※この作品はR-18です。

年若い領主様が姉のように慕ってたメイドさんのおもちゃにされる話   作:ねこすけ#

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おおよそタイトル通りのものを、ひたすら性癖を叩きつけるように書いた。
メイドさんへの欲望。男受け。耳舐め。マゾ精神。おおよそ全部ぶち込んだ気がする……


要するにメイドさんはエロいということだ。


年若い領主様が姉のように慕ってたメイドさんのおもちゃにされる話

 ───僕は彼女のご主人さま(玩具)だ。

 

 

 

◇

 

 

 

 今日も一日が終わる。

 領主の仕事のために日中は外に出て、領地に新設する施設や果樹園の視察、商人との話し合い。それらを終え、屋敷に帰って書類をまとめていれば、あっという間に日が沈んでしまっていた。

 最近は日が沈むのも早くなった。肌寒さこそまだ感じないが、そろそろ冬が訪れるのだろう。そんなことを考えながら母や妹と食事を摂り、食後は茶飲みに付き合ってやる。

 

 一年ほど前まで母は、食後に茶ではなく酒を飲んでいた。母、そして父の趣味だ。両親は珍しい葡萄酒を集めることを好み、食後にはそれを飲みながら一日のことを話すのが二人の『お決まり』のようだった。

 しかし父が亡くなって以降、母は体調を崩してしまった。今は体調を保つために薬を飲んでいるが、それとの兼ね合いで医者に酒を止められてしまっている。

 そこで自分は、代わりに茶を飲むことを提案した。紅茶でも、薬草茶でも何でもいい。好みの茶で、『お決まり』を続けようとそう言った。

 母は喜んで、その提案を受け入れてくれた。

 

 幸いなことに、自身はそこまで酒を好んでいない。食後に茶を飲むことに大きな苦はない。

 妹は酒好きであったため、多少は文句が出るかと思っていたが、流石にそこは母を気遣う方が勝ったらしい。文句を言うこともなく、『お決まり』に付き合ってくれている。

 そのため、食後の葡萄酒の代替として茶を飲んで話すことが家族の新たな習慣になっていた。

 今日一日の話を聞かせてやると、母は笑う。

 ───お父さんの仕事、ちゃんと熟せるようになったじゃない。これで貴方は立派な領主よ。

 母がそう言うと、妹が頬を膨らませて批判する。

 ───お兄ちゃんはまだまだだよ。昨日だってね、書類仕事で間違いがね!

 その言葉を聞き、母がまた笑う。釣られて僕が笑うと、面白くなってしまったのか、妹も笑い出した。

 

 そんな時間が終わると、みな解散し、各々自由な時間を過ごすことになる。

 母は部屋に帰って本を読むだろうし、妹はおそらく使用人に酌をさせて酒を飲むか、それか領主の仕事の勉強でもしているのだろう。他にすることはないのだろうか? 領主の右腕としては頼れる妹なれど、少しの心配が頭に過ぎった。

 

 

 浴場でさっと湯浴みを済ませ、僕も部屋へと向かう。

 他にやるべきこともないし、僕は趣味らしい趣味も特に持っていない。酒も嗜まなければ、本を読むことも少ない。そして夜、市井を遊び歩くような真似もしない。なら必然として、あとはベッドに横たわり、身体を休めるだけだ。

 そして朝早めに起きて、また領主の仕事を消化していく。それが正しいサイクルだろう。

 

 しかし、そうなったことはほとんどない。

 父が死に、後継ぎとして僕が領主となってからの三ヶ月の間、僕は夜遅めに眠り、朝は可能な限りベッドにしがみつく生活を送っている。

 

 何故か。

 言うでもなく、その理由は明白だった。

 自室の扉を開けた向こう。誰も居ない筈のそこはしかし、それに反して蝋燭の薄明かりで満たされている。

 扉を開けた目の前に、その理由が立っている。

 

「お帰りなさいませ、ご主人さま」

 

 僕よりは背が低く、細身な身体。肩口で揃えた桃色の髪を揺らし、白と黒のメイド服の先からは、綺麗な肌白の手足を覗かせる。

 薄ぼんやりとランタンの灯に照らされた、その整った顔(かんばせ)には、見た男を虜にする妖艶な笑みが浮かんでいる。

 

 ジュスティーニ家女使用人、ルミネスカ───ルミネが、僕のことを待っていた。

 

「では、始めましょうか」

 

 長手袋に包まれた左手が、一方向を示している。

 言うまでもない。その先にあるのは僕のベッドだった。

 

 促されるがまま僕がベッドへ向かうと、彼女は両手で肩を掴み、僕をベッドへと押し倒した。

 ベッドの上。仰向けの姿勢で彼女の顔を見上げれば、髪と同じく桃色に染まった両眼が、暗く、蕩けた感情を湛えて僕のことを見つめていた。

 

 

 そして、今日も始まる。

 僕の贖罪が、彼女の復讐が。

 玩具としての夜が、始まる───。

 

 

 

◇

 

 

 父が死んだ。

 そう聞いたのは、ちょうど三ヶ月前。夏真っ盛りの頃のことだ。

 僕は領主の後継ぎになるための勉強中で、ちょうど屋敷の中にいた。一つ下の妹や母親も別の理由で屋敷にいたため、その報告は同時に耳にすることになった。

 

