※この作品はR-18です。

核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。   作:ヘルメット助教授

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誤字報告いつもありがとうございます




14話

今日も渇いた大地に、風が舞う

 

 

 

口の中が異様に乾くのは、渇きのせいか?

 

 

 

違う、神経が張り詰めているからだ

 

 

 

ならば体を熱くさせるのは、容赦なく照り付ける太陽のせいか?

 

 

 

それは少し違う、太陽よりも、荒野で血を流す戦士達の見事な武働きのせいだ

 

 

 

命の奪い合いなど、今の時代では珍しくもない?

 

 

 

そうか

 

 

 

しかし、軍団同士の激突など、そうは拝めないだろう?

 

 

 

「Sir!聖帝軍の左翼、右翼が前進を開始しましたSir!」

 

(焦れおったな…素人め)

「よし、予定通りだ

左翼にはシュウ、右翼にはレイをそれぞれ五十人を率いさせて迎撃に出せ!

敵の勢いを割いたら、両部隊にはそのまま戦線を押し上げさせろ」

 

「Sir,yes,sir!」

 

「中央のジャギ様の隊は?」

 

「Sir!戦闘開始より問題なく敵を引き付けておられますSir!」

 

「左右の部隊が攻勢に出たら、こちらも残る全ての兵を導入し、敵を殲滅すると伝令を出せぃ!」

 

「Sir,yes,sir!」

 

命令を出し終えたカーネルが、厳しい視線で『戦場』を見る

 

その視線の先の荒野で、ジャギの隊とシュウのレジスタンスが共闘して、五倍の聖帝軍を相手に野戦を展開している

 

向こうは二千、こっちは四百ほどだ

 

開戦早々、聖帝軍は千人の部隊を投入して一気に押し潰さんとしたのだが、要となる中央にはジャギが自ら隊の百人を率いて迎撃に出て、千人の聖帝軍を相手に熾烈な戦いを繰り広げる

 

ジャギが縦横無尽に暴れ回り、その後を三人衆が隊員を率いてジャギが切り裂いた敵の傷口を更に抉る

 

聖帝軍も数人を打ち倒すが、自分達の被害は比較にもならない程になっており、その様子に後方の部隊は不甲斐なさを覚える

 

たかが十分の一の敵に何を戸惑っている

正面から打ち破れないならと、聖帝軍は左右からの挟撃を開始

 

しかしそれはジャギの思惑通りであり、聖帝軍は二百ずつ左右の部隊をまんまと動かしてきた

 

十倍の敵を防ぐ部隊に、そんなチンケな戦法が通用するものか

 

諸共に打ち破り、そのまま戦の主導権を握ってやる

指揮を任されていた副官カーネルは、慌てる事なく部隊を派遣し、対処させる

 

五十人の兵士を率いたレイとシュウの部隊が、二百ずつの敵とぶつかった

 

南斗水鳥拳と南斗白鷺拳の伝承者である二人が最前線で奮闘して味方を鼓舞、反対に四倍もの兵士を擁する敵を恐怖させる

 

千人の他に四百もの兵士を動かしても、戦場がまたも膠着する

 

聖帝軍の無能な指揮官は、少人数の相手に多数で攻め込み場合、相手を打ち破れなければ全軍の士気に関わる事を知らないらしい

 

数多の兵士を纏め、動かす、その為の士気は、戦をする上で食料と同じ位に大切にしなければならない

 

士気の下がった大軍など、足の遅い羊でしかなく

 

少数であっても、士気が高くて統率の取れた狼の群れの前には、易々と戦線を食い破られてしまうのだ

 

 

 

カーネルには負ける気がしない

 

(ジャギ様の言われた通り、敵は有象無象の雑魚の集まりだ

数は多いがそれだけ、陣形も無く、隊列はバラバラ、ただ本能に身を任せる獣同然の連中

下らん相手だが、軍人である以上は一切の躊躇いはせぬぞ)

 

やれやれと肩を少し竦め、カーネルは残った二百人の兵士に出撃の用意をさせると、一発の信号弾を上げた

 

それが合図となって、三つの前線でそれぞれ奮闘していた部隊が一斉に本気を出した事によって戦場の音色が変わった

 

音色とはジャギが、三人衆が、レイが、シュウが、先程よりも一層激しく敵兵に襲い掛かるので、聖帝軍が断末魔の悲鳴を上げているのだ

 

ジャギ達の明らかに違う動きに聖帝軍は多くの骸を荒野に晒し出すと、このまま殺されるのは嫌だと前線部隊は後方に撤退を始めれば、残された者達はどうすれば良いんだと慌てる

