核戦争前に原作を読んだジャギが取り敢えず何とかしてみるようです。 作:ヘルメット助教授
いつも誤字報告ありがとうございます
内心でユダに毒づくだけ毒づいて、漸く落ち着きを取り戻したジャギは気を取り直して現状把握をしだす
さて、どうしたものか
眼前の敵は大勢、村人は組織ごとに纏められ、略奪も終盤に差し掛かっている
ゴッドランド、拳王軍、ユダ軍
強者の姿もないので厄介な相手ではないが、その人数は三百人は下らないだろう
こちらは非戦闘員であるバットやタキを入れても八人
普通に考えれば、立ち向かっても一蹴されておしまいだ
しかしジャギの顔には一抹の不安もなく、相手の装備や捕虜の状況を冷静に観察している
仕掛ける気だ
確かに敵はヒャッハー!が殆どで、気になるのが拳王軍に普通の人とは違う奴が三人、混じっているだけ
肌がヌメっとした変な奴、毛深くてゴツい変な奴、腕が細い変な奴
おそらくアミバの新秘孔の産物だろうが、ヒャッハーに毛が生えた程度の気しかジャギには感じられないので、あれなら三人衆でも事足りると判断
だが、流石に車両は敵の方が充実している
武装ジープ、囚人用トラック、移送用トラック、改造バイクに改造バギーだ
どれも世紀末仕様にカスタマイズされており、車体はゴテゴテのトゲトゲに不気味なペイント、彼等の凶悪さが滲み出ている
マトモなのは元軍人だらけの、ゴッドランドの車両くらいである
「ヒューッ!すげぇ車両の数だぜ……」
「……カッコ悪いカスタマイズ……」
すると、それを興味深げにバットとキッドが食い入る様に覗き見ているので、ジャギとレイは見つかるぞと二人の頭に掌を置き、静かに伏せさせる
村人を降伏させるのが目的なので、当たり前だが武装も凄い
火炎放射器、銛を発車する槍砲、ボーガン、火炎瓶、トゲ付き棍棒、青龍刀、大斧、ナイフ、チェーンソー、鉤爪……等々
いかにもな世紀末の武器が総出演し、それをモヒカンやスキンヘッドのヒャッハーが持っているので、非力な一般人に恐怖を与えるには充分だろう
だが、それではジャギは怯まない
「……よし」
ジャギの頭の中で作戦が決まったようで、三人衆やレイ達は視線をジャギに向ける
そしてジャギは全員の顔を見て指示を出すのであった
無言で丘を降りる二人の男
ジャギとレイが、拳王軍とユダ軍、合わせて二百人の敵を相手に平然と向かっていく
近くのヒャッハーに直ぐに見付かるが、少数のお陰か、あまり騒がれない
それはそうだ、この数に二人で立ち向かう馬鹿はいる筈がない
多くの敵が向かってくるジャギとレイに気付き、何だアレはと嘲笑いだす
しかしそれを無視した二人が駆けに駆けた
力強く地面を蹴り、レイが天高く飛翔する
「おお……」「……」
「…なんと、美しい…」
空を舞う飛燕が如き、その優雅な動きに今までレイを嘲笑っていたヒャッハーや、すっかり怯えてしまっていた村人は心奪われる
戦場の全視線がレイへと集まった
しかし上空から襲いかかる眼光は猛禽類のそれ、レイは操縦者と車両に積まれた武器ごと天から襲い掛かれば、義星の怒りを込めた『朱雀展翔』によって、敵は無惨にも細切れにされたのである
そしてその車両を踏み台にして、レイはまた天高く飛翔し、次の車両に襲い掛った
ユダ軍はレイの南斗聖拳を目の当たりにし、恐怖のあまりに立ち竦んでいる者も多く、レイの一方的な展開になっている
レイとは反対に、ジャギは大地を駆けてヒャッハーの隙間を抜けながら秘孔を突きまくる
秘孔を突かれたヒャッハーは爆発せず、死にもせずに、ただ呆然とその場で立ち尽くした後で、少し時間が経過すると地面に突っ伏し、戦いの最中にも関わらず眠りに落ちた
殺さないとはジャギらしくもない、まるで何かを企んでいるようだ
(五…九……十五…………二十二、まだまだ足りねぇ、もっと来い雑魚野郎共!)
「ちっ!たった二人になにしてやがる!?
