玄関での一件後も、相棒には何の変化も現れなかった。
いつも通りに食事をして、食後は定位置であるソファにうつ伏してテレビを観ている様子など、まさに昨日までと同じ光景だ。
そんな相棒の平常運転に戸惑ったのはむしろ俺であった。
セックスとまでは進まなかったが、それでもあれだけのことをしたのだからそれに対する幾ばくかの心境の変化は欲しかったと寂しくもなる。
しかしながら同時に、彼女がヒトではないフレンズであったことも思い出しては納得もした。
動物にとっての性交──すなわち交尾とは繁殖の為の純粋な行為である。
そこに様々な感情を持ち込んでしまうのはヒトだけであり、むしろ野生動物であるところの彼女にとってはこの素っ気なさこそが正しいのかも知れない。
そう考えが至るとなんだか気が楽になった。
ヒトたる俺は、今後彼女との関係が『男女の間柄』に進展することを恐れていた部分もあったからだ。
それが変わらないというのであれば、これに越したことは無いだろう。
杞憂で終わった自分の自意識過剰ぶりに苦笑すると、俺もまた普段と変わらない態度で相棒とのコミュニケーションを図るのであった。
「もう風呂湧いてるぞー。入らないのか?」
『ん-……まだいい』
依然として寝そべっては長ソファのひじ掛けに顎を預けてテレビにくぎ付けの相棒。
俺からの声にもただ両足と尻尾をパタつかせただけで、視線は依然としてテレビに注がれている。
『先に入れ。アタシは後でいい』
「珍しいな。いつもは水の状態でも一番に入りたがるのに」
思わぬ返事に嘆息するもしかし、俺自身も早く入浴したかったこともあったからその申し出を素直に受けることとした。
浴室に至り、俺はボイラーのツマミを手繰っては給湯を止める。
浴室内に湯船とボイラーが併設されたこれは、いわゆるバランス釜と呼ばれるタイプの古い風呂だ。
ボイラーと並んでいることからも湯船は狭い反面、底は深い造りとなっている。
手足を伸ばすことは叶わないが、それでも両膝を立てれば俺の体躯であっても十分に全身を浸らせることができた。
数度の掛け湯をして汚れを落とすと、俺は肩まで湯船に浸かり大きく息を吐いた。
今日は実にいろいろなことがあった。
探索中においては要らぬ恥をかいたが、それ以上につい先ほどの相棒との一件が今も思考の大半を占めている。
湯につかり緊張もほぐれると、改めて彼女との行為が艶めかしくも脳裏によみがえってくるのだった。
隆起の無い幼児体型とはいえ、それでも『女』の体をしていた相棒……同時に小陰唇を掻き分けて膣口に舌先を這わせたときの感触と味もまた思い出すと──不覚にも俺は勃起していた。
思えばあんな行為をしたのはいつ以来であったろうか?
故郷であるスウェーデンにいた頃は当時の恋人と朝から晩までベッドにいたこともあったが、結局は独りとなり、来日して教職についてからというもの異性間交遊などはとんとご無沙汰になってしまっていた。
それがいま思わぬ形で叶えられ、その行為の残滓に刺激されて俺は再び勃起などしているのだから笑い種だ。
しかしそんな今の自分に自己憐憫も嫌悪も沸かないのは言わずもがな興奮しているからに他ならない。
そして久しく覚えたことのなかった性欲の昂りを俺は、このまま風呂場にて処理してしまおうと決めた。
自室で行うという選択肢もあるにはあるが、今現在は相棒と住居をシェアする身である。……うっかり自慰行為など見咎められては、それこそ末代までからかわれかねない。
かくして洗体前に済ませてしまおうと、湯船から上がらんとしたその時であった。
ふと浴室の外でなにか物音がした。
勘違いなどではないその気配に視線を巡らせれば、浴室を隔てる折れ戸の曇ガラス越しに何者かの人影が蠢いているのが見えた。
一瞬それを怪異かと警戒もしたが、小振りなシルエットからそれが相棒のものであることにすぐ気づく。
一体なにをしに来たものか?
