あらゆる種族がいるということは、あらゆる種族のエロいお店も当然あるわけで
その世界に迷い込んだ娘たちと、合法的にスケベなことをする手段も、当然あるわけで・・・
「ここは、どこやろ?」
木漏れ日の射す草むらの上で麗日お茶子は目を覚ました。
そこは見覚えのない森の中。雄英高校の広い敷地内にも様々な森はあるが、ここは記憶にない場所だ。
「あれ? 梅雨ちゃん? それにみんなも」
周りを見回すと、クラスメイトの蛙吹梅雨、八百万百、耳郎響香、葉隠透、芦戸三奈が各々のヒーロースーツを身に着けてスヤスヤと眠っている。
ヒーロースーツは普段、授業や課外活動中にのみ着用するもの。つまり気を引き締めている時にしか着ないものであり、この服装のまま6人揃って眠りこけてしまうことは考えにくい。
お茶子に「みんな起きて」と揺さぶられ、ゆっくりと体を起こした梅雨ら5人は口をパクパクさせお茶子の背後を見上げていた。
「あ・・あ・・」「うら、うら・・・」「うしし・・うし」
お茶子が首をかしげながら背後を振り返ると、そこには巨大な怪物の姿が。
ヴィラン? 否、人語を理解しないモンスターのほうがしっくりくる。そんな怪物が牙をむき出しにして6人に向けて拳を振り上げていた。
咄嗟に臨戦態勢に入る6人のヒーロー候補生だったが、初動に至る直前、怪物の眉間に矢が突き刺さる。
「やれっスタンク!」
突然の矢に6人が戸惑う中、響いた青年の声に呼応するように、彼女たちの前にマントが翻る。そして、「オウッ」という男性の声と共に怪物の肢体は一閃のうちに切り刻まれた。
「えっ? 何、何?」
困惑する6人であったが、彼女たちに迫っていた脅威は拭い去られたことは確か。
そして、その救世主の2人がスタッと彼女たちの前に立った。
「ケガは無かったかい? お嬢さんたち」
短い三つ編み黒髪の男性冒険者・スタンクが、おそらく精一杯かっこつけて微笑む。
これがカッコいいヒーローの登場なら6人もトキメキと覚えただろうが、スタンクの見た目はヒゲ周りを少しサッパリさせた担任の相澤といった風貌。「はぁ、大丈夫です」としか答えられなかった。
「スタンクの奴、スベッてやんの」
「さわやかキャラは似合わないですね」
せせら笑う小柄なエルフの青年・ゼルと、少女体型の浮遊少年天使・クリムが顔を合わせ笑うと、スタンクは「うるせぇ」と顔を赤らめた。
「なるほどな。そりゃ“異世界転移”ってやつだな」
ようやくお茶子たちが感謝を言える雰囲気になり、事情を説明し始めると、ゼルはうーむと腕を組んで呟いた。
「何ですかソレ?」
「別の世界に迷い込んじまう現象のことさ。まぁ大概は、魔法陣が失敗して間違った世界から召喚しちまうんだ」
ゼルのあっけらかんとした説明に、最初は苦笑いしていた6人だが、違う世界に来ているという現状が徐々に不安を煽り立てていった。
「どどど、どうしよう! もう元の世界に戻れないの!?」
「落ち着いて透ちゃん」
絶望し慌てふためく葉隠の手を取りなだめようとする梅雨であったが、普段冷静な彼女の手もまた小さく震えていた。
「ゼルさん、どうにか助けてあげられないんですか?」
「大丈夫だろ。転移系の呪文に詳しい爺さん魔導士知ってっから、どうにかなるさ」
ゼルが何気なく呟くと、芦戸とお茶子は「本当!?」と抱きつくほどの勢いで歓喜した。
「あの爺さんのトコか。ここからだと途中の道、最近魔物が出るらしいぜ。俺らで連れて行ってやろうぜ」
「それがいいですね」
ドンと胸を叩くスタンクに賛同するクリム。2人の快い言葉に八百万は「そんな、ありがとうございます」と深く頭を下げた。