 

そしてカーネルの後詰めが中央に雪崩れ込むと、敵兵は大混乱に発展

 

後詰め部隊の後押しを受けた三つの部隊は『逃げねば殺す、嫌なら投降しろ』と、目の前に残る敵兵の殲滅を開始

 

実力も、士気も、兵の質も違う相手に、完全に戦意をへし折られた聖帝軍の兵士は、やってられないと投降する者が続出

 

あらかた殲滅し終わると、投降した者をカーネルに捕縛させて、ジャギ隊レイ隊シュウ隊は、逃げる聖帝軍に追撃をする

 

サウザーが派遣した二千の兵、それを敢えて完膚なき迄に叩きのめす事で周辺に名を轟かせ、暫くは自由にやらせて貰う

 

時間稼ぎの意味での追撃のようだ

 

 

 

聖帝軍との初戦はレジスタンスの大勝利に終わる

 

これまで聖帝軍に圧倒的な戦力差で蹂躙され、苦しい局面を味わってきたシュウ、そして長年付き従っていたレジスタンスの人間は信じられないといった顔だ

 

子供さえ連れてくれば誰でも軍団入りできる、そんなガバガバな掟を持つ聖帝軍に対し、真面目で優しすぎる上に仲間を危険に晒す事を拒むシュウのレジスタンスでは、初めから正面から戦うなど無茶があるのだ

 

だからジャギは提案した

 

『聖帝軍など手強いのはサウザーだけだ。他はその辺の雑魚の強さでしかなく、今の俺達でも倒すのは容易

そして周辺にはサウザーの圧政に苦しむ人間や子供を拐われた親達が大勢いる、彼等を味方に引き入れないでどうする

まずは形成を逆転させる事だ、聖帝軍など少数のレジスタンスすら満足に倒せない無能の集まりだと聖帝軍にも、周辺にも知らしめてやろう

デカい花火を上げてやれば、ダサい聖帝軍に入るなんて奴は減るし、こっちはサウザー打倒の旗を掲げて戦い続けるだけで味方は増え続ける

兵力差はそれで解決、簡単すぎるな

もしも女子供が心配なら、最初は一緒に連れ回し、何処かに目の届く場所に匿いながら戦うしかあるまい

奴等も引っ越しには慣れてるんだろう?

それに人数が増えれば、そいつらが女子供を守ってくれるさ

今まで辛抱してたんなら、そん位は我慢しな

……で?どうする?

このまま何もせずに聖帝軍に捻り潰されれば、蟻の反逆も許さないサウザーに女子供を人質に取られたお前は、どんな末路を歩む事になるかな?

お前はそいつらの礎になれば良いと思うが、残された女子供が全うな道を生きられると思うかね?

そこをよ~~く考えろよ、シュウ』

 

仲間を思うあまり自滅しては意味がない

 

それを遠回しに批判したジャギに、シュウは折れた

 

そしてレジスタンスの仲間と意を決して臨んだこの初戦は、大勝利

 

五倍の聖帝軍に勝った

 

初めて大っぴらに勝てた

 

俺達はレジスタンスだと胸を張って自慢できると、レジスタンスの人間は涙を流して狂喜乱舞している

 

しかし喜んでばかりもいられない

 

稼いだ時間は有効に使わねば

 

遥か後方に隠していた女子供を回収して、一刻も早く行動に移すべし

 

回収班にはシュウ隊が動き、それを待つ迄に降伏した者にジャギが、秘孔『新一』で情報を聞き出した後、人間を心身ともに美男化にする技『北斗清純端麗』で、暴徒を身も心も綺麗にして兵士として吸収

 

殺された兵士より多くの人間を、こうして現地調達したレジスタンスは、各地にある聖帝軍の『拠点』を目指して進軍するのであった

 

 

 

その日の夜、深い闇の中で複数の影が舞う

 

素早く、静かに動く影の目指す先は、聖帝軍の拠点の一つ

 

影の正体は敵拠点の内情を調べ尽くす諜報部隊、それを率いるは隻眼の鬼、南斗無音拳の使い手であるカーネルだ

 

彼等が夜の内に拠点を調べ上げ、それを持ち帰ってジャギ達が軍議を重ね、夜明けと共にレジスタンスは拠点に攻め入る手筈となっている

 

侵入する際から誰にバレる事なく徹底的に調べ、痕跡もなく姿を消さねはならない諜報活動は、普通の人間ならまず簡単にはいかない

 

だが部隊を率いる男は元が付くとはいえ、特殊部隊の出身

 