浴室を出てすぐの場所には洗濯機があるが、相棒が洗濯をするなどは今までに一度としてない。
依然として見守っていると、ガラス越しのぼやけた輪郭は大きく両腕を掲げては次いで前屈みになって片足をひょいと上げた。
その仕草にますます混乱した。
何をしているのか分からなかった訳ではない……むしろその動きが何を意味するのか分かっているからこそ俺は混乱しているのだった。
一連の動作は、服を脱ぐ行為であったからだ。
なぜここで服を脱ぐ? ──そしてその答えを自分の中で導くよりも先に、
『ハハー、アタシも入れろー!』
一糸まとわぬ相棒が浴室に乱入してきた。
その思わぬ登場に、俺は自分でも滑稽に思うほど取り乱しては両肩をすくめて背を反らせた。
一方でそんな俺にはおかまいなしに相棒は浴室を進んでくると、ためらいなく大股に片足を上げては湯船に爪先を入れる。
……くっきりと線一本だけが走った性器のクレバスが俺の目に焼き付く。
そして二人には狭い湯船の中、相棒は俺の腹の上に座ると──体面座位に向き合ってはその面に大きく笑みを湛えた。
『ハハハ、さっきの続きやろ? 顔、舐めさせろ♪』
返事を待つよりも先に相棒は俺の両頬に手を添えては、鼻と口の境も無しに舌の腹を押し付けては深く舐め上げる。
「ち、ちょっと待て! なんで急に……さっきまでそんな気配、微塵も無かっただろ?」
『やろうって言ったってお前逃げるだろ』
俺の額へ強く吸いつけていた唇を離すと、今度は窘めるように鼻先へ噛みつく相棒。
『ここならお前にも逃げられないしな。それに風呂でしたかった』
言いながら湯の中で俺の右手を取ると、それを自分の股間へと誘導した。
人差し指の脇が僅かにクレバスへ食い込むと、水中にも拘らずそこだけ粘度の違う体液の感触が指先を潤滑させる。
なるほど、水棲生物であるところのオオカワウソが水辺での行為を好むのは道理に思えた。
加えてジェル状にまで粘度の濃い愛液の理由はこうした水中内での性交をスムーズにする為のものだったのだと気付く。
──と、今の問題はそこではない。
「だ、ダメだこんなの。フレンズとヒトだぞ? 良い訳無いだろ」
我に返り、改めて俺は相棒を制する。
いかに少女の姿を模しているとはいえ、フレンズは歴とした野生動物だ。加えて人間の倫理に照らし合わせるならば、獣姦に及ぶというタブーもまた犯し難い気持ちが俺にはあった。
しかし、
『ハハハ、アタシはいい。お前と交尾したい』
臆する俺とは対称的に相棒はまっすぐに見つめながら言ってくる。
『お前でいいんじゃない。お前がいいんだ♡』
理屈などは一切ない。ただまっすぐに伝えてくる相棒に、もはや俺には言い返せる言葉が見つからない。
いかに小難しく考えたところで所詮は俺も動物──雌に雄が見初められたという本能の前には、人間如きの屁理屈などはただそれだけで封殺されてしまう
そして何より……心身共にパートナーとして認められたことが俺は素直に嬉しかった。
そうして沈黙を続ける俺の態度をYESと判断し、相棒の顔に勝ち誇った笑みが満ちる。
下瞼を上ずらせた、おおよそ女子の恥じらいなどは微塵も見られないそれは今日の探索中に相棒が見せたものとまったく同じものであった。
『お前だって準備できるじゃないか……♡』
依然として俺を見つめたまま湯の中では相棒の右掌が、屹立した俺のペニスの背に被せられる。
そうして確かめるよう二度三度と握り直した後、相棒はその先端を自分の膣に誘導しては僅かにクレバスの中へ埋める。
そのまま幾度が腰を前後させてクレバスをこそぐよう擦りつけていると、その奥から滲んできた愛液がヌルヌルと俺の尿道にも潤滑する感触を伝え始める。
