飛龍、その淫らな裏の顔…なお、微妙にポンコツな模様 作:dn88k
空には青空が広がり雲はほとんど見られない。ここは海沿いのとある街に所在する、商店が並ぶ地区の一画だ。日が暮れた時間帯は居酒屋としても営業していると思われる飲食店の持ち帰りコーナーに、一人の女性が買い物に来ていた。
「飛龍ちゃん、相変わらず食べるねえ」
そう飲食店の店主は楽しそうに言った。
「はい、こういう仕事は食べてなんぼですから!」
そう明るく返答するのは、短めの癖っ毛と、一見すると美しく端正でありながら、その中に可愛らしさを備えた顔立ちが特徴の女性。艦娘の飛龍である。
「おかげで俺らもこうやって生活出来てる訳だからな。はい、これオマケしといたから」
店主は、出来立ての揚げ物が入った袋を手渡す。
「ありがとうございます、お兄さん!」
そう言ってその袋を笑顔で受け取る飛龍。彼女が笑った時のその表情は愛らしさが更にましてますます魅力的である。
「おう、他のみんなにもよろしくな!」
「はい!」
そう元気よく返事をして彼女は店を後にする。今日の飛龍は早朝からの勤務であり、午後からは休憩時間であった。彼女が所属する鎮守府においては、そういった時間帯の外出に関しては鎮守府への入退出に関しての記録さえきちんとしておけば特段うるさい事は言われない。その周辺は決して華やかではないものの、そこそこに活気のある街であり、暇な時に歩いて回るのも楽しい場所だ。特に、飲食関係についてはかなり充実しており、食べるのが趣味の一つとも言える飛龍にとってはうってつけと言えるだろう。
鎮守府のセキュリティーゲートに自分の名前を記録し、IDカードで認証を済ませて敷地内に戻った飛龍は、
「今日も無事に戻ったぞ、と……」
と、一人呟いた。その表情は安堵と共に、何故か微妙な赤みがさしていた。
「あ、飛龍。また外に出て買い食い?」
そんな時、同僚の艦娘の一人が声をかけてきた。
「今日は買い食いじゃありませんー。自分の部屋に帰って食べるつもりでーす」
そう言って飛龍は先ほど買った揚げ物の袋を見せる。
「でも、それとは別にどっかのお店でお昼ご飯食べたんでしょ、本当は?」
その艦娘は意地悪な顔を浮かべて聞く。
「あ、やっぱバレてた?」
飛龍は舌を出してそう言った。
「そりゃ、もうねえ」
と相手の艦娘は言う。元々飛龍は結構な大食いという事でこの鎮守府では有名であった。それでも太る事なく、健康的な体型を維持出来ているので、一部の艦娘からは「太らない秘訣は何!?」と詰め寄られる事があったりする。とは言え特別な事をしているつもりも無いので、その手の質問には答えようが無かったりするのである。おそらくは体質の問題なのであろう。
そんな会話をしている時、突如として強い風が吹き、飛龍のスカートがはためいた。
「……っ!」
飛龍は慌てて袋を持っていない方の手でスカートの前方を押さえる。相手の艦娘も「うわ!」と言いながら髪とスカートを押さえていた。
「今日風強いねー。天気はいいのにさ」
何故か後ろを向いた後、再び前を向き直して飛龍は言った。
「だねえ、やっぱ街の方もこんな感じ?」
相手の艦娘はそう聞いてくる。
「うん、ちょっと嫌、だったかな?」
「まあ、あんまり強いと鬱陶しいもんね」
「そう、だね」
この時点で、飛龍と話を交わしていた艦娘は、飛龍自身の目にほんの少しばかり怪しさが宿っていた事には気づかなかった。いつもの明るい飛龍だと思っていたのである。
「じゃあ、私これから仕事だから。今度、時間が合ったらまた飲みましょ?」
そう言って、その艦娘はその場から離れた。
「うん、じゃあまた」
手を振って見送った後、飛龍はやや早足で自室へと急ぐ。と、今度は意外な人物と出くわした。
「あ、提督! お疲れ様です!」
飛龍は明るい顔で元気良く言う。
「おー、飛龍。お疲れ」
彼女の直属の上官、すなわち提督は言った。そして、
「お前、また買い食いか?」
と、袋を指差しながら冗談混じりで聞いてくる。
「もう! さっきも他の子から同じ事聞かれたんですけど! みんな私の事何だと思ってるのかなー」
そう言った飛龍の表情は少しばかり不満そうだ。
「はは、お前良く食うじゃんよ。俺が作ったやつなんかも勢いよく食ってくれるしさあ」
「え、だって提督の作ってくれるご飯、すごく美味しいんですよ?」
提督の発言に対して飛龍は意外そうに言った。
