脅威の吸収冒険者 ~ラルゴの這い上がり珍道中~ 作:ターキン
第13話 狼少女の誘惑 ♡
――規律をなぞるだけの仮初の人生。
鳥籠は、未知のスリルが奏でる旋律と共に崩れ去った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――時刻は11:00
マルレーン領内で
にしても流石は貴族ご用達……速度、快適度共にギルドのレンタル馬とは段違いだ。
装備と備蓄の補給、及び依頼の報告の為にノトスに寄る時間を考慮しても、これならエルプルまで2日も経たず辿り着けるかもしれない。
「風、気持ちいいねおにいちゃん」
ふと横から、ウルのあどけない声が耳に入ってくる。
「そうだな。 それにしてもその格好、寒く無いか? なんならこのコートも羽織っていいぞ」
というのも、ウルが着ているのは屋敷でもらったお嬢様のお下がりの薄手のシャツにスカートだ。
エアに着させていたフード付きの防寒着と真紅のマフラーは今はウルに装備させている。
「だいじょうぶ、それ着たら我慢できなくなっちゃう」
(我慢? 我慢って何だ? もしかして俺……臭うかな? 確かに依頼を受けてからここまで、ずっと動きっぱなしだったから、流石にそろそろ不味いか……)
「ご、ごめんなウル」
「いいよ、謝らないで」
「もう少ししたらでっかい水場があるから、そこで綺麗にするよ」
「……? うん」
ウルはどこか呆けた表情で答えた。
――それから西へ進むこと数刻。
俺が御者台で
「うん、うん、そうだね」
「ウル? 誰と喋ってるんだ?」
「あ、ごめんねおにいちゃん。 ラグナレクとはなしてた」
動物とおしゃべりか。
俺も暇な時にたまにやるが、草食動物がまともに反応してくれた試しがない。
「そうか。 ラグナレクはなんて言ってるんだ?」
「うん。 ひさびさにこんな大きい車を引っ張って疲れた、休憩したいって」
ウルは至って真面目な様子でそう話した。
確かにこの馬車は立派だ。
豪奢な山羊の装飾が施された扉付きの鉄の篭、中は迎え合わせのシートになっており、4人は悠に入れる程のスペース。
現在はエアの器の少女……とりあえず名前もわからないのでエア(仮)と、大量の金貨の詰まった宝箱、そして俺のバックパックに、屋敷で遭遇した謎の
屋敷を出てから約1時間、これだけの距離を休み無しで走らせたなら疲れもするのか?
俺は白馬を見つめる。しかし、時折鼻をぶるると鳴らすだけで黙々と前に進んでるようにしか見えない。
「休憩ねぇ、全然ぴんぴんしてるように思えるんだが……ラグナレクは本当にそんなこと言ってるのか?」
「え? おにいちゃんは聞こえないの?」
「そりゃあ聞こえないだろう……ん? だとすると、ウルは動物と普通に会話ができるってことか?」
「そ、そうだけど……どうしてそんなこと聞くの?」
「いや……普通の人間は動物と喋れないんだよ。 好奇の目で見られるのも困るし、この事は俺たちだけの秘密にしとこうな」
「わかった!」
「よしよし、良い子だ」
俺はウルの頭を撫でた。
「ふあ……」
――その時、急にラグナレクが嘶きだした。
「うおっ、急にどうした?! どうどう……」
「腹が減った! 早く休ませろ! って言ってるよ……」
「おお、わかったわかった。 あと少しだから我慢してくれ……ってどうした? ウル」
「ふー……ふー……」
暴れたラグナレクにびっくりしたのだろうか、ウルの呼吸が荒い気がする。
――それから間も無くして、俺達は森林の中に広がる水場へと辿り着いた。
水は澄んでおり、深さも俺の腰までと浸かるには打って付けのポイントである。
「どうだラグナレク、上等な水場だろ? そして望みのニンジンだ」
そう言いながら俺は馬車の中から取り出したニンジンをラグナレクに与える。
すると、ラグナレクはご機嫌そうにぶるると鼻を鳴らした。
「お、今のは俺でもわかったぞ。 ありがとうございますだな?」
「なかなか……悪くないっていってる……」
ふん、可愛くない畜生だ。
「さて、俺も身体を洗ってくるかな。 そこの岩場の陰に行くから、何かあったら大声で知らせるんだぞ」
「うん……」
そう言って俺は、ちょうどラグナレクの目線の高さ程の岩場の陰に入り、服を脱ぐ。
エアにかけられた全身タイツの魔法はいつの間にか切れていた。
恐らく効力は1日保つか保たないかくらいなんだろう。
俺は服を脱ぎ終わった後、水面に映る自分の姿を見て驚愕した。
逞しい筋肉、気づけば血色も戻っており全盛期以上だ。
エアと出会う前と比べると、本当に見違える。
「しかしこの季節の水場は冷えるな……」
俺は入念に魔法で身体を暖めながら、水の中へ飛び込んだ。
――バシャッ!
