い訳を始めたレイナに向かって、僕はさらに説教を続けていく。
「ふーん、レイナは僕よりも、Dランク君を取るんだ?」
「ケータ。他人を馬鹿にするような言い方はダメだよ……」
しかしあろうことが、レイナは話をそらすことで、僕を不快な気持ちにしたという責任から逃げようとしてくる。最低な奴だな。
僕は無責任な態度を取り続ける彼女に怒りを覚えながら、そらされた話をもとに戻すために会話を修正していった。
「はいはい。話をそらして、自分の間違いから逃げるなよ」
「でもさ、私の行動は、これからも私が決めるよ。私の行動は、私がぜんぶ責任を取るから。ケータには迷惑はかけない……」
なんとレイナは、僕の気持ちを考えることなく、自分のことは自分で決めると馬鹿なことを言い出してしまう。僕の恋人になる予定の女性にしては、あるまじき態度だ。
僕はそんな彼女の考え方が間違っていることを証明するために、正しい行動について、さらに親切丁寧に説明を続けていくことにする。もしかして、レイナって馬鹿?
「いや、もう、迷惑がかかってるんだけど?レイナのせいで、こうして僕が不快になるというトラブルが起きてるじゃん。レイナがなにもしなければ、起きなかったトラブルだけど。僕の言うとおりにしないから、余計なトラブルが起きてるって理解してる?」
「……」
そして僕が馬鹿な言い訳を続けるレイナを簡単に論破すると、僕の言っていることの正しさがようやくわかったのか、彼女は黙り込んでしまった。
これで、僕の言うとおりにしないから、こうして恋人になる予定の二人の間に不快な空気が生まれたのだということが彼女にも理解できただろう。
僕の言うとおりに動かないと、余計なトラブルが生まれてしまう。その正しい現実を理解したレイナは、これから僕の期待通りに動いてくれるに違いない。
僕に論破されて恥ずかしいのか、彼女は悲しい顔をしたまま無言になってしまっていた。
僕は言い負かされて落ち込んだ顔をしているレイナの姿を確認すると、今後、彼女は僕の言うとおりに行動をすると確信をしながら立食会での食事を再開する。
(僕に簡単に論破されて何も言い返せなくなるなんて、ひょっとして、レイナって馬鹿?もしかしたら、言いなりにできるかも。Sランク勇者が実力を発揮できるのは、実は裏で指示を出してる僕のおかげということになったら、最高じゃん!)
「僕はさ、レイナのことが好きで、心配だから言ってるんだよ?」
「……うん」
僕は暗くなってしまった二人の空気を明るくするために、気を遣った言葉を彼女に伝えてあげる。本来ならば間違った行動をしたレイナの方から歩み寄る場面なのに、なんて僕は心が広くてやさしいんだろう。
こうして、深いコミュニケーションによってお互いの価値感を理解し、より親密になった二人の関係に満足しながら、僕はレイナと楽しく食事を続けるのであった。