大巨蟲列島更新です!
睦美から話を聞いた一同は、それぞれが思い思いに休む事にした。そんな中、甲斐は真美が水着姿でポーズを取りながら写っているポスターを見た。
「しっかし真美ちゃんも災難だったすね?普通にアイドルやってれば、こんな事故に巻き込まれる事も無かったろうに。」
「そ、そうだよね?まぁでも僕は真美ちゃんとご一緒できて嬉しいかなぁ、なんて。」
「お前らなぁ少しは現状を考えろっての。大丈夫三浦さん?」
「……ごめん、ちょっと1人にして。」
そう言って真美は一団から離れて、個室に入っていった。
「どうしたんだ真美の奴?」
「何かあったのかしら?」
「なぁ、三浦さんってアイドルって聞いたけど、そんな有名なのか?」
大雅の脳天気な言葉に、一同が一斉に彼を見る。
「なぁ大雅、お前マジで真美ちゃんのこと知らないの?」
「あぁ、全く知らない。」
「私もです。」
「俺も知らねぇな?そんなに有名なのかあの嬢ちゃん?」
「こんなに知らない人いたんスか……。」
「まぁ知らなくて当然だろうな?アイドルって言っても駆け出しで、何したか知らないけど事務所から3ヶ月も出禁食らったらしいんだよ。」
美鈴の言葉に大雅達は頷き、美鈴の話を聞いているが大雅そんな中で感心したように話し始める。
「けど、アイドルってなるの大変なのに、それでも続けてるなんて凄いよなぁ。」
「そうだな!あたしもCD買ってみようかな?」
「アホか、お前ら本人いるのにCD買ってどうするんだよ。本人に生歌聞かせてもらえよ。」
大雅と松岡歩美の言葉に美鈴は呆れた様に言い、雑談をしながら時間を過ごしていたが、その話を聞いていた真美は手に力を込めて握っていた。
その後、軽く夕食を済ませた後に女性と男性で分かれてシャワーを浴び休むことにしたのだが、その後に大雅は自分達を見張るように見ている視線が気になり、皆が寝静まった後に見張りをする事にしたのだった。
「(やっぱりだ。どこからか見てやがる、けど油断しなきゃ何とかなるか。)」
大雅は自分達を見ているであろう視線の本体を覇気で探しながら、そんな事を考えていた。
まるでこちらが動くのを待つように見ている視線、それに対して警戒心を示していると、気配を感じて後ろを振り返るとそこには真美が立っていた。
「三浦さん、どうかした?」
「う、うん。少し眠れなくて……鷹村くん、お水ある?」
「あぁ、あるけど?」
大雅は荷物に入っていた水の入ったペットボトルを渡すと、真美はそれを開けて飲み始める。
「……ふぅ。ありがとう、鷹村くん。」
「何かあったか?」
「え?なんで?」
「いや、なんとなくだが変な感じがしたからよ。昼間も少し変だったし。」
大雅の言葉に真美は俯いてしまうが、真美は静かに話し始めた。
「鷹村くんは"枕営業"って知ってる?」
「枕を使った仕事か?」
「違うよ……分かりやすく言うと、仕事を貰うために身体を売るの。相手にね。」
「そんな事があるのか。意外だわ。」
「この業界では特に多いの……中には無理やりされる。あたしがそうだったから。」
そう言うと真美は自分の身に起きた事を話し始めた。
自身が出禁になったのは、人気が低迷してきた自分へのテコ入れの為に事務所が行った"枕営業"を行わされた事とその行為について。
無理矢理犯され、その時にその相手を突き飛ばした事で出禁になったという話をした。
「あたしは……あたしは枕営業するためにこの業界に入ったわけじゃない!!あたしは……え?」
大雅は真美の頭を抱き締めると、頭をポンポンっと叩いた。
「た、鷹村くん?」
「ん?前に誰かに辛いときは全部吐き出せって言われて、その時にこうされたのを覚えたからな。けど、三浦さんは強いな。そんな事をされてもアイドルやろうって思えて。」
「あ、ありがとう。でも、あたし鷹村くん見てて思った……今度あんなことされたら……玉潰すか、噛み切ってやる!!」
「かっこいいと思うし、それだけの気概があるならトップにもなれるんじゃないか?まぁ何かあれば力になるから。」
「ありがとう!アタシも必ずトップになって、全員見返してやるんだから!!」
立ち上がってそう言う真美に大雅が微笑んでいると、物陰でクスクス笑っている声が聞こえた。
「……覗き見なんて趣味悪いぞお前ら。」
大雅の言葉に桃崎、白石、青山、箕輪、小田そして救助隊以外の睦美達が出てきた。
「わ、悪い。別に覗くつもりはなかったんだよ。」
「あは、あはは……。」
「え、え〜っと……。」
「み、みんな……。」
「どこから聞いてた?」
大雅の質問に千歳が答えた。
「えっと、ほとんど聞いてた……途中から出るに出れなくなって。ごめんなさい。」
