核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。 作:ヘルメット助教授
誤字報告いつもありがとうございます
番外編、ラストになります
雰囲気をお楽しみ下さい
「はぁ…えーとみんな、これまでの情報をまとめてみたけど……」
少しげっそりしたマミヤは、ダストシュート先に散乱してた死体の山や、牢屋での捕虜の扱いから、エイリアンが人間を家畜以下だと認識していると推理する
見たこともない彼等の科学力、そしてラオウを捕らえる程の奴等の軍事力が、このまま地球からもっと多くの人間を連れ去ればどうなるのかを…
「ユリアが危ない!」
「おい…なんでそこ、ユリア限定なんだよオメー」
ケンシロウが奮い立ち、わなわなと拳を握っている
『ニヤリ』
するとケンシロウの声に目覚めたのか、食事を取って眠っていたターバンのガキが、またも覚醒した
高々と跳躍し、部屋の天井に張り付くと、ジャギの持つ『切り札』のブラスターを奪おうと襲い掛かる
「またか!」
「ぬぅ!」
「ダメっ!待ちなさい!」
マミヤがジャギの前に立ちはだかり、ターバンのガキを抱き止めて制止させた
怖かった?大丈夫?とターバンのガキを抱きしめ、よしよしと頭を撫でる
ターバンのガキはマミヤの胸にスリより、ニコニコ……いやニヤニヤしている
「けっ、なんだこのエロガキ、痛ぇ!?」
ニヤリ
またジャギが足を刺し、再び眠りに付いた
「とにかく、ユリアを救う!
奴等は血も涙もない悪党だ!悪はこの俺が成敗してやる!」
突然走り出すケンシロウ、しかし彼はこの船の構造を何一つ理解できていない
「ケン、何処へ行くの!?
ブリッジはそっちじゃないわ!」
「……ならば、どっちだ?」
(こいつ……)
「はぁ……マミヤ、案内たのむ」
マミヤの案内でブリッジに到達した一向は、即座にブリッジ・クルーやロボットを殲滅し、船を掌握
ジャギとマミヤはブリッジの操作盤で、船の航路を地球にしようとする
エイリアン語を扱えるマミヤ、そしてメカに強いジャギが操作盤を弄る
その行動の中で偶然にも、コールドスリープを解除する方法を見付けたのだが、一向はラオウの解凍は一旦、保留にするとした
即座に解凍するべきだと主張するケンシロウと、現状を理解する前に敵の殲滅を優先する彼を起こすのは、凄く危険だと判断するマミヤが衝突
拳王の存在は修羅の国攻略には不可欠だが今、マミヤの言う通り、ラオウに暴れられるのはジャギとしても、それは御免こうむりたい
よってとりあえずは帰ってからにしよう、で落ち着いたのだ
「こっちは…食料プラントの何かか?
こっちは、クルーの情報で、こっちは…くそっ、こっちの操作盤は違うみたいだ
マミヤ、そっちは!」
「待って、こっちは…航海記録の類いみたいね
知らない星系の名前がビッシリ書いてあるわ」
「航海記録?よく調べろ!
もしかしたら地点への航路もあるかもしれねぇ!地球への航路がな!
俺はこっちを徹底的に調べる!」
「任せて!そっちはお願い!」
「よっしゃ!」
「…………」
賑やかなブリッジの片隅、ケンシロウは無言で床に座って、ターバンのガキのお守りをしている
邪魔をすると二人に怒られるから、何も出来ないのだ
……しかし暇だとケンシロウは思う
ふと気付けば、車のハンドルのようなモノや、アクセルやブレーキのようなモノがある座席があった
好奇心を惹かれた彼が座席に腰掛け、ハンドルを握ると
「うおっ!?」
「な、何!何なの!」
いきなり船が傾いた
(……ふっ)
今度は船の急激にスピードが上がり、ジャギとマミヤは艦橋の中を転がる
「ど、どうなってんだ!?
