※この作品はR-18です。

核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。   作:ヘルメット助教授

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誤字脱字ありましたらスイマセン


2話

「トキ!こっちだ!」

 

「っ!?」

 

いきなり手を取られた長髪の男、トキは直ぐに理解、対処が出来なかった

 

核戦争が勃発し、北斗の里の近辺にも核ミサイルが投下され、死の局面で慌てていたせいもある

 

なによりトキは、先程まで末弟ケンシロウと彼の婚約者ユリアと共に、最寄りのシェルターを目指して奔走していた

なんとかシェルターに辿り着くが、あと2人しか入れないと中から告げられてしまう

 

そこでトキは自らを犠牲にして、ケンシロウとユリアを押し込むとシェルターの扉を閉じた

 

閉じる瞬間、ケンシロウの顔がトキの瞼に焼き付いている

 

上手く笑えただろうか……

 

数秒後には自分は核の炎に焼かれるか、核の灰にやられて不治の病に犯されるだろうと、トキは覚悟を決めた

 

 

 

だが、そうはならなかった

 

いつからそこに存在したか分からないシェルターの入り口へ、強引に引き込まれた

 

トキの手を引いた男は急いで出口を塞ぐのと同時に、今度は物凄い地鳴りが内部にまで響き、凄まじい轟音が衝撃波となってシェルターの強固な入り口や壁を強く揺らす

 

それが落ち着くと入り口を塞いでいた男、ジャギが未だに状況を把握出来てないトキを軽々と抱え上げ、シェルターの奥へと歩きだす

 

「お前は……ジャギ?」

 

明かりに照らし出された男が誰なのか、初めてそこで理解したトキが口を開いた

 

「よう次兄、間一髪だったな

……って、なんだよその面」

 

まるで鳩が豆鉄砲を食らった顔をしているトキに、ジャギは尋ねる

 

「……まさかお前に助けられるとは」

 

「なんだよそれ、俺が次兄を助けるのに理由が必要なのかよ?」

 

「それは……しかし私は、ジャギお前を……」

 

「ふん、次兄がケンシロウ達を助けたのに理由があるのか?

俺にはとくに無かったぞ?」

 

「ジャギ……ありがとう、恩に着る」

 

「……へへっ、ほらさっさと行こうぜ」

 

トキを廊下に下ろすと、2人は廊下を歩きだしたのである

 

 

 

こうして原作漫画における最大のやらかし『トキの被爆』を回避したジャギは、トキをシェルターの奥へと導く

 

そこには2人分のシェルターがあり、電話のコール音が鳴り響いていた

 

この空間は当初、ジャギが世紀末に用意した違法シェルターと繋げる予定だったのだが、思ったよりトキが閉め出されたシェルターを探すのに手間取ってしまい、それは叶わなかった

 

ただモヒカンや使用人達の留守を安否確認する為に、電話回線だけはしっかりと結ばせているようだ

 

鳴り止まない電話のコール音、ジャギが受話器を取って話を始める

 

「おう、俺『ジャギ様!?

良かった無事だったんスね!

オレ達マジで心配したんスよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』

だあああああ!うるせぇぞ馬鹿野郎!

受話器越しにデカい声で喚くんじゃねぇ!」

 

『すいません……(´・ω・`)』

 

ジャギの安否を心配したモヒカンの大声に、鼓膜が激しく揺らされたジャギは激怒する

それでも自分を気にかけてくれた事は違いないので、直ぐに怒りは鎮まった

 

「はぁ……取り敢えずこっちは無事だ、そっちはどうだ?」

 

『あ、はい!施設も人間も大丈夫ッス』

 

「ん……、取り敢えず合流は暫く出来ないから、そっちはそっちで上手くやれ、ただし変な事すんじゃねーぞ?

あと、扉が解放できるようになっても俺が来るまでは誰も入れるな」

 

『はい!分かってやす!

ジャギ様、お気をつけて!』

 

 

 

ジャギが手下との会話を終えて受話器を置くと、今度はトキが話かけてきた

 

「ジャギ、ここからケンシロウの居るシェルターへ行けたり、電話が出来たりするのか?」

 

「いやそれは無理だ、このシェルターは俺が備えていたシェルターにしか電話できない仕組みになってる、諦めてくれ」

 

「そうか……」

 

「……そんな悲しそうな顔をするなよ

あの2人はシェルターに居るし、次兄はこうして無事に生きてるじゃねえか」

 

「……」

 

ジャギの苦し紛れの慰めの言葉はトキには届かない

しかしトキを犠牲にしてしまったと、今も別のシェルターで嘆くケンシロウ達に比べれば幾分マシと言えよう

 