実はこの提督、料理も趣味の一つという男で、その腕前もかなりのものだ。気分転換に食堂で調理など始めようものならごく自然に艦娘達が集まってきて、場合によっては出来上がった料理の争奪戦になったりする事もある。
「こないだ作ってくれたのも美味しかったなー……」
飛龍は宙を見ながら思い出すように言う。そんな彼女を見ていた提督が、
「あんなもんで良ければいつでも作ってやるけどな」
と言った途端、飛龍の心臓がドクン、と跳ねた。
「えっ?」
と言いながら、驚いたような反応をする飛龍。
「うん? なんか俺、変な事言ったか?」
と、提督が不思議そうに聞いたが、飛龍は一瞬だけ提督を見つめた後、
「い、いえ! 別に、変な事は言ってないです! ハイッ!」
と慌てたように言い、
「じゃあ、すいません! 私、ちょっとお手洗い行きたくなったので!」
と言って、その場を早足で去って行ってしまった。
「あ、ああ……」
そう言って飛龍の姿を見送る提督の表情は相変わらず不思議そうであった。
「はあっ……! はあっ……! これ、マズいかもっ……!」
自室へ向かいながらそう言う飛龍の息は心持ち荒く、顔は真っ赤であった。
そして大慌てで自分の私室のドアを開け、その中に飛び込む。
「はあ〜……バレるかと思った」
ドアに鍵をかけて誰も入って来ないようにしつつ、そのドアに背中を預けながら独り言ちた。
「こんな事してるなんてばれたら、ヤバイよね……」
そう言いながら、そっと自分の手でスカートをめくり上げる。そこには本来、彼女の股間を覆っているはずの布切れ、すなわちショーツなどは無く、女性器が剥き出しの状態であった。しかも何故か、そこは粘液で潤ってしまっており、その一部は彼女の健康的な太ももの内側を伝い始めていた。
実は飛龍、性的興奮が得られると言う理由で、下着を着けないまま鎮守府の敷地内はおろか、その外をも歩き回るという行為に最近すっかりハマってしまっているのだ。ブラだけならまだ良いのかもしれないが、ショーツまでもなのだから実にリスキーである。飛龍が着用しているスカートは丈が短いから、突発的に強い風でも吹けば、そのまま丸出しの股間を公衆の場で晒すことになる。駆逐艦サミュエル・B・ロバーツも下着を着用していないが、それは彼女が肉体的に幼く、未熟である上、元々そういう生活スタイルだったから止むを得ないという事でひとまず現状は黙認されているというだけなのであって、成熟し、男を刺激してやまない肉体を持つ飛龍が同じ事をやって良いという話にはならない。しかも飛龍の場合はサミュエルの場合と異なり、極めて不純な目的の為に、普段は着けている下着をあえて脱ぐという行為に及んでいるのだ。発覚したら問題にならないはずがない。
(でも、そのスリルがたまらないっていうか……)
そう考える飛龍の表情は実に艶やかだ。普段の彼女からは想像も出来ないようなその表情。
実に快活、明るくて素直。傍目からはそんな印象を与える飛龍が周囲の視線をかいくぐるような形で目覚めてしまったのは、露出による快感であった。決して誰にも言えないだろう。
ドサリ、という音を立てて揚げ物が入った袋が床に落ちた。
「もう、限、界……」
そう言って飛龍はその両手で股間を弄り始めた。
──── あんなもんで良ければいつでも作ってやるけどな。
先ほどの提督のこの発言が頭の中にこびりついて離れない。提督にしてみれば、仕事の休憩時間にでもリクエストしてくれれば作れる程度の意味合いでそう言ったのであろう。それは飛龍も理性の部分では分かっている。しかし、彼女はこの言葉を聞いた瞬間、「お前の為に毎日作ってやる」と、プロポーズじみた意味合いに解釈しかけてしまったのである。そしてそれをきっかけとして始まってしまった妄想は先へ先へと進み、提督と夫婦になる過程を一瞬だけ思い浮かべた後、彼を相手に交合を行うという段階まで一気に至ってしまっていた。
「て、提督……! ダメだよお……!」
そう呟きながら、立ってドアに背中を預けた状態のまま、両手で潤んだ女陰を弄り回す。片手でクリトリスを弄りつつ、もう片方の手の指を提督のペニスに見立て、それをよだれを垂らす淫らな女性器の入り口へと挿し込みズボズボと往復運動させる。
当然、提督を相手にした妄想をしながらの自慰行為であるが、現実に露出なんてやっているせいであろうか、セックスに関する妄想の内容もなかなかに過激だ。あろう事か、露出行為を行なっている事が夫である提督にバレて、怒りで我を失った彼に強引に犯されるというシチュエーションを思い浮かべてしまっているのである。