とっとと、やっちまえ馬鹿野郎が!」
『ヒャッハー!!』
『切り刻めええええ!』
『焼き殺してやらぁぁぁぁ!』
『ギャハハハハ!』
ユダ軍と拳王軍が、レイとジャギに一斉に襲い掛かる
だが依然として飛翔し続けるレイは、次々と足場を変えるのでヒャッハーでは捕捉するのは難しく、近付けばバラバラにされるのでどうしようもない
ならばと大地を駆けるジャギを狙い、近接武器を持った敵が押し寄せる
駆けるのを辞めて呼吸を整えると、ジャギはその場で高速回転を開始
北斗神拳の呼吸法で超人化したジャギは、視界の全てがスローモーションに見える
その回転中に自身に迫る凶刃の全てを見切り、敵の手首や凶器に手を添えると、闇雲に力に歯向かわず、自身の力を加えて流れを変えてやる
「おろろ?」「なんれ、いれぇ!」
ジャギを殺す筈のヒャッハーは、自分の得物で自分を殺していた
その光景に驚き、敵の攻撃が止む
たじろいだなと見たジャギは回転を中止し、今度は含み針を次々と発射
口から放たれた針はその細さや小ささを生かし、密集状態であろうと寸分も違わず、辺りの敵の秘孔に命中、先程の連中と同じく眠りへと誘う
これにはダメだとヒャッハーはジャギに近付かなくなる
(この程度で怯むのかよ拳王軍はよ、全くラオウの兄者が居ないと本当に烏合の衆なんだな
だがそんなんじゃ足らねぇ、俺にもっと恐怖してもらう為にもアレ……やるか)
誰も掛かって来なくなると、いきなりジャギは自分自身の秘孔を突いた
すると戦場で昂った殺意や怒気が急速に薄れていき、ジャギの顔はまるで憑き物でも落ちたかの如く、穏やかな表情を浮かべ出したではないか
そして緩やかに両膝を曲げ、中腰の姿勢になると、両腕を前に突き出す独特の構えをする
憎しみ、恨み、妬み、嫉み、その全てを捨てられた者だけが極められる技『北斗羅漢撃』だ
無数の腕の残像を生み出しながら、ジャギは敵中を突き進む
それはジャギが昔から多用する技だが、今回の羅漢撃はいつもより一味も二味もキレが違う
なにしろ技を使っている本人すら、穏やかな心の奥底でその違いに驚いた位だ
前までは上記の感情を捨てられず、むしろ憎しみや恨みを糧に生きていたジャギにはその感情を完全には捨てる事が出来ず、トキとの稽古を得ても尚、今の今まで本物の羅漢撃は全く扱えていなかった
北斗羅漢撃、原作ではケンシロウに含み針を当てる為に使われ、見た目が派手なだけの、こけおどしの技に終わっているが
ケンシロウへの憎しみを捨てたとは言え、このような戦場では相手を一方的に憎んだ方が楽に殺せるので
今までジャギは、敵をひたすら憎み、恨み、妬み、嫉み、そこから生まれた感情を己の心で蒼白く燃やし、相手を次々と地獄に落とす
ひたすら冷酷に、ひたすら残酷になれるのは殺し合いで悪い事ではない
むしろ、中途半端な甘さや余計な美学が命取りになったりする
しかし秘孔の効果で負の感情を捨て去った事で、通常の羅漢撃を『極・北斗羅漢撃』に進化させたジャギは、これまでの余計な感情が如何に不要だったかを思い知る
氷のように心を研ぎ澄ませる、いつもの戦い方の比ではない
動きの全てが別人、落ち着き払ったその姿はトキと重なって見える
いや、トキが降臨したと呼んでも良い
それだけの動きをジャギはしているのだ
邪念のない、果てしなく落ち着いた静かな心境を強制的に発動する北斗神拳奥義『明鏡止水之心得』は、もとから邪念まみれのジャギに対して、あまりに恐ろしい効能を引き出してしまったようだ
だが秘孔の影響か、心の落ち着きが過ぎたジャギは、戦いの最中でありながらも内心で自問自答を繰り返す状態になってしまう
その間も、敵には必殺の秘孔を容赦なく突いているので、そちらは問題なさそうだがジャギの内面は酷いものになっていた
気が付いたら拳王軍の中を突破してしまった
ジャギの後ろで、秘孔を突かれた数十人のヒャッハーが爆散、赤い華が渇いた大地を彩る
そしてまた自分自身に秘孔を突き、元のテンションに戻るジャギ
これ以上、『明鏡止水之心得』を使用すれば危険だと判断したのだ
なにしろあのジャギが、脳内で世界再生計画まで練り始めたのだから
大勢の仲間の頭や体が吹き飛ぶ模様を見た拳王軍が、ジャギに戦慄を覚えると口々に呟き出す
『あれは……北斗神拳』
『け、拳王様と同じ、北斗神拳だ』
『あの北斗神拳を使う奴に、俺達が勝てる訳がねえ』
ラオウをよく知る拳王軍がジャギの北斗神拳にラオウの姿を彷彿とさせ、その戦意が大いに削がれる
ユダ軍がレイに恐怖したのも、今の拳王軍と同じで、両軍は頭であるラオウとユダの強さに恐怖心から従っている者が殆ど
そこを見抜いていたジャギは、レイにユダ軍に南斗聖拳を披露させ、自分は拳王軍に北斗神拳を披露してみれば、やはり両軍の殆どは襲い掛かってこなくなった
相手の恐怖心の元凶を自分達に投影させて立ち向かう気力をへし折り、戦局を有利にさせる
ジャギの作戦は成功を収めたのである
誰も二人を止められない現状に、両軍の指揮官らしき男が憤慨しだす
「ちっ、だらしねぇ同盟相手だ、あんなのと一緒にされたら、おまんまの食い上げだぜ!
おらぁ!こうなりゃボーガンだ、ボーガンをありったけブチ込んでやりな!」
『ヒャッハー!』
すると同盟相手に当たろうと構わずに、大量のボーガンの矢が発射されるが、ジャギは自分に当たりそうな矢を全て北斗神拳奥義『二指真空把』で返却、射手を射殺す
ジャギが返却しなかった矢は敵に見事、命中
十数人のヒャッハーは同盟相手に殺された
まだまだと、今度はボーガンを波状攻撃させてジャギを仕留めに掛かるが
構える彼等は忘れていた
矢が当たった連中の仲間が自分達と同じボーガンを持っている事、仲間を自分達に殺されている事、そしてなにより裏切られている事を
「あ、あいつら…俺達もろとも殺そうとしやがったぞ」
「こんの下手くそが!しっかり狙えってんだよ!」
「あ゛ん!?てめぇらが情けねぇからだろうが!」
「なんだぁ、その態度は……おら!」
詫びる気もない態度のヒャッハーに、同盟相手のヒャッハーが怒りのボーガンを射ち、詫びる気もないヒャッハーを殺す
するとそこから、この行為に怒ったヒャッハーが、ボーガンを射ったヒャッハーにボーガンを射ち返す
「このヤロー!裏切ったな」
「ふざけんな!裏切ったのは、てめぇらが先だろうが」
あちこちで血の気が多い連中同士で争いが勃発すれば、全軍に同盟決裂の報せが広まるのに、それほど時間はかからなかった
いとも容易く拳王軍とユダ軍は大群同士で殺し会う、泥沼の戦いに発展
殺し合うヒャッハー同士をジャギは冷笑を浮かべ、満足げな表情で見ていた
(思った通り、いやそれ以上にあっさりと同盟は破られたな)
組まれた時は厄介だとは思ったが、よくよく考えれば、こんなのは所詮その場の欲を満たす為だけの一時的な同盟に過ぎない
ラオウの性格を考えれば同盟などあり得ない、ユダの性格を考えれば利用価値が無くなればポイだろう
どちらにしろ近いうちに同盟の決裂は目に見えていた
だからジャギ曰く、その時は今日でも構わないだろ?
