※この作品はR-18です。

核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。   作:ヘルメット助教授

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誤字脱字ありましたらスイマセン

誤字報告いつもありがとうございます




16話

『ふははははははははは!

俺は愛の戦士、全ての愛を守り、無情の悪を憎む!

子を想う親の愛が、俺をこの場に呼び寄越した!』

 

「……」

 

「…おいジャギ…」

 

「んだよ…」

 

『ふははははははははははははははははははは!

愛の前進である!

下郎がっ、道を開けよ!』

 

「アレはお前の仕業だろ?」

 

「…いやぁ~アイツを大人しくする秘孔を突いた俺にも、どうしてあそこまでなったのかがサッパリ」

 

「抜け目のないお前にしては随分と行き当たりばったりだなぁ?一体どんな秘孔を突いたのか今すぐ言いやがれ、さもないと…」

 

『ふははははははははははははははははははははははははははははは!

愛を阻害する悪の手先め!愛の戦士ジャスティス・エンペラーが相手だ!』

 

「やめろよ、その殺気、マジで洒落になんねぇ

あ~……俺が突いた秘孔『明鏡止水之心得』は、突かれた人間の心がモロに効果を左右する

例えば悪に染まり過ぎている奴なら普通に爆散したりするが、テンションが高過ぎている奴は賢者モードになったりするんだなこれが

もとから心優しい奴が突かれたら、それが呼び起こされたりする、そんな秘孔だ」

 

「つまりあのサウザーがああなったのは、奴が元から愛を思っていたと?」

 

『ふはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!

愛の前には全ての悪は無力!

そして俺の愛は無限大!

故に!俺は無敵なのだぁ!

ふはっ、ふはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!』

 

(くっ、うるさい…)

 

「そう言えば聞いた事がある

南斗鳳凰拳伝承者にまつわる悲劇と、サウザーがどうして聖帝になってしまったのかを」

 

それまで沈黙を貫いていたシュウが突如として、サウザーの過去を話だす

 

レイはその全てが初耳だったのだが、その中身は原作と同じだったので、ジャギは表面だけは驚いた程度であったが

 

「…あのサウザーにそんな過去が」

 

「鳳凰拳は南斗最強故に一子相伝、しかしその伝承方法はサウザー少年の心に暗い影を落としたのだろう」

 

「ふ~ん…だかまぁ、結果としてサウザーは敵では無くなった訳だから、めでたしめでたしじゃねぇか

そんな事より、今は喧嘩の後片付けをする方を優先しようや」

 

サウザーの過去の話を終わらせ、ジャギは戦後処理を始める

 

そのサウザー…もとい、謎の仮面戦士ジャスティス・エンペラーによってズタズタにされた聖帝軍の守備隊はレジスタンスに我先に投降

 

逃亡を画策する者はジャスティス・エンペラーによって残らず駆逐されるので、投降以外に選択肢が無かったのだろう

 

…まぁ、投降しようとジャギの手によって、外身も中身も別人にされるのだが…

 

 

 

ジャギはその後、てきぱきと聖帝軍を解体、レジスタンスとして生まれ変わらせて部隊を再編成

 

シュウに半分ほどを率いさせ、これからレジスタンスの本拠地になる旧聖帝軍の本拠地を守らせると、ジャギ自身は付近に存在する聖帝軍の残存勢力の掃除と未だに現れていない親の召集をするために、レイと自身の手下、そしてレジスタンスを率いて各地を巡る事にした

 

本拠地に残るシュウには、街を造る部隊の護衛をさせている

 

街の建材は、主に十字陵の石材で、見慣れない男の指揮の下で建造が行われている

 

あんな見事なピラミッド風の建造物を、この慢性的に物資と人材が不足している時代で調達し、設計できる人物が能無しヒャッハーな訳が無い

 

そう睨んだジャギは十字陵建築の主な担当者達を執念で探し出すと、その人物達に十字陵をバラして街を造ろうと脅s…説得したのだ

 

自分達の手で自分達の街を作るとなると、そこに住む人間達も張り切るので、現在は急ピッチで十字陵の解体、街の設計や整地、石材の加工が行われている

 

強制労働させられていた少年達は体力が戻ると、慣れた手付きで大人を手伝い、少女達は彼等のサポートに回っているのだが、その中には天帝の片割れである『リン』の姿もあった

 

