ヤバい鳥が出てきます。
好戦的に爪を動かして大雅と対峙するタガメは、今腹を空かせており、目の前の大雅を餌として認識している。
「(さぁて、相手は水生昆虫。なるべくサクッと倒すか。時間掛けたくないし。)嵐脚、凱鳥!」
大雅はタガメが貯水池に入る前に、タガメに向かって嵐脚を飛ばす。
その一撃にタガメは大きく切り裂かれて吹き飛び、苦しげに悶えるが、大雅は構わずに接近する。
「“死音”。」
タガメに死音を使い、とどめを刺した大雅は貯水池に潜っているミズカマキリにノッキングを仕掛けて、沈めていく。
「よし、こんなもんだろ。嵐脚の威力上がってるな……やりゃあ出来るもんだな。」
大雅も施設に入ると千歳達と合流する事にした。
「お~い!成瀬さ〜ん、甲斐〜、双子の人達〜!どこ〜?」
「大雅〜!」
「あ、甲斐たち。バッテリー見つけたのか?」
「まぁな。大容量のが2つ有ったから、これで船もすぐ動くだろ。」
「そうだな。これで島から出れるな……みんなの所に合流しよう。」
「「「「えぇ!/おう!/オッケー。」」」」
大雅達は雨が降る前に大容量バッテリーを持って、睦美達の組へと戻ることにした。
そんな中、天候は悪い方へ傾き掛けており、今にも雨が降りそうになっていたが、大雅達は来た道を早足で戻りながらヤンマや他の生き物たちに気を付けながらガレージへと戻ってきたのであった。
「千歳ちゃん!みんな!」
「睦美、みんなお待たせ!バッテリー見つけたわ!」
「坊主たちも戻ったか。しかし、外は雨が降ってるから雨が止むまでは出港は出来ない。その間は船に誰を乗せるかを決めよう。」
「無雲兄妹は優先だろな。妹さんを病院に行かせないといけないし。」
「あぁそれなんだが、無雲さんの妹さんなら1度目を覚ましてからまた寝てる。少しずつではあるが回復しているようだ。」
「じゃあなるべく女子ども優先にするか?それなりに大きいボートだから多人数乗れるぞ。」
「そうなると、2席合わせれば全員乗せれるから一回で済みそうだな。けどまぁ、問題はヤンマの群れと海の魔物ってやつっすね。病院のある島まではどれくらいで着くんすか?」
「この近くの島までは船で30分あれば着く。けど、空のトンボ達や海からの怪物に気を付けながらだと時間は掛かるし。」
「その点は大雅が何とかするだろ?なぁ、大雅。」
「擦り寄らないで。まぁ、やれる範囲でやるよ。」
雨が止むのを待つ間にバッテリーを船に繋げて、いつでも出港出来るように準備を行っていた。
そんな中、鳥の羽ばたく音が聞こえ大雅達はガレージの中に避難すると、1羽の巨大なカラフルな鳥が現れ、大雅はその鳥を見て、顔を青ざめさせた。
「大雅、大丈夫か?顔色悪いぞ。」
「みんな、ここに来る前にモズの早贄を見たろ?あいつがその主、毒モズだ。」
「「「「「「「毒モズ!?」」」」」」」
大雅は現れた毒モズ、ヤドクガエルと同じ程の毒を持つ“ズグロモリモズ”を見て、冷や汗を垂らし、ズグロモリモズが羽ばたいて離れていくのを見守るしか出来無かった……。
ズグロモリモズ、本来はニューギニア島に生息するスズメ目の鳥であり、世界で初めて「毒を持つ鳥」として発見されたことで知られ、その羽や皮膚にヤドクガエルと同類の強力な神経毒(バトラコトキシン)を蓄えている。
その毒は触れただけで死に至る程の猛毒であり、迂闊に近付くことも出来ないのである。
ズグロモリモズが飛び去ったのを見た大雅達は、ふぅっと安堵のため息を漏らす。
「あんなヤバい鳥が何で日本にいるんだよ。」
「さぁな。何かマジで触りたくなかったから助かった……。」
「皆さん、今のうちに避難の用意をしましょう!」
睦美の言葉に頷くと、一同は船を出すのであった……。
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