こうして同士討ちを誘ったらこの有り様である
笑いもするだろう
ジャギとレイはこの隙に両軍に囚われていた村人のトラックに近付き、護衛を蹴散らしにかかる
レイはそのままユダ軍を担当、今度は凄まじい突進をしながら、空中に指を走らせて真空の刃を作り出し、敵の体に触れずに切り裂く
南斗聖拳の怖さを知る護衛は脱兎の如く逃げ出し、障害が無くなるとレイは錠前を破壊、トラックの中から女達を全て救出することに成功した
ジャギは拳王軍を担当
護衛を簡単に蹴散らすが、そこに開戦前から異彩を放っていた変な三人が名乗りをあげて現れた
「俺は蟷螂男!」
「俺は熊男!」
「俺は蛇男!」
『我等、アミバ流北斗神拳で人を超えた存在なり!』
彼等はアミバの秘孔実験により、獣や虫の力を得た超人拳士であった
成る程、風貌が常人とかけ離れていた訳だ
「アミバ流…北斗神拳?……面白ぇ…こいよ」
「キキキキキ!」
「ゴァー!!」
「はいはいはぃぃ!」
一斉に三方から襲撃する蟷螂男達は、常人では捉えられないスピードで連撃を繰り出す
蟷螂男は超スピード、蛇男は軟体を生かした変則攻撃、熊男は持ち前のパワー殺法
三者三様の攻め
対するジャギは捌くのに手一杯な様子だ
「キキキ、このスピード」
「このパワー」
「この美しさを持つ」
『我等こそがアミバ隊で最強なりいいいい!』
掛け声と共に、息の合っていたコンビネーションが更にその激しさを増すと、三人の攻撃が一層ジャギを襲う
「いいぞー!やっちまって下さい!」
「北斗の男を殺しちまえええええ!」
「殺せ!」「殺せ!」「殺せ!
士気の落ちた拳王軍の連中が、一方的に善戦する蟷螂男達に下品なエールを送る
ジャギはもはや防戦一方、遠くでレイすらも苦戦するジャギに視線を向けている
「我等の前には手も足も出まい!」
「ぐははははは!」
「アミバ流北斗神拳は無敵なり!」
「…………」
『無敵!』『無敵!』『無敵!』
『無敵!』『無敵!』『無敵!』
『無敵!』『無敵!』『無敵!』
『無敵!』『無敵!』『無敵!』
『無敵!』『無敵!』『無敵!』
増長する三人だが、彼等は気付いてなかった
防戦一方のジャギが攻撃を受け続けながらも、アミバ流北斗神拳とやらで強化された、御自慢の自分達の体を隅々まで調べている事に
(ふ~ん、アミバ流北斗神拳、こんなもんかい)
どうやら身体検査は終わったらしい、するとジャギの中に溜まりに溜まった彼等への煩わしさが爆発する
「いい加減……うるせえぞ!このヘボトリオが!」
次々と繰り出される拳に秘孔を突くジャギ
「……五指烈弾」
それは相手の攻撃を迎撃すると共に、相手の手首から先を破壊してしまうという恐ろしいカウンター技
一呼吸して、三人分の手首から先が爆散した
『……っっっっっっ!!』
声にならない声をあげる三人に、ジャギは凶悪な面持ちで迫ると、蛇男と熊男を愛用のダブルバレルショットガンで躊躇いなく射殺
二回の轟音と共に二人の体が、まるで糸の切れた人形のように倒れ込む
それをゴミを見るような目付きで確認し、空になった薬莢を取り出して再装填するジャギ
蟷螂男はその隙になんとか逃げようとするが、慌ててたせいか、足がもつれ転倒してしまう
なんとか立ち上がろうにも、手首が無い状態では血で滑って上手くいかず、おたついてる内にジャギが背後に迫っていた
ドス黒い殺気を放つ捕食者が背後に居る
そう蟷螂男は察し、虫や獣がいくら足掻こうと、狩る者には逆らえないと覚悟した
背中を勢いよく蹴られ、地面に突っ伏す姿勢になった蟷螂男の頭に、ジャギは装填済みのショットガンを押し当てた
「おいお前、俺の名を言ってみろ」
「……え?」
「どうした?俺の名を…言ってみろ」
「な、なん…何を訳のわからない言って『ズドン!』
下らない質問はさせないと、蟷螂男の真横にショットガンが一発だけ発射された
撃ったのは一発のみ、ショットガンにはあと一発、弾が入っている
「知らねえようなら教えてやる、俺が聖母軍のジャギだ」
「聖母軍……ジャギ……」
「覚えたな?それと、戻ってアミバに伝言を頼むぜ」
「アミバ様への伝言……?な、なんでしょう……?」
蟷螂男にジャギは伝言を話す
そして最後に、俺の下に着けば命だけは助けてやるぞ、と言い放って蟷螂男に秘孔を突いた
彼を止血して逃がしてやるジャギ
勿論、アミバの作品の成れの果てやヒャッハーの死体も付属してであるが
「あの三人がやられた……?
