核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。 作:ヘルメット助教授
誤字報告いつもありがとうございます
リクエスト回になります
ギャグ多めで、またまた短めの番外編です
頭を空っぽにして雰囲気をお楽しみ下さい
「……」
「…まぁつまり…俺が言いたいのは
いつまでもサンクチュアリでフラフラしてないで、レイも平時には働けって事だ」
「…いや、しかし…」
「まぁ聞けや
ケンシロウはバーテン、シンは警備隊、トキは人気整体師、俺は外回り、ユリアは街の象徴、リハクは市長
五車星なんて昼夜とわずにユリアの護衛をやってんだし、あのジュウザでさえ夜の街では用心棒やってるみたいだぜ?
アイリは確か……診療所でトキの手伝いをやるんだってな、偉いじゃねぇか
そんでマダラは妹の護衛
で……お前は?
まさかお前、両親にいつまでも養って貰おうなんて思ってちゃいない……よな?」
「お、俺には趣味らしい趣味はない、出来る事は精々、南斗水鳥拳だけだ」
「いいねそりゃ、曲芸師にでもなってみるか?
……違うだろ、もっと簡単に、皆の役に立つ仕事をやれっての」
「だから!思い付かないんだよ!」
「そうかそうか、だったら一つ提案があるんだがよ」
「それは……?」
「ってな訳だミスミのとっつぁん、すまねぇが使えない食材を幾つか貰えないか?」
「ああ良いとも、持っていきなさい
料理人の腕にかかって、私の育てた野菜達がどんな風に生まれ変わるのか、今からでも楽しみじゃ
料理人のレイさん、頑張って下され」
「う、うむ…頑張ろう」
(はい、外堀は完了~♪)
ジャギはレイを連れてサンクチュアリ農耕部門の総括、ミスミの元を訪ねて、レイの為にと余ったり捨てたりする食材を分けてもらえないか頼んだ
かつてジャギによって救われたミスミは、この申し出に恩返しが出来ると喜び、丹精込めて作った沢山の野菜をレイに託す
自分の子供のように育てたと言うミスミに、レイは中途半端な事や、辞退が出来ないと覚悟を決める
それがジャギによって仕組まれた事と知らず…
「しゃおおお!」
「どれどれ…ふむ…かなり薄くなってきたな
次は……もっと他に、輪切り以外の事はできそうか?」
「ならば、輪切りからの、半月!
半月からの、いちょう!
拍子切り、からの、短冊切り!
桂剥き!微塵切り!」
(すげぇ…まな板を無傷にしたまま、野菜だけが切られていく
しかし、何とも華のある……)
南斗水鳥拳で野菜の皮をどれだけ薄くできるか、どんな切り方が出来るか、それをチェックしてみれば、レイは様々な包丁捌きならぬ、指捌きを披露してジャギを唸らせた
聞けばレイの母親がアイリを身籠っていた頃、レイは母親の口頭の説明だけで台所に立ち、料理を作っていた事があったらしく
その時の経験を今、こうして活かしているそうだ
「どうだ……?」
「包丁捌きは合格だな
これだけ食材を無駄にしない切り方なら、ミスミのとっつぁんも喜ぶだろう
だが、料理は切り方じゃねぇ」
「無論だな
…料理器具を探しに行くか…」
「アホ、まだまだその器じゃねぇよ
半人前にもなってないお前は、まずはシェルターの厨房で新入りから初めやがれ
許可は俺が取っておくから、お前はそのまま厨房に向かう前に、家族に一言いっとけよ、どこ行ったか心配するかもだしな」
「…それもそうか…、では行ってくる」
(ひひっ、これでまたも外堀の埋め立て完了~♪)
ジャギは心の中でニヤリと笑うと、直ぐにシェルターの厨房に向かって料理長にレイを紹介、まずは雑用からミッチリしごいてやれと言っておく
料理長も指で野菜を切るとか面白い奴だと笑い、レイを受け入れたのであった
後日ジャギが厨房を訪ねてみれば、先輩料理人にコキ使われながらも、キビキビと働くレイの姿があった
直情的だが真面目、そして体育会系ならではの世界(相手は死ぬ)で生きてきたレイに、先輩料理人達からの受けは良いらしい
レイは仕事が早いのか、自分の仕事の合間に先輩料理人に、あれこれと貪欲に料理の知識を習っている
たまに客の前に行き、デモンストレーションのように包丁いらずの指捌きを披露し、客席を大いに沸かせているそうだ
(こりゃ案外、上手くいくかもな……)
ジャギとしてはレイがフラフラと外に出て、うっかりラオウあたりに殺されるのを阻止するための口実に過ぎなかった
料理人を薦めた理由にしても、南斗水鳥拳って人間を料理してるみてーだな。という安易な発想からである
しかし蓋を開けてみれば、レイの動きや真剣な表情は本物だ
また狭い厨房では腕を振り回せないのか、腕はそのままに、指だけを動かして野菜や肉を切っているではないか
(野郎……あんな工夫もしてやがる、大したもんだ)
その日はそこまでにし、ジャギは帰った
そして一週間後、レイは雑用や食材のカットから、フライパンを使う『焼き』担当に昇進していた
炎を上げて炒める中で、レイはフライ返しを使わずに、指で食材を混ぜ始めた!
