スマホを盗られただけなのにミモリちゃんは奴隷のような扱いを受けることになるそうです。 作:ざくろねこ
大事ことだからあらすじ含めて2回言った。
世界はスマートフォンによって構築されている。
スマートフォンが世の理であり、常に人々はその薄く長方形の板に支配されている。
今や人間がスマートフォンを発明したことは卵と鶏のどちらが先に生まれたのかを聞くようなものである。
そんな中スマートフォンアプリゲーム『シャドウバース』はその勝敗によって全ての理を決めるツールであった。
つまり、ゲームに勝ったものは相手を自由にしていいのである。
奴隷にだってすることが可能だ。
「きゃああああ」
とある場所で女子の悲鳴がこだまする。
彼女は腰が抜けてへなへなと床に座りこむ。
「また……負けちゃった」
天宮ミモリは二回目の『賭けシャドウバース』に負けたのだった。
対戦相手は彼女より少し上の年齢くらいの青年。
最初ミモリはシャドウバースをすることを断ったのだが、かなり強引にバトルを開始された。
「おい、スマホ寄越せよ」
「……はい」
ミモリは震える手でスマートフォンを渡す。
青年は乱雑にそのスマートフォンを受け取ると、ミモリの目の前で色々いじり始める。
「さてと、このスマホの所有履歴は…… クソッ、一度牙倉ってやつにスマホ盗られてるのかよ。まあいいや、今日は帰れ、そして今度ここに来い」
ミモリがスマートフォンを差し出した手へ青年は無理やりメモをねじ込むと、踵を返して帰っていった。
「……どうしよう」
彼女はふらふらと帰路についたが、まるで自分の体が自分のものではないようだった。
次の日学校でミモリはシャドウバースの誘いを断り続けた。
二回もスマホを盗られたというのは流石に気が引けたからだ。
放課後、ため息が出そうになるのをこらえて深呼吸。
頬を二回叩いて気合を入れた。
幸いにももう一度スマホを盗った彼には会うことができる。
(返してもらえるように言ってみよう)
そう決意したとき竜牙崎ヒイロが声をかけてくる。
「どうした、ミモリ、なんだか元気がないぞ」
「え、そ、そう?」
一度スマホを取り返してくれた彼なら話してもいいかもしれない。
お人好しの彼の好意に甘えるような形になってしまうが背に腹は代えられない。
「あ、あのね」
「おう」
どんとこいと胸を張るヒイロ。
まだ何を頼むかも聞いていないのに引き受ける気でいる彼の姿はミモリに安心感を与えた。
しかし、彼女の口から頼みごとが出ることはなかった。
「あ、あのね、何を話そうとしてたんだっけ」
直前で何を話そうとしていたか忘れてしまう。
「おいおい、ま、ゆっくり思い出せよ」
「うん、また思い出したら言うね」
「じゃあ、俺もスマホ持ち始めたばっかだし、連絡先渡しておくわ」
ヒイロはミモリに電話番号を書いたメモを渡す。そして、じいちゃんの手伝いがあるからと帰っていった。
「ふふ、竜牙崎君スマホが持ててうれしいのね」
かわいいやつ。と思った。
私はそのスマホがないのだけど。
そうだ、スマホを盗られたことを言おうとしていたのだった。
今から走る彼を追いかけて追いつくことはミモリの足では不可能だった。
ミモリはかばんから昨日もらったメモを取り出す。
そこには行先の住所と、『命令』が書かれていた。
「え、こんなこと…… でも、やらないと」
彼女の足は集合場所へと歩み始めた。
クレープを食べて帰ろうという同級生の誘いも断って、まっすぐに目的地へ向かう。
道の途中で『命令』をこなす。普段の彼女なら絶対にやらない行動だが、『スマホを盗られた』という事実を忘れてしまうほど普通じゃなかった。
目的地のラブホテルについた彼女の目は正気ではなく、虚ろで焦点が定まっていなかった。
本番はもう少し待ってね。
初めましてのかたはこんにちは。前作から読んでくれてる方は更新を心待ちにしてくれてると思いますが、ごめんなさい。リアルの人生がやばい。
コロナ騒ぎで最近やばいし、前作のプリキュアも一か月近く更新できてないけどなんとか生きてます。
スマートフォンを賭けるだけでも笑ったけどたらい回しにされるヒロインのスマートフォンがかわいそうで嗜虐心がくすぐられたので書いてしまった作品です。
この『スマホ狩り』の設定気に入ったので他のシャドバヒロインにも適用できたら書くかもしれない。
皆様もお気をつけてよい自粛ライフを。
リアルがやばいので詳細がわかり次第前作含めて更新計画立ててツイッターに上げます。