※この作品はR-18です。

脅威の吸収冒険者 ~ラルゴの這い上がり珍道中~   作:ターキン

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第43話 カマリの自動人形

――遥か彼方まで続く青空の下、障害物1つ無い草原の上で俺を見据える冒険者ギルドの創設者、カマリ。

 体格差で言えばまるでゴブリンとオークだが、はたしてどう出てくるか……。

 

「ねぇ、ラルゴ。 その例えはちょっとあんまりじゃない?」

「勝手に人の心を読みやがって……わかりやすくていいだろ?」

 

 そう告げる俺に対して、カマリはなんとも言えない表情を浮かべている。

 

「それはそうと、1つ聞き忘れたんだが良いか?」

「うん、何かな?」

「さっき俺が負けたら罰ゲームって言ったよな? じゃあ、俺が勝ったら何があるんだ?」

「あ、それは考えてなかったかも。 うーん……」

 

 そう言ってカマリは神妙な顔で考えに耽り始めた。

 最初から俺が負ける前提で話が進んでるってことかよ、舐めやがって。

 

「よし、じゃあこれならどう? ラルゴが勝ったら僕の事好きにしてくれていいよ。 無論性的な意味で」

「なんだ? てっきりその手の話はNGなのかと思ってたが」

「別にそういうわけではないんだよね。 まあ、君が僕みたいなちんちくりんで興奮できるかはわからないけど」

 

 そう言ってカマリは妖艶な笑みを俺に飛ばしてくる。

 

「ほう……」

 

 正直言えば……全然ありだ。

 こいつのように威勢が良い奴ほど、後に滅茶苦茶にされた時のギャップがたまらないもんだろう。

 俄然、やる気が増してくるというものだ。

 

「良し。 その条件、呑もう」

「うわぁラルゴ……思った以上に変態だったんだね……。 それとも今のは、君じゃない方かな?」

「何……? どういう意味だ?」

「なんでもなーい。 それじゃあラルゴ、そろそろはじめよっか」

 

 そう言ってカマリは、大きく俺から距離を取った。

 

「本気で来てよねー!」

「ああ、一切遠慮はしないぞ」

 

 カマリが始まりを告げると同時に、俺は身体の中に押し留めていた魔力を開放していく。

 

「――エンチャント・フレイム!!」

 

 そして、全身に熱い炎の魔力を纏わせる。

 器が強くになるにしたがって纏う炎もより強力な物になった。

 今の俺の炎なら、傍に立つだけでもひとたまりもないほどの熱さだろう。

 ……だというのに、カマリはこの状態の俺を見ても平然とした態度を崩さない。

 

「ふっふっふ……まずはお手並み拝見。 ――召喚(コーリング)・歩兵(ポーン)」

 

 そう言ってカマリが大きく両手を広げ、指を鳴らした。

 

――パチン!

 

 すると、カマリの目の前に魔方陣が現れ、中から先程見た白黒の人型兵器が2体現れた。

 見た目は身長2m程で、線の細い人型の人形、その材質は遠目に見ると陶器にも金属にも見え、無機質な中に不気味さを感じさせる。

 そして、その顔と胸の部分には、7色に輝く丸い玉が嵌めこまれていた。

 恐らくはあれが核だろうか。

 

「さて、肝心の俺の出方だが……」

 

 せっかくブリギッドに愛剣(トリリオン)を打ち直してもらったというのに、こんな硬そうなゴーレム相手じゃ分が悪いか。

 ならば必然的に肉弾戦が打倒だろうが……結局、あれこれ考えたところでカマリに読み取られてしまうだけだ。

 ならば、がむしゃらに突き進んで無理矢理捕まえればいい。

 結局は力任せのゴリ押しになるが、これで解決できるのならばそれでいいだろう。

 

「――灼熱走破(レッドバーストダッシュ)!!」

 

 炎の噴射で初速を押し上げ、がむしゃらにカマリ目掛けて押し進む。

 

「っ!」

 

 あまりの速さに、カマリが驚愕の表情を浮かべているのが見えた。

 気づけば、あっという間に標的は目の前ではないか。

 

「ポーン達、僕を守って!」

「――G(guard)」

 

 瞬間、カマリの声に反応した人型人形達が、諸手を広げて立ちはだかる。

 中々のスピードだが……この程度なら全然反応できる。

 

「遅い! ――爆熱拳(ダイナマイト・フィスト)!!」

 

 俺は目ので両手を広げる人形の胸に向かって、大きく拳を叩き込んだ。

 

――ガン!