しかも録な訓練を受けていない暴徒の群は、ケンシロウすら接近に気付かなかったカーネルと、彼の鍛え上げた偵察専用の兵士にとっては、そのザルでしかない警備など全く問題にならなかった

 

残らず調べ上げる

 

兵数、建物の配置と構造、抜け穴の有無、物資、囚われている者の有無、細かな地形、拠点を守る主な人間の性格や特徴

 

数え上げたらキリがない

 

しかしカーネルはプロだ

 

ほんの僅かな情報の違いが、戦に多大な影響を及ぼす事は知っているので、一切の手は抜かない

 

あまりのザル警備であるので、その気になればカーネル達だけで拠点の攻略は可能であろうが、今はそれはしない

 

必要とあればカーネル達を率いて、ジャギが自ら出向いているだろう

 

影が拠点から引いていく

 

調べものは終わったようだ

 

明日の昼頃までには、この拠点はレジスタンスの物となっているだろう

 

カーネル達の存在に誰一人、気付かなかった時点で、この拠点に居る人間の運命は決まったと言える

 

 

 

カーネルの帰参報告が目覚まし替わりとなり、ジャギが起床する

 

御苦労と言って調査結果を受け取り、それを鋭い目付きで眺め、終わると主なメンバーをテントに呼ぶようにカーネルに告げた

 

召集が終わる迄、ジャギは脳内で戦の流れをイメージする

 

(この程度の規模と敵なら、正攻法でも問題なく陥落させられるだろうが、ザル警備ならばいっそ内側から敵を大いに混乱させ、外で戦う者達を援護する方が無駄な兵の損失を避けられるな

…俺と三人衆と数名で、内側から拠点を滅茶苦茶にし、外で布陣する連中に…照明弾で合図する

指揮系統が死に、内部構造が知れた拠点が何時間で陥落するのか…楽しみだ…よし)

 

 

 

作戦は概ねジャギの考え通りに事が進む事になった

 

更には、いつまでもジャギ隊、レジスタンスとで呼び分けるのは面倒だとメリケンが提案すれば

 

この共闘する間は、打倒聖帝軍を掲げる反抗勢力『新生レジスタンス』を名乗る事にした

 

新生レジスタンスの旗印は、聖帝軍の旗をリサイクルしたもの、十字が描かれた旗に黒ペンキで×を付け足した『米印』、非常に分かりやすい反抗の証となった

 

出来上がった旗をなんとなく見たジャギは種籾の爺さん、ミスミのエピソードを思い出す

 

既に聖母軍に招かれていたミスミは、原作のように種籾を無駄にされる事はなくなり、その知識と情熱でサンクチュアリ農耕部門の統括になっている

 

今は農業区間を整備してないので水田を敷いての稲作は出来ないが、警備隊に守られながら簡単な野菜や麦を作っているらしい

 

いつかは世紀末で稲作が出来れば、多くの飢えた人間を救える

 

米は栄養があり、一回の収穫で取れる量は麦の比ではない

そしてなにより、日本人のソウルフード『白米』

 

いつかは世紀末でも、大盛りの白米をかっ食らいたい

 

そんな事を考えているのはジャギだけではない

 

「白米、食いたいッスね」

 

「そうね……」

 

「そうだな…」

 

「むぅ……」

 

メリケンの言葉に、御嬢、レイ、シュウも染々と続く

 

聖母軍にも僅かに戦争前の米はあるが、水の無い荒野では荷物になるだけだと、ジャギは基本的に遠征には持ってきてない

 

乾パンや干し肉、干し野菜、缶詰めといったモノしかないのだ

 

戦争前の時代を知らないキッドには分からないが、日本人の米に対する執着心は人の好みによるが、正に異常とも言える

 

「…聖帝軍と拳王軍を潰せば、いつかは堂々と米が食える日が来る

おらぁ!尻を上げろ!気を引き締めろ!

拠点を潰し、今夜はそこで宴にするぞ!」

 

ジャギの言葉に新生レジスタンスが動き出す

 

 

 

カーネル偵察隊の案内で、まんまとジャギは拠点内部に侵入した

 

外には六百人に増えた新生レジスタンスが、拠点の聖帝軍と睨み合っている

 

侵入部隊に三人衆の姿は無い、彼等は百人の兵と共に女子供の護衛を命じられ、この攻略戦には不参加となっていた

これは要人護衛という重要な任務だと言って、ジャギは不満げな三人衆を説得している

 

拠点内部、暗殺拳の頂きに位置するジャギの『北斗神拳』、そして南斗聖拳における暗殺部門、カーネルの『南斗無音拳』の前に、ザル警備でしかない拠点兵は次々と殺されていく

