「えっ!? 性教育ってどういうことですか!?」
「うふふ……では、こちらへ」
「ちょっ、ちょっと!?」
ビッチーネに引っ張られながら到着したのは、教室のドアだった。
中から女子生徒たちの談笑の声がする。
「では、入りましょう♪」
「え」
俺が止める間もなく、ビッチーネが戸を開く。
ガララッと勢いよく音が鳴り、女生徒たちの目が一斉にこちらへ向く。
そして、俺の姿に好奇の視線が突き刺さる。
「見て、あれが姫様よ」
「人間の女の子なんですって」
「でもね、立派なおちんぽが生えてるんだって」
「えー見たーい」
「触りたーい」
キャッキャと姦しい騒ぎをみせる教室。
オホン、とビッチーネが教壇で咳払いをする。
「はい、皆さんお静かに。 今日から特別講師の先生をお招きしています」
いや聞いていないが。
うろたえる俺を尻目に、ビッチーネは説明を続ける。
「今日からこの先生……いえ、姫様に、性教育の実地指導をしていただきます」
「いやだから聞いてないって!」
今度は勇気を出して声を出してみた。
しかし俺の勇気を振り絞った声は、教室の黄色い歓声にかき消されてしまった。
「えー!ほんとー?やったぁ!」
「あんな可愛い女の子のおちんぽで性教育できるんだ!」
「いっぱい実習できるかなぁ!」
「姫様との実地訓練……楽しみ!」
キャーキャーと盛り上がる女生徒たちを見て、俺は圧倒されてしまいタジタジだった。
「というわけで、姫様♪ よろしくお願いしますね♪」
「よろしくって言ったって……」
「もちろん、生徒だけでなく、先生である姫様にも、卒業試験が待っていますからね♪」
「卒業試験!?」
ますます聞いてない。
「はい。生徒たちのことを、しっかりと覚えてもらいますから」
「ああ、なんだ……生徒たちのことを覚えればいいんですね」
それなら、顔と名前をがんばって覚えりゃいいわけで……
「はい。生徒たちの、顔と名前とおまんこをしっかりと覚えてもらって……」
「おまんこ!?」
どう覚えろというのか。
「もちろんです。 先生は性教育の先生なんですから。 頼みましたよ♪」
当たり前のことを話すかのように笑顔を向けるビッチーネ。
俺は拒否権が無いことを悟った。
「それでは、さっそく今から性教育の授業を始めましょう♪」
「え、い、今からって急じゃ……」
「そんなことありませんよ♪ ほら、生徒たちもヤる気ですし」
そう言われて教壇から教室を眺めると、生徒たちがやる気と期待に満ちたまなざしをこちらに向けている。
しかし、少し鼻息が荒いのが気になるが。
「では、始めましょう♪」
俺は逃げ場を探したが……無駄だった。
つづく