 

 強烈な一撃を受け、人型人形が大きく後ずさる。

 手応えはあったが……なるほど、流石の耐久力だ。

 

――ガシッ!

 

「――C(capture)」

「くっ!?」

 

 不意に、両腕が後ろから引っ張られた。

 見れば、もう1体の人型兵器が後ろから俺の両腕を掴んでいる。

 

「ウォォオオ!」

 

 力を振り絞るも、人型人形の力は想像以上で、ギリギリのところで持ち応えてきやがる。

 

「あれーラルゴ? もうおしまい?」

「馬鹿言え……――爆炎脚(バーストキック)!!」

 

 両足に魔力を込め、俺を拘束する人型の胸目掛けて思い切り蹴り放つ。

 

――バキィン!!

 

 人型人形の両腕がもげると同時に、俺の身体が解き放たれる。

 

「どうだぁっ!」

 

 俺は邪魔な人型の腕を投げ捨て、そのまま飛び出した勢いを殺さずにカマリ目掛けて駆けていく。

 

「きゃー、掴まっちゃうー!」

 

 先程まで余裕の笑みを浮かべていたカマリは、想定外の事態に慌てふためいている。

 

「終わりだ、カマリ!」

 

 俺は超スピードでカマリに向かって右腕を繰り出す。

 

「なーんちゃって」

「っ!?」

 

 右手は空を切り、次の瞬間背中を飛び越していくような感触が伝わる。

 咄嗟に振り返ると、カマリが空中で身軽に身体をしならせた後、優雅に着地を決めながらポーズを取ったのが見えた。

 

「はい、着地……拍手!」

 

――カンッカンッカンッ

 

 その言葉と同時に、間に割り込んできた人型人形が大きく手を打ち鳴らした。

 肉とも鉄とも言えない、絶妙な軽さの音が耳に入ってくる。

 

「チィ……舐めやがって……」

「やーん、そんな顔で見つめちゃ怖いー」

 

 あのガキ……舐めやがって……

 しかし、召喚物の使役に特化した戦闘スタイルなのかと思っていたが、あの身のこなし……存外そういうわけでもないのか?

 

「いーやラルゴ、その解釈で間違いないよ」

「……?」

「今のは最低限の自衛手段、君がそれ以下だってだけ」

 

 そう言ってカマリは俺にウィンクを決める。

 とことんこけにされてるってことかよ……

 そう思うと、自然と乾いた笑いがこぼれてきた。。

 

「ははは……言うじゃねぇか」

 

 俺は再び、全身に再び魔力を込める。

 今度はさっきよりも更に振り絞った、今の限界に近い出力だ。

 

「――灼熱走破(レッドバーストダッシュ)!!」

 

 駆け出すと同時に、行く手を阻むのは五体満足の人型人形。

 

「――G(guard)」

 

 爆熱拳では力不足。

 見たところ、俺の炎の影響もあまり受けていないと見える。

 ならば単純にこいつの耐久以上の攻撃を叩き込めばいいだけだ。

 

「ウォォオ! ――爆熱疾駆(バーニングドライヴ)!」

 

 十分に加速をつけ、炎熱を纏った全身全霊のタックルを叩き込む。

 

「――」

 

――ガァンッ!

 

 インパクトと同時に、俺の間に立ち塞がっていた人型人形がバラバラに弾け飛んだ。

 粉々というわけではなく、文字通り身体がパーツ単位でちらかったという表現の方が正しいか……

 

「はぁっ……どうだ!」

 

 そしてその奥では、両腕の無い人型人形の肩上で、カマリがバランスを取って遊んでいる。

 

「なめんじゃねぇ!」

 

 そして再び、がむしゃらにカマリ目掛けて突き進む。

 

「ふっふふっー。 追加いくよー! ――召喚(コーリング)・歩兵(ポーン)!」 

 

――パチン!

 

 再びカマリの両サイドから、新たな人型人形が投入された。

 一体どこまで増えるというのだろうか……。

 

「だが……限界まで加速をつけた今の俺を止められるものか! ――爆熱疾駆(バーニングドライヴ)!!」

「うわっと!」

 

 爆炎と共に、カマリを乗せていた人型人形が弾け飛ぶ。

 しかし、当の目標はまたしても別の人型人形の影に隠れている。

 

「ちぃっ……ちょこまかと……」

 

 こうやって逃げ続けて俺の持久力が尽きるのを待つ算段か……?

