俺はどこにでもいる普通の男子高校生だ。
今日も放課後はサッカー部の練習だ、と思いながら登校している途中でトラックに轢かれて死んだ。
目が覚めると何やら光の中にいて、神様から『手違いで死なせてしまったから望みを叶えて異世界に転生させてやろう』と言われた。
俺はこれはチャンスだと思った……!
夢にまで見た異世界転生!ステータスオープン!チート!ハーレム!俺ま何やっちゃい!
「生まれ変わったら…美少女・異性からエロい意味でモテモテで強くなりたい!!!」
俺は唾を飛ばして叫んだ。
「良かろう」
神様は物分かりが良かった。俺は再び光に包まれた。
「ん……」
俺が再び目を覚ますと、何やら草むらの上で寝ていた。
ここが異世界か、と俺はむくりと起き上がった。
よしっ!とガッツポーズをする。
キョロキョロと辺りを見回すと、遠くに集落らしきものが見える。
とりあえずあそこまで行くか。
と、歩き始めて喉が渇いていることに気付いた。
俺は近くの池を見つけ、水を飲もうと走り寄った。
かがんで水面を見る。
「ヒッ!?」
俺は思わず"可愛らしい"悲鳴を上げた。
水面に映っていたのは、目を丸くしている驚いている、ピンクのフワフワ髪の美少女だった。
────
──
─
「こ、こりゃ一体……」
水に映った美少女が自身の顔をペタペタを触っている。
紛れもなく俺だ。
俺がこの美少女だ。
「と、とにかく、集落へ…」
よろよろと立ち上がると、ひとまず集落へ歩き始めた。
と、その時、
「よう姉ちゃん!」
山賊のような格好とした男たちが3人ばかし立ち塞がった。
「わ」
と思わず可愛らしい声が出る。自分でも聴き慣れない。
「姉ちゃん、金目の物置いていきなよ。ケガしたくなかったらな」
分かりやすい。
一応ポケットなどまさぐってみるが、どうも初期装備に近く、金銭もアイテムも持っていないようだ。
「すみません、何も持ってなくて…」
怯えた少女が情けない声を出す。
「あァん?」
額にシワを寄せて山賊が凄む。
「金が無ェってんならよ」
グイ、と腕を掴まれる。
「体で払ってもらおうか!」
「ヒャッハー!」
「消毒だー!」
男たち三人が急に昂ぶり出した。
「なっ、ちょ、離してください!」
抵抗しようとするが、所詮女の力、相手の掴みは解けない。
「はっ……」
いや、俺は神様にお願いしたはずだ!
強くなりたい、と!!
「は、離せ! これ以上変なことすると……」
「お? どうするってんだ?」
山賊は下卑た笑みを浮かべてこちらを挑発する。
「こ、こうしてやるッ!」
俺は渾身の力を込めてパンチを打った。
何せ神様のお墨付きの最強パンチだ!
相手は一瞬で肉塊に…
ポコン☆という音とともに、俺の貧弱な拳は相手の胸板に弾かれた。
「え……?」
つづく