大雅達を追っていた鈴木、愛、甲斐の3人は銃声がした方向、自分達が乗ってきた救命艇の停めてある海岸まで向かっていた。
「確か、銃声はこっちからだったよ!」
「もう少しで4人に追いつくっすね!」
「鷹村くん達、大丈夫かな?」
鈴木が不安げにそう言うとが、甲斐が
「大雅が着いてるんすよ!何かあっても大事にはならないと思うっすよ!前の時だって、危なくなったら助けてくれるだろうし。」
そんな事を話す3人、すると救命艇の停めてある場所から再び銃声が鳴り響き、3人は走る速度を上げたのだった……。
一方、真美の頭に銃を突きつけ、ナイフを舐めながら大雅達を見据える2人の男女、そんな彼らに大雅は睨みを利かせていた。
「それは一体どういうつもりだ?その子を離せ。」
「悪いがそれは出来ない相談だな。それにトンボ避けになる屋根付きの船なら全部出港してるんだ。」
「おかげで今、この島にある屋根付きの船はあんたらが乗ってきた2席だけ〜。」
「この女を殺されたくなかったら、そこのお前が船を動かせ。あと余計なことを考えるなよ?この女の頭が吹き飛ぶぞ。」
「こいつっ!」
「鷹村くんだめ!三浦さんになにかあったら!」
千歳が飛び出しそうになった大雅を止める。オールバックの男が撃鉄を上げて引き金に指を当てながら、そう言い勝ち誇ったような余裕の笑みを浮かべている。
その笑みに大雅はかつての敵であるヴォルトやワイアルドなどを思い返していた。
あの者たちは自身が優位に立つと気色の悪い笑みを浮かべていたが、目の前の2人の顔の笑みも同じであり、それを見ていると大雅は心の中で深くため息を吐く。
「(いるんだな、この世界にも。あぁいう奴が……俺が甘かったなぁ。現代人だから話せば分かる、なんて考えてたのが阿呆らしい。)」
「こ、こんなことして、あなた達どうなるか!」
「てめぇは黙ってろ!」
おかっぱの女が真美を殴って気絶させる。
その瞬間に大雅は2人に向かって飛び掛ろうとするが、オールバックの男が拳銃を大雅に向けて放つが、大雅にその弾丸を避けて男に殴りかかる。
「ちぃっ!法嘩!!」
「あいよ京介!」
男女は互いに呼び合うと、法嘩という女は持っていたデジカメのフラッシュを強く放つ。その光に大雅達は咄嗟に目を閉じる。
しばらくして目を開くと、3人の姿はどこにも無かった。
「三浦さん!?」
「そんな、三浦さん連れてかれちゃった!そんな、ど、どうしよう千歳ちゃん!鷹村くん!?」
千歳と睦美の横を通り過ぎると、大雅は歩き出した。
「鷹村、くん?」
「成瀬さん、織部さん。俺が三浦さんを連れ戻す。フェリー乗り場でみんなと待っててくれ。」
大雅はそう言うと全速力で駆け出した。
すると、入れ代わりで甲斐達が合流し、千歳は事情を話すと全員フェリー乗り場に戻る事にしたのであった。
夜の街を駆ける大雅、しかし、今の彼の形相は……怒りに満ちた鬼そのものであった。
『飛鳥、聞こえてるか?』
『久しぶりだな、大雅。その感じだとお怒りみたいだけど、何かご要望ある?』
『……俺の能力とスキル、改訂って出来るか?』
ーーー。
ーー。
ー。
人気の無い倉庫のような建物、そこには先程の男女……京介と法嘩と制服を脱がされ、黒の下着姿にされ吊るされ木箱の上に真美がおり、彼女は下着姿にされながらも2人を見据えている。
「……。」
「良いもんが手に入ったぜ!京介、こいつで遊んでいい?」
「そいつは交渉の材料だ。その女は奴らから荷物や船を奪うための人質、あまり無茶をするなよ。」
「ヘヘ〜!サンキュー!」
京介がぶっきらぼうにそう言うと法嘩はそう言うと千歳に近づき、頬を舌で舐めると胸を握り潰す様に掴む。その感触に真美は痛みと嫌悪感でいっぱいになる。
そんな中、真美は気丈に振る舞う。
「あ、あんたみたいな人に、従うと思ってるの?あたし達はあんた達になんか、従わないし負けないわ!」
「へぇ、気が強いねぇ?ところでさぁ、子どもの頃に先生から人が嫌がることはいけないって、習ったことあるだろ?あたしはねぇ……人の嫌がる事をするのが好きなんだよ♪」
法嘩はそう言うと真美のパンツに手を掛け、上に引っ張るとそこから溢れた尻の肉をぺちぺちッとまるで子供の尻のように叩く。
「あっ!あぎっ!や、やめ……!」
「都会の女はいいもの食ってんだな?京介、見ろよ!こいつの尻、ぷりぷりしてやがる!乳もそれなりあるしなぁ!」
「このっ!やめっ!」
胸を揉まれながら、尻を弄り回され身体をくねらせる事しかできない真美、そんな彼女を嘲笑うように囁く。
「お前ら都会の人間ってさ、どうせ男とやりまくってるんだろ?」
「な、何を!?そんな事、してな、んぎぃ!」