「ごめん、違うのっ……!」
そう言う飛龍が頭の中で思い浮かべる提督は、何が違うんだ、と言い、彼女を強引に犯しながらも、侮蔑の目を向けていた。
膣に挿入している指の出し入れが激しくなる。グチュグチュグチュ、という音が静かに響き、その膣の入り口からは愛液がドロドロとこぼれ落ちる。その粘液の量は室内に入室した時点よりもはるかに増えてしまっており、もはや両足の太ももどころか、足首にまで流れ落ちていた。クリトリスもその興奮ですっかり膨らみきっていて、粘液まみれになった飛龍の指で摩擦され、こねられる。
「何で、そんな酷いっ……!」
妄想の中の提督が飛龍に向かって、この淫売が、と罵っていた。途端、膣がひくつくのみならず、その奥の子宮までもが、キュン、と鳴いたように思えた。足がガクガクと震え、体重を支えるのもおぼつかなくなってきているのか、当初の真っ直ぐと伸びた状態から、微妙に膝が曲がった状態へと変化してきていた。そして、ボタボタと音を立てて白濁化したいやらしい粘液が床に落下していく。その息は非常に荒く、表情はよだれをこぼしそうな程に蕩けていた。
「謝るからあ、許してえっ……!! やめてえっ……!!」
ついに、飛龍が思い浮かべる提督が、テメエは俺のオモチャの役目だけやってればいいんだよ、使い倒されるまで他の事なんざ考えるな、と言い出していた。ただのモノとして扱われるなど普通なら屈辱的なはずだが、何故か飛龍の指のピストン運動はますます激しくなり、傍目から見れば女陰が壊れてしまうのではないかと心配してしまいそうなレベルだ。しかしながら苦痛を覚えている様子は今の飛龍には見られない。むしろ宙を眺めるその表情は悦びさえ覚えているように見える。クリトリスをイジメる快感に痺れ、膣を出入りする指の感覚にひたすら悶える。
「ええっ……!? そんなあ……!! こんなの、ヤダ……ヤダヤダヤダッ!!」
妄想の世界の提督が叫んでいた。俺で孕んでしまえ、と。いつまでも俺専用のザーメン便器として俺の子を孕み続けろ、と。そして、飛龍の中ではとうとう提督による膣内射精が始まってしまったらしい。
「イヤアッ!! ……イヤアアアアーーーーーッ!!」
ついに飛龍は絶頂に達してしまった。背を大きく仰け反らせ、全身を激しくヒクつかせる。そして、彼女の指を咥え込むその淫らな蜜肉の入り口は単に粘液を零すだけでなく、プシュ、プシュ、と軽く液体を吹き出していた。
激しいオナニーの結果もたらされたオーガズムはなかなか鎮まる事がなく、しばらくの間ドアを背にしたまま、飛龍は体を激しく震わせ続けた。
ようやくその肉体が落ち着いてくれた後、虚ろな目をしつつ飛龍は呟いた。
「犯され、た……いっぱい中に、出されちゃったあ……」
無論、全ては彼女の空想の中の話である。提督がこんな真似をする人間ではない事など飛龍だって分かっていた。
しかし、どんなに気丈に振る舞っていても、その肉体は愛する男を求めていた。その男に犯されることを望んでいた。提督の精液を欲しがっていた。提督に種づけて貰いたがっていた。愛する提督に物のように扱われ、そして一方的かつ強引にその胎内へと子供を仕込まれる。それが飛龍の持つ、自分でもうっすらとしか気づいていないような、密かな願望であった。
「ごめんね、提督。私、こんなにいやらしいんだよ?」
トロンとした顔で一人、甘さを含んだ声でそう独り言ちる。
顔をうつむけて、両手を股間に添えたまま、脱力したかのように床に座り込む飛龍。
「やっぱり、気持ちいい……」
荒い息を繰り返しながらそう呟く彼女の目は床に向けられたまま焦点が合っていないが、その表情は淫靡そのものであった。
提督が振り向いてくれる保証などない。むしろ、こんな行為をしている事など知られてしまえば嫌悪され、避けられる危険性の方が高かろう。だが、そんな自分を止める事など出来ない、それだけは確信としてあるし、当然ながら今後の自分は果たしてどうなってしまうのかという不安もある。しかし、それさえも今の飛龍にとっては心をときめかせる為の材料にしかなっていない。それはまるで情婦のような彼女の表情が裏付けていた。
もはや自分自身ですらどうしようもなくなった飛龍の綱渡りのような生活。彼女がこんな危険な生活から脱する事など果たして出来るのかどうか、そんな事は、もはやこの時点では誰にも分からないのであった。