も、もうダメだ!拳王軍、退却!退却しろ!
これ以上は無駄だ、退却だ!」
頼みの綱の蟷螂男がジャギに倒されては、ラオウ不在の拳王軍ではどうすることも出来ずに撤退を開始
退却の中で、蟷螂男は震えていた
ジャギに突かれた秘孔の効果が何かもそうだが、なにより敗北を許さない拳王の存在が恐ろし過ぎるのだ
因みにジャギの突いた秘孔がなんなのかと言うと、原作ケンシロウのように伝言を言おうとすると爆散する秘孔……ではない
蟷螂男が『聖母軍』『ジャギ』『アミバ』『伝言』、この言葉を発することがスイッチとなり、北斗神拳奥義『明鏡止水之心得』が発動するのだ
加減なしに突いたので、彼は正に善人を超えた聖人の如く真人間に変貌し、善行をしないと気が済まない性格となるだろう
ジャギはなんと恐ろしい秘孔を突いたのであろう、両手首を失った真人間にどれだけの善行が出来るだろうか
蟷螂男はこの後に大いに苦しみ、深く悲しみ、自ら命を絶つ事になるのだろうが、突いたジャギには知った事ではないので、ここから先の運命は割愛しよう
離れていたゴッドランドはこの様子を見ていた
たった二人の拳士に戦場は掻き回され、拳王軍とユダ軍は仲間割れを始めた
近い者同士は殺し合い、遠い者は射ち合う、収拾のつかない混沌の嵐がオアシスの村を吹き荒れている
もはや同盟は崩れ去ったので、ゴッドランド側として戦いを止める義理もなく、迂闊に口を出せばそれこそ、うっかり飛び火しかねないと関わらないでいたが、拳王軍が撤退を始めると
ゴッドランドの指揮官『少佐』は各部隊に、逃げる拳王軍の追撃をさせる
ここら辺の縄張りは元々、自分達のものだと知らしめたかったからなのか、それは分からない
とにかく追撃命令に従ったゴッドランドの兵士が、敗走する拳王軍に襲い掛かり圧倒する
勝ち馬に乗り、温存した戦力で背後から強襲すれば、そうなるだろう
しかし迂闊にも戦力を割いた事が災いし、隠れてゴッドランドのトラックに近付く者達に気付けなかったようである
「っ!?しょ、少佐!」
「何だ……、うぉ?」
気付いた時には既に遅し、メリケン達によって囚われの女達は残らず解放されており、護衛の者は完全に完治していないマダラに薙ぎ倒されていた
「こ、小癪な奴等め、神に選ばれた我等を侮るなよ!」
少佐は再び女達の捕獲を部下にさせる
「何が神だ、こらぁ!」
「与えもしないで一方的に奪うばかりの豚が」
「……いっちょ前の口を開くな……」
「ぐるるるるるぁぁぁあああ!」
メリケン、御嬢、キッド、マダラの四人が襲い掛かるゴッドランドの兵士達を相手に立ち回る
ナイフを振るう兵士の攻撃を避けつつ、がら空きのボディに深々とナックルを打ち込み、息が詰まって、上がった顎にフック
ジャギに拾われる前は、刃物を恐れぬ狂犬として生きてきたメリケンに、この程度の修羅場は屁でもない様子
鞭使いの兵士には、本家SM女王様の御嬢が、本物の鞭さばきで新たなる扉を開いてやっている
性癖を歪まされ、哀れな豚に堕ちていく屈強な兵士、なんと惨い…
特に兵士が集中しているのは、美少女にしか見えないキッドだ
この場で犯さんと欲望丸出しで迫る兵士達に、キッドとマダラはコンビで対処している
大型の獣、マダラは鋭い牙で兵士の首に食らい付くと、そのまま頚椎ごと噛み潰す
爪で切り裂けば軍服は意味をなさず、その傷口は骨が見える迄に達し
顔面を片手で掴み、力任せに何度も何度も地面に叩きつけたり、振り回したりと、その戦い方は獣じみていた
キッドはトラックの荷台から、改造したゴム銃を発射している
弾は輪ゴムではない、ゴムで出来た弾丸だ
核戦争前の警察や軍隊では、大型動物の撃退や暴動の鎮圧、訓練用に使われていた『非致死性兵器』である
ただ、どうしても本物の弾丸と違い、重量や空気抵抗を受けやすい構造なので有効射程は極めて短い欠点がある
特に世紀末では上質のゴムは希少なので、材料はもっぱら棄てられたタイヤのゴムである
死亡するほどのダメージが無いが、当たればプロボクサー並の衝撃になるので、キッドはそのプロボクサー並の弾丸を、兵士の『股間』めがけて発射
いつものように表情を変えず、ひたすらに股間を狙って撃ちまくる
狙っている間は無防備になるのであるが、そこはマダラが守るので問題ない
こうして次々とゴッドランドの兵士は地面に突っ伏し、泡を吹いて痙攣している
恐ろしい子供だ……
「貴様ら!たった四人に何をてこずっている!」
少佐は火炎放射器で、一気に焼き殺してやろうとするが、それは既にレイに破壊されていて使えない
ならばと銛を打ち出す槍砲、残念ながらそれも使えない
ならば……
「よっ!」
「ごは!」
武器を探していて気付かなかったのか、いつの間に後ろに居たバットの必殺・脳天岩落とし(ただの岩で殴っただけ)で少佐は呆気なく気絶
本来なら常人を圧倒する実力を持つ少佐が、バットにやられてしまうとは……いくら苦しい境地に立たされていたとはいえ、この失態は世が世なら銃殺刑ものである
指揮官を討ち取られた事に気付き、命令する者が居なくなった兵士はどうする事も出来なくなり、右往左往しだす
そこへ三人衆が降伏か死か、今すぐ選べと大声で要求
しかも遠くには先程、三人衆に逃がされていた女達がボーガンを持ち、ゴッドランドの兵士に狙いを定めていたので、兵士達は武器を捨てて投降するのであった
「上手くいったな、ジャギ」
「ああ、それに……お前らのお陰だ、お疲れさん」
「うっす!にしても流石ッスよジャギ様!」
「豚と遊んでたら、化粧が落ちてきちゃったわ」
「……お腹すいた……ご飯……」
「ゴッドランド、弱イ、オレ、強イ」
レイとジャギ、そして三人衆達が楽しげに会話をしている
(こいつら…本当にあの大軍に勝っちまった…)
始まった当初は隙を見て、ジャギのバイクやジープを盗もうとしてたバットは彼等の強さに驚かされ、弟分のタキは目をキラキラさせている
ゴッドランド、拳王軍、ユダ軍の同盟軍との戦いは、北斗神拳のジャギ、南斗水鳥拳のレイ、三人衆やマダラの活躍によってジャギ達の勝利で終わった
三百人中、百人近くがこの戦いで死に、六十人が捕虜となり、残りはそのまま逃走
こちらの損害は無しと、正に快勝である
間一髪の所で救われた村人達はジャギ達の活躍ぶりを絶賛したのだが、ジャギにとってはこれは戦いの始まりに過ぎないので、まだ喜ぶなと彼等に告げると
今までにゴッドランドに家族を奪われた人達を呼び出すと彼等に、今から皆でゴッドランドを潰しに行くぞと宣言
まさか、ゴッドランドを?これから?