 なるほど、確かに理に適っている。

 問題は俺がそれをどう攻略するかだが……今思いついた。

 

「――聖包帯(ホーリー・バンテージ)!」

 

 俺の両腕に巻きついた包帯に魔力を込め、伸縮自在のムチのように振るう。

 マーシアの得意とする魔法……恐らくは神聖なる包帯を生成して、傷口を塞ぐ魔法だろうが。

 それも使い方しだい……こうして用いれば、せこせこと逃げ回るカマリだろうが……

 

――バシィン!

 

「っ!? いーやー!」

 

 思ったとおり。

 人型人形の影に隠れるカマリの足を、振るった包帯が捕らえる。

 

「なーにーこーれー、とれないよ!」

 

 カマリは懸命に包帯を解こうと悪戦苦闘しているが、この隙を逃すわけが無い。

 俺は全力を持ってカマリを捕まえた包帯を手繰り寄せる。

 

「ポーン達!」 

「――G(guard)」

 

 しかし間に入った人型人形が包帯を踏みつけ、絶妙に妨害してくる。

 

「でくのぼうが、邪魔すんじゃねぇ!」

 

 どんなに力を込めても、少しびくっとするだけだ。

 この人形、一体何で出来てやがる……

 

「――召喚(コーリング)・歩兵(ポーン)!」 

 

――パチン!

 

 そうしてる間にも、再び2体の人型人形が投入された。

 

「チクショウッ! 一体何体出す気だ!」

「まだだよ!」

 

 そう言ってカマリは更に両手に魔力を込める。

 すると、今現れたばかりの2体の人型人形が輝きだした。

 

「なんだ? この光は!?」

「――再召喚(リ・コーリング)! 合身(ユニオン)騎兵(ナイト)!」

 

 そして、瞬く間に半人半馬の亜人、ケンタウロスのような外見になった。

 その両手には人型の両腕を双剣のように携えている。

 

「さあ、ラルゴ! これならどうかなー?」

「――S(slash)」

 

 半馬人形は手にした腕型の双剣を振るうと、カマリを捕らえていた包帯を切り裂いた。

 これによりせっかく捕まえたカマリが再び自由の身になってしまう。

 

「ちぃ……」

 

 人型は爆熱疾駆で崩せた。

 ならこの半獣型はどうだ?

 俺の魔力の容量はまだ保つ。

 それに、その気になればそれ以上だって……

 

「――D(dash)」

 

――ダッ!

 

 考えを巡らせていると、いきなり半獣型が俺を撥ね飛ばそうと突進してきた。

 

「くっ!?」

 

 猛烈な勢いで迫ってくる無機質な巨体には流石に圧倒される。

 しかし、速さではこちらも引けをとってはいない。

 

「あまいっ!」

 

 俺は寸前で横飛びしてこれを躱す。

 

「――A(attack)」

 

 すると、それを待っていたとばかりに手にした双剣代わりの腕を振りかざしてきた。

 

――ブンッ!!

 

 恐ろしく正確な狙いだ、回避は間に合わない。

 俺は咄嗟に愛剣(トリリオン)を抜いて防御姿勢を取った。

 

――ガン!!

 

「ぐっ!」

 

 瞬間、骨が軋むような重撃と共に草原の上に派手に転がされる。

 完全に防御のタイミングを合わせたにも関わらず、両腕がジンジンと痛む。

 しかしもたもたしている余裕はなさそうだ。 

 俺は咄嗟に立ち上がり、後から迫って来た2体の人型人形に備える。

 

「……駄目だ、ここからじゃ加速が間に合わない……ならば!」

「――A(attack)」

 

――バッ!

 

 俺は咄嗟に1体目の人型を飛び越し、奥にいたもう1体の人型人形目掛けて魔力を込めた両腕を叩き下ろした。

 

「――双爆拳(ツイン・ボンバー)!!」

 

――ガンッ!

 

「――G(guard)」

 

 しかし人型人形の動きは先ほどの単調な動きとは異なり、両腕を組んでこの一撃を受け止めると、そのまま膝を落としてこちらの勢いを殺してきた。

 

「器用な真似を……」

「――C(capture)」

「ぐッ!?」

 

 不意に、先程飛び越えた人型人形が後ろから俺に圧し掛かってきた

 あまりの重さに、地面に身体ごとめりこんでいくのがわかる。

 

「――C(capture)」

 

 更にもう1体、俺の上に圧し掛かってくる。

 重圧に押し潰されそうな中、目に映るのはこちら目掛けて駆け抜けてくる半獣型……

 

「このままでは……」

 

 そう諦めかけた瞬間、不意に頭の中に燃え盛る感覚が広がってくる。

 

「この感覚……アレグロ!?」

 