 死因は事故。正確には自然災害に因るものとのことだった。

 山際の葡萄園の視察の最中に土砂崩れが発生し、農夫や近隣住民共々生き埋めになり、死亡。

 行方不明や推定死亡ではなく、遺体も確認されているらしい。自分は遺体が運ばれるのに先駆ける形で伝えにきたのだと、伝令は言った。

 

 原因はおおよそ推測できており、近頃多かった雨のせいか地盤が弛んでいて、そのせいで起きたであろう事故とのことだった。

 今までそのような事故は起きていなかったため、推定することも難しかっただろう。

 準備不足、軽率だったなどと誰かを責めることはできない。起きるべくして起きた、不幸な事故だと結論づけられた。

 

 父の死を聞いて、母は悲しみに暮れ、そのあまり体調を崩してしまった。

 元から持っていた持病が悪化したのだ。すぐに命に関わることではないが、薬が欠かせない身体になり、暗い表情を浮かべるばかりになってしまった。

 

 僕は、悲しみに暮れる時間もなかった。領主が死んだことにより、息子である僕はすぐにその後を継ぐことになった。

 領主という立場。貴族としての財産。屋敷の管理。数え切れないほどの重みが、亡くなった父から自身へと移行してきた。

 

 幸い、領主としての学習はかなり進んでいた。父からも引き継ぎは受けていたし、他ならぬ父の手により、引き継ぎのための資料が用意されていた。

 それを読み、学びに励めばどうにかなるだろう。指導係からもそのように言われ、その資料探しや遺品整理を兼ね、父の部屋を調べていた時のことだ。

 

 僕は、父の日記を発見した。

 

 引き出しの奥、書類に紛れるように入っていたそれは、公的なものではなく、完全に個人的な日記であるようだった。

 辞書ほど。とは言わないが分厚い日記で、表紙は少し擦れており、元の色からは褪せているように見える。それらを鑑みるに、長らく使い続けてきたのだろうと窺わせた。

 僕は亡き父のことを知れると言う期待、そして多くの興味でそれを手に取った。

 ずっしりと重いそれを、おもむろに開き───そして絶句することとなった。

 

 日記の中には、僕の知らない父の一面が、ドス黒い獣欲が記されていた。

 

 それは、陵辱の記録だった。屋敷のメイドの一人を犯し、性技を教え込み、性玩具に仕立て上げる。

 処女が泣き叫ぶさまから始まり、尻を舐めることにすら何の抵抗もしなくなるまで。その様を鮮明に記した、おぞましい一冊だった。

 震える手で頁を捲り、行に記された名に指をなぞらせる。そこには見知った名が記されていた。

 

 ───ルミネスカ・テュルク

 

 それは、屋敷のメイドの一人だった。

 ルミネスカ───ルミネは、歳で言えば僕の三つ上になる。

 僕が幼い頃。そう、ちょうど10年ほど前に彼女は屋敷に来た。

 父がどこかから彼女を連れてくると、使用人として雇ったのだ。

 その当時、まだ身分のことを詳しく知らず、また頓着していなかった僕は、ルミネを姉のように慕っていた。

 数年も経てば僕も貴族としての振る舞いを覚えたため、そんなことはしなくなったが、自分がルミネを慕っていたこと、また、彼女が優しく接してくれたことは覚えていた。

 

 そんな彼女が、その裏でこんな目に遭っていた?

 それを行なっていたのが、実の父親?

 その事実に凄まじい悪寒を覚え、身体が震え出す。手指が痙攣して、手に持った日記を取り落とした。

 頭痛が、吐き気がした。頭の中を数多の言葉が駆け巡り、しかし明確な言語化にすら至らず、気持ち悪さとなって腹の中で渦巻いている。

 僕はそれに耐え切れなくなり、父の部屋から飛び出した。使用人の呼び声を無視して自室に入り、ベッドの中で布団を抱き締め、丸くなる。

 しかし、眠ることすらできない。気持ち悪さが目を冴えさせ、しかし立つ気力は起きなかった。

 心配して扉を叩く使用人に対し、辛うじて気力を振り絞って部屋に入るなと伝え、日が沈むまでそうやって過ごし続けた。

 

 そして日が暮れ、辺りも暗くなり、自身の心も辛うじて落ち着いてきた頃。

 何か口に入れようかと身体を起こしたその時だ。

 ノックもなく、扉が開いた。

 

「ぼっちゃま」

 

 一瞬、その声が誰のものなのか分からなかった。

 だが、手に持った蝋燭に照らされた顔を見て、誰なのかを一瞬で理解した。

 日記に記されていた、屋敷のメイド。ルミネがそこにいた。

 

 悲鳴を上げそうになり、その声すら出なかった。

 驚愕か、それか恐怖か。様々な感情が渦を巻いて、言葉にすら出来ずに吐息になって口から漏れる。

 ベッドの上で震える僕を他所に、ルミネは部屋のランタンに火を点ける。薄暗い部屋を仄明るい光が満たし、彼女の表情があらわになる。

 ルミネのその顔には、桃色の両眼には、見まごうこともない。紛れもない憎悪の念が浮かんでいた。

 

「ぼっちゃま、これ、見たんですよね?」

 