全体に衝撃が走るが、ジャギは続けて必勝の作戦を聞かせるのであった
「準備よし、ジャギ様、行けますぜ!」
「よし、出発だ!」
メリケン(女)の言葉にジャギが集団に合図を出すと、複数の車両の群れが動き出した
ジャギ達のジープを隠すように、かつてゴッドランドの物であったトラックが進む
移送用トラックにはゴッドランドの軍服を着て、武装した村人達が詰めており、今日こそ愛する家族を取り戻してやると意気込んでいる
しかし囚人用トラックには、何故か美しい女達が猿轡を噛まされた状態で入れられており、全員が悲痛な表情を浮かべているではないか
実はこの女達、ジャギの『北斗性転換掌』にて問答無用で女にされたゴッドランドの兵士達で、全員が見目麗しい美人にされた事で、これから自分達の行く末を案じて震えているのだ
神の子だとほざく者同士で仲良くヤってろよ
これは彼等に冷たく言い放ったジャギの言葉である
因果応報であるが、村人にリンチされて殺されるよりはマシであろう
もしも彼等に利用価値が無かったら、ジャギは簡単に村人へと引き渡していたであろうが……
トラックの運転手はジャギによって洗脳されたゴッドランドの兵士であったので、彼等は易々と検問やアジトの内部へと潜入に成功
「ふはははは、ようこそ美しい女達よ、これからお前達には畏れ多くも我等、神の子を宿すという大変名誉ある仕事が与えられる
その身の全てを我等に捧げ、神の精を受け入れ、ひたすらに悦ぶがよい、さあ連れていけ!」
新入り女が兵士達に連れて行かれているのを、物陰からジャギ達は見ていた
入り口を入ってすぐの広間には見たこともない美女の群れが到来した事もあり、アジト中の兵士でごった返っている
絶望的な雰囲気で腕を引かれる彼女らは、これからたっぷりと己が犯した罪をその身で償う事になるであろう
猿轡を外され、自分はゴッドランドの兵士だと喚いても、女体化したなどと誰が信じるものか
(せいぜい連中を惹き付けておくれよ?美人さん方)
「よし……行くぞキッド、マダラ」
「……りょーかい……」
「ガル……オレ、アイリ、助ケル」
暗殺術に長けたジャギはキッドとマダラを連れて、アイリの探索に掛かり
女装したレイ、メリケン(女)や御嬢は、相当の美女に扮装し、連れていかれる女達に混じってアイリを探す
武装した村人は外で待機、アイリや女達を見つけたら彼等を突入させる段取りだ
暴れるのはアイリや、拐われた村の女達を確保してから
ジャギは女達を人質に取られて、自分以外の連中が身動きを封じられる事を防ぐ為にと、誘拐された女達の救出を優先したのである
ジャギ一人なら正面からバズーカを発射して門を破壊、押し寄せる兵士には南斗聖拳や北斗神拳、様々な武装を駆使して薙ぎ倒し
人質など取られても一切関係無しに、問答無用でゴッドランドを鎮圧しただろうが……
「……この先、右折……」
「よっしゃ!」
「……そのあとは、あそこの階段のぼって……」
「ガウッ!」
「……登りきった階層の一番奥の部屋だって……」
「うらうらうらうらうらうらうら!」
「階段、キツイ!階段、キライ!」
建物の構造を頭に入れたキッド、彼をおんぶしたジャギとマダラはアジト内部を駆ける
ジャギはアイリ程の美人なら、おそらく兵士の中でも上位の兵士が囲っている可能性が高いと睨み
捕虜から情報をこっそり聞き出してみると、どうもそれらしき女性が大佐の部屋に送られたそうなのだが、果たしてそれが本当にアイリなのかは分からない
レイにはその事は黙っておき、ジャギはアイリが居るとみられる、ゴッドランドの頭であるカーネルの元へと三人は走るのであった
「ガウ!アイリ!コノ匂イ、アイリ!アイリ、近イ!」
「よし!いいぞマダラ!ここまで来て居ないとか、あり得ねぇもんな!」
「……ねぇ、もう眠いからこのまま寝て良い……?」
「こら!起きてろ!寝るな!もう少しで終わる!」
「……ぶ~っ……」
頑丈そうな部屋の扉、そしてその前には護衛の兵士が立っており、侵入者を阻まんと立ち塞がる
「邪魔をするな!行くぜマダラ!」
「ガウッ!」
しかしジャギとマダラは勢いそのままに、護衛の兵士ごと扉を飛び蹴りでブチ破るのであった
「ほう……よくもここまでやって来れたものだ」
しかしこの派手な登場にも関わらず、部屋の主は落ち着いていた
落ち着いている彼こそゴッドランドの総帥、眼帯を付けた元レッドベレー、カーネルだ
某国の特殊部隊に所属していた有能で忠実な軍人だったのだが、政財界の大物から『張子の虎』と蔑まれ、核戦争に生き残った彼は、同じ軍人だけで構成されたゴッドランドを作り上げた
