僅かな仮眠を取ると、大雅は他の皆を起こすためにそれぞれの寝床に向かった。
そして全員が起きると、早速移動を始める事にした。
「ったく、疲れてるんだからもう少し寝かせろっての。」
「そう言うなよ。今は先を急ぐのが大切なんだよ。それで、織部さん。俺らは何処に行けば良いんだ?」
「実はこの島には医療施設がありますので、そこに向かいます。先頭は鷹村くん、お願いします。」
「分かった。んじゃ、皆取りあえず行くか。」
そう言って大雅達は動き始めた。
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鳴瀬千歳side
今私たちは睦美のガイドと伊能さんが作ったで医療施設に向かっている。
正直、生き残れるとは思ってなかったけど、これは睦美と鷹村くんのおかげね……。
そう言えば、鷹村くんには助けられたわね。
蝶の時や蜂の時とかもそうだけど……顔立ちは整ってるし……何だか見てて安心するというか……!
な、何を考えてるの私は!?
今はそんな事よりも先に進まなくちゃ!
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松岡歩美side
薄暗い夜道を鷹村たちの先導で歩いていく。
こんな暗い道、良く分かるよな?
それにしても、鷹村の奴は普通とは何か違うんだよなぁ。
何か、安心するっていうか。
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織部睦美side
鷹村くんが先に歩きながら、遮蔽物などを教えてくれる。何より危険な虫などがいれば即座に助けてくれる。
何というか彼は、"あの人"と同じくらい安心する感じがします。
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甲斐side
いや~マジでどうなるかと思ったが、大雅と睦美ちゃんのおかげで助かったわ。
てか、人の名前も知らないのに平気で助けに入るとか、大雅はお人好しなのか?
まぁでもそのおかげで、こうして生きられる訳なんだが……まぁ、良い奴みたいだし感謝しとくかねぇ。
ま、どうせ最後は……。
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白川side
生き残れた。このまま、無事に帰れるのかな?
皆で……帰りたいなぁ。
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小田side
ま、真実ちゃんも他の皆も無事だ。
これなら何とかなるかもしれない。
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柘植side
あぁ、生きて帰ったらラーメン食いてぇ~。
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伊能side
鷹村くん達のおかげで何とか森の中も進んでいけてる。
彼が加わってから皆、少しではあるけど元気になって来てるのが分かる。
それにしても、鷹村くん、かぁ。
カッコいいよねぇ……まぁ初めて会った時は驚いたけど、凄く好い人だって分かったし、今度話をしてみよっと♪
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三浦side
皆で薄暗い森の中を進んでいく。
でも、私たちはまだ生きていられる……あの鷹村って人が来たおかげで、虫からも何とか生き残ってられてる。
でも、あの人は私の事を知らなかった。
まぁ、それは何だかショックだけど……でも、それなら彼を利用できるかもしれない。
その時は……。
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神野side
ヤバい、アソコがまだ疼く。
あんな風にされたの初めてだったなぁ。何か今までヤった男が小さく見えてきた。
アイツの……大雅の結構良かったし、何よりあんなにイカされたの初めてって気がする。
また時間と、委員長達の目がなければまたシタいかも、てか、絶対にするわ♡
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上條side
くそっ!気に入らねぇ!
まるで自分はリーダーですって面しやがって、アキラを助けた事には感謝するが、それでも……!
あの野郎……鷹村は邪魔だ。
俺がリーダーになるには、奴を消さないと意味がねぇ!
ぜってぇ諦めねぇぞ!