シバによって救出されたリンはジャギに秘孔を突かれ、多くの仲間を助けてくれたレジスタンスの者達への、心の底からの感謝の言葉によって『声』を取り戻している

 

念願の声を取り戻し、今は多くの友達に囲まれ、リンはとても幸せそうだ

 

 

 

各地を奔走をする前に、ジャギはリンの護衛に三人衆を任命しようとしたが、本拠地には高笑いをするアレが存在するので、ラオウ程の猛者でなければ事足りると判断、前線に赴いた

 

しかしジャギは闘わず、指示を出すだけに徹している

 

これはサウザーに付けられた胸の傷が癒えていないからと、サウザー以外に実力者が聖帝軍に存在しないからである

 

レイやカーネルや三人衆に前線の部隊を任せ、自身は斥候が持ってくる情報や、広い視野で戦場を見て状況の変化から的確な指示を前線部隊に飛ばし、ひたすら勝利を重ねた

 

勝利する事が出来なければ、アイツはただ後ろでサボってるだけだと思われる

 

それがジャギには我慢できないので、相手がどんなに弱かろうと手を抜かず、どんな卑劣な手口だろうとも構わず実行、勝利への糸口は決して見逃さない

 

だがあまりに勝ち過ぎてしまったが為に味方の空気が油断をしだすと、今度は敢えて負けを演じて後退し、周辺の敵を合流させて勢い付かせ、嘗めて掛かってきた所を罠に引き込んで殲滅した

 

ジャギはその際に捕らえた敵に徹底して残酷な処刑をし、油断気味だった味方の気を引き締める手口も取る

 

特に緊張の糸が緩んでいた者には処刑人を突如として命じ、ソイツが泣こうが吐こうが漏らそうが、ジャギは最後まで処刑をさせたそうだ

 

勿論それは内を締め、外にジャギの威を示す行為であって、捕らえた敵を全て殺して敵を必死にさせるような愚かな事はしない

 

古来には弱い敵の兵や民を殺し過ぎた為に、敵同士で連合された挙げ句、手痛い反撃を喰らって優秀な人材や、勝機すらも逃した愚かな大国が幾らでも存在するのだ

 

 

 

しかし残酷な処刑をした後、暫くは敵も必死に反撃をするようになり、味方の被害が増え出す

 

こうなると思った以上の戦果が望め無いとしたジャギは俄然、力押し…ではなく、側面から敵の調略を開始

 

敢えて一番手強そうな拠点に狙いを定めるとジャギは部隊を、ぐるりと拠点を囲ませて圧を掛け続ける

 

そして敵が策の有り無しに関わらず、外に打って出て来るが、ジャギは容易くこれを撃退

 

だが決して追撃はしない

 

ジャギ隊の追撃が無いので敵側の被害はそれなりでしかなく、これは俺達を恐れているなと判断した拠点の指揮官は何度も何度も拠点から手下を出してくるが、ジャギはそれを全て蹴散らし続けた

 

自分達の強さに自惚れ、外と連携をする事を忘れた連中を蹴散らすだけの簡単なお仕事。そんな空気がジャギ隊にあったが、やはり背後が気になるのか心底では落ち着きがない

 

しかし幾ら日にちが経過しても、ジャギ隊の背後から敵が現れる事は無かった

 

付近で一番手強い拠点の攻撃を、蹴散らし続けるジャギ達に横槍を入れる側が恐れた結果である

斥候の情報によると、囲まれている拠点以外の連中曰く

 

『あの拠点の連中が駄目なのに、俺達が行っても勝てるか分かったものじゃない。だが囲んでる連中は撃退は出来ていても、肝心の攻略はサッパリで、全く攻める気が無いらしいじゃないか、そのうち諦めるぜ

それに明日は我が身、戦力は無駄にしたくはないしな』

 

敵の連帯感が瓦解を招く心理戦に、ジャギが勝利した瞬間である

 

こうなれば、しめたもの

 

ジャギは腰を据えて攻略に掛かる

 

多少の賭けはあった

 

目の前の拠点が最初から門を固く閉じ、背後の別の拠点から強襲をされた場合、ジャギは兵を半数は失う事になったかもしれない

 

中途半端な拠点を狙ったりした場合、そうなった可能性もある

 

だから敢えて一番手強そうな拠点を選んだのだ

 

その目論見は成功、更に調べをさせてみれば、何処の拠点も出兵する様子は無いそうだ

 