水しぶきが上がる。
染み渡る……一仕事終えた後の風呂は最高だ。
ノトスに戻ったらこんな水風呂じゃなく、本物の風呂にでも浸かりに行くとしよう。
「とりあえず、薄手の服は一度洗濯しておこうかなっ……」
そう思い、俺は水場の傍に置いた装備に目を移そうとしたのだが――
「わぁ……」
ウルが俺の服を嗅ぎながらこっちを凝視している。
「ウル? 何してるの??」
ウルは息を荒げながら、はちきれんばかりに尻尾を左右に振っている。
一体何があったというのだ。
「ふーっ、ふーっ……いっしょに……入る」
そう言うと、ウルはマフラーを解き、防寒着を脱いだ。
エアの全身タイツは……効果が切れたのか、跡形も無い。
そしてシャツのボタンをパチパチと外していき、遂にはスカートまで。
そうして現れたのは、細くてしなやかでありながら、筋肉質な少女の白い身体
監禁されていたとはいえ、ただの痩せ細りではない。
そして、そこに走る細い黒布により局部はかろうじて隠れている。
「お、おま……」
そう、この時初めて気づいた。
お嬢様のお下がりの下着とは、黒いマイクロビキニの事だった。
なんだ、貴族の娘ってのは痴女なのか?
――しゅるり
ウルはその姿のまま、俺が巻いた包帯をするすると解いていく。
注射の痕や青痣は処置の甲斐もあってか、すっかり鳴りを潜めていた。
――ぽとっ……
最後の砦であった黒布が岩場に落ちた。
雪原のような白い肌の上で、桜色の小さな乳首がツンと主張している。
その細い身体には、尻尾以外に産毛の1つも見当たらない。
そして心なしか、股下が湿り気を帯びているような……
「ん!」
「待てウル!」
ウルは大地を蹴って俺の下へ飛び込んできた。
――バッシャア!
「ぶはっ」
水しぶきが晴れたかと思えば、目の前に少女の裸体が広がった。
「あ、あったかい」
俺は前かがみになりながらウルを受け止め、そっと水底に足を着けさせた。
そして気取られないよう、さりげなく距離を離す。
「ウ、ウル……あ、あんまり離れると、ま、魔法が届いてないからきゅ、急に冷たくなるぞ」
そんな俺の気を知ってか知らずか、ウルは水面に顔をつけたり、潜ったり、泳いだり……
「冷やっ!」
俺から離れ過ぎたのか、寒さを感じてこっちに戻ってきた。
そして、身体を震わせながら、俺に身を寄せてくる。
さしずめ俺は、水面に浮かぶストーブといったところだろうか。
「ふーっ……ふーっ……」
「と、とりあえず薄手の服はすぐ乾くから、水に浸けちまおう? な? 自分のは自分でやるんだぞ」
「わかった……」
そう言ってウルはシャツを、スカートを、マイクロビキニを水に浸けた。
俺はあまり意識しないよう、洗濯に集中する。
(ど、どうしちまったんだウルの奴……俺、何かしたかな?)
「ふーっ……ふーっ……」
そうこうする内に服を絞り終え、日の当たる岩場に広げて並べていると
――ピクッ
「うおおお!?」
不意にウルの小さな手が俺の局部に触れた。
「ん……」
ウルが顔を赤らめて見上げてくる。
ん。じゃない
一体こんな真昼間から何を考えているんだ。
亜人とは、若くしてこんなにも奔放なものなのか?