誰かが船を動かしてやがるのか!?」
「ま、まさか、エイリアン以外の生命体が勝手にブリッジの操作盤を弄ると、自動的にヤツらの星に帰るシステムが起動したんじゃ……」
「マジかよ…!」
それは不味いと、ジャギとマミヤは互いに顔を合わせると、ふと何かに気付き、そのまま同時に同じ方向を見れば
『『『…………』』』
ケンシロウが、ご機嫌(本人にしては)に運転中であった
無言で歩み寄るジャギとマミヤ
「……?、なん、ぐはっ!!!」
取り敢えずジャギのマジパンチと、マミヤの娥媚刺がケンシロウを襲った
「この船は自動的に、ヤツ等の星へ向かっているようだな」
「そんな、じゃあこのままでは…!」
「ヤツ等の熱烈歓迎を受けるだろうよ」
「発進地点は?どこになってる?」
「待ってな……おっ!」
どうやら船の到達点はエイリアンの星らしく、発進地点は『地球』になっていた
ならば、それを逆に辿れば地球に帰れる
簡単な話だ
「ジャギ、どう…?」
「待ってな…よしと、これで地球に帰れるぜ」
行き先をエイリアン星から、地球に向けると、船は勝手に180℃の回頭をした
操縦をせずとも、これで自動的に船は地球に到達するだろう
あとは待てば良い
「ヒューッ!やるわね!」
「おいおい…」
マミヤがジャギに嬉しそうに抱き付く
(…ユリア…)
ケンシロウの頬に涙が走るが、誰も彼を見ていない
直ぐに帰ろうとマミヤがせっつくも
「待て待て、まだ他のスイッチをまだ把握してない
……取り敢えず、これが、うお!」
船から、光る何かが発射され、前方に暗黒の宇宙空間に消えていった
「今の、エネルギー系の大砲かしら?」
「多分な、じゃあこっちは」
『BIEEEEP!!』『BIEEEEP!!』
「なんだこりゃ!?
……ケンシロウ!
またなんかしたの、うお!?」
いきなり大音量のサイレンが艦橋に響くと、正面のメインスクリーンにエイリアンの緑色の顔がデカデカと現れ、何か文句を言っている
「マミヤ…コイツが何を言ってるか…分かるか?」「さぁ…とりあえず何か怒鳴っていることはわかるけど……」
ジャギはエイリアン語を扱れるマミヤに、スクリーンで喚くエイリアンの言葉がなんなのか尋ねるが、彼女は文字は分かっても流石に言葉までは分からないらしい
一方的に捲し立てるエイリアン
三人にはエイリアンの言葉はさっぱりなので、ジャギは取り敢えず拳を突き上げ、中指をおっ立てて、地球式の拒絶の意味を持つ挨拶をした
マミヤは、あっかんべー
ケンシロウは『豚は豚小屋に行け』と、てんで的外れな挑発をしているが、もはや誰もつっこまない
伝わったのか、通信は切られ、僅かな沈黙が流れると
ジャギ達の船の正面に、彼等の宇宙船の数十倍の巨大な船が現れたのであった
巨大船はまるで、山のよう
「……っ、お前ら、掴まってろ!」
ジャギは操縦席に座るとハンドルを切り、アクセルを目一杯ふむ
ジャギは一目散に逃走を開始した
あれはヤバい、あれは勝てない
マミヤとケンシロウが何か言っているが、ジャギは止まらない
「っ!」
殺意を感じ、ハンドルを切れば、そのまま進んでいたであろう航路に、巨大な光が突き抜けていった
「ジャギ!左から来る!」
(またか!)
いつの間にマミヤが後方監視の担当になり、母船の動きを報せてくれている
ケンシロウ……?
彼は未だに眠るターバンの子供を押し付けられ、宇宙空間をボーッと見ては、ユリアの名前を呼んでいる
ジャギとマミヤの連携は、よく敵の攻撃を避け続けたが、いつまでも逃げられるものではなかった
一発の光が船に直撃、大きな衝撃がブリッジをも揺らす
「くそっ、マミヤ、何処に当たった!?」
「待って!調べる
…た、大変!
ラオウの居た部屋が…吹き飛んでる」
「なぁにぃぃぃぃぃぃ!?」
コールドスリープの部屋が巨大船の光弾によって抉られ、部屋の中身が全て宇宙空間に投げ出された
宇宙空間は絶対零度の真空状態で、回収しようにも追撃をされていては……
「ち、ちくしょおおお!兄者!」
「落ち着いてジャギ、まだ助かるかもしれないわ
あのカプセルはラオウだけ凄く強固だったじゃない!」
マミヤがジャギを宥め、なんとか落ち着きを取り戻そうとするが、その間にも攻撃を受け続けた宇宙船は、無情にも機能を停止してしまう
エイリアンの巨大船が近付いてくる
大砲の位置と思われる箇所に、光りが集まっている
エネルギーをチャージして消し飛ばすつもりだろう
もはや万事休す
ジャギもマミヤも覚悟を決めた
『…誰だ…うぬらは…!』(威圧)
いきなり、子供の声が艦橋に響く
三人が顔を向ければ、未だに眠ったままのターバンの子供の口から、『ラオウ』に似た言葉が発せられたのである!
『この俺を…こんな所に封じ込めたのは…うぬらかぁぁぁぁぁ!』(威圧)
宇宙船と巨大船の間で、何かが赤々と光った
「なんだありゃ……?」
「赤い…光が瞬いてる」
「あれは、ラオウの闘気!」
ケンシロウが断言した
は?、ジャギとマミヤは状況が掴めない
しかしターバンの子供は続ける
『ぐはははははははは!
