遅くなり、申し訳ありませんでした。
ギリギリとPGオオムカデを身体全体の力を使って抑える大雅。後ろにいる美鈴を安心させようと笑みを浮かべるが、その身体は既にボロボロであった。
身体の手当してある所からは血が滲み出しており、アチコチから震えが来ていた。
「(くっそ!?身体のあちこちが悲鳴挙げてやがる!?回復しきれてねぇ!!)」
「お、おい!?大丈夫なのかよ大雅!?身体震えてんのに」
「大丈夫!大丈夫だから……あと悪いんだけど、あそこでヘタり込んでる、青山だったか?彼女連れて船に行ってくれ。出来るだけ早く!」
「けど、お前どうするんだよ!?こんな化け物相手に「軽く相手したら逃げるから、2人は船に急いで!」っ!?わ、分かった!」
美鈴はツバを飲み込んで頷くとと、ヘタり込んでる青山を抱えて船に走った。それを見た大雅は、流水岩砕拳のラッシュをPGオオムカデに叩き込み、森に向かって吹き飛ばした。
その後も起き上がってきたPGオオムカデを相手に、大雅は剃を使って翻弄しながら、攻撃を確実に当てて行っている。
巨大な敵を相手に戦う大雅、それを見ていた睦美達は、驚きながら見ていた。
「スゲェ……もう何見ても驚かないって思ってたけど、大雅の奴、めちゃくちゃ強いわ。」
「こ、これならみんな無事に島から出られるよね!?」
安心したのか気持ちが緩んだのか、笑みを浮かべる者たちがいる中、千歳はある違和感を感じていた。
「?」
「委員長ちゃん、どうかした?」
「涼子さん、双眼鏡貸してもらっても良いですか?」
涼子は首を傾げながらも、千歳に双眼鏡を渡す。そして、大雅の動きを見ていると「やっぱり」と呟いた。
「千歳ちゃん、どういう事?やっぱりって何が?」
「鷹村くんの……彼の動きが遅くなってる。」
「はぁ?!何言ってんだよ委員長、大雅のやつの何処が遅くなってるってんだ?」
千歳の言葉に美鈴が質問をし、全員が彼女の方を見ると、千歳は自分が感じた事を話し始めた。
「あたしがジガバチに捕まった時、彼の動きはもっと早かったわ。それに彼の動きにももっとキレがあったのに、今は息も荒いし、疲れてるようにも見えるわ。」
「何故疲れていると言えるんだ?」
「どんな人間でも休まずに運動し続ければ、疲労で身体が動かなくなる。その上で彼はあのムカデの前にオオムカデとも戦ってる。少し休んだと言っても、疲労は残ってる筈!?」
「つまりこのままだと、大雅は……」
甲斐の言葉に千歳は、ゆっくりと頷く。
「このままだと、鷹村くんは限界が来て……恐らく倒れるわ。」
千歳の言葉に皆が息を呑んだのであった……。
そんな中、大雅はPGオオムカデを船から引き離す事に成功し、森の中で木に背中を預けて座りながら肩で息をしていた。
「はぁ、はぁ……!(くそ、手足がまともに動かなくなってきた。それに痺れまで来てやがる!?長く戦うのは、無理だな……。)」
大雅は深く深く深呼吸をすると、全身の痛みが少しずつではあるが和らいで行くのを感じ、ゆっくりと立ち上がると、両手をグッパグッパとしていく。
そして、遠くの方でウゾウゾと動いているPGオオムカデを見て、両腕に力を込めていく。
「いや……出来る出来ないで考えないで、やるかやらないかだ。まずは見聞色!」
見聞色で未来を見た大雅は、即座に動き森の出口と巡視船の間に立つと、大きく深呼吸をすると全身の筋肉に最大限まで力を溜める。
受け流して砕く"柔"の流水を右腕に、打ち込んで砕く"豪"の旋風を左腕に合わせ、さらに武装色"流桜"を合わせるとゆっくりと踏み込む。
「旋風…流水…轟気空裂拳!!」
大雅が自分に迫ってくるオオムカデに向かって、正拳付きを放ち、ムカデが怯んだ瞬間に頭を蹴り上げ、そして
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」ドガガガガガガ!!!
凄まじい拳の連打を浴びせる。
2つの拳に流れる流桜によって、打撃の威力と衝撃がムカデの体内を駆け巡り、肉体を内側から崩壊させていく。
そして、オオムカデの身体は爆裂飛散し、粉微塵に吹き飛んだ。しかし、そんな中で大雅は両腕がバラバラに裂けるような痛みと異常な疲労感に襲われ、その場に座り込んでしまった。
そんな様子を見ていた千歳は箕輪と一緒に船から飛び降りると、大雅に駆け寄った。
「鷹村くん!?大丈夫!?」
「え?ああ、鳴瀬さん。いや、身体が動かねぇんだ。特に両腕は回復に時間が掛かりそうだ。」
「そ、そうなの?それより早く立って、船がそろそろ出るわ!箕輪くん、手を貸して!」
「分かった。」
「え?あ、あぁ、ありがとう。」
その後、大雅は仲間達の手を借りて船に乗り込み、船は出港した。
そんな中、大雅達を中條は遠くから船に向かって手を伸ばしていたが、その手は決して届かなかった。
何故なら彼女は今、ジガバチに捕まっており巣へと運ばれているからである。
「た……す、け……て……!だれ、か…………!」
掠れる声で必死に助けを求める中城だったが、その手を取るものは誰も居なかった……。
そして無情にも、大雅達生き残りを乗せた巡視船は出港したのであった……。
雑な終わり方で申し訳ない。
ですが、何とか完結させられました。
また気が向いたら、大巨蟲列島をやりたいと思います。
巫女さんとか……落としたい。