あっという間に夕方。
日中は汲んだ水をタンクに貯めたり、散らかった部屋を片付けたり、溜まった洗濯物を洗って干したり……
取り調べ官は「これも拷問の一種である」と言っていたが、どう考えても都合よくこいつの雑事を押し付けられているだけにしか思えない。
「本当にこれ取り調べなんだろうな!?」
俺は命じられるままにドサドサとこいつの書物類を積んだり運んだりしながら叫んだ。
「おう、そうだ。 これは"本運び"という古来からの拷問の一種で……」
「嘘だッ!!」
俺は睨みつけてやるが、こいつは素知らぬ顔でハタキを振るって埃を払っている。
俺は歯噛みする思いだった。
決して「エッチな拷問を受けたい」ワケではない。
しかし、俺には作戦があった。
即ち、こいつがよりエッチな気持ちになれば、俺は神から与えられたエロパワーを発揮してここを脱出することが出来るのだ!
前回はこいつというよりパックン草が張り切ってしまったせいで俺はエロパワーを貯めることが出来なかった……。
しかし、次の拷問でこそは……!
そんな作戦を脳内で温めているのだが、そもそもこいつがエッチな取り調べをしてくれなければ全ては水泡だ。
そんな訳で、俺はただの家政婦扱いを受けている今の状況に歯噛みしているのであった。
───夜になった。
「どれ、寝るか」
「え?」
「なんじゃ、寝らんのか」
取り調べ官は☆マークの散りばめられたパジャマ帽子をかぶりながらこちらに眠そうな目を向けてくる。
「いや、そ、寝…寝る? いや、だって」
「んー?」
「今日、も、取り調、べ、って……」
俺は口ごもりながら続ける。
それを聞いてニヤリと嗤うトリシラーベ。
「なんじゃ。お主、取り調べを受けたいのか?」
「そ、そんなんじゃ……」
「それじゃ、今日は……」
「あっ…」
ドサ、と音がして、ベッドの上に押し倒される。
「じゃが、ワシは今ガチで眠いからな。今日は手短かに導入だけするぞ」
「え?導入…?」
「そう。 本格的には明日からじゃな」
「明日、って……困る! 今日エッチな思いを抱いてもらわないと…」
「なんじゃそのこだわりは」
「と、とにかく…頼むよ!」
「じゃが、あんまり焦るとロクなことにならんからなぁ。ゆっくりやっていかんとなぁ。おケツは」
「いやでも今日…… は?」
俺は素っ頓狂な声を出してしまった。
「おケツ?」
「ああ、おケツとはお尻のことで…」
「そりゃ分かるよ!!! そうじゃなくて、なんでお尻……」
「だってお主処女じゃん!!!」
次に声を大にしたのは取り調べ官だ。
「ワシ処女のオマンコとかイジリたくないもん!!血怖いもん!!」
「何だよそれ!!」
「じゃから、しばらくはそちのお尻の穴をイジる。これ決定事項だから」
「勝手に決めんじゃねぇよ!!」
俺は両手でお尻を抑えながら抗議する。
「で、お尻の穴はデリケートじゃからな。いきなりイロイロするのは良くない。今日は導入までじゃ」
「だ、だから、お尻の穴はやめろ!!俺は絶対そんなことさせな」
「ウデワキネシス」
トリシラーベが指を立てて呪文を唱える。
すると俺の腕輪が光を放ったかと思うと、ググ、と俺の体を引っ張り…
「うわっ!?」
宙を走る腕輪にベッドまで誘導され、
ドサッ
俺はベッドに四つん這いの姿勢にされた。どうやらこの魔法は全身に作用するらしい。
「な、なんだこりゃあぁあああ!!?」
「ククク。 腕輪を付けた人間は全身を操作される呪いにかかるのだ!参ったか!」
ドヤ顔の取り調べ官。
俺は自分が相手に尻を突き出した格好であることに気付いて赤面した。
「や、やめろっ!! こ、こんな恥ずかしい恰好……!」
「心配するな」
そう言って、取り調べ官は俺の尻を覆う頼りない一枚のスカートに手を伸ばした。
「すぐに、もっと恥ずかしいことになる」
つづく