この俺に、この拳王に対して、北斗琉拳『暗琉天破』を発生させる機械とは片腹いたい!
ぬぅぅぅ…… 』(威圧)
『ゴゴゴゴゴ……』
揺れている、真空状態の筈の宇宙空間が確かに揺れている
一撃で滅ぼす気だ、ジャギとケンシロウは悟った
巨大船の前、ラオウは『天将奔烈』により、巨大すぎる己の闘気を更に…更に出力を上げる
『このラオウが、全身全霊を込めた最終奥義を受けてみぃ!』(威圧)
『拳王天墜撃!!』(威圧)
「うぉ!」
「眩しい!」
「サングラス、欲しい」
宇宙に広がる無限の闇が、ラオウの闘気の光りによって払われ、巨大船が消滅したのであった
「地球に進路を取れーーい!!」(威圧)
「へいへい」
「は、はい!」
(サングラス、欲しい)
無傷のラオウを回収(勝手に乗り込んできた)、ジャギが船に応急処置を施し終えると、ラオウの指揮のもと地球を目指す一向
操縦席に座るジャギだが、既に自動的に地球に向かっているので、あくまでも運転をしているフリ
フリをしながら、ジャギはラオウに宇宙空間なのに、どうして無傷だったかを聞けば
『暗琉天破など、闘気で吹き飛ばしてやったわ!』(威圧)、とのこと
宇宙の闇には闘気が有効らしい
ケンシロウが知っていたかのように、うんうんと頷いていたので、とりあえずジャギは彼の頭を小突いたという
そして地球近海にて
宇宙船を地球の大気圏突入に耐えられるよう、最終的チェックをすると発言したジャギと、何故か付いてきたケンシロウが宇宙服を着込み、船外作業をしている
出力を弄れば溶接と溶断を使い分けられるガス・カッターで、吹き飛んだ部屋の残骸を船から切り離したり、穴の空いた船の装甲に新しい装甲板を溶接している
趣味のバイク弄りに合わせ、ターバンのガキによって植え付けられたエイリアンのメカを弄れる才能、ジャギは気分が良いのか、自分の作業を覗き込むケンシロウに指導をしている
「いいかケンシロウ、溶接はな、熱とタイミング、それをしっかり覚えておけよ~♪」
「サングラス」
『あー、あー、こちらブリッジのマミヤ…ジャギ、ケンシロウ、修理の調子はどう?』
ブリッジのオペレーターになったマミヤが、通信機越しに進行状況を聞いてくる
「ケンシロウが不器用だから何の役にも立たないが、もうすぐ終わるぜ」
「サングラス!」
『了解…そうそう、二人とも』
「あ?」
「サングラス?」
『船の舳先を見て……』
ジャギとケンシロウは、マミヤに前を見ろと言われ、船の穂先を見る
しかし、なんのことだか分からない
目の前には暗黒の宇宙空間しかない
地球は近い筈だが、影も形も…
「……っ?」
「……おぉ」
そして二人の目が、見開かれる
『『…………』』
『綺麗…核戦争があったとは、とても思えないわ』
闇から姿を現した太陽によって、青く輝く『命の星』が彼等を迎え入れたのであった
完!
↓その後の展開
地球の大地を踏みしめたラオウ、ケンシロウ、マミヤ、ジャギ
しかしエイリアンの宇宙船が一人でに飛び上がり、空の彼方へ消えてしまった
宇宙空間に飛び出した船の艦橋、そこにターバンのガキが居た
手にはジャギから奪った『切り札』、後ろには戦闘用ロボット軍団を従えている
そしてマミヤの操作盤を弄り、船の航路を『エイリアンの母星』に設定
ターバンのガキは、これから始まる楽しい宇宙旅行に、ニヤリと笑うのであった
匿名希望さんからのリクエストでした
エイリアン全滅まったなし
補足ですがラオウがエイリアンに捕まった原因は、全てターバンのガキの仕業です
ヤツはエイリアンの存在を知ると、ラオウの強靭な肉体の情報をエイリアンに流し、まんまと捕まえに来た所でラオウを強襲
ラオウは意識を失い、ターバンのガキ自身もわざと捕まり、ヤツ等の武器や船を奪う機会を待っていた
暇潰しにケンシロウ達に改造を施した所、思ったより活躍したので、好きにやらせて、自身はマミヤのパイオツを堪能
次は本編になりますよ~リハクさん。ニヤニヤ
『…ちくしょ~…』
お仕置きが待ってますからねぇ♪
リクエストは打ち合わせ可能なメッセでオネシャス
感想、補足はお気軽にどうぞ♪
ありがとうございました!
本作品のヒロインは?
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アリサ
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三人衆をセットにすれば良い
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作中で誰よりも早く花嫁姿になったマミヤ
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世紀末レベルで悲劇のプリンス、アミバ
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そんなことより、リハクを殴らせろよ!