対女性用生物兵器『E.O.W』 実験データ記録 作:ガルロス
……それから、どれだけの時間が過ぎただろう?
ひたすらに股座にゾンビ犬の股間に顔を埋め、彼のペニスに奉仕し始めてから、どれ程の時間が経ったのだろうか?
懸命に顔を動かし、頬を窄め、肉棒に吸い付く私とは対照的に、ゾンビ犬は微動だにすらしていない。
そう、カウパーこそ滲ませているものの、絶頂どころか快感を感じている素振りすら見せないのである。
「げほっ! ごほっ! も、もう無理……! 限界、よ……」
人のモノより大きくて太いペニスを咥え続けた口は疲れ果て、顎がズキズキと痛む。喉の苦しみも極限を超えており、これ以上のフェラチオは不可能だ。
結局、私の口淫では一度もゾンビ犬を達させることが出来なかった。咳き込み、荒い呼吸を繰り返す私に対して、ゾンビ犬は牙を剥いて明確な殺意を向けてくる。
「グルルルルルルッ……!!」
「う、あぁ……! 待って、お願いだから、待ってぇ……!」
彼の怒りがひしひしと伝わってきた。
ゾンビ犬は命じてもいないのに奉仕を中断した私に恫喝のような唸り声を聞かせながら、何度も何度も吼え散らかす。
自分の目の前で光る涎塗れの牙を目にしている私の脳裏には、あの牙に喉笛を噛み千切られる自分自身の姿がはっきりとしたイメージとして浮かび上がっていた。
それだけは、何としても避けなければならない。未来に希望を抱いて生きようとするのではなく、ただこの瞬間に死にたくないという思いだけで行動する私は、遂に人間として最低の言葉を口にした。
「お、おまんこ……私のおまんこ、使って……! 私の
恐怖心を押し殺し、媚びた笑みを顔に張り付けながら、私は出来る限りの甘い誘い文句を口にした。
上目遣いの視線で犬を誘惑する自分自身の姿に情けなさを感じもしたが、今の私は死なないためならば何でもする最低の人間に成り下がっている。
だから、必死に犬に媚びた。空いている右手を性器に伸ばし、そこを指でぐちゅぐちゅと搔き回しながら、ゾンビ犬に対して淫らなおねだりを口にし続けた。
「あなたの大きなおちんぽをしゃぶってたら、まんこが疼いて我慢出来なくなっちゃったのぉ♡ ほら、見て♡ 私、今、あなたのちんぽを受け入れる為におまんこの準備してるからぁ♡ この穴にハメたら絶対に気持ちいいわよ♡ あなたの立派な犬ちんぽをここにぶち込んで、楽しいセックスしましょ♡ 一緒に気持ち良くなりましょうよ、ね♡」
右手で性器を弄り回し、左手で胸を揉みながら乳首を抓る。
人間のペニスではなく、異形の怪物と化した犬のちんぽをハメてもらうためにオナニーする浅ましい雌へと堕ちた私は、それでも死にたくないという意思の下に懸命にゾンビ犬に媚び続けた。
その甲斐あってか、無様この上なしといった様子の私の姿を見て愉快気な唸りを漏らしたゾンビ犬は、その滑稽さから燃え上がらせていた怒りの炎を鎮火させたようだ。
代わりに火力を増した性欲の灯火を解消させるべく、私の体の上から一度退くと、視線で肉壺を差し出すように私に命じてくる。
「わ、わかったわ。こ、こう、かしら……?」
命じられるまま、私はゾンビ犬が挿入しやすいような恰好を取る。
日本人が見せる最大限の服従の姿勢である土下座の格好から、性器を開くように、ゾンビ犬の体が入り込めるだけのスペースを空けるために脚を開く。
そして、お尻だけを高く高く掲げ、いやらしく左右に振ってみせれば、淫らな雌犬以下の元警察官の誕生だ。
「ふぁ、ファックミー・プリーズ♡ あなたのぶっとい犬ちんぽで、私のまんこを貫いてっ♡」
発情期の犬が自らの臭いを振り撒くように尻を振る。
暫く訓練から遠のいていたせいでやや肉付きがよくなった尻がぷりんぷりんと揺れる様は、きっとゾンビ犬を楽しませているだろう。
こんな風に犬に媚びる様を、アンブレラの職員たちも見ているのだろうか? そう考えると、屈辱と情けなさで泣きたくなる。
だが、今の私は強き雄犬に全てを差し出すことを悦ぶ雌犬として振舞わなければならない。そうでなければ勝者であるゾンビ犬の不興を買い、瞬く間に殺されてしまうのだから。
「グルルルフゥ、グフッ!!」
「あぁ……っ! き、きてぇ♡ 早く、犯してぇ♡」
ずぶっ、と犬のちんぽの先端が私の内部に挿入される。
みっちりと広げられた膣口の感覚を味わいながら私が口にした言葉は、ゾンビ犬に媚びるためのものだったのだろうか?