「しっかし、アイドルにハグするとか大雅も隅に置けないッスねぇ。」
「本当だよなぁ?世が世ならスキャンダルだぞ?」
「?何か問題あったのか?」
「う〜わこいつ、分かってねぇよ。その性格羨ましいわ。」
甲斐がそんな事を呆れながら言っていると、全員がうんうんと頷き、大雅は首を傾げる中で真美は先程の事を思い返して顔を赤くする。
その姿を見て美鈴と甲斐はニヤニヤしながら笑いながら見ていた。そんな時だった、パァンッ!パァンッ!という何かが弾けたような音が外から聞こえた。
『!?』
「な、なに!?今の音!」
「銃声、だったよな?誰か人がいるのか!?船の方からしたけど!?」
「みんな、ここにいてくれ!扉を閉めて待っててくれ!」
「た、鷹村くん!?」
大雅は全員にそう言うとフェリー乗り場から飛び出して、音のした方へと飛び出し、その後を睦美と千歳、真美が追う。
「お、おい!これどうするよ!?」
「と、とにかくみんなを起こそう!神野さんと松岡さんはみんなを起こして!ボクは鷹村君たちを追う!」
「俺も行くっすよ!」
「私も行く!」
「しゃあない!アタシらもやるぞ!」
「あぁ!」
「うん!」
愛と甲斐、鈴木が大雅達の後を追い、美鈴、松岡、宮園が眠っている者達を起こしに向かう。そんな中、銃声を聞いて飛び出した大雅はその中に鼻を突くようなツンとした臭いがあるのを感じていた。
「(嫌な臭いだ。鼻が曲がりそうだ……。)」
「た、鷹村くん!ちょっと止まって!?」
「ん?」
後ろから自分を呼ぶ千歳の声に反応して、足を止めると真美と千歳、そして睦美が肩で息をしながら着いてきていた為、一度止まる事にした。
大雅が止まると、3人は肩で息しながらも呼吸を整えている。
「はぁ、はぁ……!や、やっと止まってくれた……あ、あなた、少し早すぎるわ。」
「あ、足、早すぎ、です。」
「一生分走った気分……!」
「あんたら、危ないからあそこにいろって。」
「そうはいかないわ!何かあったら」
千歳がそう言うと再び銃声が鳴り響き、4人は建物の陰に隠れてその様子を見ている。そこには巨大なガザミの10匹と銃を持って応戦している2人の男女がいた。
2人は防弾チョッキを身に着けており、手には拳銃やナイフを持って応戦しているが、ガザミの硬さと数の前に押されていた。
そして彼らがいるのは、大雅達が乗ってきた救命艇であった。
「あれは、他にも人がいるなんて……。」
「というか、何とやり合ってるの?前の島にいたカニ、確かガザミってやつだよね、あれ。」
「た、鷹村くん!あの人達を助けないと!」
「……。」
睦美が必死に大雅に訴える。しかし、大雅は動かなかった。
まるで何かを警戒するように2人を見ていたからである。
そんな大雅自身も目の前でガザミの群れに応戦している2人に対して、警戒心が知らせていた。
そんな彼に千歳が声を掛ける。
「鷹村くん、鷹村くん!」
「っ!あぁ、何だ?」
「何ってぼうっとしてないであの人達を助けて!このままだと、2人とも!」
「……分かった。」
大雅は渋々と言った様子で走り出し、4匹のガザミを嵐脚でバラバラに切り裂く。
「な、お前!」
「どっから出てきた!」
「とりあえず助けるからそこにいろ。(まずはガザミを船から引き剥がすか。とりあえず嵐脚は駄目だな、船壊しかねないし。)」
大雅はそんな事を考えながらガザミに近付くと、鉄塊を纏った状態で戦う格闘技、鉄塊拳法と武装色で残りのガザミを倒していく。
「鉄塊・砕!5連釘パンチ!ナイフ!フォーク!サウンドナックル!」
5匹のガザミを軽々と倒していく。
その姿に2人は開いた口が塞がらず、呆然とその動きを見ていた。すると、大雅は残った最も巨大なガザミに視線を送る。
最後に残ったガザミ、その大きさは約4メートルほどあり、そのガザミは大雅に対してハサミを持ち上げ、身体を大きく見せて威嚇している。
そんな威嚇に大雅は深く息を吸うと、身体を低くしてクラウチングスタートの姿勢になると、ガザミに向かって跳躍する。
その右足に武装色を纏うと、ガザミの頭に向かって振り下ろす。
「鉄塊拳法・砕断!」
ズガァァンッとけたたましい音が夜の港に響き渡り、武装色と鉄塊を纏ったかかと落としを受けたガザミは、ゆっくりと倒れていき動かなくなった。
「ふぅ……。やっとこさ片付いたか。」
「鷹村くん!」
ガザミを倒したのを確認し、安堵した千歳達が物陰から現れて大雅に近付こうとする。
しかし、大雅は見聞色の覇気を発動して未来を見た瞬間に血相を変えて振り返ると、睦美と千歳を抱えて飛び退くと拳銃やアーミーナイフを真美の首に突きつける2人の姿がいた……。
人質を真美に変えました。
ご意見ご感想お待ちしてます!