※この作品はR-18です。

異世界転性!TS!   作:とりえあえず郎

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第三十七話

 

「では、これより女捕虜殿の褒章式を行う」

 

 鳴り響くファンファーレ。そして拍手。

 

 俺はなぜか領主の前に立ち、首に褒章ペンダントを掛けられていた。

 

「この度の活躍、まことに見事であった。これからも活躍を期待しているぞ」

 

「?はい。 ?ありがとうございます?」

 

 俺は心の中でしきりに首を傾げながらお褒めの言葉を賜っていた。

 

 俺がジャイアントの頭部を弾け飛ばした後、勢いづいた兵士たちは一挙にオークたちを殲滅せしめた。

 

 そして、戦いに勝利した功労者として俺は褒章を受けるに至った、というワケだ。

 

「それでは、勝利の祝宴を行う! 予算は本国からたっぷり貰ったからな! 盛大に祝うが良い!」

 

 領主の声に「ウオオオー!!」と兵士たちの歓声が起こる。

 俺は首をめぐらせてある人物を探した。

 その男は壁に寄りかかりながら、やや疲弊した顔をしている。戦いの疲れが出ているのだろう。

 

 俺は近づいて声を掛けてみる。

 

「よっ」

 

 肩を叩くと、取り調べ官は少し驚いたような顔をした。

 

「なんだ、勝利の女神様じゃないか」

 

「そんな大層なもんじゃないよ……」

 

「いや、本当に、助かった。 命の恩人だ」

 

 男は深々と頭を下げた。

 俺は慌てて両手をイヤイヤと振る。

 

「そ、そんな辞めてくれよ!今更……」

 

「本当に今更だ。申し明けない。これまで数々の無礼。陰部をまさぐり、尻穴を凌辱し…」

 

「その話はやめろ!!本当にやめろ!!」

 

 俺は慌てて口を塞いだ。

 とにかく話題を変えなくては。

 

「ええと、そうだ。 ほら、『戦利品』があったでしょ。 あれどうすんの」

 

 やや不自然だが無理にでも話題を変えるしかない。

 

「ああ、あの…捕虜のことか。 何だ。興味があるなら今から見に行くか?」

 

 そこまで興味は無かったが、また俺の尻穴凌辱のくだりに話が戻るのはマズい。

 

「う、うん! 興味ある!見たい!」

 

「そうか。じゃあこっちだ。ついて来い」

 

 そう言って、取り調べ官は広間を出て、薄暗い奥の部屋へ進んでいく。

 

「こっちにアレが……」

 

「そうだ」

 

 そう言ってカギを開けて入ったのは、取り調べ官が管轄する、牢屋だ。

 普段あまり使われていない牢屋のうちの一部屋の前に二人は来た。

 

「ここだ」

 

「あ……」

 

 俺は息をのんだ。

 牢屋の中に、一人の人間……いや……オークがいた。

 とはいえ、オークの中でも希少種……。女オークだ。

 戦いの後方部隊の中にただ一人、女オークがいた。

 生け捕りできたため、こうして牢屋の中に入れているワケだ。

 処刑するのか、捕虜として生かすのか……まだ、決まっていない。

 その前に、取り調べ官が取り調べする訳だが……。

 

「……」

 

 女オークが俺たちを見る。

 その目は憎しみに燃えていた。

 無理もない。仲間を大勢……というか、自分以外は全て殺されたのだ。

 

「……」

 

 きれいな顔だ、と俺は思った。

 肌は緑色で、全体的に筋肉質な印象を受ける。そこは人間離れしているが。

 目鼻立ちはくっきりとしていて、どこかエキゾチックな雰囲気を感じる。

 食いしばった歯はキバのような八重歯が覗いている。

 俺は初めて見るオークに、生き物としての逞しさと野性を感じた。

 

「ほら、もういいだろ、行くぞ」

 

 取り調べ官に促され、部屋を後にする。

 背後に、女オークの燃えるような視線を感じながら。

 

 つづく

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