 左手で何かを掲げ、右手でそれを指差した。

 問いながらルミネが示したのは、昼間に僕が見つけた父の日記帳だった。

 

 返事することはできなかった。それは僕が声の出せる状況でなかったからであるし、そして何より、彼女が返事を必要としていなかったからだ。

 僕が明確な返事をするまでもなく、ルミネは確信の色を含ませて、その問いを行なっていた。

 震えるばかりで返事すらできない僕を見て、彼女は納得したように笑みを浮かべる。

 

「えぇ、そうですか。そうですか。分かりました、ぼっちゃま───いえ、ご主人さま」

 

 『ぼっちゃま』ではなく、『ご主人さま』。ジュステーニ伯爵の、紛れもない跡継ぎとして、彼女は僕を呼んだ。

 

「私が、貴方にお仕置きを致します」

 

 言うと同時、ルミネは両手で僕の肩を掴む。彼女の手は乱暴に、僕をベッドに押し倒さんとしていた。

 

 

 ───結論として。このとき僕は、ルミネを退けることができただろう。

 いくら恐怖に震えていても、だ。根本的な話、震えが精神的な問題である以上、動かそうと思えば身体は動く筈なのだ。

 ならば力尽くで押し除けても良かったし、どうにか大声を出して使用人に助けを求めてもよかった。

 しかもルミネよりは若いとはいえ、こちらも大の男である。実際に行うかどうかはともかく、それこそ殴るなり蹴るなり、暴力的な手段を用いることだってできた筈だ。

 これでも貴族の当主という立場だ。もしそうしたところで誰かに咎められることもなければ、法で罰せられることもなかっただろう。

 貴族としての権力を用いて彼女を黙らせれば、それで終わりだ。───そう、実の父のように。

 しかし実際のところ、僕はそれらの手段のうち、どれかも用いることはなかった。

 いや、できなかった。

 

 自身の父親の正体が鬼畜の権化であり、ルミネの尊厳を貶め、辱め、こうなるまで傷つけていたというその事実が。

 幼いころ姉のように慕っていた彼女が、その笑顔の裏で地獄のような目に遭っていたということへの驚愕が。

 そして、それらの事実に気付かずに今までを過ごしてきた、己自身への失望と怒りが。僕の心を徹底的に打ちのめし、彼女の言葉を否定し、退けるという選択肢を選ばせなかったのだ。

 

 

 そしてルミネは、僕をベッドへと押し倒し───抵抗しない僕を、彼女は徹底的に凌辱した。

 

 

 手始めに僕の服を剥ぎ、手足をきつく縄で縛り上げると、ルミネは僕の身体をその隅々まで辱めた。

 

 男性器は勿論、乳首や尻、全身の肌から口の穴に至るまで。その細やかな手で撫ぜ、抓み、或いは見るもおぞましい道具を使い、穴の奥の奥までほじくり回された。

 それらの感覚に耐えかね、少しでも避けたり逃げたりしようとすれば、ルミネはその手で僕の身体を打ち据えた。

 手加減など全くない。無表情の顔にしかし、隠しもせずに憎悪を浮かべて、時に平手、時に握り拳を僕の腹部や胸部に叩きつける。僕がその痛みにえづき、蹲って動けなくなると、また陵辱を始めるのだ。

 夕方から明朝まで。僕がまとも言葉すら発せなくなり、穴という穴からあらゆる液が垂れ流しになるまで、その凌辱は続いた。

 

 ルミネは自身がされたように、その手で僕の尊厳を貶め、精神的にも身体的にも屈服させることを望んでいるようだった。

 

 つまりは復讐なのだろう。ルミネはきっと、僕の父に対してこうしてやりたいと、長らく望んでいたのだ。

 しかし、その矛先であったジュステーニ伯爵は死んだ。呆気ないほど簡単に、前触れのひとつもなく、ただの不幸な事故によって帰らぬ人となった。

 それにより彼女は、憎悪の念を持て余してしまった。心の奥底で長らく温め続けてきた憎悪の刃を、どこへ突き立てれば良いのか、それが分からなくなってしまったのだろうと思う。

 

 そして最終的に、復讐の矛先として彼女は僕を選んだ。

 外見、仲の良い夫婦のようでありながらも、その実、夫の本来の姿を知らぬままに十数年を共に過ごし、そのまま「清く正しい、貴族として理想的な夫」を見送った心優しいジュステーニ伯爵夫人や、同じく何も知らなかった妹ではなく。

 憎悪してやまなかった故・ジュステーニ伯爵の嫡子であり、領主の後釜であり、不出来な似姿である僕を復讐先の代替とすることを、彼女は選んだのだ。

 

 そして、僕はそれを受け入れた。彼女の復讐の対象となり、憎悪の捌け口になった。

 償いのつもり。それもあった。

 罪を犯した父が死んで、その償いを息子である僕に求めるなら、甘んじてそれを受けようと、そういう思いは確かにあった。

 しかし実のところ、大きな理由は別にあったのだ。

 幼いころ、姉のように慕っていた彼女が、その裏で自分の父から陵辱を受けていたというその事実に、僕は耐え切れなかった。自分自身への失望が心を満たし、潰されてしまいそうだった。