「それにしても、なんだかお二人と出会った僕の時に似てますね。あっ、まさか後で・・・」
クリムが眉をひそめると、スタンクは慌ててその口を手で塞いだ。
その一悶着を耳郎はジトーッとした目で見ていたが、ヘラヘラと仲良く笑う2人の姿に「まぁ、いいか」とつぶやき目を逸らした。
その後、6人はスタンクたちの案内で老召喚士の元に向かい、魔素の残り香から転移先を割り出してもらい、元の世界に戻るための魔法陣を用意してもらうことができた。
「本当に、何から何までありがとうございました」
感謝と笑顔で手を振り、魔法陣の光の中に消えていく6人を見送るスタンクたち。
彼女たちの姿が完全に消えたことで安堵と惜感の想いを馳せていた。
「お茶子さんたち、無事に戻れて良かったですね」
「そうだな。まぁ実のところ行きずりのワンチャンねぇかな? って少し期待した自分もいたんだけどな」
ヘラヘラと下心を吐くゼルをクリムはたしなめながらも苦笑いすると、その隣でスタンクが「フフフ」と静かに笑い始めた。
「じゃあ行くか。その願いを叶えに」
たった今帰っていった彼女たちとのスキンシップという、スタンクの不合理な提案にクリムは「へっ?」と目を丸くし、ゼルは「まさか・・・あの店か!?」とハッとした。
「行くぞ。ドッペルゲンガーのサキュ嬢の店だ」
スタンクとゼルに連行され、クリムが行きついたのはドッペルゲンガーのサキュバス店【君の名は。】
「あの、ここは一体・・・」
「へへっ。ドッペルゲンガーって知ってるだろ? 一流の剣士が更なる高みを目指すために、自分と同じ力を持つコピーと戦う時の修行相手によく選ばれる」
「ええ。まさかそのサキュ嬢ですか?」
「お茶子ちゃんたち6人と同じ姿、同じ強さ、同じ能力、同じ性格にサキュバスの性格がミックスした・・・サキュ嬢の淫乱さを持つ6人のコピーと遊べる店なんだよ」
ニヤニヤと笑うスタンクに、クリムは飛び上がった。
「知り合いと同じ姿に・・・ゴーレム店の時みたいですね。メイドリーさんに見つかったら殺されそうです」
「そうとも限らないさ。こっちの店は知り合いから見られている印象に影響されるんだ。俺も以前、メイドリーのコピーを出してもらったら、スケベに誘った瞬間に殴られた。サキュ嬢ミックスのコピーなのに、悪感を持たれているとサキュ嬢成分を打ち消されちまうんだよ」
不敵に笑うスタンクを見て、クリムは「なるほど、6人に優しかったのも、好感をもってもらうためだったんですね」と納得した。
「ちなみに同じ相手をコピーしてもらえるのは1回だけ。ストック切らしたら本人に再会しなきゃならねぇから、俺らにとっちゃ1回こっきりのチャンスだ。大事にしろよ」
「最大で30分。制限時間は本物と過ごしてきた時間に比例して長くなるんだ。だから街で見かけた女の子をコピーしてもらうと、下手すりゃコピーしてすぐに元に戻られちまう。なのに料金は1回分。まぁ、俺らなら限界時間まで楽しめるさ」
スタンクとゼルが慣れたように説明していくと、クリムはいつものように初耳な常識的情報にうむうむと耳を傾けた。
そして一通りの利用上の注意事項を聞き、いよいよその時が。
受付の黒ずくめのっぺらぼうのドッペルゲンガーのサキュ嬢に案内され、各々がパートナーと共に個室に入っていく。
そして、心の中で念じた相手の姿にドッペルゲンガーのサキュ嬢が姿をコピーし・・・
本番開始である
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