脅威の吸収冒険者 ~ラルゴの這い上がり珍道中~ 作:ターキン
――ヴァリス川の
「はぁ……ワタクシは一体何をやっているのかしら……こんな所で1人寂しくテントの警備なんて……。 まったく、ラルゴ達もラルゴ達ですわ! ワタクシの事を一体なんだと思っていますの? いくら能力を分け与えるっていったってこんなの……あんまりじゃありませんこと?」
1人仲間外れにされたリリーはそう愚痴りながら、静かに地面を蹴る。
「ワタクシだって本当はもっといっぱい気持ちよ……じゃなかった、もっと強くなりたいんですのに……ああもう! こんな時は酒でも飲んで嫌な事は全部忘れたいですわ! でもそれじゃ万が一の時に大変ですわよね……はぁ、なんでこういう時に限って魔物の1匹も現れないんですの!? これじゃ憂さ晴らしもできやしませんわ!」
依然として虚空に怒り続けるリリーを見かねたのか、不意に小さな姿のエアが顔を出した。
『荒れてますわね、リリー』
「エ、エア様!? べ、別にそんなんじゃありませんわよ……」
そう言ってリリーは視線を逸らす。
『あなたとわたくちは一心同体、ごまかしたところで全てお見通しですわよ?』
「うぅ……はぁ……」
暫くしどろもどろだったリリーだが、やがて心を決めたのか、静かに口を開きだした。
「エア様はワタクシの事、軽蔑なさらないのですか?」
『軽蔑? 何故?』
「だって……いくら酒が入っていたとはいえ、雰囲気に呑まれてラルゴとその……してしまいましたし……」
そう言うと、エアは静かに笑った。
『うふふ、別に気にする事ないですのよ? 本来、わたくちはこの身体に居候してるに過ぎないのですから、あなたが誰に抱かれようと、わたくちに口を出す権利はありませんわ。 まぁ、何も思うところが無いと言えば嘘になってしまうけれど』
そう言って小さなエアは苦笑いを浮かべる。
「そ、そうですわよね……せめて一言、エア様には告げるべきだったかと……」
『あれは反応できなかったわたくちが悪いのです、別に気にする必要ありませんわよ。 それよりもただ……』
「ただ?」
きょとんとした表情を浮かべるリリーに、エアは静かに語りかける。
『交接を通じて、お互いに力を高めるなんて事が在り得るのかと驚きましたわ。 わたくち達魔族のソレからは、とても考えもつきませんもの』
「そう……なんですの……?」
いまいち要領を得ない様子のリリーを前にして、エアは丁寧に説明しだした。
『……ええ。 魔族の交接なんて、強者が一方的に弱者から力を吸い上げるだけの行為に過ぎませんもの。 それに比べて、あなたたちの行為にはなんというか、温かみのようなものを感じましたわ。 人って、あのように愛し合うものなの?』
「あの時のを普通と呼んでいいかは迷いますけれど……まあ、大きな括りだとそうなる……かもしれません? ただ、中にはやはり、自分の欲望の解消の為だけに行為を行う輩も少なくないですけれど……」
『……そう。 ラルゴは、どちらだと思う?』
「えっ……」
聞かれて、一瞬言い淀みながらも、リリーは改めて口を開く。
「ラルゴは……少なくとも、1人よがりではない……ように見えますわね。 今夜のあれだって、マーシアとウルが望んで抱かれていっているようにも思えましたし……」
『そう見えているのなら、良いのかもしれませんわね。 実を言うと不安だったの。 あくまでわたくち、魔族視点ではラルゴは良い人間のように見えたけど、同じ人間のあなたからしたらどうなのかって』
「ま、まぁ……悪い奴ではないようですけれど、良い人間って素直に褒められたものかは……」
そうリリーが呟いた瞬間、不意に背後からラルゴが声をかけてきた。
「お疲れリリー」
「ひゃあっ!? あなた、いつの間にそこにいましたの!?」
驚くリリーにつられて、ラルゴも一瞬驚いた様子を見せる。
「うおっ!? 驚きすぎだろ……。 今来たばっかだぞ。 エアと喋ってたのか?」
「べ、別になんでもありませんわよ!?」
『うふふ……詮索無用ですわよ、ラルゴ』