 耐えがたいほどの失望。狂おしいほどの自罰感。それから解放されたいというエゴのため、彼女を憎悪されることを望み、罰して欲しさを満たすためにこそ、それを受け入れたのだ。

 

 おぞましい。なんて、おぞましい。

 

 父に代わり、償いとして。傷ついた彼女のことを思って。それらは結局建前でしかなく、最終的には自分のため、エゴのためでしかない。

 蛙の子は蛙、というやつだ。

 自身の獣欲に従い、悪徳に塗れた父と何も変わらない、欲望塗れの人間。

 僕はまさしく鬼畜の息子だった。

 憎まれて、罰されて、傷つけられる。

 こんな男はそうされるのが当然だと、心の底からそう思う。

 

 ───その日から、僕はルミネのご主人さま(玩具)になった。

 

 

 

◇

 

 

 

 そして今日も、長い夜が始まる。

 

 僕を押し倒すと、ルミネもまたベッドへと上がってくる。さらさらな桃髪が下がり、僕の頬を撫でる。

 蕩けた瞳は、僕の顔を見つめて止まない。

 ルミネの右手が僕の首元に触れると、そこからするするとシャツのボタンを外していく。片手だというのに実に器用で、その動作は淀みない。テンポ良くボタンを外す様は、明らかに手慣れた手つきだった。

 

 僕は湯浴み後だ。当然、着ているのは寝巻き着になる。

 執務中などと違いそれは簡素なもので、シャツとズボン、あとはパンツ程度だ。シャツの下には何も着ていない。シャツを剥がれれば当然に、その下の素肌が露わになった。

 

 ルミネの右手が、僕の胸に這わせられる。滑らかな絹の手袋が肌を伝い、その独特な感覚にぴくりと、身体が震える。

 彼女に何度触られても、この感覚には慣れなかった。

 

「ご主人さま、お胸、敏感ですよねぇ」

 

 僕の反応に気がついたのだろう。彼女は僕の耳元へと顔を近づけ、囁くようにそう言った。

 媚びるような甘い声。

 わざとらしく語尾を延ばす、だらしない喋り方。

 メイドとして働く、普段の彼女からは考えられない蕩けた声が、僕の右耳から染み込んでくる。

 

 肌を撫でる手は止まらない。

 へその上や、鳩尾や、脇腹。絹の手袋が様々なところに触れる度、僕の身体は小さな反応を繰り返す。

 

「ご主人さまのだぁーいすきな乳首やお耳、まだ触っていないんですよ? それなのにこんなにしちゃってて、いいんですか?」

 

 いいも何もない。

 領主になってからの三ヶ月間。ルミネにこうされるたび、長い夜を重ねるたび、僕の身体は敏感になっていった。今では我慢のしようもないほど、この身体に快楽を教え込まれてしまったのだ。反応を抑えられるはずもない。

 それを分かった上で、ルミネはそう訊いていた。僕に快楽を教え込んだのは彼女なのだから、状態など全て分かりきった上で言っているのだろう。

 その証に、彼女の声は愉悦に満ちていた。

 

 前触れもなく。

 ルミネの右手が、僕の左乳首を撫ぜた。

 敏感になった身体の、更に敏感にされた箇所に、強い感覚が走る。

 

「───っ」

 

 乳首から走った突然の感覚にびくんっ、と身体が跳ねる。

 滑らかな絹が乳首を撫で、それが甘い快楽となって脳を伝う。細やかな声が口から漏れた。

 

「ご主人さま。乳首、気持ちいいんですかぁ?」

 

 それを皮切りに、彼女の手が何度も乳首に触れる。最初のような撫でるような感じから、爪先で乳首を弾いたり、乳首の先を指の腹で押し潰したりもしてきた。

 僕の身体は情けないくらい、快楽に素直だ。乳首を触られるたび、何度も何度も身体を跳ねさせ、口からは声を洩らす。

 

「大好きですもんねぇ、気持ちいいですよねぇ。……ふふっ、乳首だけでこんなになっちゃうなんて、まるで女の子みたいですよ?」

 

 ルミネの言う通りだ。

 乳首を責められてこうも善がるなんて、まるで男らしくない。快楽漬けにされた女のようですらあった。

 

「じゃあ、ご主人さま。今からもっともっと気持ちよくして差し上げますね……♡」

 

 その言葉が聴こえるのと同時、右の耳に何かが触れる。生暖かい触感が耳たぶを挟み込み、僅かな水音が耳を打つ。

 ルミネの唇が、耳たぶを食んでいた。

 

「ごひゅじんひゃま、おみみ、どうでひゅかぁ?」

 

 舌足らずのようになった言葉が、耳元から直接伝わってくる。

 暖かく、湿っていて、柔らかい。

 そんな触感が右耳を挟み込み、波打つように刺激を送ってくる。それは他に喩えようのない独特な感覚に、背筋がぞくりと震える。

 耳たぶを食まれるという異常な触感。湿った、口唇の音が直接的に耳に伝わるという、ともすれば不快感に繋がりそうな体験。しかし、それがどうしようもないほどに───気持ちいい。

 

 次は耳たぶではなく、耳の穴。

 唇から出てきた舌が耳を舐め、穴の中へと侵ってくる。

 

 ぺろ、じゅぷうぅ……じゅるり、じゅるるるる。

 

