核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。 作:ヘルメット助教授
いつも誤字報告ありがとうございます
前回の番外編の続きとなります
雰囲気をお楽しみ下さい
「嘘だろオイ」
「……ラオウ」
ラオウ程の豪傑が、エイリアンに捕まっていた
ジャギとケンシロウはラオウの実力をいやと言うほど知っており、そのラオウを捕らえたエイリアンに一瞬だけ戦慄をする
一瞬だけである、先程までのエイリアンは正直に言うと肉弾戦は大した印象はない
ラオウが捕まる可能性はゼロに等しい
では何故、ラオウは捕まっている?
ジャギは内心で首をかしげるが、このままにしてもおけない
操作盤を扱えるマミヤと、機械に強くされたジャギがラオウの解凍を試みる
「……よし、これとこれの配線が、こうだから、これでどうだ…?」
「…ダメね、あまり下手に弄くるとラオウがもたないかも」
「……氷なら溶かせば良い」
「くそっ!くそっ!
なにやってんだよ兄者!起きてくれ!」
「氷なら溶かせば」
「落ち着いてジャギ、冷静になりましょ
またアイツらが押し寄せてくるかもしれないし、まずはこの船を抑える事から始めましょう
ラオウなら大丈夫よ、見て、彼だけは何だか特別なカプセルって感じがしない?」
「氷なら」
「た、確かに…他の人間のヤツよりは頑丈そうで、なんか厳重そうだな」
「氷」
「ケン!黙って!
私の操作盤は、この部屋では使えないみたいだし、見たところこの部屋には別の操作盤は無いわ
でも、ここにないとしたら操縦室とか、艦橋にあるのかも」
「艦橋とは何だジャギ?」
「るせぇ!黙ってろ!
そうか、あるかもな!この部屋には少なくともねえし、よし!そうと決まったら、さっさとに行くぜ」
「…マミヤ、艦橋とは?」
「質問は後で!見て…お客よ」
「…む…」
またも作業用らしきロボットが、今度は軍団で現れた
一体なら上手く立ち回れば屁でもないが、大群となると少し厄介
そこでジャギのブラスターが火を吹く
しかし放たれた眩い光がロボットの頭に当たっても、エイリアンのように『灰』とはならなかった
せいぜい二、三歩だけ後退りさせてた程度に終わる
有機体ならば即座に灰にするブラスターも、無機物は流石にそうは出来ないようだ
散弾のダブルバレルショットガンならば装甲を撃ち抜き、中で弾が『跳弾』し、内部をズタズタにできたかもしれないが生憎、ジャギ愛用のショットガンは奪われている
含み針は武器と見なされなかったらしく、手元にあるが、頭が剥き出しのエイリアンなら有効だが、鋼鉄の固さのロボットに効果は期待できない
「ちっ!なら、こうしてやる
おらおらおらおらおらぁ!」
初弾でロボットの頭部へのブラスターは効果は薄いと分かると、ジャギは剥き出しの配線をレーザーで焼き切りに掛かる
がら空きの腰回りには人間と同じく、下半身へ命令を飛ばす配線があり、そこを切られるとロボットは歩く事が出来なくなり、這いながらでしか寄って来れなくなる
しかしそれは敵は倒せず、時間稼ぎにしかならない
「ちっ!もっと火力のある銃じゃなきゃ、ヤツ等を壊せねぇか
マミヤ!ここは一時、退却だ!
ルートを教えやがれ!」
「待って、ここからの脱出するルートは…」
「北斗鋼裂把!岩山両斬波!」
マミヤが調べている中で、ケンシロウが鋼鉄をも引き裂く(本人談)、アイアンクローこと北斗鋼裂把でロボットの頭を潰し
凄いチョップこと岩山両斬波が頑丈なボディを凹ませる
北斗神拳はロボットにも優先らしい有効
ただの馬鹿力にしか見えないが、潜在能力をフルに使う事が北斗神拳の呼吸法なので、アイアンクローやチョップも必殺技になるのだろう
「わかった!皆こっちよ!」
マミヤがターバンのガキを背負って走りだすと、ケンシロウとジャギも続く
速度は遅いが、ガチャガチャと音を立ててロボット軍団が追ってくる
「ここか!?、っておい!」
「これしかないの!我慢して!」
死体を捨てるダストシュートが脱出口だったらしい
入り口の隣には若干、解凍された死体が山積みされている
「ケンシロウ!先に行け!