『ハハハ、アタシ交尾するの初めて……チンコ、ここに入れるんだよな?』
視線を落とし、弄ぶペニスと膣の間口を確認する相棒。
俺もまた痩せた相棒の胸板越しに、湯の中で今にも挿入されんばかりのペニスを見下ろしてはまるで初体験の如き興奮を覚えては動悸を強くさせる。
そうして二人で見つめ続ける中──ついに亀頭が相棒の膣の中に埋まった。
『ん、んんぅ……んはぁ……コレ、大っきい……!』
今まで異物の進入など許したことのない膣道の中を今、俺のペニスが進んでいく。
癒着した肉圧の中を引き裂きながら進むペニスの感触に対する相棒の声は、快感よりもまだ戸惑いや苦しさの方が大きい。
一方で俺が感じるペニスからの感触は、
「ん……すごいな、燃えるようだ……!」
これ以上にない灼熱感だ。
同時に、あの粘度の高い愛液がまとわりついて潤滑させてくる膣道はその襞の一つ一つがまとわりついて、まるで相棒の中で溶けてしまったかのような感覚を錯覚させるほどである。
久方ぶりの粘膜とあって、そこに覚える快感と充実感は言いようがない。
しかし反面、相棒の反応もまた気になっていた。
『はうぅ……痛いぃ……ッ』
俺の胸元に縋りつく目の前の相棒はといえば、きつく瞼を閉じては身を割くばかりの痛みに耐え忍んでいたからだ。
確かにそれもうなづけるような気がした。
『処女』以前に、さすがに俺と相棒とではその体格差に違いが有り過ぎるのだ。
今も膣内で亀頭を包み込む締付けは、肉に依る圧というよりは恥骨や骨盤を肉越しに感じる硬い感覚であった。
言うまでもなくサイズ違いは否めない。
「大丈夫か?」
『うぅ~……変な感じ。嫌じゃないけど……痛い』
相棒の両脇に手を差し入れて体位を浮かせてやると、僅かに負担が減ったことに相棒も大きく息をつく。
「無理するなよ。今日はこのくらいにしとこう」
『うん………お前も痛いか?』
「俺はその……申し訳ないが気持ちいいよ」
『気持ちいいのか?』
俺からの返答が意外だったのか、見上げてくる相棒は目を丸くさせる。
『どんな? どんなふうに気持ちいい?』
「ど、どんなって……まあ、熱くて締付けも良いし……」
『それで? それでどんな?』
「ヌルヌルしてて……なんて表現したらいいかは分からないけど、とにかく気持ちいいよ。なんかホッとする」
促されるままに応えながら俺は言いようもない恥ずかしさに頭の芯をむず痒くさせる。……どういうプレイだ。
ついには見つめ合うことに耐えかねて視線を伏せた俺は、チラリと相棒の口元を一瞥する。
そこには──あの笑みがあった。
探索においてオオカワウソが見せる、両の口角を大きく吊り上げては牙を覗かせるあの笑みが。
『ハハハ、そんなに気持ちいいのか~?』
語り掛けながら相棒は俺の首根に両腕をまわして抱きつく。
互いが密着することで再度俺のペニスは深く相棒の胎(なか)へと進んだ。
『んくッ……くうぅ~ん……!』
「お、おい……無理するなって」
『いい! これでいい!』
依然として苦しそうなその様子に声を掛ける俺へ、一方の相棒はこれ以上になく力強く答える。
『苦しいけど……交尾楽しい♪ ッんく……お前の反応が、楽しい……!』
息を切らせ、歪めた眉元に苦痛を刻みつつも満面の笑顔を向けてくれる彼女の顔に刹那──俺は場違いな感動を覚える。
同時に、彼女をこれ以上になくどうしてしてしまいたい気持ちが抑えきれなくなった。
瞬間、発火するかのよう欲情した俺は強くその名を呼んで相棒を抱きしめると、
『おッ!? おおぉ! んぎゅうううぅぅぅッッ‼』
