対女性用生物兵器『E.O.W』 実験データ記録 作:ガルロス
「おはよう、ジル。気分はどうかね?」
「……最悪よ。あなたの顔を見て、更に悪くなったわ」
分厚い強化ガラスの向こう側からそう尋ねてきた白衣の男に向けてそう吐き捨てた私は、反抗的な意思を宿した瞳で彼を睨みつけた。
数々の修羅場を潜り抜けた一流の警察官であったはずの私の眼光を受ければ、並大抵の人間は気圧されたりするものだ。
しかし、どう見ても体を鍛えているとは思えない研究者肌のこの男は、私の視線を受けても面白そうにニタニタと笑みを浮かべているだけで、それ以外の反応を見せはしなかった。
「そう怖い顔をしないでくれ。我々は君の命を救った恩人だし、君も我々の発明で最高の快楽を味わったじゃあないか」
「人を実験台にしておいて、どの口がそんなことを言うのよ。それに、あのおぞましい行為が最高の快楽ですって? 笑わせないでよ、この変態!」
「くくく……! 君こそ、どの口がそんなことを言うのかね? 【E型ゾンビ】と【E型ゾンビ犬】との性交時の君の反応は、その首輪を通じて全て把握しているのだよ? ジル・バレンタイン、君は怪物たちとのセックスで、通常を遥かに超える性的興奮を味わっていた。違うかね?」
「くっ! そんな、はずは……!!」
男の問いかけに対して、私は強く否定をすることが出来なかった。
確かに彼の言う通り、私はゾンビとゾンビ犬とのセックスで絶頂を繰り返し、どちらも最終的に快感のあまりに気を失ってしまうという醜態を披露していたのである。
その際の肉体的な反応を記録し、またセックス時の映像も保管している彼らにとっては、私の口だけの反抗などちょっとしたジョークにもならない。
強い女が快感に負け、怪物たちに組み伏せられる様を楽しむ悪趣味な男たちに憎しみを抱きながら、私は歯軋りをしてその感情を表した。
「……まあ、いいさ。さて、今日も実験の時間だ。それに合わせて、君を本体の収容場所に移動させながらこの施設の案内をさせてもらうよ」
そう言った男が合図を送ると、彼の背後から武装した屈強な男たちが姿を現した。
彼らの武器さえ奪えれば、ここから脱出することも不可能ではないのでは……と私が考えた瞬間、首に嵌められている機械製の輪が赤くランプを点滅させ、警告音と思わしきブザーを鳴らす。
「余計なことは考えない方がいいぞ。君の考えていることは、何もかもお見通しだ」
「くっ……!」
どうやら、この首輪の機能は本物らしい。私が少しでも反抗的な思いを抱けば、こうして周囲にそれがわかるようになっているようだ。
やはり、単独での脱出は不可能であると判断した私は、どう足掻いても暫くはこの男たちの実験に付き合う必要があると自分自身に言い聞かせ、今日もまた体を差し出すことを決める。
「では、ちょっと失礼するよ」
兵士たちと共に私の独房に入って来た男は、肩から下げていたクーラーボックスから何かを取り出す。
手袋越しにそれを掴み、兵士たちに体を押し付けられた私に見せつけるようにして顔の前に突き出されたそれは、常温に戻ると共にぬるぬるとした粘度を感じさせる卑猥な物体へと変化していった。
「なに、これ? まさか、ヒル……!?」
「ご名答。新型ウィルスであるE-ウィルスを投与したヒルさ。こいつが本日の君の相手となるわけだ」
「あんっ……♡」
ベッドの上に仰向けに倒された私の右胸に、動き出したヒルが押し付けられる。
くぱぁと口を開いたヒルに乳首を甘噛みされ、そのままちゅうちゅうと吸われる感覚に甘い声を漏らした私のことを、男たちはニマニマと愉快そうな笑みを浮かべて見つめていた。
「はぁ、んっ♡ くっ……♡」
「さあ、じっとしていたまえ。まだまだヒルはいるんだからな」
そう言いながら、男はクーラーボックスから新しいヒルを取り出す。