何がいてもオメーなら大丈夫だ」
「ケン、お願い!」
「……うむっ」
入れ入れと、ケンシロウが入り口の前に出され、本人は特に分かっていないらしく、ダストシュートで滑って行った
ガチャガチャという音が近付いてきた、もうそこまでロボット軍団が追って来ている
「……おし、次はマミヤだ、さっさと行け!」
「殿はおねがい!はぁっ!」
マミヤはターバンのガキを抱き締めてダストシュートに入り、凄い速度で狭い坂を降下する
真っ暗な中、入り口の方からジャギの雄叫びと、ブラスターを乱射する音が聞こえてくる
(…どこまで降りるの…!)
まだ底に到着しないのかと思った瞬間、体が浮遊感に包まれ、落下
「きゃああああ!」
「……むんっ!」
聞き覚えのある声と確かな力によって、マミヤは落下死を免れた
「ありがとう、ケン」
「……うむ、ジャギは?」
言われたマミヤが上を見たが、真っ暗な空しか確認出来ない
やはりこの部屋も全体が暗く、壁や天井は黒に染められている
ゴミ捨て場なので、匂いもキツい
いや、それよりも
「ジャギは…私を先に行かせて…」
「……そうか、ヤツらしくない最期だが、仕方ない、先を……む?」
北斗神拳の使い手であるケンシロウの耳に、何かが聞こえ、顔を上げると
「ぬぉ!?うひゃあああああ!
…………っっっっ!!」
ジャギが死体の山にダイブ
ケンシロウはマミヤを抱えたまま、スタスタと歩いてジャギの落下地点から回避した
「ぐはぁ!ぺっぺっぺっ!
あ~死ぬかと思った」
「ジャギ、無事だったのね
……良かった」
マミヤは安堵の表情、ケンシロウは仏頂面だ
「ところでマミヤ、こっからはどうすんだ?
見たところ、出口らしき扉は一つあるが、外に出たらまたロボットに襲われちまうぜ?」
確かにジャギの指差す先には扉があるが、ロボットから逃げて来たのにまたヤツ等に見つかって意味がない
しかしマミヤには考えがあった
「任せて、死体を集める所なら、必ず排気用のダクトが……あった!」
マミヤが探し物をしながら言っていると、目当てのモノ、排気用のダクトの入り口を発見した
高い位置には人間が通れる程の、大きな換気扇があった
それを見て、成る程なと理解したジャギは、ブラスターでダクトの入り口を塞ぐ換気扇を破壊し、そこへ高々と跳躍
「南斗邪狼撃!」
空中でジャギは壁に南斗聖拳で腕を差し込み、体が落ちないように固定し、ダクト回りの破片を綺麗に排除、人が問題なく通れるよう整えた
おそらくマミヤがいるからであろう、なにしろ女の肌は繊細
恋人や部下に女が居ると、ジャギも色々と気が回るようだ
「おっし!ケンシロウ!