俺は俄然として彼女を突き上げる行為に没入していく。
不意なそれを受けて相棒もまた大きく顎を反らせては苦しみに宙を仰ぐ。
「ゴメン! もう止まらん! 我慢してくれ!」
一方で俺は彼女の苦しみを理解しつつも突き上げる腰の動きが止められない。
深く突き入れた亀頭が引き戻される際にカリ首で膣道内を大きく掻きこそぐのだが、その快感が味わい続けたくて幾度となく俺は無慈悲なピストンを俺は繰り返してしまう。
『んおッ! おッ、おぉッ! ぐううぅ……いいよ! 動けッ! もっともっと気持ち良くなれ! 殺しちゃえッ‼』
それに対し、相棒も応える。
痩せた胸板に額を押し付ける俺の頭を、相棒もまた自分の体の中に取り込もうとするかのよう強く抱き込む。
しかし無慈悲にも一方的なものに思われた行為ではあるが、
『んぅッ? んおおッ! す、すごい! なにこれッ……ジンジンする! お腹の奥、痛くて、いいッ♡』
しばしして相棒にも変化が現れる。
深部まで到達した亀頭の先端が子宮口を突き上げるたび、相棒もまたそれに反応した声を上げるようになった。
太く威嚇のような声には依然として苦しみを滲ませているものの、上気した頬元に大きく笑みの口角を吊り上げる表情には、明らかに痛み以外の感覚と感情とが表れていた。
『気持ち、いい! チンコ、いいッッ♡ もっと突け! もっともっと痛くしてぇッッ♡♡』
俺に身を委ねるばかりだった上体を相棒も大きく前後させると、膣内をえぐるペニスがより深くそしてより素早く摩擦するよう能動的に動き出す。
いつしか膣内の感触にも変化が現れていた。
亀頭の先端に当たっていた骨盤の角ばった感触は消え、膣壁はうねる様に律動しては蛇が獲物を飲み込むかのごとくに俺のペニスへ射精を促すような刺激を与え続ける。
より一層に愛液もまた溢れてきては、水中にも拘わらず増々に摩擦の潤滑をスムーズにさせた。
『んぎぃ! んぎぃー! 気持ちいい! 気持ちいいよぉッ♡ 死ぬぅ! 死んじゃううぅッッ♡♡ ハハハーッッ♡♡♡』
もはや相棒の肉体を鞭打つ感覚は、その全てが快感へと置き換えられる。
同時それはこの行為の終わりである絶頂もまた近いことを物語っていた。
そして数度目かの浅い絶頂を経た後にそれはきた。
『んおぅ!? く、くるぅ……気持ちいいの、来るッ! 大っきいの来るぅぅッ♡』
眉元を強(こわ)く歪めて上目を剥き、唇を細く突き出させては浅い呼吸を繰り返しながら全神経を絶頂へと集中させる。……そんな浅ましいまでの表情には、元の端正な目鼻立ちの面影など微塵もない。
同時に膣壁はより一層に収縮して俺のペニスを締め上げてくる。
膣内で撹拌された相棒の愛液と俺自身の腺液とが尿道に押し込まれて満ちると、もはや内外からの熱と粘液にペニスの境界が消え、相棒の胎内と一体化したかのような感覚に俺も陥る。
そんな一体感から彼女の快感がダイレクトにフィードバックされてくると、俺の絶頂もまた近いことを知る。
「俺も……俺もいきそうだ……」
『ハ、ハハッ? イクッ? 気持ちいいのかッ!? じゃあ我慢しろッ! アタシと一緒にイけッ♡』
伝える俺を、より一層強く抱きしめてくる相棒。
肉付きの薄い胸元に強く抱きしめられると、もはや鼻先を肋骨の角ばった感触が潰して痛みを覚えるのが何とも皮肉だ。
しかしながら俺もまたそんな相棒の胸板へ額を付けながら、すがるよう強く抱き返しては突き上げる動きを続ける。
やがて──
「ぐ……もう、だめだ……!」
『あぁ! ……ッッ──ぎゃうううううぅぅッッ♡♡♡』
来たるべきその瞬間を俺は相棒と同時に迎えた。
俺は相棒の膣内へと射精を果たす。