 先ほどまでの柔らかなものと違う、大きく、連続する水音。ぐちゃぐちゃに内部を舐め回される感覚が、僕の右耳を責め立てる。

 舌が触れ、舐め回し、そして啜る。

 濡れそぼった舌音が、耳穴を占領する。

 

 駄目だった。

 これは佳すぎる。気持ち良すぎる。

 乳首への責めと併せられた耳舐めに、僕は耐えられない。

 

 じゅぼ、ぐぽぐぽ、ぐぷぐぷぐぷ……。

 

 次は深く、より耳の中への舌の侵入。深くなるほど、掘り下げられるほど、水音は大きく、低く、より頭に染み込むようになってくる。

 口から声が溢れ出る。先ほどまでの細やかな呻き声ではなく、快楽に染まり切った甘い声を上げるのを止められない。

 快楽の電流が全身に走り、意思に関係なく身体が震える。僕の腰が浮かび上がり、ベッドの上で身体が踊ろうとする。

 しかし、ルミネは僕の上に乗り、体重をかけて身体を抑え込んでいる。大きく動くことは制限され、身体が善がる自由すら許されない。

 僕の身体は彼女の制御下にあり、まさしく、彼女の玩具にされていた。

 

「ぷはぁっ」

 

 幾分かそれを続けたのち、彼女が耳から舌を抜く。耳に残った温度と涎が、抜かれた舌の存在を主張し続けている。

 余韻のようなそれらですらも気持ちが良い。頭も身体も総てがもう、甘い快楽に漬け込まれていた。

 

「お耳と乳首、とぉっても気持ち良かったですねぇ。こんなに出来上がっちゃって……♡」

 

 甘く、どろどろに蕩けた囁き声。

 吐息混じりのそれを耳にするだけで、身体の震えが蘇る。

 彼女の声。息。所作。

 小さなそれらにすらも感じてしまうほど、身体の総てが敏感だ。

 

「顔やお耳、もうどろどろですよ? 乳首もとっても固くして、それに、ここだって……」

 

 乳首に触れていた右手が、どんどんと下に下に移動する。へその上、腹部と撫で下ろし、僕の股ぐらに手が伸びる。

 彼女の細やかな手が、スボン越しに僕の陰茎に触れる。

 僕の陰茎は、とっくに勃起しきっていた。

 

「私の責めでこんなに勃起して、ズボンの中で張り詰めて……苦しいですね、限界ですよねぇ」

 

 そう言いながら、スボン越しで陰茎に触れてくる。

 少しだけ、ほんの少しだけ、手がズボン越しに撫でた程度だ。快楽を与えるような動きではなく、そっと手を添える動きに近い。

 しかし、その刺激だけで身体に凄まじい快楽が走る。乳首や耳を触られたとき以上のそれに、腰がびくびくと跳ねるのを止められない。

 

「もう直接触れてほしくて、しごいてほしくて限界なんでしょう、ご主人さま? ならどう言えばいいか、お分かりですよね?」

 

 耳元からルミネの顔が離れると、再び、その瞳が僕の顔を見つめてくる。

 春に咲く花のような、或いは瑞々しい果実のような、鮮やかな桃色をした瞳。その瞳の内は蕩けた感情で染まり、目元は暗い悦びで歪んでいる。

 涎に濡れ、緩やかに弧を描くその唇が、何を望んでいるのか。僕が何を、どんな言葉を望まれているのか。僕はそれをよく知っていた。

 

「おねがい、します───あなたに、御奉仕、させてください───」

 

 耳も乳首も、未だに快楽の余韻に浸っていて。息は切れて、口からは今にも喘ぎ声を上げてしまいそうで。

 しかし、それでも言葉を発する。たどたどしくても、途切れ途切れでも、彼女に教え込まれた言葉を口にする。

 

「がんばって、御奉仕いたします───ぼくのことを、つかってください───ルミネさま───」

 

 僕は彼女の玩具だ。

 メイドの、ルミネの玩具なのだと。

 貴女に服従して、使われて、弄ばれるのが使命なのだと言う。

 貴女に何をされても、御奉仕するのが役目なのだと発言する。

 それを認める。自認する。僕は貴女の下ですと、精いっぱいに表明する。

 

「ぼくはおもちゃだと、みとめます───だから、ルミネさま───」

 

 貴女は僕の持ち主だから、玩具である僕のことを好きにしていい。だから、だから──────。

 

 

「───ぼくをきもちよく、してくださいぃ……っっ」

 

 

「───ふふ。よく言えましたね、ご主人。

 いいですよ、いいですとも。今度は一緒に、深く深く、気持ち良くなりましょうね……♡」

 

 

 そういうのと同時、ルミネが身体を起こした。寄りかかっていた状態から上体を起こし、今度は僕の腰を挟み込むような膝立ちに。

 あっ。と、情けない声を漏らした僕の目の前で、彼女はスカートの端と端を摘まむと、それを大きくたくし上げた。

 黒色のロングスカートの中身が露わになる。ランタンの光に照らされたスカートの中には、潤沢な水気に満ちた、白色の下着があった。

 白色。清純、清楚、そんな意味を連想させる色の下着はしかし、股から溢れ出た愛液により濡れそぼって、本来の意味とは真逆な扇情さ、淫靡さを意味するものと化している。

 それがもう、たまらないほど卑猥に見えて、興奮と期待が高まるのを抑えきれない。心臓が早鐘を打ち、吐き出す息が荒くなる。

 