(ツベコベ言ッテル場合ジャネェダロ? 全力デ行ケ)

 

 確かに、奴の言う通りだ。

 ここで無様を晒すくらいなら、奴に力を借りてでもカマリに一矢報いねば気がすまない。

 

(ソウダ、ソノ意気ダ。 ラルゴ)

 

「ウォォォオオオ!!」

 

 俺は限界を越える勢いで、我が身を焦がすほどの魔力を引き出していく。

 

「おー、これかー。 いいね、面白くなってきた」

「フンッッッ!」

 

 そのまま全身から爆発するような魔力を放つと、圧し掛かっていた人型人形が大きく弾け飛んだ。

 

「はぁ……ハァ……」

 

 頭が……身体が……燃えるように熱い。

 だが感じる……底知れない充実感を。

 まだだ、俺はまだまだ強くなれる……

 

「――A(attack)」

 

 目の前に視線を移せば、瞬く間に距離を詰めてきた半獣型が双剣を今にも振り下ろそうとしている。

 だが、今の俺にはその動きもまるでスローで再生されているかのようだ。

 

「……遅いんだよ」

 

 俺はがら空きの半獣型のボディの核目掛けて、水平に飛び蹴りを放つ。

 

「――爆炎重撃脚(バースト・ドロップ)!!」

 

――ガン!

 

「――……A(attack)――」

 

 思惑通り俺の蹴りは思い切り奴の胴体に突き刺さったが、半獣型は未だにその両手の双剣を振り下ろそうとしている。

 

「もっとだ、もっと勢いを…… ――噴射(ジェット)!!」

 

 不意に使った事もない魔法の使用法が脳裏をよぎった。 

 俺はそのまま背中から、風の魔力を爆発的に噴射して目の前の半獣型を押し込んでいく。

 

「ウォォォオオオ!!」

「――……――……――」

 

――バキィン!!

 

 そのまま、勢いよく半獣型を地面に叩きつけると同時に、爆炎が巻き起こり、半獣型が吹き飛んだ。

 そして、煙を上げながら吹き飛んだパーツが、ボロボロと草原の上へと舞い落ちていく。

 

「すごい……すごいよラルゴ! 戦いの中でこんなに成長するんだね!」

 

 俺を見たカマリは、嬉しそうに小躍りしている。

 だが、俺を阻む者がいなくなった今、このチャンスを逃してなるものか。

 俺は残された魔力を振り絞り、カマリ目掛けて全速力で食らいつく。

 

「――爆熱噴射(ジェットブースト)!!」

 

 背中から迸る炎が凄まじい追い風となり、カマリとの距離が瞬く間に縮んでいく。

 

「う、うわぁっ!」 

「捉えた! そこだぁああ!!」

 

 今度は逃がさない。

 目の前のカマリ目掛けて、右腕を繰り出した。

 瞬間、焦ったカマリの表情が俺の視界に映る。

 

「とった!」

「――特別召喚(スペシャルコーリング)・城壁(ルーク)!!」

 

――ズゥン……

 

「何……!?」

 

 突然視界が真っ暗な影に覆われたかと思うと……

 

――ドガァン!

 

「がはぁっ!?」

 

 次の瞬間、突然真上から現れた大きな影が俺を地面に押し潰した。

 

「う、うぉぉ……」

 

 かろうじて動くのは被害を免れたのは頭と右腕だけ……

 最早動く事もままならない俺に、カマリはにこにことした表情で、屈みながら視線を合わせてくる。

 

「今のは肝が冷えたよラルゴ……ここまでやる気はなかったのに、びっくりだ」 

「くっそぉ! ――噴射(ジェット)……グホッォァア!」

 

――ボワァッ!

 

 背中から噴出そうとした魔力が逆流し、俺の口から飛び出した。

 そして意図せず飛び出した火炎放射を前に、カマリが慌てて飛び退く。

 

「うわ! 僕のかわいい顔が焼けちゃうとこだったじゃん!」

「す、すまん……」

 

 口の中に未だに広がる熱い炎の感覚……流石に今のは俺も想定外だったが、まさか特級冒険者の実力がこれ程とは、自惚れが過ぎたようだ。

 

「自惚れてたのは事実だけど、ここまで肉迫してくるとは流石に予想外だったなぁ」

「そういうお世辞はいいんだよ……」

「お世辞じゃないって。 今の君なら、白金級なんて目じゃないかもね」

「そうか……? そいつは光栄だ」

「うん。 でも……ふっふっふ、勝負は僕の勝ちだね」

 

