0 異なる現代へ。
爽やかな風の音が聞こえ、何処からか聞こえてくる波の音、全てが心地良い……いや、ちょっと待て。波の音?何で波の音なんて聞こえてくるんだ?
疑問に思いながらも、俺はゆっくりと目を開けると、そこはどこかの島の浜辺であった。
「あ?ここどこだ?何で俺、こんな所で寝てんだ?それに、この格好は?」
格好を見てみると、服装は学校の制服のようであり、その周囲には何かの欠片や人の肉片などが散乱していた。何か事故でもあったのだろうか?
疑問に思いながらも立ち上がると、足元に有った鞄に目が行き、その中を漁る。
中には色々な物が入っていた。中に有ったのは……。
・ライター。
・メモとペン。
・コンバットナイフ。
・お菓子。
・ワイヤー。
・何かの液体が入った瓶。
「何だこれ。何でこんなのが……ん?手紙か?」
奥の方に入っていた手紙を取り出して開くと、そこには飛鳥からのメッセージが書いてあった。
タイガへ。
・やぁ、これを見ているってことは目が覚めたみたいだね。今キミがいるのは"巨蟲列島"という漫画の世界だ。
どんな世界かと言えば、巨大化した虫とかが生息する世界を舞台にしたホラーアクション漫画だよ。
まぁ、使徒やパラサイトエンペラーを見ているキミなら大丈夫だと思うけど、何とか生き残ってね。
因みに魔法のスキルや秋水などの武器はないけど、幾つかのスキルを渡しておいたよ。それは別紙に書いてある。
あと、君はこの世界では"タイガ・レーヴァンタイン"ではなくて"鷹村 大雅"になっているから。じゃあ、死なないように頑張ってね。
メモの内容を見て、はぁっと溜め息を吐くともう一枚の添付された物を見る。
そこには渡されたスキルが書かれていた。
渡されたスキル……
・流水岩砕拳。
・旋風鉄斬拳。
・覇気(未来予知+流桜)と六式(六王銃使用可)。
・八衝拳。
・肉体+反射神経強化。
その書かれていたメモを見て溜め息を吐く。
「(いやいや、色々やりすぎだろ?てか、流水岩砕拳って……ワンパンマンかよ。)まぁ良いや、えぇっと、あっ!有った生徒手帳。」
取りあえずメモを焼き捨てると、鞄に入っていた生徒手帳を見る。
そこには本当に"鷹村 大雅"という名前があった。
更にこの世界での記憶が流れ込んできたのに、驚き痛みに頭を抱えるが、すぐに痛みは収まった。
どうやら俺は、この飛行機が乗っていた学校"鳳翔学園"の転校生で施設育ち、しかも修学旅行で飛行機に乗っていたが、運悪く何かぶつかった事によって飛行機が墜落したらしい。
「(はぁ……まさかこんな事になるなんて。てか、巨蟲列島って……ヤバいネーミングだな。どうなることやら。)……まぁいいか。取りあえず生存者を探すか。」
俺はその場を立ち上がり、辺りを見て回ることにした。そこらには飛行機の残骸やクラスメートやら担任やらの死体などが転がっており、その悲惨さが目に浮かぶ。
一体何がぶつかって、こんな大事故になったのかは分からない。けれど、只事ではなさそうだ。
「さてと、これからどうするか……そうだ。人の気配を探ってみるか。」
俺は見聞色の覇気を使って、周囲を人の気配を探る。すると、遠くに集団の気配を感じ、その方角に向かって走っていく。
「(うわ、身体軽っ!これは楽だな。それにしても凄い森だな……本当に巨虫とかいうのが出てきそう。)まぁパラサイトエンペラーよりはマシだと良いんだが。あれはマジでキモかったし。」
そんな中、俺はもう一回見聞色を使うと、今度は嫌なものが視えた。
それは人が死ぬ光景であった。
「(!これは……少し急ぐか。)」
肉体強化を使って、全速力の剃を使って森の先に出る。
そこには巨大な蝶が女の子を襲いそうになっていた所であり、蝶はそのストロー状の口を伸ばして、女の子の口とお尻に刺そうとしていた。
他にも蝶がおり、同い年くらいの連中に襲い掛かろうとしている。
「させるか……よ!!!」
ズガンッ!!と、武装色を足に纏って、力一杯にその蝶を蹴り飛ばすと、取りあえずその場に着地した。
「あ……ぇ……」
「おい、大丈夫……なわけないか。生きてるか?」
「う、うん……あ、ありがとう……。」
俺は女の子を立ち上がらせると、気配を感じて空を見上げる。すると、もう一匹の巨大な蝶がこちらに近付いていた。
「色々聞きたい所だが……まぁいいや。今は害虫駆除でもしますかね。」
この世界、案外退屈しないかもしれないな……。