 

カーネルが鍛え上げた兵士も多人数で一斉に襲い掛かり、ジャギやカーネルに遅れを取っていない

 

拠点を治めるボスの男や、その幹部は音もなく忍び寄ってきた暗殺部隊に何も出来ずその動きを封じられ、拠点の指揮系統は、侵入から三十分と経たずにジャギの手に落ちた

 

そしてジャギは拠点のボスを操り、無茶な命令を出しまくって拠点を掻き乱す

 

拠点兵の士気が大いに下がった所で、打ち合わせ通り上空に照明弾を発射

 

レイとシュウに率いられた攻略部隊が動き出すと、ジャギもカーネルを率いて、拠点内部が陥落したと言いふらしながら暴れ回る

 

命令を出す者が捕らえられ、拠点内部への侵入を許し、相手は実力者揃いで、こちらの士気はガタガタ

 

こんな状況を暴徒に打開できる筈もなく、拠点はあっという間に陥落したのであった

 

 

 

捕らえて無理やり改心させた者より、逃げた者が圧倒的に多いが、逃げた奴等が聖帝軍はダメだと言いふらしてくれた方が、ジャギには色々と都合が良いので捨て置く

 

次に囚われていた人間を解放し、彼等から色々と情報を聞き出すと、その情報を元に周辺の人間を拠点に招いて味方に引き込む

 

味方に引き込んだと言っても彼等も戦場を連れ回す事はしない、この拠点を守らせながら新生レジスタンスの広告塔になってもらう

 

わざわざ強固な拠点が有るのに、またバラバラに散るなんて愚か者のすることだ

 

聖帝軍も取り返そうとするだろうが、そこは絶えず連絡を取り合っていれば問題ない

 

ましてこれからは、聖帝軍の拠点は次々と陥落されて行くのだ

 

残りの拠点の場所は割れている

 

奴等は弱く、組織力もない

 

そっちが取り返すより、こっちが奪う回数が増えるだろう

 

聖帝軍で唯一やっかいなサウザーの本隊が動けば話は変わってくるが、ジャギとしてはサウザーはいつでも倒せると自負しているので、来るなら来いと思っていた

 

ただし、まともに戦うつもりは欠片もない

 

原作ではラオウと互角に戦ったケンシロウを、数回の攻撃で撃破したサウザーなのだ

 

遠くから油断させ、天破の構えからの『天破活殺』で終わらせる

 

卑怯?これは生きるか死ぬかの選択だ

 

死にたいバカは正面から突っ込んで死ね

 

原作知識と、頭を使って何が悪い

 

 

 

サウザーより厄介な事があるので、ジャギはこっちを優先している

 

それはアリサとの約束

 

拐われた子供を全て親元に返す約束である

 

しかしバカ正直に子供の親をこの広い世界を探し回るより、あっちから来てくれた方が労力も時間も減るのだ

 

人としてどうかと思うが、そんなものは問題が山積みで、未来を見据えるジャギには知った事ではない

 

聖帝軍を潰す頃には新生レジスタンスに歯向かう暴徒も沈静化するだろう、そこで大々的に彼等を中央に招き、そのままシュウの治める土地に住ませ、労力とさせる

 

ユダ軍に続いて新たな同盟軍が出来上がるのだ

 

この手を使わないジャギではない

 

だから派手に暴れ回って、俺達は新生レジスタンスだ

俺達と戦えばガキを取り返せるぞと吹聴し、親達のやる気に火を着けてやる

 

どのみち聖帝軍との一大決戦の時には、最終的に万を超える兵士が必要になるから

 

天地を賑わす程に暴れた方が良い

 

ジャギはトーナメントの傷によって病院に缶詰めにされていたので、この鬱憤を晴らす機会となるこの転戦は、楽しくてしょうがなかった

 

五車星に鍛えられたメリケンと御嬢、久しぶりにジャギの指揮の下で戦う元モヒカン達もノリノリで戦闘を楽しみ

 

キッドはシュウのレジスタンスにいた優秀なエンジニア、スワニー村の出身の『ジェイ』と機械弄りに精を出している

 

そのジェイの傍らには婚約者アミと、その弟が常に寄り添っており、その弟がキッドを女の子と勘違いしているとか

 

レイは親友の手助けが出来て喜び、シュウも久しぶりとなるレイとの再会に静かに心を燃やす

 

因みに士気向上を目的とした公開稽古にて、この仁星と義星のタッグの相乗効果は凄まじく、二人はあのジャギを打ち負かす程だった

 

 

 

 

 

 

「おのれ!下郎共めらがァ!」

 