マミヤをガキごと俺に投げろ!」
「えっ?」
「……行くぞマミヤ」
「え?え?まっ
いやああああああああ!」
ターバンのガキを抱えたままのマミヤを、ケンシロウは豪快に投げ、ジャギにパス
ジャギは片手で、 マミヤの体をキャッチしたのであった
…幾らマミヤでは跳躍できない高さと言えど、投げたりするやり方は、レディには如何かと思うが…
「くそっ、せめぇな
おまけにクセぇ、最悪だ」
「…ジャギ、黙って早く行け」
「ケン…そんな事いっちゃダメよ…」
ジャギ、ターバンのガキを背負ったケンシロウ、操作盤を扱うマミヤがダクト内部を進む
内部は人は確かに通れるが、膝を付けて、這わなきゃならない程に狭い
ジャギを先頭にしたのは、もし前方からエイリアンが現れても、遠くから殺せるブラスターがあるからだ
決してマミヤが、お尻を見られる事を嫌がった訳ではない
ジャギにはアリサが、ケンシロウにはユリアが居るので、決してそれはないと思う
「もう少し、行った先、に、倉庫や武器庫のような所があるの、そこで色々と、準備しましょ
小さめの、拳銃なら、私も、使えるし、ね」
這いながらで言葉が途中で切れるが、マミヤの指示に従って三人は進む
そして
「ヒューッ!こりゃあ、すげぇや」
「見たこともない銃が沢山」
「…………」
目的の武器庫に到着した一向は、それぞれに合った得物を物色
「へへへっ、エイリアンども、俺様を敵に回した事を後悔させてやらぁ」
ジャギが戦闘準備に入る
腰には二丁のエイリアンブラスターとそれの弾倉が煌めき、他にも色々と見つけていた
背中には四連装ロケットランチャー風の、ブラスターキャノンを背負い
ポケットには手榴弾風の、プラズマグレネード
両手でライフルのような、アサルトブラスターを持った
そして、奪われていた愛用のダブルバレルショットガンも見つけ出し
それらを身に纏ったジャギはやる気まんまんで、いつもより生き生きしており
『デェェェェェン!』
という効果音も聞こえそうだ
マミヤは未だに眠るターバンのガキを守りながら、二人に道を示す大切な役割があるので、武装にはジャギがチェックして問題ないと判断したブラスターと、そしていつもの殺人ヨーヨーと娥媚刺
ケンシロウがボキボキと拳を鳴らす、どうやら素手で殺る気まんまんな様子
そして自動扉を開いて廊下に出ると、作業用ロボット軍団、そして今までのエイリアンとは違う服装のエイリアン、戦闘用エイリアンが前後にバリケードを張って、そこからブラスターを撃ってきた
「おぉぉぉらぁぁぁ!」
ジャギはご機嫌にブラスターキャノンを撃ち、進行方向を塞いでいたバリケードとエイリアンを爆散
そこにケンシロウが突っ込み、エイリアンを殲滅すると、先を急ぐ
マミヤがターバンのガキを背負って、ケンシロウに続き
一向の殿を務めるジャギは、後方から迫る、エイリアンとロボット軍団にアサルトブラスターを撃つ
腰だめの撃ち方でヘッドショットを連発し、次々と殺害、破壊していく
常人がライフルの腰だめ撃ちで、ヘッドショットなど無理な話だが、北斗神拳に不可能はないので、その秘訣は割愛させて頂く
「なんだなんだぁ!
さっきまでの銃とは、マジで威力がダンチじゃねぇか!」
エイリアンはともかく、作業用ロボットの装甲を紙のように貫く、眩い光
これまでジャギが使っていたブラスターは、どうも意図的に威力を下げられていたようだ
エイリアンはとにかく小柄で、華奢、あれでは普通の威力のブラスターを撃てば、体が仰け反ってしまうだろう
(けっ!このご機嫌な銃の本領を生かせてないヤツ等にゃ、宝の持ち腐れだぜ!)
気付けば後方の敵は殲滅しており、ジャギは先に行った二人を追うのであった
「アタァ!」
ケンシロウは次々とエイリアンを緑の液体に変えつつ進撃
マミヤはターバンのガキを抱きしめ、ケンシロウに続きながら指示を出しており、たまにブラスターを撃ってケンシロウを援護している
「ケン、この先の部屋、そこに入るわ!」
「…うむっ、…む?」
エイリアンをあらかた片付けたケンシロウ、しかし最後の一匹がブラスターを構えて狙いを定めている
撃ってくるな、そう見抜いたケンシロウは
「こいっ、れーざー、などという飛び道具など、北斗神拳奥義『二指真空把』の前には無力」
ボキボキと拳を鳴らし、腕を前に出すケンシロウ
…まさか、レーザーを二指真空把で跳ね返す気なのか…?