「あがるぞ、早く来い、風邪引くぞ」
「ん……」
俺は誤魔化すようにウルの手を引いて陸に上がった。
こころなしか、ウルの狼耳がしな垂れているように見える。
俺は岩場に腰掛け、濡れた身体を布切れで拭う。
すると、横に来たウルが犬のように身体を震わせ水滴を跳ね散らかした。
「ああもう、せっかく拭ったのに……」
そんな俺にはお構いなしに、ウルは尻尾を振りながら足の間に滑り込んできた。
左右に揺れる尻尾は思ったよりもずっときめ細かく、肌に当たる度にふさふさしてむず痒い。
というかこの位置……とぼけた顔して、特定の部位に刺激を加えてきている。
俺は自制を保ち、魔法で温めた布切れでウルの身体を拭いていく。
「はぁっ……んっ……」
「――」
身体を拭うたびに妙に艶っぽい吐息を零すが、俺は素知らぬそぶりを貫いた。
そして無事、完遂する。
「あっ……」
あっ。ではない。
途中で放られたウルの衣服も、結局俺が絞って干すことに。
そうこうしていると、ウルは上目遣いで物欲しそうに俺を見つめてきた。
「くぅん……」
何故そんな切なげな声を上げるのか……
俺は思い切って、ウルに聞いてみることにした。
「なぁ……なんで急にそんな……積極的になったの?」
わずかな硬直の後、ウルがもじもじとしながら応える。
「……がまんできなかった」
なるほど、わからん。
こう、人をそういう目で見るのは数え切れないほどあるが、いざ自分がそういう目で見られると……何ともいえない感がある。
まあそれはそれで別にいい。
正直、ここでヤれたらとても気持ち良いだろうなぁ、とは思う。
だがよく考えてみろ、こんな出会って間もない亜人の少女を、その場の勢いでヤってしまいました。
ではその後の責任はどうすればいいのだ、よく考えろラルゴ、流されてはいけない……
「おにい……ちゃん?」
そう、今はその時じゃない。してはいけない。
俺は方便をだらだらと並べて、とりあえずウルを落ち着かせる事にした。
「ウル、ここは野外だ。 近くに誰の目があるかわからん。 奇襲を受けたら俺1人じゃ守り切れないかもしれない。 もう少し待てば町に行って宿だって借りれる。 どうだ、わかってくれるか?」
ウルはしおらしい顔をしながら、涙目で静かに頷いた。
「わかってくれたか? そうか、なら良かった。 それじゃあ、俺はここで服を乾かしてるから、ウルはエアの身体を拭いてやってくれ」
「……わかった」
そう言ってウルは、濡れた布切れを持って馬車の方へと走っていった。
ふう、我ながら紳士的な対応極まりない。
とりあえず俺は岩場に広げた服に、炎を纏った手を近づけて水気を飛ばしていく。
ふと、気になって横に並べたウルの下着をつまみあげる。
確かに動きやすくはありそうだが……はっちゃけすぎだろう。
冒険者となったリリーお嬢様は、今でもこの下着を愛用しているのだろうか。
だめだ、追いやったはずの煩悩が再び湧き出てきた。
そんなくだらない事を考えていると、不意に岩場の向こうから悲鳴が飛び込んできた。
「きゃーっ!!!」
ウルの声だ。
俺は作業を止め、急ぎ駆けつける。
「どうした、ウル!!!」
――そこには
「グオオオ……」
水場の傍で横たわるエアを抱えたウルの周りに、あろうことかオークの群れがいる。
なんて数だ……
この規模のオークの群れの接近に気づかないとは……
「お、おにいちゃん……」
ウルの足元には水溜りが出来ている。
「待ってろ、今助け」
背中の剣を抜こうとして気づく。
――しまった
武器の類はさっきの岩場に置いたままだ。
文字通り丸腰……取りに戻る余裕は無い。
「グオオ……グオグオオ?」
「ええい、ままよ! ――エンチャントファイア!」
――俺は一糸纏わぬままオークの群れへと飛び込んだ。
会話(特にHシーン)の♡マークについて
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絶対いる。 今後も続けて欲しい。
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あったほうがいい。
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ないほうがいい。
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絶対いらない。 今までのも修正しろ。
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どっちでもいい