そう言ってエアはリリーの身体の中へと消えていく。
「なんだなんだ、隠し事か?」
「別にそういうのじゃありませんわよ! それで、あっちの方は……もう済みましたの?」
「あ、ああ……すまねぇ、思ったより時間かかっちまった」
ラルゴは申し訳無さそうに頭をかいた。
「強大な敵に対抗する為には必要な行為ですもの、ワタクシだってそれくらいの分別はつきますわ」
「いやぁ、そんな大それたもんじゃないと思うが……とにかく、長い事働かせちまってすまない。 ここからは俺が代わろう」
「お言葉に甘えて……と言いたいところだけど、あなたの体力は保ちまして? あなたこそ、1日中動きっぱなしで休息が必要なんじゃないかしら?」
そのリリーの問いに、ラルゴは疲れを感じさせない笑顔で応えた。
「見ての通りだ、ぴんぴんしてる。 魔力だって殆ど使ってないしな、そういう疲れは今の俺にはあんまり関係ないみたいだ」
「そう……ならいいのだけれど。 羨ましいものですわ」
「ははは、ちょっと前まではこんな事考えもつかなかったけどな。 とにかく、朝までゆっくり休んでくれ。 ちゃんとテントの中は後処理もしといたから、大丈夫なはずだ」
言うと、リリーはムッとした表情を浮かべる。
「ちょっと! デリカシーに欠けるんじゃなくて!?」
「い、いやそういう意味じゃ……いや、そういう意味か。 すまん、今のは忘れてくれ」
「まったく、相変わらずそういうところは抜けてますのね……」
リリーはそう言って、テントに向かって歩いていく。
「……」
そしてやや歩いたところで、振り返り、静かに呟いた。
「ラルゴ、次の夜はワタクシの番ですわよ」
「おっ……ああ!」
ラルゴは照れ臭そうに笑顔で返す。
「……っ!」
そしてリリーは、早歩きでテントへと去っていく。
「なんですの、あの初心な反応!? 普通、あれはワタクシのリアクションのはずじゃ……」
『うふふ、なんだか微笑ましいですわね』
「ちょっとエア様?! あまりからかわないでくださるかしら!」
『ごめんなさい、あなたの反応がいちいち可愛いものだから……つい』
そうしてテントに辿り着いたリリーは、静かに中の様子を覗く。
中ではマーシアとウルが、薄い毛布にくるまれながら静かに寝息を立てていた。
「さっきまであんなに響いてきてたのが嘘のようですわね……」
言いながら、リリーは二人の横に静かに横になる。
「こうしてみると……思った以上にワタクシ、疲れていたんですのね。 ふぁぁ~……」
大きく欠伸をかいてすぐ、リリーは泥のように眠った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――テントの警護中、暇を持て余していた俺は時折、自分の素質を実際に使って確認してみた。
特に、普段使っていなかったものを意識的にだ。
例えば、ウルから手に入れた素質、
ウルのように小動物と会話できないかと、そこいらの沢蟹や野鳥に向かって語りかけてみた。
しかし、聞こえてくるのは「ひえっ!」とか「うわぁ!」といった怯える反応のみで、とても会話などできそうもない。
まあ確かに、俺だっていきなり巨人に話しかけられたらそうなるかもしれないが……いや、会話が聞き取れるだけ進歩があったということなのだろうか。
そしてもう1つ、恐らくブリギッドから手に入れたであろう水の素質。
ネリーのように空気中の水分を凍らすとか大層な事が出来るかと思ったのだが、どうも魔力が強ければ良いというものではないらしい。
魔力放出の下手糞な俺では、どうも体外の物に干渉する事はできないようだ。
ならば体内ならどうか。
結果的には、普段炎として纏っている部分を水として纏うことはできた。
ただ、触るとちょっとひんやりするくらいでこれをまともに使おうとすると……熱帯地方で俺の身体を冷やすのに使えるぐらいか。
まあそれはそれで便利だが、どうせならネリーみたいにカチカチにするくらいまでやりたかった。
これは、これからの習熟次第でどうにかなる……ものなのだろうか?
