次回も遅くなります。
翌日の早朝5時、大雅達は小学校を拠点に今後の事をどうするべきかを話し合っていた。
葵を医者に診てもらう為には、3つ目の島である辰野大島まで行くしかない。しかし、海に出るには船が必要な上に、海には巨大な魔物がいるらしいのだ。
その魔物によって、船は破壊された上に海に落ちた者達も食われてしまったらしい。
「海の魔物って、そんなのがいるのか?」
「間違いねぇ。俺達もこの目で見た!船を襲って、人を喰らうあの怪物を!」
「海の魔物……そんなのまでいるのか。船で移動するとなると、海も危険になっちまうな。」
島民の男達(岸田、水嶋、木田)の言葉に睦美や大雅達は黙ってしまう。
そんな中、美鈴が大雅にもたれ掛かりながら笑みを浮かべる。
「大丈夫だって。こっちには大雅がいるんだ。海の魔物だろうがなんだろうが相手にならねぇって。」
「美鈴……。鷹村くんにばかり頼れないよ。どんな生き物かも分からないのに。」
「何言ってんだよ真美、大雅は今まで無事に解決してきたんだぜ?こんくらい余裕だよ、余裕♪」
「(単細胞……。)」
「それはそうと、船が出せる出せない以前に船あるのか?」
「あぁ。船を整備出来る奴がいる。いるにはいるんだが……。」
「なにか問題が?」
「女好きなんだよ。頭が痛くなるくらいにな。そこがなぁ……。」
頭を抱える島民達に、不安が増していく大雅達。
そんな人物がいる所に行かねばならないのかと、一同はため息を吐いた。
「と、とにかく行くだけ行ってみましょう。もしかしたら協力してくれるかもしれませんし。」
「いや、睦美ちゃん。不安しかねぇんすわ、普通に。」
◆◆◆
日差しが出て来て、蒸し暑くなっていく午前中。
一同は大雅を先頭に、前後左右を銃や武器を持った者達が囲む形で歩いていた。
周囲には植物が鬱蒼と生えており、大雅は前の植物を手刀で斬りながら進んでいる。
「あっつい。汗止まんねぇ。」
「確かに、ちょっと暑いな。みんなもう少ししたら開けた場所に出るから、そこまで水は我慢しよう。」
「ん?おい、あれなんだ?」
甲斐が指差した先を見ると、何かが木に引っかかっているように見えたが、よく目を凝らして見た瞬間、全員が顔が真っ青になった。
「あ、あああ、あああ!!?」
「ミツオ!ミツオぉぉぉぉ!!?」
木に引っかかっているように見えるそれは、木に貫かれている男性であった。大雅が月歩で近付き、呼吸を調べるも既に絶命していた。
大雅は男性を抱えて降りた。
「鷹村くん!?」
「駄目だ……。既に事切れてる。」
「睦美ちゃん、これも虫がやったんすか?」
「いいえ、虫にああいった習性の物はいないと思います。多分、“モズ”ではないかと。」
「「「「モズ?」」」」
「スズメの一種です。昔山を散策していた時に見たことがあるんです。これは多分、モズの早贄かと。」
「モズの早贄?なんだよそれ。」
「木にトカゲや昆虫を差して、繁殖期や冬の時に備えて取っておくんです。これは、モズの習性です。」
「お、織部さん、つまりそれって……人をこんな風に出来る大きな鳥がいるってこと?」
「はい。」
睦美の言葉に全員が言葉を失う。
巨大な虫にアナコンダ、カメレオンにヒクイドリ、それに加えて海の魔物に巨大な鳥までいるという状況に全員が冷や汗を流し、顔を青ざめさせる。
「先を急ごう。開けた場所に行けば、何とかなるかもしれない。」
一同はミツオという青年を地面に埋めてから、再び先を進んだ。
そして、森が終わると思った時、突然大雅が足を止めた。
「鷹村くん、どうかしたんですか?」
「建物がある。小屋みたいな物だ。」
「香の小屋じゃ。」
「香?」
「女好きな奴がいるって言ったろ?そいつの小屋じゃ。」
岸田がそう言って小屋に近付き、小屋のドアノブに手を掛けた。すると、鍵は開いていた。
「香、居るんか?居るんなら……話……!!?香!!?」
「どうした!?なっ!これは!?」
「「「「なっ!?」」」」
全員が見たもの、それは巨大なトラバサミの様な植物。食虫植物のハエトリグサに挟まれて骨だけとなった下総 香という男の白骨だった。
白骨を見た瞬間、真美達が卒倒して倒れ込みそうになるが、大雅達が支えて横にさせる。
「何じゃこれは……!?なんなんじゃこれは!!?」
「……本物の人の骨だ。それに、こいつはハエトリグサだ。これだけデカいと消化も早いんだろうな。」
「こんなハエトリグサ、見たことありません!サイズが異常です!?」
「とりあえず、こいつ退かしとくか。あると危ないしな。……ナイフ!」
大雅はナイフでハエトリグサの根本を切り、海へと放り投げる。そして、完全に腰を抜かしている面々を他所に建物の中を調べる。
すると、小屋には中型サイズの船が2席用意されていた。
「(船は問題ない。いつでも動けるようになっている。しかし問題は全員を一度には運べないって事だな……2席使って2回往復出来ればイケるかもしれないが……。)」
大雅がどうするかを考えていた時、パシンッという乾いた音がして向かうと、目を覚ました真美を美鈴が平手打ちしていた……。
コメント待ってます。