「ケン、何をしてるの?」
謎の行動に出たケンシロウに、マミヤ、そして敵対するエイリアンも訳が分からないと言った顔になる
だが、千載一遇のチャンスと、エイリアンはブラスターの引き金を引いた
眩い光が放たれる
「北斗神拳奥義、二指真『よけろバカ!』
追い付いたジャギが体ごとケンシロウを押さえ込み、二人の頭上をレーザーが通過、ジャギはそのまま愛用のショットガンで、エイリアンの大きな頭部を蜂の巣にした
レーザーは、二指真空把が出来ないと叱られたケンシロウは納得がいかない顔(無表情)だが、ジャギはマミヤが案内した部屋に入る
そこは
「ロボットの製造ライン……ってか」
「さっきのロボットより、もっと実戦的な装い…さながら戦闘用ロボットかしら」
「どら」
ジャギはブラスターを完成途中の戦闘用ロボットに向けて、撃つ
放たれた眩い光は、戦闘用ロボットの表面装甲に施された特殊なモノによって弾かれた
「ブラスターが効かねぇ…!」
「…任せろ、アタァ!」
今度はケンシロウがロボットの頭部を打つが、殴られた箇所が僅かに凹むだけで、破壊には至っていない
「う、嘘だろ…ケンシロウでも無理なのか」
「こんな化け物ロボットが、見えるだけで百台はいるなんて……」
北斗神拳の使い手が二人がかりでも破壊できないロボットが、部屋の中に大量に陳列している
こいつらが起動したら、間違いなく死ぬ
直ぐ様、ジャギとマミヤは破壊活動を開始した
マミヤが操作盤で製造ラインを停止させ、次に工程とは逆の事を製造ロボットにさせ、戦闘用ロボットを次々と分解させていく
ジャギは完成品のロボットを徹底的に調査し、弱点を見つける事に全力を注いでいる
機械どころではないケンシロウは、ターバンのガキのお守りである
「ジャギ!ラインのロボットは終わったわ!
次は完成品の解体をやってみるわね!」
「おう、任せたぜ!」
マミヤが世話しなく部屋を行き来しながら、操作盤を弄り
ジャギが頭を掻きながら、装甲をバラバラにしたロボットと睨めっこをし、動力やセンサーや配線の位置を何度も確認している
時折、装甲に北斗神拳や南斗聖拳を打ち込んでいるが、特殊装甲は傷一つ付けられていない
(…俺も何かしよう)
手持ちぶさたにケンシロウが立ち上がり、することを探し回る
ロボット、コンベヤ、作業用アーム、部品
操作盤は無いようだ
しかし右を向いても
(……機械)
反対に左を向いても
(……機械)
上を向いても
(……暗い)
する事が分からない、しかしこれではいかんと、ジャギの真似をして近くにあったロボットを弄くりだすケンシロウ
取り敢えず、見てみる
(身長は約二㍍、体重不明
顔、二本の腕、二本の脚の人
全身は黒、飛び道具はない
ならばコイツは拳士か?)
装甲をベタベタと触ってみる
(……冷たい)
次に頭部を触る
(……丸くて、冷たい)
最後に背中に回る
(……黒くて広い背中、む?)
ロボットの後頭部に窪みがあり、よく見ればボタンらしきものがあった
(……ボタン?、…………)
ケンシロウはそのボタンを、アタァ!と押した
すると
『BiBiBiBiBiBi!』
「……ん?」
ロボットが唸りを上げて、小刻みに揺れだした
…嫌な予感がする…
『グボォン……コーホー』
ロボットの目が光り、呼吸音のようなものがすると、ロボットはケンシロウに襲い掛かったのであった
「ぐああ!」
「な、何だ!?」
ジャギの所にケンシロウが吹き飛ばされてきた
「おい、どうしたケンシロウ!」
「くっ、気を付けろ、来るぞ」
「なぁにぃ?うおっ!」
ジャギが視線を上げれば、高速で迫る戦闘用ロボットが見えた
走る素振りをせずに、地面を滑走している
「足の底面にローラーを内臓だぁ!?