「そうか?こんな助平な身体してるんだ、やっぱり男は寄り付くだろう?それとも、あんたから誘ってるのか?」
ブラの上から乳首を捏ね回し、首筋を舐めながら法嘩は囁く。そんな中で京介は興味なさげに武器の手入れをしている。
「し、してない、わよ!変な事言わないで!」
「ふ~ん?まぁいいや。それより、あんたらの仲間で誰が船を操縦できるのか、教えてくんない?そうしたら、も〜っと気持ちよくしてやるよ。」
耳の中に舌を入れながら身体を弄ぶ法嘩に身体を震わせる真美、その手管に身体が少しずつ快楽に落ちそうになるが、彼女の頭に仲間達の顔が浮かび、真美は法嘩に笑みを浮かべながら反論する。
「あんた、達の言うとおりになんか……誰がなるものですか!わたしは仲間を、みんなを売ったりはしない!」
「へぇ?そうかい。なら、もっと凄いお仕置きをしなきゃね!」
そう言って法嘩は箱の蓋を蹴って開けると、そこには大量のミミズが入っており、それを見た真美の顔が青褪め、息を呑んだ。
「こ、これは!?」
「食用のミミズさ。なんでコイツラまででかくなっちまってなぁ……んじゃあ、コイツラにイカれされちまえ。」
「そ、そんな……い、いやあぁぁぁぁぁ!!?」
真美が悲鳴を上げる中、法嘩は笑みを浮かべながらナイフで縄を切る。その瞬間、扉が吹き飛び凄まじい速さで何かがミミズ風呂に落ちそうなった真美を救い出した。
「な、なんだ!?」
「あいつは……」
「え……た、鷹村くん……?」
真美は自分を横抱き(お姫様抱っこ)にしている大雅を見て呟く。
そんな彼女に大雅は優しげに微笑むと、彼女を床に座らせ、京介と法嘩の方を見る。2人は大雅に向かって武器を構える。
「お前、なぜここが分かった?島の外の人間には分からない筈だが?」
「……。」
「おい!なんとか言えよ!!人のお楽しみを邪魔」
京介と法嘩の言葉に大雅は言葉ではなく、殺気と"覇王色の覇気"で返した。
「「っ!?」」
全力の覇王色の覇気、それを直接肌で感じた2人は腰を抜かしてしまうが、大雅は覇気を全開にしたまま2人に近付く。すると、建物のアチコチが軋み始めた。
凄まじい威圧感、そして圧し殺されそうなほどの殺気に2人は、まるで冷凍庫に入れられたような寒気を感じて身体を震わせるが、そんな2人に、大雅は静かに身体に怒りと力を込める。
「お前ら、舐めたマネしてくれたな?仲間に手ぇ出したんだ、覚悟できてんだろうな?」
「は、はぁ?よそ者のくせに、偉そがばっ!?」
法嘩が大雅に噛みつくようにそういった瞬間、大雅は彼女を殴り飛ばした。吹き飛んだ法嘩によってミミズの入った箱はバラバラに砕け、後ろにあった壁に叩きつけられた彼女は、鼻と口から血を吹き出し動かなくなる。
「法嘩!?……っ!?」
「……三浦さん、帰るぞ。みんなが待ってる。」
「え……?あ、う、うん」
「待て!?」
京介は背中を自分に向けている大雅に拳銃を向けた。
しかし、大雅は全く意に返しておらず、完全に無視していた。
「三浦さん、織部さん達が心配してる。早く帰って安心させ」
「無視するな!こっちを見ろと言ってんだ!?法嘩に手ぇ出しやがって、タダで済むと思ってるのか!?」
京介の叫びに大雅はゆっくりと立ち上がると、彼の方を見る。
覇気を込め、鋭い目つきで睨みつけた。
「失せろ、死ぬぞ?」
「!!?」
大雅の凄まじい覇気が京介に集中したことで、彼の身体は感じたことの無い恐怖に襲われた。いかに武装していようと無かろうと、大雅と彼では全てが違っていた。
「今、この場でそれをしまうのなら見逃してやる。だが、その玩具の引き金を弾けば、テメェを潰す。」
「う、うわあぁぁぁぁ?!!」
大雅の言葉、それが決してハッタリではないという事を完全に理解し察した京介だったが、彼は震えて叫びながら大雅に銃弾を2発放つ。
そんな弾丸を指で弾いた空気で弾くと、大雅は間合いに入り拳を彼に向かって振り抜く。
「っ!!?」
「言ったろうが、弾けば潰すと。」
防弾チョッキなど意味を成さない重い大砲のような一撃が、彼の身体に刺さり、京介は吹き飛びその場に沈められる。
2人の始末を終えた大雅は部屋の中にあった武器となりそうなモノを破壊し、残ったマシンガンやナイフを回収すると、真美に近付いた。
「た、鷹村、くん……」
「嫌なものを見せたな。すまない、それよりみんなが待ってる。ここを出るぞ。」
「う、うん……。」
困ったように優しく笑う大雅に真美は戸惑いながらも、取られた服を取り戻して着替えてから、彼の後を追った……。
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