チュンチュン。
雀の声で目を覚ます。
目を開けると見慣れない天井。
ぼんやりとした頭にじわじわとここ数日の新鮮?な記憶が流れ込む。
…異世界にも雀がいるのか、とくだらないことを考えて、ようやく今の状況を思考できる状態となった。
(そうだ。俺は変態共に捕らえられて……恥辱の責め苦を……)
俺は字面だけはシリアスな状況に嘆息しながら首をぐるりと回して横を見た。
同時に起きたのであろう取り調べ官のおっさんの寝起き顔と目が合う。
「おはよう」バチーン☆
謎のウインクをかまして挨拶してくるオッサンは見なかったことにして、俺は反対側へぐるりと再び首を回して、目を閉じて二度寝を試みた。
数十分後、俺はオッサンに連れられて城の中庭に来ていた。
両手に木のバケツを携えて。
「ほら、この井戸で水を汲むんじゃ」
「なんで俺がそんなことまで……」
「一応捕虜なんじゃから捕虜らしく従え」
俺はブツクサ文句を言いながら井戸のつるべを手繰る。
「この水を部屋に溜めておかないと、水浴びができんからな」
昨日のシャワーの水はここから来ていたのか。
上水道が発達していないから大変だな。
そんなことを考えて手を動かしていると、ガヤガヤとした声が近づいてきた。
「お、取り調べ官どの」
20代ぐらいの若者……兵士であろう、が、3人ほど連なって井戸へやってきた。
それぞれ手に木のバケツを持っている。
彼らも水を汲みに来たのか。
「や、兵士たち」
取り調べ官がやや偉そうに挨拶を返す。
「む?」
「女だ」
「えらい美人だ」
俺に気付いた兵士たちが口々にこぼす。
「こんな美少女見たことないぞ」
「それになんて豊かな胸なんだ……」
「スカートから覗く白い脚も艶めかしい…」
チラ見されウワサされる女の子ってこんな気持ちなのか……
俺はなんだかくすぐったいような居心地の悪さを感じた。
「取り調べ官の捕虜らしいぞ」
「ということは……」
「夜な夜な、あんなコトやこんなコトを……」
「うっ……」
「なんだ急に前かがみになって」
俺は取り調べ官をせっついて
「早く行きましょう」と焦りながら促した。
部屋までの帰り道、取り調べ官がからかうように先ほどの出来事を振ってきた。
「見たかさっきの兵士たちの目を。お前の全身を舐め回すように見ておったぞ」
「……っ」
俺は何と返していいか分からず、素知らぬ顔で横を見る。
「お主は見てくれだけは美少女だからのう」
「ど、どういう意味だっ!」
「あんなリッパなイチモツが生えておるのにな」
カッカッカ、と心底おかしそうに笑う。
俺は「うるさい」と言う代わりに、背後から思い切りアカンベーをしてやった。
つづく