ひとまず祝宴会場には戻らず、取り調べ官とともに自室に戻った。
俺は一応は捕虜の肩書なのだが、今回の褒章を受けて拘束は解かれ、普通の城の住人として暮らせるようになった。
空き部屋が無いとの理由で引き続き取り調べ官の部屋で、こいつと同居することにはなったのだが……。
「やれやれ、ワシはどうにもああいう場が苦手だわい」
ポリポリと頭を掻く男。
俺は会場から持ってきた豪華な料理の一部を頬張りながら尋ねる。
「なあ、ああいうオークたちが攻めてくるのって、また有り得るのか?」
正直、不安だった。
「……うむ。これで諦める魔王軍ではない。 いずれまた、攻めてくるであろう」
「……マジか」
「……しかし、これまでの調査結果から、あと数ヶ月は大丈夫であろう。それまで態勢を整えなくては」
「でも、整えるったって……」
ジャイアントの巨大な影が思い出される。
今回は撃退できたが、それは運が良かったと見るべきだろう。
「また、あんな化け物が現れたら……」
「うむ。間違いなく脅威だ」
取り調べ官はヒゲを撫でながら答えた。
「だから、よりしっかりとした対策を立てるため、きっちりと調査しなければならない」
「調査?」
「ほれ、さっき見ただろう。あの女オークだ」
「あ、あの…女オークか」
俺は彼女の怒りに燃える目を思い出し、少し息をのんだ。
「オークやジャイアントの生態は謎に包まれている。どうやって生まれ、どうやって育ち、どう集まるか…。弱点を探ろうにも、文献は古臭い伝承の類しかないのが実情だ」
「うん」
「だから、あの女オークなのだ」
男はムシャムシャと肉料理にパクついている少女を見る。
「あいつの持っている情報と肉体を徹底的に調べる必要がある」
「ほうほう」
そう言ってせっせと料理を口に運んでいたが、ふと思い立ってピタリと止まる。
「取り調べるって……まさか私にしたみたいな……」
「いや!違う!今回は本当に、真剣に取り調べないと……!」
「私のときはオフザケかよ! 趣味かよ!」
「まあその話は置いといて」
置いとかれた。
「とはいえ、拷問をしても情報を吐くとも思えん。オーク種は痛みに強い種族だからな」
「そうなのか……」
「だからこそ、もっと何か別のアプローチが必要なのだ。」
「ほうほう。で、別のアプローチって?」
「それを思いつかないから悩んどるんだ」
取り調べ官は腕を組んだ。
「拷問以外かー……」
「そう。何か情報をしゃべってくれそうな……」
「じゃあむしろ喜んでもらえそうな……」
「気持ち良くなってもらう……」
「快感を感じてもらう……」
「性的に……」
そこまで言って、俺たちは顔を見合わせた。
「「快楽堕ちだ!!」」
つづく