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全員が森を抜けると、目の前には一際大きな白い建造物が見えてきた。
そこには"シンメイ製薬 メディカルセンター"とあり、それを見て、全員が安堵の溜め息を漏らす。
「スゲェ……想像してた診療所とは大違いだ。」
「そうだなぁ、てか、虫と遭遇しなきゃ簡単に来れたわ!」
「ここなら安全だよねっ!」
皆が安堵の溜め息を漏らす中、大雅だけは鋭い目で睨んでいた。
「鷹村くん、どうかしたの?」
「これ……何か違う気がするんだよなぁ。」
「?何が違うの?」
「良く分からないんだが……何だが研究所って感じだ。それに……何か嫌な予感がする。」
一抹の不安を覚えながらも、一行は建物に向かって入っていき、中へと入っていった。
「うわぁ、大きな水槽。何が入っていたのかな?」
「何か巨大な海洋生物とか?エビとか。」
「ちょっ!鷹村くん、それは今冗談にならないって!」
「そうか?「おい、鷹村!」ん?」
「アキラを助けるにはどうすりゃあ良いんだ?!」
大雅は眠っているアキラに近付くと、上條に伝えた。
「一応解毒はしてあるが、まだ残ってる可能性がある。身体の外に薄めて出すには、生理食塩水を持ってきてくれ。あと、点滴のセットも頼む。」
「分かった!アキラ、待ってろよ!」
上條がアキラを起こすために生理食塩水を探しに行く中、甲斐と小田の2人は室内を探索していた。
「か、甲斐くん。不味いよ、勝手に動いたら。」
「大丈夫大丈夫♪その時は大雅に助けてもらうさ。」
そんな中、パソコンが沢山ある部屋に着くと一台のノートパソコンを見つけて使おうとするが、ネットには繋がっていなかった。
「おいおい、これじゃあ意味無いっしょ。」
「か、甲斐くん。あれ……?」
「ん?」
甲斐は小田が見つけた扉を開けると、そこには下り階段があり、ゆっくりと降りていく。
そして、その先にある部屋であるものを見つけたのであった。
「お、おい!おいおい!?これって!?」
一方、生理食塩水と点滴のセットを持ってきた上條が駆けつけてきた。
「鷹村ぁぁ!あったぞ!!」
「ナイス。よしやるか。」
暗闇の中、何とか点滴を指していく大雅。
血管に上手く差し込み、何とか処置していく。
そんな中、白川が声をかけてきた。
「鷹村くん。手伝おうか?」
「ん?白川さん、出来るのか?」
「う、うん。家におばあちゃんが居るんだけど、糖尿病の注射で何度かやったことがあるの。」
「んじゃ手伝ってくれ。反対側を頼む。」
2人で何とか協力していく中で、点滴の針を指していく。
そんな中、突然電源が着いた。
「お!明かり点いたか。」
「甲斐くん!小田くん!」
廊下の向こうから段ボールを持った2人が歩いてきた。
「いやぁ、地下に有った自家発電を動かしてきた。あと、腹減ってるっしょ?」
「食べ物見つけてきたよ!」
「おぉ!おめぇら使えるなっ!」
「おし、んじゃあ菓子も食べるか?甘いものあるけど。」
「「てめぇ先に言えこら!!」」
そんなこんなで食事を取って少し休むことにした。
そんな中、大雅と睦美は疑問を持ち始めていた。
「鷹村くん。」
「ん?何だ織部さん。」
「ここ、変じゃない?安全な筈なら職員が誰もいないの?電気も食料もあるのに。」
「……確かに妙だな?普通ならここに籠って助けを呼べば良いだけなのに。何故誰もいない?」
電気もあり、食料もあり、外にいる虫からも逃げられる。
ならば何故、誰も職員がいないのか。
2人はその事が疑問で仕方なかった。
「うっ……」
「っ!おい、アキラが!」
「……脈も落ち着いてる。そろそろ目を覚ます筈だ。あとは……!?」
「鷹村くん?!」
「羽音だ。何か外にいる!」
愛の発言に大雅が外を見る。
確かにそこには空を飛ぶ蟲の影があった。
「え?!本当だ!何か飛んでる。けど、ここなら安……全……!」
「「「?」」」
「み、みんな……うし、うし、後ろ……!!」
震えながら指を指している愛の言葉に全員が後ろを向くと、そこには"巨大なカニ"が5匹いた。
「なっ!?こ、こいつらどこから!?」
「こいつらは"ガザミ"だ!」
「ガザミっ!?なにそれ大雅!!?」
「カニの仲間の甲殻類だ。ハサミの力が強くて攻撃的な上に雑食。その上、あのハサミに挟まれたら、俺らの身体はバラバラになる!」
「「「っ!?」」」
そんな時、ガタンっと窓の外から大きな音が響き、後ろを見るとそこには巨大な蟲が止まっていた。
「なっ!?」
「何あれ!?」
「へ、"ヘビトンボ"!?」
「おいおい、前門に凶暴ガニ、後門にはデカい虫!?俺ら逃げ場ねぇじゃねぇか!?」
「……いや、柘植。一つ良いことがある。」
「え?な、なんだよ!?」
「ガザミは別名ワタリガニって呼ばれててな?これが旨いんだ……じゅるり。」
「「「アホかてめぇは!?」」」
大雅の発言に珍しく、松岡、上條、神野が重なった。
「まぁ、冗談はさておき……お前ら出来るだけ逃げるようにしな。こいつらは俺がやる!!」
大雅はそう言うと、ガチンガチンっと手をこ擦り合わせる。
狩りが始まる……。