Episode of Kaede -軍に拾われた狂犬- 作:Hourai
「……あー、だりぃ。」
今日も俺はなんとなく居住区のベットで暇をつぶしてる。
そもそも、なんで俺がこんなところにいなきゃならねえんだよ。全く以ってつまらねえ毎日だぜ。
あーあー、考えたくない。寝たフリでもして時間潰すか。目を閉じて呼吸整えて………zzz………
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(数年前___)
…俺の名前は青桐カエデ。女性だ。誰がなんと言おうと股間にホース状の器官が無いんだから女性だ。
親はいない。2人ともくたばっちまった。どっちも当時流行ってた感染症でな。
そのせいでオレも感染してると疑われて差別を食らったことがある。バカみてぇに指差されてよ…今となっちゃ特効薬ができて誰もなんも言わなくなったさ。
……おっと、こんな話してる場合じゃねぇな。『居たぞ!捕まえろ!』『奴を逃すな!』…へへっ、バーカ。こちとらお前らなんかに捕まるほど弱っちい生活なんざ送ってねえんだ。…さっきコンビニから今日の晩飯をパクってきたところさ。まあ、飢え死にをしのぐ程度しかないがな。
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…撒いたか。さーて、ここどこだ?見たところ瓦礫の山じゃねえか。まぁいいや。家無しのオレに場所を選り好みする権利はない。ここで飯を食ってまたどっかに__誰だ?
『……ぁ……ぅ…』…なんだコイツ……乞食か?ボロボロの服に…痩けて色の悪い肌。明らかに今にも死にそうだな…
『みず……のど……いたい。』…目の前でぶっ倒れても寝覚め悪いし…俺はボトルに入った茶を飲ませる。ものすごい勢いで飲んでる。言っとくけど俺の茶だからな。『…んぐ、んぐ……はぁっ……ありがとう…』どーも。とっとと帰れ__
『おねえさん……けが…してる…』…ん?あっ、そういやさっきガラスで脚切ってたな…へーきへーき。こんなの唾かけりゃ治るって__ってオイ!何勝手に触ってんだ!離れろっ__なんだ?手が光って……!?傷が…塞がってる…?『いたく…ない?』ああ、すっかり治っちまってる。『…えへへ、おとうさんにひとまえでみせるなっていわれてるの…ないしょね?』……ふーん…チビ助、名前は?『…ぼくのなまえ…?モミジだよっ!おとうさんが子供の頃に見た、あかいはっぱをつける"き"からなまえをとったんだって!』…モミジねぇ。…そういや、お父さん見当たらないな。どうしてるんだ?『…おとうさんは、しんじゃったの。ぼく、ひとりだけ。』…っ!?…そうか…なぁモミジ、実は俺も1人なんだよ。一緒についていくかい?『えっ…?でも、おとうさんがしらないひとについていっちゃだめって…」お父さんはもういないんだろ?怒られる心配なんて無いんだ。『…うん!…ところで、おねえさん、なまえはなんていうの?』ああ、カエデって呼びな!
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チッ…囲まれた…エルエリアが動いてるとか聞いてないぞ…
『おとなしく降伏しろ!』『どのみち貴様は逃げられん!』
うるせーバカヤロー!言われて降伏するほど素直じゃねぇ__『カエデさんっ!』…いてぇ…どてっ腹撃ち抜かれた。俺の血が…どんどん湧いて出てきやがる。『ちりょうしますっ!』ああ…悪いな…『…あの子供、能力者か!』___おいモミジ!後ろだ!!『…えっ___』『治療系の能力者か…こいつは興味深い。』テメエッ…!とっとと離しやがれっ……痛えっ…『大丈夫だ…取って食ったりなんかしねえよ。それより…青桐カエデ!!貴様を窃盗等の容疑で拘束する!!』…畜生っ…畜生っ!!『いやだぁぁぁぁっっ!!!カエデさんたすけてぇぇぇっっ!!!』
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それからというもの、俺はエルエリア基地に運ばれて、陸上部隊の一員になった。どうやら俺の入った部隊は、他にも筋金入りの悪者揃いのヤベー所らしい。モミジとは、あの時からもう会っていない___