新生レジスタンスの旗が、聖帝軍の地図の半分に立つ

 

サウザーは激怒して地図の置かれた机を真っ二つにしてしまう

 

当初はチョロチョロと動くドブネズミの集まりと見て、適当な数の部隊を派遣していただけだったが、それが全て撃破され、領地が奪われ、民衆が次々とレジスタンスに加担しだす

 

レジスタンスが増える替わりに、聖帝軍から離脱者が溢れ、補給部隊が何者かに襲われ

 

そうなると補給部隊の遅延によって必然的に十字陵の建造も滞り、暇をもて余した子供達が十字陵をコソコソと遊び場にし出すも、やる気のない監視役の兵士は止めもしない

 

サウザーの怒りが限界を迎えた

 

直ぐ様、職務怠慢な態度を取っていた連中を処刑し、自らが部隊を率いてレジスタンスの親玉を駆逐してやると豪語

 

しかしそれを待ったと止める者がいた

 

純白のドレスに赤髪の美女、ユダである

 

「貴様っ、俺に指図するだと?

死にたいのか?」

 

「まさか…ただ今は、レジスタンスの好きにさせてやった方が良いと言おうとしただけだ

このまま反目する連中を残らず炙り出し、後々の貴様の天下への壮絶な見せしめに処刑すれば良いと思うてな

どのみち聖帝が自ら動けば、あの拳王すら戦いを避けるのだ

あの拳王がだぞ?

ならば中途半端に叩くよりも、連中の準備を万端にさせ、それでも完膚なき迄に蹴散らした方が、サウザーの圧倒的な強さを世に知らしめられるではないか

……んぐっ!」

 

「ふっ、つくづくよく回る舌だな

どういう造りになっておるのだ?

ええ?ユダよ……」

 

怒るサウザーは、ぐいっとユダの整った顎を掴み、その口内に親指を突っ込んで乱暴にかき回して、中を覗こうとする

 

ユダは必死にもがくが、女の細腕でサウザーの腕力に敵う訳もなく一方的にされるがまま

 

傍らのダガールが敬愛する主への蛮行に、内心でサウザーに激昂するが、そこは立場を弁えて必死に我慢する

 

それでも何とか引き剥がしに成功したユダは、サウザーから距離を取る

 

南斗紅鶴拳で八つ裂きにしてやりたい所だが、そんな事をすれば反対に自分がサウザーに殺されると分かっているので

 

「くっ!」

 

「ふふふふ、跳ねっ返りの尻軽猫が、この帝王を果敢にも睨みよるわ」

 

ユダの有り様を見て少し機嫌が晴れても、サウザーの気持ちは変わらない

 

高笑いをする帝王は、全軍に戦闘の準備をさせる為に部屋の外へと出ていった

 

 

 

息を整え、ハンカチで口の周りの汚れを拭き取るユダに、ダガールが容態を尋ねる

 

「ユダ様…!」

 

「騒ぐなダガール、大した事でない」

 

「されど…!」

 

「この程度で、お前らしくないぞ

私は大丈夫だ、だから安心しろ」

 

「…ははっ、申し訳ございません」

 

毅然とした態度に戻る執事の姿に、ユダもいつもの女王の風格が戻る

 

(それにしてもジャギめ、まさかこのようなゲリラ戦を行い、あそこまでサウザーを怒らせるとは

……本当に勝ち目があるのか?

聖母軍のシェルターが荒らされる前に、準備をしておかねばなるまいな)

「ダガール、ここでやることはもう無い、街へ帰るぞ」

 

「ははっ!」

 

ユダとダガールは聖帝軍の本拠地から、帰路につく

 

その途中、ユダは一度だけ視線を彼方へ向けた

 

(レイ…死んでくれるなよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 




実はこの作品が完成する前に、六千文字ほど書いたものの、内容がまったく納得がいなかったので全て書き直しましたので、こんなにも投稿が遅くなりました。スイマセン

個人戦も好きですが、団体戦も好き

戦場のイメージとしては『ベルセルク』と『ボトムズ』ですね

美男化の北斗神拳は『北斗清純端麗』にしました
今さらですが北斗性転換掌は見た目だけ女体化、北斗清純端麗は心も体も美男化にする技です

宴の模様も書こうかと思いましたが、それは決戦後に取っておきます

次回は番外編にしようか本編にしようか正直迷ってます

そろそろ人物も増えて来たので、紹介文にしようかな

リクエストありましたら、打ち合わせ可能なメッセでオネシャス

感想・補足ありましたお気軽にどうぞ♪

ありがとうございました!
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