 

 

その日からトキとジャギはシェルター生活を共にする

 

備えは充分にあり、運動用の広間もある

 

ただ、いつ外に出れるかは分からない

 

シェルターに完備されたシステムが、人間が外へ出ても良いかの判断をするので、原作漫画を読んだジャギにすら外に出るタイミングは不明

 

ただ時間を無駄にする気はない

今日も2人は北斗神拳に磨きをかける

 

ジャギはトキの救出が叶えば彼に直々の稽古を付けて貰う予定であった、そしてトキは恩返しにとその提案を了承してくれたのだ

 

 

 

「今日も行くぜ!兄者!」

 

「来い……ジャギ」

 

「かぁぁぁぁああああ!

北斗っ千手殺ぅぅぅぅ!」

 

シェルターの内部に作らせた広間にて、常人では捉えられない速度で動く両者

 

繰り出す幾多の手刀や拳が空を切る

頑丈な壁を蹴って軽々と宙に舞い、着地までに数百の技の応酬をしたりもする

 

ジャギは本気で行った

なにせ相手は原作でも最強と呼ばれるトキ、技の出し惜しみも遠慮も無い、がむしゃらに攻めに攻めるのみだ

 

だが二千年の歴史のある北斗神拳において、トップクラスに心技体が完璧なトキの前では、半端なジャギの北斗神拳やスロー過ぎる南斗聖拳の一切が通用しない

 

どんなに心を燃やしても、それとは逆に氷のように感覚を研ぎ澄ませても、呼吸を最大限に整えてもだ

 

トキは流れに抗う事なく身を任せ、同化し、受け流す

繰り出しても繰り出しても、ジャギの拳や蹴りは避けられ続けた

 

次第にジャギの呼吸法が途絶え出せば、身体能力はみるみる低下し、遅さが増していく

 

そこへトキのキツい撃が容赦なく彼を襲う

 

トキは限界を超えた先の真の力を、何事にも諦めがちなジャギの内から無理矢理に引き出そうとする

 

心技体の『心』、その鍛練なのだろう

 

トキの技は全て寸止めではあるが、それでも特上の痛みがジャギを襲う

 

水影心を幾ら用いてもトキの技はあまりに多才、そして受ける技の全てがジャギには初めて見るものばかりなので、これでは防ぎようがない

 

トキはそれでも水影心を解くなとジャギに言い続ける、それはジャギの体に直接に己の技を叩き込む為

 

心技体の『技』の鍛練だ

 

とんでもない荒療治だが、これを望んだのはジャギ本人なのでトキにはどうしようもない

 

こんちくしょうと何度も何度も奮い立ち続けるジャギだが、やはり限界は来てしまう

 

「今日はここまでだ……天翔百裂脚」

 

「おがががががががが!

……か、がはっ……!」

 

清流の様に柔らかで無駄がない蹴りの嵐

 

それが、ジャギが本日最後に見た光景であった

 

 

 

「……ジャギ、幾ら修行を重ねても、お前では北斗神拳伝承者になれない」

 

寝床で目覚めたジャギにトキは突然そう告げたが、言われた本人にはそんな事、とうに分かりきっていた

 

「……知ってる」

 

「ならば何故だ?何故こうも無理をする

前までのお前なら……」

 

「とことん卑屈になって、ただ無意味に時を過ごしただろうな

もしくは手下と一緒に遊び呆けてた、か」

 

茫然と天井の照明を見上げるジャギ、トキは無言、ジャギは続ける

 

「俺は外で色々と知っちまったんだ

俺達には明日も希望も無い、あるのは世界が破滅の道をひた走ってる事だけ

核の戦争だよ、そんなのが来たら北斗神拳伝承者なんて、なんかちっぽけ過ぎて拘ってられねぇと思った

だから俺は生き残る為に、無い知恵しぼって、アレコレ動いてた

そしたら…これだ」

 

自分達に降り注がれた災厄を吐き捨てるように言うジャギ

 

「もう北斗神拳伝承者はどうでもいい、兄者でもケンシロウでも継げば良いと思ってる

ただこれから世界がどうなるかは分からねぇし、せっかく集めた人間や物を奪われたり、投げ出すのは何か…嫌だ

でも俺程度の力じゃ限界がある

だから何とか出来ないか、何とかって悩んでたら不意に兄者の事を思い出したんだ

そこで手下を使って兄者が避難しそうなシェルターを割り出して、小さなシェルターを作らせて、いち早く兄者に近付こうとしたのさ

不測の事態にはここに招こうとしたがよ、へへっ……兄者が、ケンシロウとユリアを連れてきた時には焦ったぜ……」

 

「私達があのシェルターを使うのは、お前には計算の内だった訳だな」

 

「幻滅したかい?」

 

「いや……それでもケンシロウ達は助かり、私はお前に救われた

経緯はさておき、その事実は変わらない

感謝するぞ、ジャギ」

 

「じゃあこれからも稽古、よろしくな」

 

「ああ……、私の全てを教えよう

だがお前はここを出たらどうする気だ?」

 

「そんなもん、真っ先に手下と合流する以外にね~よ」

 

「そうか……、養父リュウケンには会わなくて良いのか?

