大雅side
カマキリの群れやアナコンダとの死闘を終えた俺は、全身傷だらけになりながらも、三浦さんたちに助けられた俺は今小学校のベッドにて休まされている。
そんな中で大雅は飛鳥のいる精神空間に来ていた。
「はぁ……まさか、虫と蛇に殺られかけるとは。俺も慢心が過ぎたな。」
「その割には全部倒すとか、お前のほうがやばいわ。」
「いや、今回の戦闘で良くわかったよ。スキルが多くあっても駄目だわ。いくつかに纏めて使えるようにしないと駄目だわ。それと、スキルや異能に頼るんじゃなくて、自身の体とかも活かさないと。」
「そう考えるようになるなんてな?長いこと異世界に転生してた影響かな。」
「まぁそうだろうな……それよりも、これからどうするかな。このままスキルを持ってても扱いきれるか分からんし、かと言ってどれを手放せばいいかわからんし。
飛鳥、どうすればいいと思う?」
大雅の言葉に飛鳥がう~んっと唸ると、彼はある考えを申しでた。
「なら、大雅。スキルの融合をしてみないか?」
「スキルの融合?」
「そうだ。今の君が持っている有り余るスキル、それを一つのスキルに融合して扱うんだ。そうすれば、技を使うたびにそのスキルも攻撃や防御に付与されて、更に強くなる。
本来は頼まれたときにすべきだったんだが、あの時はてんてこ舞いでな。今なら出来るぜ。」
「分かった。ならしてくれ。」
飛鳥は頷くと俺の胸に触れて、俺の中のスキルを混ぜていき、バラバラだったスキル達はEXスキル"武術家"へと混ざっていき、しばらくすると"武術家"のスキルは新たなスキル"拳聖"と変わったのである。
さらに魔眼のスキルも同じように混ざっていき、"闘眼"となったのが頭の中へと流れ込んできた。
「大雅。これでスキルの方は進化が終わった。武術家は拳聖へ、魔眼は闘眼へ進化し終えた。」
「そうか、ありがとうな飛鳥。」
「どう致しまして。んじゃまぁ、無理しないように頑張ってくれ。」
飛鳥はそう言うと消えていき、俺も後ろから指してきた光に向かって歩き出した……。
●●●●。
大雅が頭と身体に包帯を巻かれながら、静かに眠りにつく中、彼の様子を見守っていた真美は静かに隣りに座っていた。
「鷹村君……。」
「何湿気た顔してんだよ。」
「美鈴……。」
部屋に入ってきた神野美鈴に真美が顔を向けて、返すもすぐに大雅の方を見て、話し始める。
「……私達、鷹村くんや織部さんにばかり無理させてるって、今更だけど思ってるの。」
「そりゃあ、大雅と虫女には助けられてるわな。
けどさ、だからってあたしらが何か出来るか?
まぁ……心配しかできないのは嫌だけどよぉ。」
すると、そんな中で真美が美鈴に訪ねた。
「そういえば、美鈴……鷹村くんのこと好きなの?」
……………………………………。
「は、はぁ!!?!お、おま!?何いってんだよ!?
そ、そりゃあ確かに顔良いし、強いし、頼りになるけど好きになるわけねぇだろ!?
男なんて股開いて誘えば来るんだよ!?」
「いや前半褒めてたよね?それって好きってことなんじゃないの?」
「っ!!?う、うるせぇ!!それ言うなら、お前はどうなんだよ真美!?」
「そ、それは……好き、なのかもしれない。
彼って抜けてるようで、頼れるし、美鈴が言ったように結構かっこいいしね。」
「なっ!?」
まっすぐ大雅を見ながらそう言う真美に驚く美鈴、いつもならば自分を恐れる筈の彼女だったが、今ではその様子が見られない。
そんな彼女に美鈴は慌てながら、彼女を止めに入る。
「お、おい真美!こいつはあたしのだ!勝手に手を出したら!?」
「あれ?でも美鈴って今まで好きな人っていたっけ?
それなのに、なんで鷹村くんはだめなの?」
「そ、それは……!と、とにかくこいつは駄目だ!
虫女だろうが、委員長だろうが、誰だろうがこいつは渡さねぇ!!
大体、アイドルなんだから恋人作んなよ!?」
顔を紅くしながら全力で奪取しようとする美鈴に真美は、楽しげな笑みを浮かべていた。
その笑みはアイドルということの強みからなのか?
「大体、お前にはなぁ!?」
「美鈴には関係ないと思うんだけど?」
「ん……うぅーー…ん、ふぁ〜〜ぁ!良く寝た。」
「っ!?大雅!?」
「鷹村くん!?」
「あぁ、三浦さん。美鈴さん。ここは保健室か?だいぶ寝てたのか?」
「うん、結構寝てたよ。身体大丈夫?何か変な感じする?」
「いや、特には何も。まぁ強いて言うなら……腹減った。何かある?」
「あ、別室に置いてある荷物に食べ物が入ってたと思うけど、なにか食べる?」
「あぁ、そうす……いや、後にした方が良さそうだ。
お客さんが入って来たみたいだしな……。
ここを頼む。」
大雅はそう言うと、保健室を出ようとしたが、何かを思い出したのか真美に話し掛けた。
「三浦さん。」
「ん?何?」
「運んでくれてありがとう!嬉しかったよ。」
大雅はそう言って微笑むと真美は一瞬呆然とするが、その様子を見ていた美鈴は、何かを感じていた。
「なっ!?い、今のって……。」
その頃、大雅は校門に向かっていた。そして、入り口を見てみると、そこには開いたままになっている正門があった。
大雅はすぐにエコーロケーションを使って周囲のマップを読み取ると、即座に正門を閉めて教室の方へと向かう。
「くそっ、数は4!しかも、2匹入っていやがる!」
すでに小学校には、人を喰う虫が入って来ているのであった……。
それは大雅が眠っていた頃、小学校の窓からカマキリが覗いているのが見え、一同はあたりを警戒していた。
けれども、己の身が可愛くなった年寄り達は学校を飛び出したのである。
そんな中で小学校の担任の先生が生徒の2人を護ろうと教室に隠れていた。
「先生……。」
「大丈夫!先生が付いとるから、大丈夫!」
「先生、震えとるやんか!便所行くんか?」
「「……ぷ!あはは。」」
男の子の言った何気ない一言が2人を僅かに安心させる。そんな中、突然扉がコンコンっ!コンコンっ!と叩かれる。
「っ!?先生が見てくるから、あんたらは動いたらいかんよ?」
先生が扉に近付き、ゆっくりと開けるとそこには誰も居なかった。その事に一瞬気を取られた瞬間!!
「っ!?きゃあぁぁぁぁ!!?」
カマキリが現れ、先生を捕えたのである。
そんな中で先生は2人に向かって叫んだ。
「元くん!!?みわちゃん!!!?逃げてぇぇぇぇぇ!!!」
「「先生!!?」」
大好きな先生が怪物に喰われる……。
そんな未来を幼いながらに想像した2人とそんな2人に無事に逃げて欲しいと本心から願ったその時。
「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
叫び声と共にカマキリのみを殴り飛ばし、先生を助けた人物がいた。
それは……島の外から来た青年、大雅であった。