そもそも本来、炎の素質と水の素質というのは相性が悪い気もする。
そこは魔術に詳しい奴じゃないとわからなそうだな……今度それっぽい奴に聞いてみよう。
――そして、あっという間に迎えた朝。
この辺りの治安が良いせいか、魔獣も野盗も影1つ見当たらなかった。
そしてもう1つ、さっきまで無かった素質が新しく確認できている。
それは【浄化】……語句の響きからして、聖女であるマーシアから見出したものだろうか。
「……ということでだマーシア、浄化の力の使い方について教えてくれ」
「はい、わかりました」
いつものように俺が問いかけると、マーシアは嬉々として説明しだした。
「浄化とは、その名の通り、汚れを取り除いて清浄にする力のことを指します。 物理的な汚れな他にも、概念的な穢れ……主には、アスピラ教会の定める、悪に該当する者に強く作用します」
「教会の定める悪ってーと……例えば?」
「うーん、邪な心を持った者であったり、悪魔であったり、魔物であったり……特に魔物の中でも、ゾンビや悪霊の類に対してとても効果的だとされています」
「つまり……大体の奴に効果的ってことだな!」
そして物理的な汚れにも作用するということは、衛生的に見てもかなりの効果が見込める。
菌がどうの病気がどうのと、性行為に対して億劫になることもないというわけだ。
「それで、お前達はどうだ?」
「はい。 見てください!」
――ボウッ
そう言ってマーシアは、掌に白い炎を浮かびあがらせた。
「おお……!」
「すごい!」
「何か普通の炎とは色が違うようだけれど……これは凄いですわね!」
俺達の反応にマーシアは得意げに笑みを浮かべる。
「ふふふ、これで私も寒いもの知らずですね。 ウルさんはどうですか?」
「うーん……」
同じようにウルは掌の上に炎を浮かび上げようとする。
――バチバチッ!
瞬間、鋭い稲妻が迸った。
「がっ!?」
「きゃっ!」
「うっ!」
痺れる俺達を前に、ウルは申し訳なさそうな声を漏らす。
「ああっ! ごめんなさい!」
「だ、大丈夫だ!」
正直かなりびっくりした。
痺れたのもそうだが、覚えたての頃に比べて大分雷が強くなっていたことに対してだ。
「随分鋭い電撃が出せるようになったもんだ……」
「そうかな……? えへへ」
そう言ってウルは照れくさそうに笑う。
「ああ、最初の頃とは見違えるようだぞ。 ……しかし、この様子だとウルには炎の素質が分与できてなかったのか?」
「多分……。 でも、魔力は強くなってる気がする」
そういってウルはしょんぼりとうなだれる。
「うーむ、俺が分与しよう! って意識してるだけじゃ駄目ってことなのか……使い方がわからんし、まだまだ謎が多いな」
「そうですね。 たまたま私と炎の素質の相性が良かっただけかもしれませんし、別に珍しい事じゃないかと。 ウルさん、元気出してください」
「うん……気にしない……」
といいつつも、ウルはやはりどこか元気が無い。
よっぽど炎の力が欲しかったんだろう。
「くそぉ、俺もカマリみたいに人の能力が読めればなぁ……」
「もう、そんな特例出したってしょうがないでしょう? 炎は無理だったとしても、他に何か分与されてる可能性もありますわよ?」
「おっ……」
確かに、リリーの言う通りだ。
俺だって以前は、自分で持ってる能力すら把握できていなかったのだから、逆のケースがあったって何らおかしくはない。
「良い事言うな、リリー! きっとウルに合った素質が分け与えられているに違いない」
「うん……ありがとう! おにいちゃん、おねえちゃん」
「はっはっは、それじゃ気を取り直して、今日も霊脈の調査と行くか。 マーシア、道はこっちで間違ってないか?」
そう問いかけると、マーシアは地面の下の気配を拾い集めるような素振りをした後、再び歩き出した。
「はい。 依然として、街道沿いに伸びてるみたいです」
「相変わらずか……。 まあ、楽なら楽でそれでいいか」
――それから歩き続ける事約2時間、俺たちは霊峰エルプルの麓にある大森林へと差し掛かった。
「ふぅ、やっとここまで来れましたわね」
「まさか丸一日かかるとは……ここからは魔物や野盗が出てくると思うからな、気をつけて進むぞ」
「うん」
更にそれから1時間ほど、鬱蒼とした森の中を歩き続けていると、マーシアが不意に驚いたような声を出した。
「あっ!」
「どうしたマーシア? 何かあったのか?」
「はい……ここから、霊脈の気配が逸れていってます」
そう言ってマーシアは、舗装された道路とは大きく外れた、道なき道を指差した。
「こいつは困ったな……この大森林は道から外れて遭難した冒険者も少なくない。 万が一迷ったら、生きて出られる保障はないぞ?」
「あら、どうしたのラルゴ? そんな急に弱気になって」
リリーはしたり顔で俺に笑いかけてくる。
「別にそういうわけじゃねぇよ。 ただ、お前達が心配でな……」
「そうなの? でもそれはいらない心配ね。 ワタクシ、伊達に白金級でソロをやっていたわけじゃありませんわよ? さあマーシア、案内してちょうだい」
「は、はい。 こっちです」
若干強気なリリーに気圧されながらも、マーシアは道なき道を指差した。
「ふんっ!」
―バッサァ!