きっと心配しているぞ」

 

「兄者からよろしく言っといてくれよ

オヤジには……会わせる顔がない」

 

「分かった……」

 

「……」

 

「……」

 

「なぁ兄者、1つ提案があるんだけどよ」

 

 

 

ジャギはトキに対し、心中を偽らず吐き出す

僅かでも嘘があればトキに見破られる気がしたジャギ、だから全てを語った

偶然ではない救助が、浅ましい行為だと軽蔑されたかも知れないが、そこは賭けだった

しかしトキはジャギを蔑む事なく、態度を変えることは無かった

 

 

 

数ヵ月後、漸くシェルターを出た2人はケンシロウ達と無事に再会した

 

死んだと思っていたトキが、まさかのジャギに救われたと知ると、あれほど自分を嫌っていたジャギの手を握ったケンシロウ、そしてユリアはうっすらと涙を浮かべて喜んだ

 

真っ正直な2人の喜びに戸惑うが、心の何処かでジャギは悪い気はしなかった

 

 

 

しかし外の風景を見れば、知っていたとはいえジャギも驚く

 

川は枯れ、山は削られ、大地は割け、生命の息吹きが感じられ無い

世界が暴力の支配する、何もかもが滅んだ世紀末の時代に突入したのだと実感したのである

 

そして国民に命令を下していた政府が完全に無くなり、国家権力は武装し、その中には自らを選ばれた集団『ゴッドランド』と名乗る連中も現れる

 

政府が無くなると、生き残った人間達の中で腕力が強く、組織化された狂暴な連中が幅を利かせ出すと、その日の水と食料の為に、虫を潰すように人の命が奪われ出す

 

核の炎で発生した世紀末の波が、この世界を覆ったのである

 

 

 

健全な状態のトキが、伝承者に指名されたのは直ぐであった

 

内心ではケンシロウを伝承者に推したかったトキであったが、ラオウの逆襲にあったリュウケンが遺した最期の言葉であったので、それに従ったのだ

 

「さてケンシロウよ、俺のシェルターに行くとするか

な~に大丈夫さ、お前とユリアが増えた位で収容人数に問題は無いし、何よりトキの兄者も来てくれるから心強いぞ」

 

「世話になるよ、兄さん」

 

「おう!任せとけ!」

 

トキ、ケンシロウ、ユリアと共にジープに乗り込むと、懐かしの違法シェルターへと向かうジャギの一向

 

南斗の慈母星であるユリアの護衛、南斗五車星の姿も遥か後方に見える

 

ケンシロウ、トキ、ユリアを得た

間接的だがフドウ、ヒューイ、シュレンと言った強者の面々もジャギは引き込みに成功した

 

ジュウザの所在は分からない

気紛れな雲を自称する男なので、何処かを漂っているのだろう

 

 

 

正直な所、トキが仲間になってくれた時点でラオウに対抗する最大の戦力をジャギは得たのであるが、トキの人徳の大きさは凄く、ケンシロウもユリアもトキから聞かされたジャギの提案を拒みはしなかった

 

原作ではトキが病魔の影響でケンシロウが伝承者に選ばれた後、ケンシロウは何を考えたのかユリアと2人で旅立とうとしたが、籠略されたシンによってユリアを奪われ、ケンシロウは七つの傷を付けられてしまう

 

しかし未来は変わった

ジャギはシンを悪の道に籠略する必要が無いので、ケンシロウはユリアをシンに奪われる事が無くなった

 

だがいずれはユリアを奪おうとする、ラオウの存在がジャギには恐ろしい

今はリュウケンから受けた手傷を癒す為に療養しているだろうが、それが癒えればラオウは拳王を名乗り、天を掴もうと動き出す

 

そしたらラオウは、必ずユリアを得ようとするだろうとジャギは見ている

 

トキの存在を知れば、ラオウは大軍を持ってシェルターに襲い掛かるだろう

 

ジャギにとってユリアは昔も今も疫病神な存在だが、そこはラオウを釣る餌にしてしまえば良い

 