援軍を望めないと敵が知る頃には、初戦に追撃を受けていた時の被害を遥かに越える被害が出ていた

 

 

 

敵が拠点から打って出て来なくなると、ジャギは次に囲みの数ヶ所の監視をワザと緩め、そこに体格の貧弱そうな連中を前面に配置させた

 

するとそれを見た拠点の指揮官は、起死回生とばかりにその箇所へと攻撃をするが、結果は同じ

 

むしろ、左右からの挟み撃ちによって被害が増えたと言えよう

 

指揮官の無能ぶりに拠点から逃げようとする者が出だすと、ジャギは残らず捕らえるのだが、決してそれらを殺さず、記憶も弄らず、逆に厚くもてなして解放してしまう

 

すると攻略対象以外の拠点が、ジャギ隊に対しての緊張の糸を緩める事になる

 

逃げてきた拠点に捕虜を送り返し、処刑をさせるのも面白いと思うが、そんなのは三下の指揮官のする事

 

これ迄のジャギならそうしたかも知れないが、ここまで軍師のように振る舞う事で新しい思考回路が生まれたのか、それとももっと広い範囲の敵を同時に見れるようになったのか、はたまたその両方か

 

とにかくジャギは相手がヨレてきたと見れば、そこで漸く力押し…ではなく、あくまで交渉を用いる

 

だが拠点の指揮官も首を縦に降らない

 

なにせ拠点そのものには損害は全く無いのだ

 

 

 

「て、てめぇ!まさかこんな!」

 

「ふぁ~はっはっは!身も心も記憶も綺麗サッパリにしてやるぜェ!」

 

漸く観念し、投降してきた敵の指揮官や幹部は、ジャギがマンツーマンで『おはなし』をし、知りうる情報を全て吐かした後はイケメン化

 

他の区間を守るヒャッハーも、一番強固な拠点を落とされた事で我先に投降しているが、結果は上記の連中と同じ目にあっている

 

イケメン化を終えた部隊が、子供達の親を探しに各地に声を掛けさせるのだ

 

もう誰の妨害も無く、子供を迎えに行けるのだと吹聴させる

 

(けっ、これでやっと連中も重い腰を上げんだろ)

 

ジャギは残る聖帝軍の残党を潰しに、進軍を再開する

 

捕虜の記憶を弄って何ヵ所かの敵拠点に送り込み、とんでもない嘘の情報を流して情報操作、内部を混乱の渦にして数ヶ所を同時に攻め落としたりもした

 

同じ事をしていては自身が飽きる、だから色んな事で遊んでいこう

 

腕っぷしではなく、頭と耳と舌で、この世紀末という乱世を掌握すると言う考え

 

乱世をただ生き残るのではない、既にそれなりの地位と権限をジャギは得た

 

後はそれを生かして邪魔な連中を屠り、味方や協力者を増やし、諸々を復興させる

 

原作ラストのように強者が粗方居なくなっても、周りが荒野と貧困に喘ぐ民衆だらけでは、端から見ればケンシロウも、侵略者側のラオウやサウザーやカイオウといった連中と大して変わらない

 

闘ったら、はいサヨナラか?

そこに生きる人間や世界にとっちゃ、闘いの後の方が大事なんだよバカ野郎、オメーはただ闘うしか能がないのか?

 

俺はオメーやラオウと比べて強くはないが、頭の出来が違う

 

これが本当の世紀末救世主様の姿だぜ

 

原作の自分の末路を払拭することに、ワクワクしながら次から次へと様々な事を企むジャギであった

 

 

 

しかしサンクチュアリの遣いが、『拳王軍』が聖母軍の領土に侵攻したとの情報が入る

 

どよめくレジスタンスの面々、しかし彼等を統率するジャギは表情を動かさない

 

(とうとう覚悟を決めたなケンシロウ、後はユリアとの結婚式を完遂できりゃ、俺たち聖母軍の勝ちだぜ)

 

「それでジャギ様、どうしやす?

進軍を一旦中断して、サンクチュアリに向かいますかい?

ラオウはケンシロウとユリア様の結婚式を邪魔しに来たんでやんしょ?