こっちのヤツはそんな機能はねぇぞ」
確かによく聞けば、足底の車輪でも仕込んであるのか、『ガィィィィン!』という駆動音が聞こえる
このままじゃロボットの体当たりを食らう
「避けろジャギ」
「ちっ!」
ジャギとケンシロウはロボットが当たる直前に、左右に飛んで回避
ロボットはそのまま後ろの壁に激突
しなかった
ロボットは足にまだ何かを仕込んであったのか、ソレを床に差し込み、勢いそのままにターン
ケンシロウに体当たりをした
ターンした箇所には、アイスピックでも打ち込んだような刺し穴が空いていた
「くそっ、食らえ!」
ジャギがライフルを撃ち込む
出鱈目にではない、腕や脚の間接部分を狙う
「ちぃぃ!ちっとも効きゃあしねぇ!」
やはり特殊な表面装甲に弾かれ、レーザーは役に立たない
後ろからジャギが撃っているのに、ロボットは歩みを止めずに床に転がるケンシロウに迫る
片手でケンシロウの首を掴み、軽々と持ち上げると、掴んでない方の手を、抜き手の形にした
(刺し貫くつもりか!?)
「させるかよ!おらぁ!」
撃つのを止め、ジャギはロボットの無防備な背中に襲い掛かると、近距離からショットガンを連射
「うおおおおおおおおお!」
がら空きの背中、そこに凄まじいスピードで発射とリロードを繰り返せば、放たれ続ける弾丸が表面装甲を剥がし始めた
戦闘用ロボットの装甲はレーザーには強いが、実弾にはそこそこ弱いようだ
するとロボットも煩わしいと思ったのか、ケンシロウをジャギにぶつけて、二人を吹き飛ばす
「ちっ、くしょうがあ!」
「ぬっ、ぬぅ強い」
背中の装甲が剥げたロボットが、赤い目を光らせて二人に迫る
「…ケンシロウ、耳貸せ」
「むっ……ぬぅぅ!!はああああああ!!」
ジャギがケンシロウに耳打ちし、それを伝えると、ケンシロウはロボットに正面から立ち向かい、ジャギは死角へ死角へと回り込む
ロボットは視覚センサーをフルに使い、曲者ジャギを掴まえようとするが、そこは上半身裸になった本気モードのケンシロウが阻止
アタタタタタと連続でその拳を、ロボットの胸の真んに打ち込み、少しずつ凹ませていく
ロボットの最大の弱点である動力炉がソコにあるのは、既にジャギが調べており、ケンシロウはソコを破壊する為に、拳を打ち込み続ける
ロボットもそうはさせまいと、ジャギは捨て置き、ケンシロウの動きを真似て怒濤のような連続攻撃を展開
まるで水影心のように、瞬時に相手を真似するロボット
これでは長期戦はキツい
ましてケンシロウは幾ら強くても生身、そういつまでもロボットの鋼の拳は受け続けられない
「ぐふっ……」
遂にケンシロウが膝を付いた
装甲を破り切るには、あと一撃、あと一撃だけでよい、なにしろその直ぐ下には、ロボットの動力炉があるのだ
ロボットが止めの一撃だと、拳を振り上げた
だがその拳は、いつまで経っても振り下ろさせる事はなかった
ケンシロウが不思議に思い、片ひざを着いたまま顔を上げれば、ロボットが未だに拳を振り上げた体勢で固まっていたのである
「???」
「ふぅ~、間一髪だったな」
ロボットの後ろからジャギが姿を現す
そしてケンシロウにロボットが停止した理由を話す
と言っても簡単な話だ
先程ショットガンを背中に撃ってきたジャギは、ロボットの後頭部に起動ボタンらしきものを見つけており、ケンシロウがロボットの気を引いてる間に、そのボタンを長押ししてシャットダウンしたのだ
「…シャットダウン…?」
「あ~、テレビの電源を切ったって事だ」
「ロボットが…テレビ?」
「忘れろ…それより、なんでコイツだけが起動したんだ」
「…………」
「ケンシロウ、知ってるか?」
「………………知らん」
「そっ……か、まあいい、取り敢えず停止ボタンは分かったのはデカいな」
「…うむっ、マミヤは?」
「おっと、そっちも終わったかもな、ケンシロウ行くぜ」
ジャギの後を追うケンシロウ、それで良いのか?
