※この作品はR-18です。

異世界転性!TS!   作:とりえあえず郎

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第三十二話

 

───「はっ……!?」

 

 目を覚ましたのは早朝、まだ薄暗くひんやりとした空気の中だった。

 

 体を起こそうとしたが節々が筋肉痛に悲鳴を上げた。

 

「うっ……」

 

 その痛みで少し頭が覚めてくる。

 昨日の出来事がだんだんと思い起こされてくる。

 

 責められ……嬲られ……喘いで……叫んで……

 

 そこまで思い出して、カァァと顔が熱くなった。

 なんだ、まるで、女みたいな痴態を繰り広げてしまったじゃないか。

 

 肛門はヒリヒリと痛み、陰茎もジンジンとした感触が残っていた。

 その感覚が、昨日の出来事は夢ではなかったのだと実感させる。

 

 見れば、体液に塗れたであろう体は綺麗に拭かれ、来ている服も清潔な寝間着に着替えさせられている。

 

 どうやら、隣……人二人ぶんぐらい空けてイビキをかいて寝ている…の男が着替えさせてくれたようだ。

 

「……クソジジイのくせに」

 

 ぽつり、と呟いた。

 

 そこで、思い出す。

 昨日俺は体内…というか腸内に、こいつの精子を射精されたのだ。

 ということは……スーパーなエネルギーが体に溜まっているのでは……?

 

 俺は下腹部を意識して力を入れてみたが…エネルギーのある感じはしなかった。

 

 どうやら寝ている間にきれいさっぱり無くなってしまったようだ。

 

「クソッ……気絶さえしなければ……」

 

 相手が射精したとき、自身も絶頂に達して気を失ってしまった。

 あれさえなければ、エネルギーを使って脱出できたのに……!

 

 そう、絶頂に達したのだ。あの時。

 前から後ろから責められて……射精と、肛門セックスイキを同時に体感してしまった……

 

 あの瞬間のことを思い出すと、今でもブルッと体が打ち震える。

 

(あれは……気持ち良かったな……)

 

 無意識にそんな思考が思い浮かんできて、慌ててかぶりを振って打ち払う。

 

 今は、そんな不埒なことを考えている場合ではないのだ!

 ただ、脱出することだけを考えねば!

 

 今は、この部屋の主の男は寝ている。

 このまま乗じて部屋から抜け出して、脱出することは可能かもしれない。

 俺はじっと隣の男の顔を見つめた。

 ヒヒ親父はむにゃむにゃと口を動かして寝息を立てている。

 どんな夢を見ているのだろう。

 

「ヒヒヒ……もっと責めてやるぞ……ヒヒヒ……むにゃむにゃ」

 

 寝言だ。

 しかも凄く不埒な内容だ。

 俺はそっとベッドから下り、抜き足差し足でドアの方へ向かった。

 

「ヒヒヒ…女捕虜…アナルセックス…調教……むにゃむにゃ」

 

 不穏な寝言を聞き流しながら、そっと、ドアの手すりに手を掛ける。

 

 その時、

 

「女捕虜……愛してるぞ……zzzZZZ」

 

 ピタ、と手すりに掛けた手が止まる。

 

「zzzZZZZ」

 

 振り向けばグーグーと寝息を立てて眠っている。

 

 俺はため息をつくと、いったん手すりから手を離した。

 

────

──

─

 

「んん……」

 

 取り調べ官が目を覚ます。

 目覚ましとしては聞きなれない音が聴こえてくる。

 

  コポ…コポ…

 

「ん?」

 

 目をこすって音の方を見ると、女捕虜がキッチンに立っていた。

 ポットを火にかけている。

 鼻をくすぐる香りは、どうやらコーヒーを沸かしているようだ。

 

「あら、おはよう」

 

 こちらをチラリと見ると、またポットに目を落とす女捕虜。

 

「お、おはよう……」

 

 朝、捕われの捕虜がコーヒーを煎れているという現実に少し戸惑う取り調べ官。

 沈黙の中、コーヒーの沸き立つ音だけが響いた。

 

 つづく

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