つまり敢えて疫病神ユリアを保持する事で、拳王軍の明確な矛先を予想しやすくする

もしも余所でユリアがラオウに奪われれば、ラオウ討つべしとトキは旅立ち、ジャギは最大の戦力を失う事になる

それはシェルターの安全が完全に失われる事に繋がるのだ

 

それは絶対にダメだ

ならば幾ら煩わしくともユリアを目の届く所に置いて、トキを得られた方がマシ

 

それにケンシロウにはリュウガを、トキには大本命のラオウをそれぞれぶつけ、自身と五車星がユリアをしっかりと護衛すれば、自身の安全も補償される

まして万全な状態のトキであればラオウを倒せはせずとも、撃退は出来るとジャギは踏んだ

 

だから宛もない安息の地を探そうとする『歩く死亡フラグ』のケンシロウ達を招く為にと、ジャギは2人に居場所を提供するだけでなく、特にユリアにはシェルターで生きる人々や難民化した人々の希望の星になって貰いたいと、シェルター到着の日に開かれた宴の最中に何度も頭を下げた

 

始めは私などが、と断る姿勢を見れるユリアだがジャギは決して諦めない

ケンシロウ、トキ、モヒカン、使用人、技術者、全てを動員してでもユリアを口説き落としに掛かる

 

(力ずくや嘘っぱちでは反発されるし、そんな事したら最悪、ケンシロウやトキに殺される

だがこの手の連中にはな、『情』で縛り付けちまえば良いんだよおおお!)

 

心の奥底では、今後ユリアが余計な事をしないようにシェルターや、後々に完成する『聖母軍』の絶対的な象徴として彼女の動きを封殺する為である

 

ジャギの必死の説得もあってか、最終的にユリアはシェルターの慈愛の象徴として世紀末に存在すると了承した

 

 

 

こうしてユリアの優しさ、トキとケンシロウの人柄と確固たる強さ、そして世紀末で益々冴え渡るジャギの手腕がシェルターに平和をもたらすと、噂を聞き付けた多くの難民がシェルターに集まって来る

 

当然、豊富な資源を持つシェルターを奪わんと『野生のヒャッハー!』が荒野から次々と襲い掛かるが、そこは北斗三兄弟、もしくは武装した元・モヒカンの武装警備団に撃退されているので問題ない

 

ただシェルター強奪に失敗したヒャッハー!が、やっとの思いで辿り着いた難民に襲い掛かる事件がこれから多発すると事前に察したジャギが、手早く改善策をユリアに出したらしいので、そちらも問題はなくなるだろう

 

改善策を聞いたユリアがとても驚いていたので、中身が気になるところだが……

 

 

 

平時のそれぞれの動きを見てみよう

 

ユリアはシェルターの象徴を受け入れているようで、迂闊にシェルター内部から出はしない

ただ時間の許す限りシェルター内部を毎日その脚で見回り、不安に駆られる人々に優しい声を掛けているそうだ

 

トキは医者、というよりも飛び抜けて優秀な整体師としてシェルターで名を馳せ、その腕前と美丈夫っぷりで女性層に絶大な人気があると、ジャギはカジノの兎ちゃんから聞いている

 

ケンシロウには、ユリアを留める楔(くさび)としての役割が大きい

ジャギとの関係も良好で、子供にも人気がある

ただ、未だユリアを奪われていないケンシロウには拭いきれない甘さがあり

悲しみを知らないので、戦力としては期待できないとジャギは見ている

 

事実、シェルター内部でトキとの稽古で格段にレベルを上げたジャギを相手にした稽古では、ケンシロウは五本中の三本をジャギに取られている辺りに、彼の未熟さが見て取れる

 

ジャギは含み針を使用せず、ケンシロウも一切の加減をしていない、それだけ地獄を見てきたジャギが強くなった証なのだ

 

戦力としては未熟だが、ケンシロウの存在はユリアを留めて置くには必須

最近では世紀末においても仲睦まじく寄り添う2人の姿が、北斗と南斗の架け橋としても、民衆の心の拠り所としても効果は抜群であった

 

 

 

今日のジャギは外出をする様子だ

改造バイクに跨がり、あの特徴的なヘルメットを被り、護身用のダブルバレルショットガンに散弾を込めていた

 

後ろには敵味方を判断し易くする為にと、あの特徴的なモヒカンや、鋭利なトゲトゲアーマーの制度を廃止にされ、清潔感のある坊主頭にシンプルなライダースーツ集団となった手下を数名率いている

 

ジャギの準備が済むと彼等はシェルターのゲートを潜り、目的の人物に会うべく荒野を疾走するのであった

 

 

 

 