マミヤはジャギ達が死闘を繰り広げている間もロボットの解体をしており、更にはエイリアンが封印している強力な武器を探し出していた
「それが、これか?」
ジャギは手渡された武器をマジマジと見る
「ブラスターとそんなに変わらないな
……どれ」
ジャギはまだ解体されてないロボットに狙いを定め、引き金を引こうとすると
「ぬっ?ぬっ!?ぬぅぅぅ!」
「どうしたのジャギ?」
「か、固てぇ!引き金が固てぇんだ」
まるで錆び付いているかのように、そのブラスターの引き金は固い
しかしジャギも諦めない
今度は北斗神拳の呼吸法で身体能力をフルに発揮すると、そこで漸く引き金が微かに動いたのを感じる
「きっ、きた、きたきたきたぜぇ!
…………どらぁぁぁぁぁ!」
渾身の力で引き金を引けば、普通のブラスターとは明らかに出力の違うレーザーが放たれ
今までビクともしなかった戦闘用ロボットの装甲を貫いたのであった
ジャギとケンシロウは驚く、あれだけ苦労したロボットの胸に、向こう側が覗ける穴が空いていたからだ
「す、すげぇ威力」
「そう、ね」
「…北斗神拳に不可能はない」ドヤァ
そのブラスターが異常な威力を持っており、かつ北斗神拳を使わなければまともに引き金を引けないので、ジャギは非力なエイリアンに扱うのは難しいが、ロボットなら引けるかもしれないので残して置くのは危険
取り敢えず戦闘用ロボットの切り札として、こいつは俺が預かっておくと言って懐にしまった
そこから三人はせっせとロボットの解体を開始、マミヤはライン作業でロボットを解体し、ケンシロウがロボットを運ぶ手伝いをする
ジャギは『切り札』のブラスターで次々と破壊
部屋にあったロボットを全て破壊し尽くすと、戦闘の連続や先程の傷もあって、ジャギとケンシロウは動けなくなってしまった
疲れもあるが、それよりも
「は、腹減った」
「言わないでよ、私もなんだから」
「…………」
「ケンは大丈夫みたいね」
『ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!』
『…………』
「……腹減ったな」
まるで漫画である
「しゃーねぇ、探しに行くか」
何か食料ないかと、三人は部屋の中を探し回る
すると
『きゃああああああああ!』
マミヤの悲鳴が上がる
ジャギと、ターバンのガキを背負ったケンシロウは声のした場所へ向かえば
水槽にウネウネと蠢く、『イカ』と『ミミズ』のような軟体動物がいた
その前でマミヤが腰を抜かしている
どうも彼女はこの手の、ウネウネとヌメヌメが苦手なようだ
ジャギとケンシロウが水槽を覗き込む
(うぇぇぇ、なんだぁ、イカ?ミミズ?
これ、生き物だよな?もしかして、これ、食?)
『ザバァ!』
水から何かを揚げる音がし、ジャギとマミヤはそちらを見ると
『もぐもぐもぐもぐ』
「「…………」」
ケンシロウがイカを、ターバンのガキがミミズを頬張っていた
生きたまま、豪快にかぶりつく、二人
「いやあああああ!
ヌメヌメ嫌あああああ!
ウネウネ嫌ぁぁぁぁぁぁぁ! あふん…」
「…………っ!」
マミヤは気絶し、ジャギもドン引き
ケンシロウはジャギに親指を立て、……旨い、と言い
ターバンのガキはミミズを丸のみすると、ニヤリと笑うのであった
ジャギの武装、ロボットの起動や動きは、作者が好きなモノがてんこ盛りです。全部わかった貴方は凄い!
当初はロボットの色合いを考えているときに、作者の心の声がこう言いました
『こいつの肩は赤く塗らねぇのかい?』と
あれぇ?レイの声に似てたようなぁ~変だなぁ
もしかして、友情出演かしら?すっとぼけ
今度よけいな文を書いたら、指を縫い合わすぞ。とかは勘弁して下さいませ
あと一話でこの番外編も終わりますので、もう少しお付き合いください
リクエストは打ち合わせ可能なメッセでオネシャス
感想、補足ありましたらお気軽にどうぞ♪
ありがとうございました!
本作品のヒロインは?
-
アリサ
-
三人衆をセットにすれば良い
-
作中で誰よりも早く花嫁姿になったマミヤ
-
世紀末レベルで悲劇のプリンス、アミバ
-
そんなことより、リハクを殴らせろよ!