会陰は肛門と連動して何度も強く脈打っては、今までに感じたことも無いような量の精を相棒の中へと吐き出させた。
もはや放尿にも匹敵するその量たるや、限界まで膨張した尿道から棒でも打ち出しているかと錯覚するほどの量だ。
『おッ、おッ、おぉぅ……ッ♡ 溺れるぅ……お腹の中、破裂するぅ………ッ♡♡』
一方でそれを一身に受ける相棒もまた絶頂の中でその感覚を味わっていた。
一切りごとに精が胎内に打ち出されると、それが激しさを以て子宮内に渦巻く感触と熱に相棒は仰け反らせた胸元を痙攣させる。
弓なりに背を仰け反らせ、大きく喉を見せては硬直する相棒のある時点で突如脱力し、液体さながらに雪崩れては俺に上体を預けた。
それを抱き留めてしばし、俺達は事後の余韻に浸る。
『はぁ……はぁ………お腹の中で、まだピクピクいってる……小便でも出てるのかぁ……?』
依然として相棒の膣(なか)において緩やかな射精を続けるペニスの感触に、ようやく言葉を紡げるようになった相棒はそんな軽口を叩いた。
「射精してるんだ……排尿じゃなくてその、精液が出てる」
『セーエキ……? なにそれぇ?』
「何と言ったらいいか……子作りの時にオスから出される情報の塊、って言うのかな? これを膣内に放出されることで女性は受精して妊娠するんだ」
『………アタシ、子どもができるの?』
顔を上げて見つめてくる相棒の顔には驚きの表情が強く見て取れた。
しかし反面、どこか期待も宿したようなその顔つきがいつになく幼く見えて、こんな純真な彼女に欲情の滾りをぶつけてしまったことへ、今さらながら俺は罪悪感を覚えてしまう。
「どうかな? ヒトとフレンズだから難しいかもしれない。少なくとも今までそういう例は聞いたことは無いけど……」
『なんだぁー……ちぇ』
会話に一区切りがつくと、改めて相棒は湯の中の自分達を見下ろす。
硬度を保った茎は相棒の中に納まり続け、依然として俺達は結合したままという状況──久方ぶりのセックスにもしかし、この一回で満足できてない俺の怒張は一向に衰える気配もなく相棒の胎内に留まり続けているのであった。
『……まだ硬くて大きいんだな』
「う……す、すまない。すぐ抜くよ」
『いい。それよりもう一回したい』
「も、もう一回?」
思わぬ相棒からの言葉に俺は唖然とする。ついさっきまで処女だった娘の言葉とは思えない。
しかしそんな俺の振る舞いとは裏腹に……
『んう? ……ハハハ♡ おい、チンコ跳ねたぞぉ?』
再度の行為を期待した瞬間、再び血流の巡ったペニスは別個の生物のよう痙攣を一打ちしたのだ。
「いや、これは………」
『言い訳なんてするな! やろうッ♡ 今度はベッドで! セーエキ見たい!』
「うああ……動くなって!」
湯船の中、俺の両肩に手を置いてボートの運転よろしくに体を前後して再戦をせがむ相棒に俺も情けない声を上げる。
しかし同時に俺の気持ちもまた決まっていた。
「………泣いたって止められないぞ?」
『ハハ、やってみろ♡ 殺しちゃったらちゃんと複製階に連れて行けよ♡♡』
「シャレにならないな……」
マンションジョークにまんざらでもなく鼻を鳴らすと、俺は相棒の両膝の下に腕をまわして抱え上げ、依然として繋がったまま湯船から立ち上がった。
『ん゛おぅッ♡』
そんな浮上する重力の変化と、改めて子宮を俺の亀頭が突き上げる感触に下品な声を上げる相棒。
そうして互い体を拭くことも無く浴槽から寝室へと向かう俺の腕の中で揺られながら、
『ハハハ……ちゃんと種付けするんだぞ♡』
改めて俺の頭を抱き直し、相棒は幾度となくキスをしてくれるのだった。
【 続 】