ジャギ様も行けば三兄弟が揃う訳ですから、きっとラオウも倒せやすって」

 

メリケンが聞いてくる

 

「残してきたアイリや父と母が心配だ、早く決断しろ」

 

レイが逸る

 

「うふふ♥️拳王軍の調教なんて、すっっっごくゾクゾクするわぁ」

 

御嬢が恍惚な表情で鞭を鳴らす

 

「…ミサイルでも打ち込んでやれば…?」

 

キッドが一番物騒だ

 

ふ~むと悩むジャギ

 

(もとからシンの部隊が総力をあげて拳王軍を抑えてくれる手筈だが、流石に肝心のラオウまでは防げない事は見えている

サンクチュアリにはトキと、五車星の部隊だけが守る事になるが、ユリアの幸せが掛かっていればジュウザも本気を出すしかねェ

しかもリハクは全く関与してないから、余計な罠は発動せずにユリアはラオウの手に渡る可能性が圧倒的に低くなる

花婿のケンシロウも、ユリアとの結婚式を邪魔する輩には鬼になるだろう

守りはこれでOK…だが、 攻められるだけじゃ俺としては面白くねぇよなぁ?)

「くっ…くくくくっ」

 

(うわぁ、悪い顔してるッスよジャギ様)

 

「メリケン」

 

「へ、へいっ!」

 

「この隊を2つに別ける

元からの俺の隊と、レジスタンスといった形な

レジスタンスはこのまま聖帝軍の残党を潰させろ

俺の隊は反転し、ユダの街を目指す」

 

「うぇ?ユダ様の街に、行くんですかい?

拳王軍と戦うじゃなくて?」

 

「戦は何も正面から馬鹿正直に闘うことが全てじゃねぇのさ

分かったら、さっさと行け!」

 

「へい!」

 

「おいジャギ、俺の家族はどうなる?

それに何故、ユダに会いに行くんだ?」

 

レイが何とか心を抑えつつ、ジャギに問う

 

「レイ、ラオウが油田を発見したのは聞いてるな?」

 

「ああ、確か前にラオウを永遠砂漠に閉じ込めた時のヤツだろ?

……まさか、お前」

 

「そうよ、ちょっくらどんなもんか見に行ってやろうと思ってな」

 

「つまりユダ軍と一緒にラオウの拠点を奪い、そしてサンクチュアリの市長を取り戻す訳だね」

 

御嬢が横から口を挟む

 

「トウがサンクチュアリに戻ったとは聞いてないし、もしかしたらラオウに殺されているかもしれん、そこは色々と確認しなきゃな

…ユダとしても、油田を得る事は魅力があるだろうし、これで聖母軍にも借りが作れるから乗るだろう

拳王軍の本拠地に残るは雑魚ばかりだ、動かないはアホだぜ

そして肝心の本拠地を奪われた事で拳王軍の士気はガタガタとなり、 最前線で闘うシン達も、やり易くなるだろうよ」

 

「…くっ…」

 

「悪いが、それで我慢してくれや、レイ

今はサンクチュアリを守る奴等を信じろ」

 

「…わかった…だが、もしも家族に拳王軍の魔の手が迫ったら、俺はお前を切り刻むぜ」

 

「トキや五車星の奴等なら大丈夫だ

それに俺たちも闘ってくれてる連中と同じ位、ハードな毎日になるんだぜ?」

 

「どういう意味だ?」

 

「俺達はこれから『拳王軍の全拠点を潰そうツアー』に出発するんだからな」

 

『げええええええええ!』

 

 




少し短いですが、リハビリを兼ねてなので、これ位で許してくださいませ

はい、お久しぶりです

長らく御待たせして申し訳ありませんでした

8月から中華まんを売り出すという意味不明な会社の意向に振り回されたり、精神を保つ為に他の作品をハーメルンに書いてみたりして、こっちを嫌いにならないようにしてましたが、漸く続きを書く事が叶いました

次回は番外編ですが、例の高笑いを主役にするか、それとも別の誰かを書くかは決めかねております

以下は補足です

ターバンのガキはレジスタンスやサウザーの到来を素早く察して、いち早く逃走したそうです

オウガイの遺骸は高笑いの手によって、街を見守るかのように高い丘の上に弔われました

原作ケンシロウへのジャギのツッコミ、まぁ…少年誌の、しかもジャンプですからねぇ

細かな復旧・インフレなんぞどうでもいいから、次の敵を出さなきゃ金の亡者の編集部に…おや?誰か来たようだ

ありがとうございました!
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