核戦争を持ち前の肉体で生き抜いた自分達を、『神に選ばれた人間』と称し、部下に植え付けた危険思考の持ち主
戦闘スタイルは長年で鍛えぬいたその洞察力で、相手の動きを微弱な筋肉の鳴動や視線などで読み取り、南斗聖拳の一つ『南斗無音拳』で敵を切り裂く事を得意とする
その暗殺の技術に関して、原作ケンシロウも驚かせたが、最後は純粋に技量の差で敗北している
「ここまで来れた褒美に、死にゆく者の名前くらいは聞いてやろう」
「気取るなって言いてえ所だが、まぁそのクソったれな余裕に免じて応えてやらぁ…聖母軍、ジャギ」
「牙一族、マダラ!」
「……ZZZ…むにゃむにゃ、ご飯……」
「……キッドだ」
マイペースなキッドは、ジャギの広い背中で就寝中
カーネルを前にしてこの余裕は、大物の予感がしなくもない
とにかくキッドを壁に寄りかからせて、ジャギはカーネルに向かい直す
マダラはその間にアイリをキョロキョロと探すが、部屋の中には彼女の匂いがするだけで、その姿は確認できていない
「マダラ、こいつは俺に任せて、お前はアイリを探せ」
「ガウッ!任セタ!」
「させるか、ぬっ!?」
アイリを探しに駆けだしたマダラを、背後に回ったカーネルが攻撃しようとするが、カーネルの一撃が命中する前にジャギの体から発せられた強烈な殺気がそれを阻止する
ジャギの方を向いたカーネルは、構えたまま動かない
あのままマダラを攻撃していたら、間違いなく自分は死んでいただろう
歴戦の軍人であるカーネルの背中に、冷や汗が流れた
「よく止めてくれた、あのままマダラを切ってたら、俺はお前を殺す所だったぜ」
と言って笑顔を向けるジャギだが、その殺気は全く薄まっておらず、未だにカーネルへと向けている
「聖母軍ジャギ……確かユリアとかいう女を頭目にした軍団で、使節団の隊長がそんな名前であったな
その弁舌と腕前で北斗神拳と南斗聖拳の使い手を手中に収め、この世界では類を見ない程の物量を保持していると評判」
「ほう、俺の事をよく知ってるな
だったら話は早い、おいカーネル、俺の手下になれ」
「なに……?貴様に仕えろ?笑わせるなよ」
いきなりジャギは、カーネルを手下にすると発言した
「いいか?お前らは腐っても軍人だ、軍人なら軍人らしく誰かの為に命をかけて、守ってこそ軍人だろう?
女を拐って犯すだけの連中なら直ぐにブッ殺してやる所だが、このご時世じゃ、お前ら軍人や技術者は馬鹿な拳士より遥かに重宝されるだろうしな」
「くだらぬ!今更この俺に豚の手先になれと言うのか?
これ以上ふざけた事を言うのであれば、ぐっ!」
だがカーネルは続く言葉を発せられなかった
なにせ南斗無音拳を繰り出そうとしたそれよりも早く、ジャギは彼の元に到達しており、その額に指突していたからだ
相手の視線や筋肉の動きを読む事に長けたカーネルが、額を指突されるまで反応すら出来なかった
体が痺れて動かなくなったカーネルは、直ぐには何をされたのか理解できなかったが、目の前にいるこの男、ジャギの底知れぬ恐ろしさだけは本能で感じ取った
「おっとっと、話は最後まで聞きな、断るならそれからでも遅くはなかろう?」
そう言ってジャギは邪悪な笑みを浮かべたまま、カーネルの周囲をゆっくりと回りながら勧誘を再開する
既に北斗神拳によって動きを封じられ、その命が風前の灯であるカーネルに抗う術はなく、いつ殺されるか分からない、恐怖の虜となってジャギの言葉を聞くしかない
たまに背後に回ったジャギが面白半分で、ダダ漏れる殺気を更に強めれば、カーネルの体が一層強張る、それがジャギには面白かった
「お前は元々、祖国や家族を思って軍人になった立派な男なのであろう?
そんな高潔な男が、こんなしけた所で神さまゴッコでお遊びかい?全く勿体ないぜ、え?元レッドベレーの大佐~
それに知ってるだろ?拳王軍や聖帝軍はトップが果てしなく強いだけで、その下は軒並み馬鹿な雑魚ばかりだってことをよ~
今日の戦いでも見たぜ?お前んとこの兵士が拳王軍の兵士を簡単に蹴散らしてる姿を、まあ戦力を割き過ぎたお陰でウチの者には楽にやられたがね
つまりは俺の頭と物量、そしてお前の鍛え上げた兵士どもの軍事力が加われば、鬼に金棒よぉ
なぁ…カーネル、このジャギ様はなにもお前に苦しみを与える気は無いんだ
殺す気なら、南斗聖拳で心臓を一突きにして、とっくに殺してる
だがそれはしないよ、救ってやろうカーネル、もう悪事を働く必要は無いんだ
俺はお前にもう一度、軍人としてやり直すチャンスを与えようとしているんだぜ?