「……それで、俺にその聖母軍とやらに入れと言うのか?」

 

「ああそうだ、お前ほど他人の為、愛の為にと殉せる男はこの世に2人と居るまい

シンよ、一緒に聖母軍に来てくれ

ユリアとケンシロウもそれを望んでいる」

 

ジャギは南斗孤鷲拳のシンを訪ねていた

 

ユリアが折れた後、いよいよ街を建造する為の会議を開けば、街や象徴であるユリアを守る部隊を作る必要があると、ジャギが強く主張したのだ

 

だが肝心の指揮官となる男が居ない

 

ケンシロウやトキに兵を率いる器は無い

 

五車星のヒューイやシュレンは一応の部隊を率いているが、彼等はどちらかと言うと表だって活躍する立場でなく、ユリアの為に影に位置する立場

それに個人としても2人は大して強く無い

 

天才軍師()改め、埋伏の毒・リハクはユリア以上に余計な事をさせまいと、ジャギはリハクを早々に街の市長に襲名させて第一線から退かせた

ユリアと言う絶対なる象徴、そして五車星という立場があるリハクは身動きを封じられ、毎日書類に判子を推すだけの存在と化しているので、彼の事は忘れて良い

こうして娘のトウもろとも、リハクは歴史の表舞台から消えたのである

 

 

 

話を戻そう

 

発言者のジャギがやっては?という声が上がるも、ジャギには人材確保や、近隣の村へと使節団の様な外交官の仕事がある

 

更には偵察の任務があるので、街に残り続ける訳にはいかないのだ

なにせラオウやサウザーやユダと言った面々はまだ動かないが、ジードに牙一族やゴッドランド等の敵の襲来をシェルターは何度か経験しているのだ

またシェルターにやって来る難民の数も日増しに多くなっており、部屋の数もパンク寸前の所まで来ている

 

愚図愚図してはいられない、これから難民もヒャッハー!も増えるだろう

 

ならば、いよいよ蓄えてきた資材と人材を駆使して、世紀末に対抗できる強固な街を造る時!

 

その街を大々的に守る警備隊、その指揮官にジャギはシンを推したのだ

 

原作でもケンシロウ一途なユリアには終始嫌われていたシン、しかし彼は『殉星』の定めからか、純粋にユリアへの愛のためだけに生き、親友であるケンシロウを裏切ってでもユリアを欲し、没した

それだけでない、シンは『サザンクロス』という確かな武装集団を率いていただけでなく、四人の幹部を従えていた事をジャギは知っている

実力や素行はさておき、幹部を四人も従えられるシンの器は原作でも屈指の存在なのだ

 

そのシンのアジトに到着した謎のヘルメット男・ジャギを手荒く歓迎した四人の幹部は、レベルアップしたジャギにボコボコにされてグロッキーしているのだが、それを軽く流したシンは使者であるジャギの話を聞いている

 

「お前もケンシロウやトキの力は知っていよう、少人数の集団ならば確かに討ち勝てる

だが2人には世紀末で手下を従えられるだけの統率力が欠けている、ユリアを欲したラオウやサウザーの大軍がシェルターに襲い掛かれば……果たしてどうなる?」

 

「……」

 

「ケンシロウは殺され、彼女は奪われ、最悪ケンシロウへの一途さにユリアは命すら投げ出すだろう

そうなれば、お前は他の誰よりも悔いる事になるんじゃないか?」

 

「……」

 

「お前程の愛を重んじる男が何を迷う必要がある?

守りきれ!

ユリアと、ユリアの愛する街や人々を、部隊を率いて守れるのは、お前をおいて他に居ねぇぞ!シン!」

 

「……っ!」

 

シンの中の殉星が、瞬いた。

 

 

 

 




バイクに乗る時は世紀末でもヘルメット!
あとダブルバレルショットガン!
これ今度のテストに出るからね

シンを説得する時のジャギの声が、脳内で戸谷公次voiceで再生余裕でした

それにしても原作モデルのジャギの口から『愛』とか『守りきれ』とかの単語が出るのは、作者としても違和感バリバリで笑いが止まりませんでした

ただこれが極悪ノ華ジャギなら、あまりに辛すぎる発言となるのですが……

アンナちゃん……(泣)

超絶不定期と書いておきながら、この度の連続投稿となりましたが、次は本当にいつになるのか分かりません(汗)

気長にお待ち下さいませ

リクエスト・補足・コメントありましたらお気楽にどうぞ♪

ありがとうございました!

ジャギの子供は有りか否か

  • 有り
  • 否! 断じて否である!
  • 結婚相手によるな
  • そんなことより世紀末バスケやろうぜ
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