今度はそれを左胸に装着し、左右の乳房にヒルを吸い付かれた私は再び悩ましい声を上げながら体を大きく仰け反らせてしまった。
「ふぅうんっ♡ んんっっ♡」
「いい反応を見せてくれるな、ジル。だが、本番はここからだぞ?」
「ああっ♡」
男たちの手が、私の脚を掴む。そこを大きく開かせられ、湿り気を帯び始めた性器を白衣の男の前に露出させられる。
怪物たちからの激しい凌辱を受けた私の性器であったが、驚くべきことに色も形も一切の変化を見せることはなかった。
しかし、その感度と柔軟さは明らかに数日前よりも跳ね上がっており、非常に敏感になっているそこを開かれた瞬間、羞恥と共に込み上げる快感によって私は身悶えしてしまう。
「さあ、ここにもヒルをくれてやろう。存分に感じてくれ」
「ああぁぁぁぁ……っ♡♡♡」
左手で私の性器を開き、右手に乗せたヒルをそこに近づける。
ぬるぬるとした粘液を身に纏っているヒルが頭を膣内に捻じ込むと、そのまますんなりと全身を私の内部に潜り込ませてしまった。
加えて、男は私の膣に蓋をするようにして、性器にもう一体のヒルを張り付かせる。
恥丘とクリトリスを責めるようにじわじわと嬲られる快感と、膣内で蠢くヒルが与えてくる快感によって腰を震わせる私は、自分の体が虫たちの温床になっていくことの恐怖を感じ始めていた。
「さあ、仕上げだ。こちらにもヒルをくれてやろう」
「なっ!? そ、そこはっ!!」
ぐりんと、体を上下反転させられる。四つん這いの格好を強要され、尻を突き出す姿勢を取らされる。
武装した男たちは、その体勢になった私の尻を掴むと左右に臀部の肉を開いていった。
そうすれば、白衣の男の前に私の最も恥ずべき穴……排泄口である、肛門が露出してしまう。
「そ、そこは違うわっ! そんなのやめてっ!!」
「ああ、大丈夫。こちらの穴でも快感を味わえることは証明されているからね。君はただ、享受すればいいだけなのさ」
「おうんっ♡ ほ、おぉぉ……っ♡」
膣口よりも狭く小さい穴に、ヒルの体が押し込まれる。
出すための器官から逆に侵入したヒルは私のアヌスの浅い位置で動きを止めるとぶるぶると、バイブのように痙攣を始め、私に鈍く重い快感を与えてきた。
「ふ、くっっ♡ んおぉっ♡ おひっっ♡」
乳首、膣内、性器、そして尻穴。体の敏感な部位を責め立てるたった五体のヒルたちよって、私はまともな思考すら出来ないくらいに追い込まれていた。
この中で一番きついのは肛門のヒルだ。最初はおぞましいだけだったそこが徐々に快楽を感じ始めていることを自覚すると、自分の肉体が変化していることを突き付けられているようで泣きたくなるような恐怖に身を包まれてしまう。
感度が上がっているのは尻の穴だけではない。胸も膣も、体の全体が敏感になっている感覚がある。
きっと、これがこのヒルの効果なのだと悟った私にいやらしい笑みを浮かべた白衣の男は、部下と思わしき兵隊たちに命じて私の両腕を拘束させると、そのまま無理やり私を立たせ、独房の外へと連れ出した。
「ジル、そのヒルの粘液には大量のE-ウィルスが含まれている。それをたっぷりと吸収していけば、君の体は極上の女体に仕上がるはずだ。どんな怪物とのプレイにも耐え得る耐久性と、長時間の激しい性交を可能にする体力、そして君自身がセックスを楽しむための肉体感度を併せ持った、最高の淫乱雌が出来上がるのが今から楽しみだよ」
「……勝手に言ってなさい、このクソ野郎が」
おぞましい解説を行う男に対して、私は悪態をつくことしか出来ない。
彼の言っていることが現実のものになろうとしていることを予感しながら、何の抵抗も出来ないでいる。
恐ろしい……私は、アンブレラの思うが儘に体を支配され、怪物たちとのセックスを楽しめる変態に改造されてしまうのだろうか?
そうなる前に助けが来ることを祈りながら、私は男たちに連れられ、この施設内を歩き始めた。