「そんな目で見なくても大丈夫ですよ、ご主人さま♡ すぐに迎え入れて差し上げますから……♡」

 

 僕の興奮を諌めるようなその言葉は、しかし、濡れた下着と同じく淫靡さに満ちている。

 ルミネはスカートの端部を口に咥えると、片手で僕のズボンとパンツをずり下ろし、もう片方の手で自身の下着を横へとずらした。

 お互いの、興奮し切った性器が空気中に露出する。

 瞬間、部屋中に臭気が立ち込める。勃起した陰茎と、その先端から漏れ出した我慢汁による雄の臭い。ルミネの膣や愛液から香る、独特で、しかしどこか甘い雌の香り。

 それらが混ざった性臭が鼻を突き、これからの交合をありありと連想させた。

 

 限界まで勃起し、天井を向いて張りつめた陰茎の上に、ルミネの股が合わせられる。膣口から出た愛液が陰茎に垂れ、その刺激にすらも敏感に反応した。

 

「じゃあいきますよ、ご主人さま♡ さぁーん、にぃーい……」

 

 ルミネが数字を数え下ろす。

 耳に届くその声に、自身の感情が昂ぶるのを自覚する。

 いれてください。そう呟いたのは、もう、意識的なことではなかった。

 

「いーち……っ、ぜぇーえー……ろっ♡」

 

 そして。

 

 ぶちゅんと。

 

 数字がゼロになったその瞬間にはもう、僕の陰茎は彼女の膣に呑み込まれていた。

 

 

「───っっっ!!!」

 

 叫びのような呻き声。

 条件反射のように、潰されたカエルのような声が出た。

 

 容赦なく、躊躇なく、衝撃的な勢い。

 興奮し切っていた陰茎が、一瞬で膣の肉に包まれる。

 ハンマーで叩き潰されたような衝撃が、陰茎を襲い来る。

 

 ルミネの膣内は火傷しそうな程に熱く、そして潤沢な愛液に満ちている。愛液で濡れた膣内は絶えずうねり、蛇がとぐろを巻くように僕の陰茎を締め付ける。

 その締め付けが、うねる動きが、どうしようもないほどに気持ち良い。

 目前がチカチカとする。限界だった陰茎に凄まじい快感を与えられ、受け容れた頭が耐え切れない。

 

 出る。そう思った時にはもう、僕の陰茎は精液を吐き出していた。

 

「っぁ───っっ!! あぁぁ───っっっ!!!」

 

 言葉にならない叫び声が、溶けた理性と混ざり合い、僕の口から噴出する。

 頭が、身体が沸騰するようだった。

 今までの比ではない快感が全身に及ぶ。身体中、端から端まで壊されてしまったかのようにすら感じる。

 いや、実際壊れたのかもしれない。両の足はピンと張って痙攣し、自由な筈の上半身は弓なりに背中を張って、ベッドの上で踊っている。

 壊れた人形。壊された玩具。───そんな表現が、何より相応しいだろう。

 

「あら。もうイッてしまったんですか、ご主人さま? 入れたばかりだと言うのに……」

 

 実に意外で、拍子抜けですと言わんばかりにルミネが投げかけてくる。

 歪んだ視界で見たその顔には、嗜虐に満ちた表情が浮かんでいた。

 

「ですが私、この程度では満足できません♡」

 

 射精の終わらない僕の上で、彼女が腰を振り始める。

 杭を打つような暴力的な動き。叩きつけるような上下運動が、僕の陰茎に激しい快楽を送り込む。

 

「らめっ、らめですぅっ! ぼくのあそこ、イッてる、イッてるのにぃ……っ!」

 

「あそこ? あそこじゃないでしょう、ご主人さま? オチンポと呼んでくださいと、私、何度も言いましたよねぇ……♡」

 

「あ、ああっ! そうですっ! オチンポ、オチンポですぅっっ♡ ちゃんといえますっ、オチンポっていえますからぁ! もうすこしだけ、まっへ……♡」

 

「ぶっぶー。駄目です、認めませんっ♡ ちゃんとできないお馬鹿なご主人さまには、しっかりお仕置きしてあげなくちゃ……♡」

 

「ひっ───ぎぃいいいっっ♡♡♡」

 

 勃起し切った両乳首が指で挟まれ、捻り上げられる。鋭い痛み、そして破壊的な快感が乳首から背中に駆けていく。

 今までの乳首責めは手加減していたのだ。ルミネは、僕が痛いほどの力で乳首を捻られるのが好きだと知っている。解っている。

 何故か。

 彼女が僕を、僕の乳首を調教したからだ。そう、───自分と同じようになるまで。

 

 乳首を捻り上げられた瞬間、再びの絶頂に達した。抽挿を繰り返しているオチンポから、凄まじい勢いで射精する。

 

「ああっ、二回目のお射精ぃ……ご主人さま、どうですかっ? 痛くて、苦しくて、逃げたくて───気持ち良い、ですよねぇ♡」

 