この俺に付いてくれさえすれば、それまでの悪事を免除してやるだけでなく、部下もろとも軍人として丁重に扱ってやろうってんだ、ぞ」
そう言ってまた、トンっとカーネルの額を指突して体を動かせるようにしたジャギ
しかしカーネルは長くジャギの殺気を当てられ過ぎた為に全身が汗だくで、恐怖のあまり体も震えており、精神はズタズタだった
「どうするカーネル、俺に付いてくるか?」
正面に直ったジャギは、にこやかに問い掛ける
「Sir!yes.sir!」
カーネルにはこの新しい指揮官に向かって、全身全霊の敬礼をする以外に、どうしたら良いのか分からなかった
カーネルと特殊部隊、ゲットだぜ!
当初はアイリをベッドに連れ込んでいた所を、マダラとジャギに瞬コロされるカーネルでしたが、冷静に考えてみると軍人っていう職業、しかも特殊部隊ってことはエリート部隊に所属していた彼って、世紀末じゃ相当なハイスペックじゃないか?と気付きまして
あの男が欲しいなと、ジャギに勧誘()させてみました
相変わらすウチのジャギ様は交渉()が上手いなぁ
南斗無音拳も使い方しだいでは、最強の諜報員になれそうだし、雑魚に負けるカーネルでもなし
ダカールとかウイグル獄長と同じ位の強さですかね?
でも、ケジメはさせないといけませんよね。ゲス顔
軍服、眼帯美女かぁ……
精神を追い詰めた後は、優しく癒してあげないといけませんねぇ……
拳王軍の蟷螂男達は、アニメ版の北斗の拳から拝借しました
アミバ流北斗神拳の産物って木人形狩り隊のハゲとちっさいオッサンしか原作に居なかったので、どうせならと出してみました
北斗神拳・五指烈弾でやられるのはアニメと同じです
そして敵にショットガンを押し当てたら『俺の名を言ってみろ』ですよね
ほんとこの台詞、理不尽で横暴でスコ
北斗神拳奥義『明鏡止水之心得』は本作品のオリジナル技です
え?どこかの機動武道伝に出てきたヤツに似てる?
いえいえ、明鏡止水はあくまで心境ですから、戦闘中の心のイメージですよ
憎しみの力で荒れ果てたジャギの心を穏やかにするには、もはや明鏡止水しかないと思いましてHAHAHAHAHA
……よく分からない方に分かりやすく言うと、ジャギは『賢者モード』になれる秘孔を突いたのです!
心が悪に傾いている人間であればある程、絶大な効力を発揮する秘孔で、『明鏡止水之心得』は邪心の塊であるジャギにはすこぶる有効だったようです
思い立った理由としましては、簡単に他人の記憶を操作したりする北斗神拳なら、賢者モードになれる秘孔くらい存在するだろうと思いまして作ってみました
トキとの稽古の中で、更に静かなる心境を作る必要があったジャギが編み出した設定にしてます
ただし、まだまだ不完全な技な為、加減を誤ると普段の行いやらを猛省し過ぎ、最悪の場合は己の悪行を恥じて自害してしまう危険な技
…もしかしたらですが、これならカイオウが自ら『悪を象徴する拳法』と称した北斗琉拳に対抗できるかも…
使い手の多くがその凄絶さに陶酔し、その心を悪に染めていて、ある一線を越えれば愛も情もない魔界に入るので、ジャギの『明鏡止水之心得』で突かれた者の悪の心の度合いによっては大変な事(主に爆死)になりそう
しかし魔闘気で無重力状態にするチート技『暗琉天破』をどう攻略するか、黒夜叉は遠距離から攻撃してましたが、ジャギにも様々な遠距離武器があるけど、カイオウや羅将達に果たして通用するだろうか……
では試しにジャギ様、俺に『明鏡止水之心得』をやってくれませんか?
ジャギ『面倒くせぇな、おらぁ!』
…………嗚呼……世界が大変な時に俺はなにをしているんだろう……人と人がこんなにも争っているのに、毎日毎日を無駄に過ごして……
ジャギ『うわぁ、もっと面倒くせぇ、おらぁ!』
( ゚д゚)ハッ!!
とにかく、悪の心を持つ人間には効果は抜群であります!
因みにレイ達の組は連れていかれた先で、村の女達を見つけるや正体を現して大暴れしており
レイは、『アイリは何処DAAAAAAAAAAAAAAA』と鬼気迫る暴走っぷりを展開、化粧を落とす事も忘れて荒れ狂っていたそうですが、その装いは難敵ユダを彷彿させている事は言わないでおこう
メリケン(女)は、健康的で勝ち気な美女が好きな兵士達に強引に言い寄られてます
唇はなんとか阻止したのですが、張りのある尻を乱暴に撫で回されてプッツン。こちらも派手に暴れたそうです
御嬢は暴れる二人に兵士達が混乱した隙を突き、外の村人達をアジトの中へと招き入れ、女達の所まで誘導しています
大物予備軍のキッドは熟睡中、よほどジャギの背中は本人には心地よかったのだろうか?
マダラはアイリの匂いを辿り、途中で遭遇した兵士を威嚇して撃退、牢屋に入れられたアイリと涙の再会をしたそうです
襲われたかどうかはまだ未定ですが、レイ残念!