(お、おい!そりゃいくらなんでも…!)
ジャギはハラハラと見守るが、回りは特に何も気にしていない
……ということは
(ええ!?マジ!?
いや、そんな……熱くねぇの!?
……いや、待て……あれは、そうか!)
最初は驚いたジャギだが、直ぐにその秘密を見抜いた
レイは高速で指を動かし、指の皮膚と、空気の層との間に真空状態を造り、火傷をする事なく食材を炒めているのだ
空気抵抗?空気摩擦?
なんだそれは?
そんなものは核の炎と共に燃えたのであろう
その日はそこまでにし、ジャギは帰った
またまた一週間後、ジャギは厨房を覗きに来た
(どれどれ?おっ、今度はスープか!)
大鍋の中に数多の食材と水を入れ、弱火に設定し、灰汁を丹念に取るレイが居た
厨房にはレイが一人で、複数の大鍋を見ている
どの大釜からも良い匂いがしてくると、ジャギは無性にラーメンが食いたくなったので、直ぐに監視を切り上げ、手下を連れてラーメンを食いに行ったのであった
そして更に日数が経過した……
「美味しい…レイさん、これ本当に美味しいですよ」
「そうですか…それは良かった
……ジャギはどう、だ?」
「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ
……っくん、まあまあ食えるぜ」
「そ、そうか、なら良いんだ
如何ですか、料理長?」
「悪くねぇ、まだまだ改良が必要だが筋は良い
これからは一人で頑張りな、戻ってくんなよ」
「は、はい!ありがとうございます!」
「レイさん、おかわり貰えますか?」
「俺も!」
「おら、客を待たせんな!」
「ああ!どんどん食ってくれ!」
こうして協力して貰ったミスミ、ジャギ、料理長に認められたレイは暫くは両親の喫茶店で腕を振るう
腕が良いイケメン料理人の噂は瞬く間にサンクチュアリ中に響き渡り、レイを見たさに年頃の娘や奥様層が毎日のように到来し、店は繁盛する
それでも手を抜かないレイの料理に感動し、嫁入り希望をする女性が何人も現れるが、そこに決まってユダ(女)が現れ、不機嫌な女王のオーラを全開にして追い払うそうだ
ただしそのユダも毎回、営業妨害だとレイに摘まみ出されるそうだが……
たまに無銭飲食狙いのヒャッハーもやってくるが、大体は番犬(マダラ)のド迫力にビビって退散するか、レイによって薄皮を全て切られ、血だらけになって退散する
殺さずに敵を生かし、あそこはヤバいと躾る技をレイは覚えたようだ
そして本日も平和なサンクチュアリ、その街にある喫茶店の厨房に、レイは今日も立つ
纏まった資金を手にしたら一国一城の主として、サンクチュアリに食事処を開く事を夢見て……
完
以上、kiakiaさんのリクエストになりました!
かなりざっくりとした修行時代の話になりましたが、作者として気に入ってます
その内、ユダの番外編も作りたいな。小声
ミスミ、知らない人は『種籾(たねもみ)の爺さん』で思い出して下され
そんな作者が人生最初に夢見た仕事は、コックさんでした
リクエストは打ち合わせ可能なメッセでお願いします
感想、補足ありましたらお気軽にどうぞ♪
ありがとうございました!
ジャギの子供は有りか否か
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有り
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否! 断じて否である!
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結婚相手によるな
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そんなことより世紀末バスケやろうぜ