 両眼からは涙が溢れて、もはやルミネの顔を見ることすらできない。

 でもその声から、彼女の蕩けた顔が、満足そう表情が連想できた。

 

 

「夜も始まったばかりですもの。もっと、もぉっと、長い夜を愉しみましょうね、ご主人さま……♡」

 

 

 僕は彼女から逃げられない。

 

 そして逃げるつもりもない。

 

 与えられる快楽を、苦痛のような激感を、いつまでも味わい続ける。

 

 僕が逃げたくても、気絶しても、関係ない。

 撫でて。抓って。

 縛って。叩いて。

 虐めて。嬲って。あらゆる方法で、彼女は僕で遊ぶのだ。

 

 彼女が満足するまで。

 或いは、僕が壊れ切ってしまうまで、それは続くのであろう。

 

 

 何しろ僕は、ルミネのご主人さま(玩具)だから───。

 

 

 

◇

 

 

 

 暗い視界の中、眩しい光を感じる。

 顔に当たる朝日に、目が覚めた。

 

 ぼんやりと目を開け、窓を見ると、その外はもうかなり明るくなっている。空は綺麗な青色に見えた。

 白んだ空でない辺り、日が出てから暫く経っているのだろう。……いつも通り、限界まで寝てしまったらしい。

 

 いつ眠りに就いたのかは、残念なことに覚えていなかった。

 いつも通りなら多分、何時間かかけてルミネにメチャクチャにされて、精液が出なくなった辺りで気絶してそのまま……という流れなのだろうと当たりを付けた。

 

 不思議なことだが。

 毎晩毎晩出し切っている───搾り取られているというのに、最近は朝に疲れを引きずることがなくなっていた。

 毎夜毎に精液の量も満タンになっている気がするし、実は自分、絶倫というやつなのだろうか……?

 遺伝だったら嫌だな。なんてことを考えながらぼうっとしていると、扉をノックする音が聞こえた。

 半ば無意識的にどうぞ、と口にする。

 

「おはようございます、ご主人さま」

 

 扉が開き、メイドが部屋へと入ってくる。

 挨拶と共に入ってきたのは、昨晩も顔を見た桃髪のメイド───ルミネだった。

 今見える彼女の顔は、昨夜の行為とは別人のような無表情だ。笑みも嗜虐性も、淫靡さも、見る影ひとつありはしない。

 

 ……このギャップにもいい加減、馴れたものだった。

 日中の彼女は、専属メイドとして僕の面倒を見てくれている。正しく云うのであればジュステーニ伯爵専属メイド、だろうか。

 伯爵という立場が継がれるのと同時、専属である彼女も僕に引き継がれたのだ。

 亡き父にどのような意図があり、彼女を専属としていたのか。

 単純に彼女が優秀だからなのか。それとも何か、僕の考えつかないようなおぞましい理由があったのか……それは知る由もないことだった。

 

 ともあれ、彼女がメイドとして優秀であることには変わりない。見目麗しく、何か業務を任せれば完璧に熟し、誰かを指揮する能力も高い。現にこうして、僕が起きるとすぐに察してやってくる。

 

「さぁ、お水を飲んで、タオルでお顔を拭いてください。

 朝の始め方は一日の質に通じます。領主らしく、皆の手本となるようお心がけくださいませ」

 

 言うだけ言うと、彼女はくるりと後ろを向いて、扉の方へ向かってしまう。

 扉に手をかけ、出ていこうとする彼女の背に、僕は声をかける。

 

「ルミネ。……また、夜に」

 

「───えぇ、ご主人さま。また、夜に」

 

 振り返りもせず、彼女は部屋から出て行ってしまう。部屋に入ってきてから部屋から出るまで通して、彼女は無表情のままだった。

 

 ……彼女が置いていった濡れタオルで、自身の顔を拭う。同じく置いて行いったピッチャーから、コップへと水を注いで飲み干した。

 冷たい水が寝起きの身体に染み渡る。

 

 ───さぁ、今日もやることが山積みだ。

 領主の役目が、引き継がれた仕事が、僕のことを待っていた。




以下設定など雑記。

・アストナル・D(ディン)・ジュステーニ
 愛称はアストン。
 ジュステーニ家の長男として生まれ、次期当主としての教育を受ける。教育も大詰めといったところで父であるジュステーニ伯爵が事故死したため、若くして当主の座を引き継ぐことになった。
 母親譲りの金髪を短めに切っている。クセがあるのが悩みどころ。顔立ちなどは「父の面影がある」という程度で、どちらと云えば母親寄りの童顔気味。年齢は16歳。身長はそれなりに高く、173cmほど。
 故人である父親の他、母親と一つ歳下の妹がいる。
 自身が幼い頃に屋敷に来たルミネは、年齢が近いこともあって姉のように慕っていた。しかし歳を経て貴族としての立場を自覚すると、そういった振る舞いをすることは控えるようになった。
 領主の業務引き継ぎのために父の私室を整理していたところ、私的な日記を発見。それに記されていた悍ましい内容に強い罪悪感を覚え、ルミネの復讐を父に代わって受け入れることに。以降の三ヶ月、毎晩のようにルミネの玩具にされている。
 乳首と耳が弱い。ちんちんのサイズはちょっと大きめくらい。別に絶倫ではない。