もしかしたら、私は本当に壊れてしまったのかもしれない。立て続けに味わわされた屈辱と快感に身も心も堕落させられて、本心から怪物の肉棒を受け入れたいと望むようになったのかも――
「あ、あぁああああああぁあああっっ♡♡♡ 深いぃぃいいぃいいぃいいっっ♡♡♡」
――そんな、どうでもいい思考が脳内を巡ったのは一瞬だけのことだ。
私の背に覆い被さったゾンビ犬が腰を突き出し、その肉棒が子宮までを一息に貫く快感にそれ以外の全てが吹き飛ぶ。
そのまま、野生の本能を剥き出しにしたピストンを開始されれば、人間とのセックスでは到底味わえない激しい快感が私の体を襲い出した。
「おおぉおおっ♡ ほごぉおっ♡ んへぇえぇっ♡ あひっ♡ あへぇええっ♡ 凄いっ♡ すごいいぃいいいっ♡ いぬちんぽすごいっ♡ ドギーセックス、気持ち良すぎるぅうううっっ♡」
人のものとは違う形をした犬のペニスが、私のまんこを耕していく。
膣内を掘削し、そこに眠っている快感を掘り起こすようにして雌の悦びを私に教え込むゾンビ犬の激しいセックスに、私はもうメロメロになっていた。
マイナスの感情を言葉にしてはいけないという思いも、その堕落に一役買っていたのかもしれない。
与えられる快感をプラスのものとして吼え、叫び、喘ぐことで自分が感じていることを自覚した私の官能は留まることを知らずに燃え上がり続け、そんな私の反応にゾンビ犬も興奮を滾らせていた。
「ガウッ! バウッ! バフゥッ!!」
「おおぉおんっ♡♡♡ わおおおんんっ♡♡♡ おほぉんっ♡♡♡ わおぉおおぉおっ♡♡♡」
私の口から発せられる声から、意味のある言葉が消えた。次に理性が消え、忍耐も消え、最終的に味わっている快楽を嬌声として叫び散らすだけの無様な雌犬へと、ジル・バレンタインは変貌してしまう。
人外の存在が相手であろうとも、ウィルスを投与された怪物が相手であろうとも、雄に犯されることで快感を貪る浅ましい雌に堕ち切った私は、私に悦楽を与えてくれる偉大な雄に心の底からの媚びを見せ、尻を振った。
彼が腰を引き抜く時は一緒に腰を引き、突き入れる時は尻を押し出す。
共に快楽を味わうために、この雄に至上の快楽を与えるために、そして自分自身が雌の悦びを得るために、私は怪物と本気のセックスを行うようになってしまったのである。
「おほぉおおっ♡♡♡ ほひぃいいいっ♡♡♡ おほひいいぃいいっ♡♡♡」
もう、ゾンビ犬の咆哮よりも私の嬌声の方が大きな声量になっている。
もう、私の方が獣じみた叫びを上げ、表情からも理性が瓦解したことが見て取れるようになってしまっている。
潮を噴き、舌を放り出して喘ぎ、乳首を痛いほど勃起させて喘ぐ私の姿は、どう見ても雌犬そのものだ。
自分がゾンビ犬と同じか、それ以下の存在に成り下がったことを感じ取り、自嘲気味な笑みを浮かべた私の膣内に異変が起こる。
「おごっっ!?」
ボコンッ、と音がするような衝撃。膣の入り口辺りに、何か巨大なゴムボールが嵌め込まれたような感覚。
それと同時に、ゾンビ犬の激しいピストンが沈静する。だがしかし、彼の肉棒は今まで以上に激しく律動し、熱さと硬さも臨界点を突破していた。
そこで、私は思い出す。確か、犬の射精は長いと数十分間は続くということを。そして、その際に雄と雌の体が離れぬよう、ペニスの根元がコブのように膨らむということを。
つまり今、ゾンビ犬は私の膣内に精液を解き放とうとしているということであり、これはその前準備であり、ということは……!!
「グッッ! バオオオォオオォオオォオオォオオォオオッッ!!」
「あ、あぁあああああああああぁああああああああああっっ♡♡♡ はげ、ひいぃいいいぃいいぃいいいぃいいいぃいっっ♡♡♡」
次の瞬間、凄まじいゾンビ犬の叫びと共に、私も嬌声を吼えるようにして上げた。
膣内、そして子宮には小便のような勢いで熱く濃い精液が流し込まれ、私の官能をガンガンと揺さぶるようにして快楽を与え続けている。
「んひいぃいいぃいいっっ♡♡♡ これ、らめぇえええぇっっ♡♡♡ おかひくなるっ♡♡♡ わたひのまんここわれりゅううぅううっっ♡♡♡ おほぉおおおおぉんっっ♡♡♡ 犬ちんぽセックス♡♡♡ 種付けっ♡♡♡ 癖になっちゃううぅううぅううぅううっっ♡♡♡ わおぉおおおぉおおおぉおおおぉおおんっっ♡♡♡」
本来の犬の射精とは違う、激しい快感を伴う種付けによって理性を焼き切られた私は、完璧に雌犬へと堕ち、快感の叫びを上げた。
そして、尻を高く掲げ、体をゾンビ犬の肉体によって抑え込まれたまま、その後一時間もの間、彼の精液を雌の最重要器官に受け入れ続けるという悦びに身を浸らせ続けるのであった。
こうして、私は異形の怪物との初セックスを体験した。
ゾンビ犬とのセックスを終えた後、大量に射精された精液によって膨れ上がった腹を抱えている時の恍惚とした気分は、未だに忘れられそうにない。
そんな私を回収した職員の話によれば、私はひくひくと唇を引き攣らせながら幸せそうな笑みを浮かべていたそうだ。
この時点で既に、私はアンブレラが作り出した新兵器……『E-ウィルス』とそれらを投与された対女性用生物兵器『E.O.W』の虜になりつつあった。
しかし、この時の私にはアンブレラに歯向かおうとする愚かな意志と、自分がまだ元精鋭部隊の一員であるという無意味な誇りが残っていたのである。
第三の刺客となった『E.O.W』には、本当に感謝しなければならないだろう。
彼のお陰で私は、自分自身が弱々しいただの雌であるということを心の底から理解出来たのだから。
元『S.T.A.R.S』のメンバーなどという下らないプライドを吹き飛ばし、ジル・バレンタインという雌が雄に媚びるしか能のない弱者であることを思い知る日は、もうすぐそこにまで迫っていた。
1998年10月7日 記録者 ジル・バレンタイン