 そう言ってカマリは満面の笑みを浮かべてくる。

 

「あぁ……うっ!?」

 

 同時に、不意に視界が霞み、意識が遠のいていくのがわかった。

 

「ルゴ……? おーい……」

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 「う……うーん……?」

 

 目を覚ますと、俺は一面白黒の一室にいた。

 辺りには見慣れない実験道具や、列を成す巨大な水槽のような物。

 そして鼻を突く、なんともいえない薬品の臭い。

 

「やあラルゴ、ゆっくり眠れたかい?」 

 

 視線の先にはカマリと……見慣れないグラマーな女が立っている。

 その様相は、まさにグラマーなエロ魔法使いといった感じで、頭には大きなウィッチハットを被っている。

 そこから覗くのは、男を一瞬で虜にするであろう釣り目の美貌に、肩まで伸びるふわっとした黒髪のロングウェーブ。

 上半身は胸元からへそにかけて露出させたレオタードのような衣装の上に、ふわっとしたラインのコートを着ている。

 手には指先の開いたレース模様のグローブを付け、その指先には様々な色の指輪……

 下半身は丈の短いスカートに、腿まで伸びたロングブーツ。

 そのどれもが黒を基調としており、雪のように白い肌とのコントラストが美しい。

 そしてその中で主張する、左目と左胸のほくろが一際目を引いた。

 

「ハァ~イ、ラルゴ」

 

 すると俺の視線に気づいたのか、魔女は気さくに喋りだした。

 

「ワタシは特級冒険者、オニキス。 別名、魔術学院の長、メアリー・フォーチュンよ、フォーチュンって呼んでね」

 

 なるほど、勝負に負けた俺はこの魔女の下へと連れてこられたというわけだ。

 それに魔術学院と言えば、本部の向かい側にある金持ち御用達の魔法教練施設……なるほど、如何にもと言った出で立ちだが、肩書きの割りにはかなり若く見える。

 ……にしてもここ最近、特級冒険者が怒涛の勢いで俺の目の前に現れるな……

  

「彼女が今回、君に召喚魔法を授けてくれる特別講師さ」

「よろしくねッ!」

 

 そう言ってフォーチュンは俺にウィンクしながら投げキッスをしてきた。

 

「お、おう……」

 

 思わぬフレンドリーさに、頬がほころんでしまう。

 魔女と言えば根暗なイメージがあったが、長を名乗るだけあって一味違うらしい。

 

「で、授けるったって一体どうやって……ん!?」

 

 身体が動かない。

 よく見れば、俺は裸にひん剥かれており、特殊な紋章の走った椅子に拘束されていた。

 

「おい、カマリ! どういうつもりだ?!」

「どうするつもりって? 負けたら罰ゲームって言ったじゃん」

「なっ……確かにそうは言ったが……」

「安心してよラルゴ、別に手荒な真似はしないからさ。 もしかしたら罰ゲームどころか、ご褒美だったりして」

 

 そうカマリが笑うと、フォーチュンはブーツをゆっくりと脱ぎだした。

 

「それじゃあ、早速はじめましょうか♡」

 

 そして、椅子に拘束される俺に胸元を見せ付けるようにして見下ろしてくる。

 でかい、俺が今まで見た中でも一番……恐らくはブリギッド以上。

 

――ピーン……

 

 そしてそれを前にして、俺の愚息は不躾にも屹立してしまった。

 

「あらあら、すっごいもの持ってるわねぇ」

「あはは、いいじゃんいいじゃん。 僕もやろーっと」

 

 そう言ってカマリは靴を脱ぎ、俺の真横へと立った。

 目の前に並ぶグラマーな肢体と華奢な肢体。

 この特殊な環境がそうさせるのか、一層艶かしく映る。

 

「それじゃあラルゴ、準備はいい?」

「大丈夫よ、君はただ快楽に身を任せるだけでいいから」

「……一体何をするつもりだ?」

「それはヒ・ミ・ツ♡」

 

 そう言ってフォーチュンの細い手が俺の愚息をねっとりとなでる。

 

――ピクッ

 

「ぐっ!」

「うふふ、いい反応ねぇ。 楽しくなりそうだわ」

「よーし、それじゃあそろそろ、はじめよっか♡」

 

――謎の一室の中、二人の特級冒険者達による罰ゲームがひっそりと幕を開けた。

 

 

複数回(3回以上くらい?)HシーンがあるキャラのH描写について。

  • 端折るな。
  • 端折っても良い。
  • テンポ悪くなるからいらん。
  • どっちでもいい。
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