すると、リリーは手にしたランスに風の魔力を纏わせ、障害となる木々を軽く切り裂いていく。
「おい、自然破壊だぞ!」
「仕方ないでしょう? こうでもしないと、道がないんですもの」
確かに、リリーの言う通りだ。
このままじゃいつまで経っても調査が終わらず、逆に俺達の食糧が底を突いてしまう。
多少強引な手口だが、綺麗事は言っていられないか。
「おにいちゃん、わたしが先行する。 何か異常があれば臭いでわかるから」
「おお、助かるぞウル。 じゃあ俺は後ろをカバーするとしよう。 リリーはまた必要に応じて道を作ってくれ。 あんまり無作為に吹き飛ばすなよ」
「もう! ワタクシをなんだと思っていますの!? それくらい心得ていてよ!」
「うふふ、皆さん頼もしいです」
そうして、俺たちは暗い森の道なき道を進んでいく。
マーシアが霊脈を探り、ウルが前方の脅威を察知し、リリーが道を作る。
「俺が一番仕事してねー気がするが……まあ、そういう時もあるか」
「ラルゴさーん、はぐれちゃいますよー!」
と、うっかり考え事をしていたら結構な距離が離されている。
なんとも逞しい女達だ、この調子なら余計な心配をする必要もないだろう。
「ああ、今行く!」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――リベルタス南部、港町ノトス。
冒険者狩りの精鋭、マニタリとイクスによって一夜にして陥落したこの町の中心部にある酒場の中で、怪しげな影達が静かに卓を囲んでいた。
「それで? これから約3週間、次の
真っ先に口を開いたのは、金黒入り混じった髪色をした冒険者の男、ヴォイドだった。
暇そうなヴォイドに対して、赤に白の斑点模様の入った大きな笠を被った男、マニタリはいつもと変わらぬのらりくらりとした態度で応える。
「まぁまぁ、そう急ぐ必要もないでやんすよヴォイドはん。 冒険者の連中も、この町の異変を察知してから動き出すまでに、早く見積もっても1週間はかかるでやんす。 あっしはその間に、戦力として使えそうな個体を厳選して、終わったらラクシャーサはんの言っていた魔素の濃いスポットに移る予定でやんす」
「おいおい、当初の予定じゃ、次の
「貴重な強い冒険者の身体を手に入れるには、聖女の行方不明騒動で奴らが出張ってるあのタイミングしかなかったでやんすよ」
そう言うマニタリの後ろには、精気を失った4人の白金級冒険者の姿があった。
「正直、いくら白金級冒険者の
「見た目に捉われちゃ駄目でやんすよ、もしかしたら、今のヴォイドはんより強かったりするかもしれまへんなぁ」
「ほぉ? 言うじゃねぇか。 試してみるか?」
そう言うヴォイドとマニタリの間には、見えない火花が舞い散っているようだった。
見かねた貝殻のような頭をした老魔術師、スカラーが口を挟む。
「ええい、味方同士でやめんか! まったく、血の気多い奴らじゃ」
「……チッ」
「へっはっは、冗談でやんすよ。 イクスはんがもっと綺麗に仕留めてくれれば、あながち冗談じゃなかった可能性もあっただけに……全くもって惜しいですわ」
それを聞いて、黒い帽子を被った白髪赤眼の女、イクスが静かに声を出した。
「ごめんなさい。 あんなにヤワだとは思わなかったから」
「……はぁ、イクスはんからは、全く反省した様子が伝わらないでやんす……。 次からは、強そうな奴を見つけてもイクスはんに頼むのは止したほうが……」
「ッ!」
それを聞いた途端、イクスはマニタリに対して凄まじい眼光を飛ばした。
「って思ったけどやっぱあっしらじゃ対処できなさそうなのは優先的にイクスはんに処理してもらわないと作戦は成り立ちませんなー、へっはっは」
「……ほっ」