・ルミネスカ・テュルク
 愛称はルミネ。
 10年ほど前、アストンの父にどこからか連れてこられ、それ以降ジュステーニ家のメイドとなる。
 肩口で切り揃えた桃色の髪と、同じく鮮やかな桃色の瞳が印象的。前髪は左に流している。切れ目で綺麗系の顔立ち。身体は細やか。年齢は19歳。身長155cmほど。
 服装は基本的にメイド服。露出は少なく装飾も多くはないが、気品のあるデザイン。ロングのスカートと、同じく長い白手袋、白黒のメイドブリムが特徴的。貴族の屋敷で昔から使われてきた由緒正しいものだが、最近の流行りには全く則しておらず、また生産も既にされていない。
 元々は故・ジュステーニ伯爵の専属メイドであり、彼が突如死を迎えたことによりアストンの専属メイドとなった。掃除も料理も一通りできるが、何より得意なことは他人の指揮。個々人の性能を読み取り、最大限の効率で動かすことができる。
 普段は冷静沈着、感情を排したような無表情をしたメイドとして働いている。しかしその一方、夜にはアストンにだけ見せる表情がある。
 日中にメイドとしての教育を受ける裏で、アストンの父であるジェラルドに激しい陵辱を受けていた。それは異国の責め具や暴力すらも用いた凄まじいもので、精神と肉体へと徹底的に苦痛と快楽を刻み込まれた。それ以降は完全に屈服したように振る舞っていたがその実、心の中にはずっと憎悪を滾らせていた。
 しかし、復讐の対象であったジェラルドは何の前触れもなく事故死。そのあまりの呆気なさに一時は茫然とするものの、アストンが彼の日記を見つけたという発端から、その不出来な似姿であるアストンを復讐の対象とした。
 当初は自身がジェラルドにされたように責め具と暴力を用い、アストンの精神と肉体を破壊し尽くしてから殺すつもりであった。しかし何らかのきっかけで気が変わったらしく、今は暴力を振るうことはほとんどない。それでも毎晩アストンの精液を搾り切っているが、彼が気絶すると汗を拭き取り、マッサージなどで身体を労わり休ませてあげている。
 ルミネの受けた仕打ちについて知るのはアストン、ルミネ、あとは察したり、似たような目に遭っていた一部のメイドのみ。アストンの母や妹は知る由もない。
 長年の陵辱で身体のほぼ全てが調教され尽くし、快楽を感じられない場所はもうないほど。


・ジェラルド・D(ディン)・ジュステーニ
 前ジュステーニ伯爵。故人。
 がっしりとした体つきに、色黒く髭濃い顔立ち。黒髪。36歳で逝去。
 アストンやその妹の父親。外面は非常に良く、領主としても名君であったようだが、その裏には有り余るほどの獣欲を秘めていたらしい。
 領主として務め、家族との生活を送りながらもその裏で、自身が連れてきてメイドにしたルミネに苛烈な調教を施していた。
 自身の部屋の本棚の裏に隠し扉があり、その先が私的な倉庫になっている。倉庫の床に巧妙に隠された扉の奥に、調教用の地下室が存在している。
 地下室の中は拘束台や、各地取り寄せた責め具で溢れ返っている。彼はその部屋でルミネを調教し尽くした。
 その一方で妻や子らには良い父親として接しており、ジェラルドが死んだことにより、妻は体調を崩してしまっている。葡萄酒が好き。
 裏では違法な奴隷商や売人と繋がりがあったらしく、各種の道具やルミネはそこから手に入れた。アストンは知る由もないが、ルミネの出自には何か裏があるようで……?
 ルミネが10歳の頃には手を出していた鬼畜。
 愛妻家であることは紛れもない事実であるらしい。


・ジュステーニ伯爵夫人
 本名はティファニア。31歳。
 金髪を長く伸ばした色白の女性。優しそうな顔立ちで、どこか儚げな印象を見受けられる。
 ジェラルドとは良い関係を保っていたらしく、彼が死んで以降は体調を崩してしまっている。葡萄酒が好き。
 貴族という立ち位置を重視しつつもメイドや平民に対して優しく、良い雇用者という位置を保っている。しかし一方、自らが直接手を出してでも彼らに優しく接することも多く、根本的に善良な人物であることが窺える。
 ルミネのことや獣欲など、ジェラルドの異常性には終ぞ気づいていなかった。彼女が鈍いわけではなく、ジェラルドの隠蔽が上手かった。
 持ち崩した心身を考慮してか、ルミネもそれらの事情は伝えようとせず、一貫して気遣うような態度を撮り続けている。
 ジェラルドと婚約した時はちょうど、ルミネのような髪型だったらしい。
 アストンの年齢からすると、ジェラルドが20歳、ティファニアが15歳の頃には出産していたことになる。


・妹
 セリアナ・D・ジュステーニ
 アストンの妹。15歳。愛称はセリナ。
 黒髪を長く伸ばし、それを二つに結っている。要するにツインテール。ドレスがよく似合う。顔立ちはキリッとした綺麗系で、外見はどちらかといえば父方寄り。
 言葉の端々に毒がある。葡萄酒好き。少し気が強い。
 兄であるアストンは内政向けだが、セリアナは外政向け。気の強い性格によるもの。
 アストンやルミネの動きには気が付いていない。
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