バットとタキはオアシスの村にあるBARで待機、ジャギ達が帰ってくればトヨを治して貰える約束なので、大人しく待っております
蟷螂男はアミバにジャギからの伝言を報せると、やはり善人化し、拳王軍として行った来た蛮行を悔い改めます
そして彼はまず散らかっていたアミバの研究室の掃除を始め、手首が無くなろうと構わずに掃除をする蟷螂男の豹変ぶりや、そのあまりの展開に頭が付いていかないアミバ
そこにラオウが『新秘孔を出せーーい!』(威圧)とやって来ましたが、にこやかに掃除をする蟷螂男を見て、下らぬ事をするでないわ!と剛拳一発
結果、ジャギの目論見通りに蟷螂男は死んでしまいましたとさ
尚、研究室を荒らされてアミバは涙目だったそうです
以下は本文で記載する筈だった、明鏡止水モードのジャギ脳内の部分です
ダラダラと長いので、流し読みでも構いません
リクエスト、感想、補足ありましたらお気軽にどうぞ♪
ありがとうございました!
『明鏡止水之心得』の最中にジャギの頭をよぎった考え
正直、いつまでもこのままで良いのかと、ジャギは内心で焦っていた
確かにトキとの稽古で腕前は格段に上達はした
それは分かる
だが俺は北斗四兄弟の三兄だと、胸を張って言えるかと聞かれたら返事はNOだ
拳士で、ではない
ジャギは拳士になろうとは微塵も思っていない
そうではなく、ただ一人の男として対等でありたい
少年の頃、誰かに一人前だと認められたいと願う気持ちだけが、ジャギ少年にとっての生きる動力源であり、唯一の夢であった
その夢は無惨にも出来レースによって潰されたが、それはもうジャギにはどうでもいい
しかし今日、拳王軍を見たジャギの中で、とうの昔に忘れ去った少年の頃の『認められたい思い』が、再び顔を出した
ラオウは世紀末覇者を着々と目指し、眼前の拳王軍を己の拳一つで作り出した
トキは物静かに沈黙をしていても、圧倒的な強者である事に変わりはない
ケンシロウは最愛の女性との生活で穏やかになってはいるが、覚醒すればその実力は最強格なのは間違いない
対して自分はどうだ?
原作漫画で得た知識により最悪の結末は色々と回避できているが、冷静に今の自分を見つめ直してみれば、ただ中途半端に強く、ただ中途半端な地位を得ただけではないか
手下には満足している
三人衆は勿論、離れて探索やらをしてくれている元モヒカン連中も、バカだが頼りになる存在だ
しかし、ジャギに付いた世紀末での渾名は『聖母軍の使い走り』である
ふざけるなと、ジャギは怒りよりも呆れたものだ
ただ群がって、ただその日を食って寝るだけの貴様らに、この世紀末を生き抜いた先、未来への明確なビジョンはあるのか?
なにもしないで緑や川が復活すると本気で思っているのか?
なにもしないで田畑が出来、実がなるとでも本気で思っているのか?
なにもしないで組織が出来、社会と秩序が守れると本気で思っているのか?
なにもしないで強固な街が出来、強者が集まると本気で思っているのか?
そして原作漫画の最後でも荒野は変わらず荒野で、弱者はいつまでも暴徒によって搾取されていたのをジャギは知っている
つまり、最初から最後まで世紀末は世紀末
この世界はかつての、緑豊かな状態に戻す努力をしていないどころか、邪魔をする奴等が多すぎる
世紀末覇者や、それに似た者達は単純な力による支配を望むので、そんなのは災害と変わらない
頼りの世紀末救世主はただ目の前の敵を倒すのみで、しかも終わったら直ぐにユリアや次の悪を探しに行ってしまうので、助けた村が後でどうなろうと知った事ではない
おい、お前達……戦後の処理はどうした?
奪ったら奪いっぱなしか?
助けたら助けっぱなしか?
食い散らかすだけ食い散らかして、後は誰かに任せて自分の尻も満足に拭けないのか?
(…そんな奴等が、俺を下に見るのかい…?)
ただ強いだけのラオウ、ケンシロウでは世界に残る核戦争の爪痕は、何一つ解決できないという考えにジャギは行き着く
トキの医者としての活動は他の二人に比べれば評価できるが、それでも世界再生には程遠い
こうなると世界を再生させる第一人者は、原作の知識がある自分しかいないのではないか?
だがジャッカルに言った通り、実績のない男に発言力はない
だから狙うのだ
南斗聖拳最強、南斗鳳凰拳の伝承者であり聖帝サウザーを、原作の知識を駆使して
サウザーの体の秘密はもちろん知っている
ユダを使ってサウザーを誘きだし、そして上手く近付けさえすれば一撃で葬れるかも
だが相手は南斗聖拳最強の男だ、どうなるかはやってみなければ分からないが、価値はある
死んだらそれまでだが相手がサウザーならば、原作の死に様よりはずっとマシだと言えよう
だが玉砕覚悟の特攻は戦闘で最も恥ずべき行為、それよりも生き抜いて再び戦った方がずっと生産的だ
あくまでも死ぬのは最悪の場合である
そうならない為にも、もっと自分の力を根本的に変えてしまえば結果はきっと良くなる
今回の秘孔が正にそれだ、戦闘中でありながらもこうして思案を巡らせ、かつ感情に流される事なく、結果を出す
冷静に場を瞬時に読み、活路を見出だして、動く
今までの自分のファイトスタイルとは正に対極
だがもう勢いに任せて戦う、そんなスタイルは他の連中に任せよう
ただ目の前の巨大な組織を単純な力で倒す、そんな事を繰り返していて、世界がどうにかなるものじゃない
いや、間違いなく世界は救われない
(…何を考えているのやら…)
まさか、夢破れて荒み切り、破壊と殺戮、略奪や凌辱を好んでいた自分が、これ程までに世界の再生を考える事になろうとは
(……くくくっ……)
この辺りでジャギも作者も素面に戻りました
長々とスイマセン、ありがとうございました!
ジャギの子供は有りか否か
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有り
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否! 断じて否である!
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結婚相手によるな
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そんなことより世紀末バスケやろうぜ