二人がそんなやり取りを繰り広げていると、不意に卓上に置かれた茶色い笠に覆われた小さなキノコから声が響きだした。
「あー定時報告、定時報告、こちらラクシャーサ様、依然としてノトスへ向かう大規模な軍勢は無い模様、あー暇すぎて死にそーだぜお前よぉ」
「そうでやんすか。 重大なお仕事、いつもありがとうございやす。 この作戦はラクシャーサはんの協力無しには為しえませんて、今後もご協力お願いするでやんす」
「ったく、しゃーねぇなぁ……ハッハッハ! そう言われちゃ断るわけにもいかねぇよなぁ! いいかキノコ? 今回の仕事が終わったら、ちゃんとあたしに、苦労に見合っただけの報酬をよこすんだぞ! わかってんのか? オイ!」
「へっはっは、勿論でやんすよ。 それじゃ」
――ブツッ
その言葉を最後に、卓上のキノコからぷつりと音が止んだ。
「まったく、単純な奴じゃのうラクシャーサは」
「まあ、忠実に職務をこなしてくれてるようで何よりでやんすね。 まあ、ロッシュはんも同行させてるから無茶する事は無いと思うでやんすけど」
「はは……だといいがな……」
――ピピッ……
「おっと、通信だ」
そう言ってヴォイドは、胸に掛けたネックレスを強く握る。
「……何? 奴が来てるのか? わかった、少し待て」
そして再び前を向き直ると、静かに問いかけた。
「なぁマニタリ、こっちも戦力補充の為に動いていいか?」
「別に構いやしないでやんすけど、具体的に何をするつもりで?」
「ああ、アナトレーにお得意さんの海賊が来てるらしくてよ……。 どうせなら東も抑えちまった方が楽だろ?」
そのヴォイドの提案に、マニタリはしばし考え込む。
「あそこはヘリオスが近いでやんす、派手に行動を起こすのは危険な気がしやすが」
「それなら心配ねぇ、ヘリオスの奴ら、ギルドに対してかなりおざなりだからな。 仮にアナトレーのギルドが滅んだところで、奴らが動く事はねぇだろうよ」
「ほぉー、それは興味深いでやんすねぇ」
それを聞いて、ヴォイドは口端をニィと浮かべた。
「ってわけだ。 話は読めたか、爺さん?」
「ううむ……。 まあそうじゃな、ここらでシーラに恩を返しておくとするか」
「決まりだな。 それじゃ、俺たちはアナトレーに向かわせてもらうぜ」
そう行ってヴォイドとスカラーが酒場を出ようとすると、イクスが強く問いかけた。
「待って。 その人、強いの?」
「ああ、かなりな。 だが、残念ながら味方だ」
「そう……」
そう言ってイクスは、再び席につく。
「まぁまぁイクスはん、時間はまだまだあるでやんすよ。 その内好みの強敵が登場するに違いないでやんす」
「……そうね。 早く現れないかしら、私の心を躍らせてくれる強者……」
イクスは1人、椅子の上でうずうずしていた。
「それじゃあな、経過は追って連絡する」
「あい。 くれぐれも、ヘマなさらないよう」
「……そっちもな」
――そうして、ヴォイドとスカラーは消えて行った。
リベルタス東部の港街、アナトレーへ災いをもたらす為に。
複数回(3回以上くらい?)HシーンがあるキャラのH描写について。
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端折るな。
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端折っても良い。
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テンポ悪くなるからいらん。
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どっちでもいい。