Episode of Kaede -軍に拾われた狂犬- 作:Hourai
「…うあぁっ!?」
…なんて目覚めの悪い朝……いや夜か。
『…"おはよう"カエデ。全く…昼の任務すっぽかして昼寝とは度胸あるね…』コイツはナユタ。ナユタ・リアフォート。俺が所属してる陸上部隊の専属医だ。…俺が怪我ばっかりするからいつしか俺に付きっきりになっちまったがな。
ついでにナユタは姿といい声といい、なんとなく誰かに似ている。…名前は思い出せない。忘れちゃいけないような奴だったのによ。
『やらなかった任務は明日に繰り越すよ。異論は認めない。』「…そーか。余計めんどくさくなったな。」『やらないのが悪いでしょ…』「…寝る。起こしたら引っ叩くからな。」『えぇ…』
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…夜起きた時とは打って変わって、清清しい朝を迎えた。
ナユタのヤツ、机に突っ伏して寝てやがる。「そこで寝てると風邪引くぞー?おーい?」…ダメだこりゃ。取り敢えず身支度して朝練行くか。寝巻きを脱いで、隊服に着替えて…あっ、サラシ忘れてた。……これでよし。「んじゃ、行ってくるよ。」
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「せぇぇぇいやあああっっ!!」大岩が"切れた"。…うん、腕はまだ衰えてねえな。朝練だけは欠かせない日課だ。1日でもサボると自分の力が心配になる。
『あいつすげー…』『怒らせねえ方がいいな…』大の男、それも犯罪者どもが遠巻きにザワついてる。…へへっ、どんなもんだい___『でもよぉ、俺たち陸上部隊は銃使えてなんぼだろ?アイツ、銃の方はからっきしらしいぜ?』ドッと馬鹿どもが沸き上がった。『そりゃ傑作だぜぇ!所詮剣なんか銃に勝てねえよ!』『なーんだ、あいつ俺らより格下だったな!』
「…チッ」やる気がグズって腹が減った。飯食いに行こ。
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「…ああ、鮭茶漬けだ。頼むよ。」…実を言うと飯を食う時間も若干もったいねえ。だから飯は手早く食えるもんに限る。『307番でお待ちのお客様ー!』おっ、もう出来たか。やっぱ手間かかんないだけ早えな。
席に着くと、俺はテーブルにあるケースから割り箸を取って、茶碗を片手に思いっきり掻っ込む。やけどなんか気にしてる暇ねえよ。「よし!短時間で完食!ご馳走様っ!!」食器を戻し、足早に食堂を出てトレーニングルームに向かおうとした時だった。『ちょっと待ったァァァッ!』
何者かに脚を取られ、頭からぶっ倒れた。「ぐぇっ…!なにしやがる!」『君にある仕事はめちゃくちゃ多いんだ!トレーニングなんてしてる暇はないよ!』「…なんだナユタか……はいはい、今行きますよーっ。」ナユタには一度命令に背きすぎて治療をストップされたことがあるから頭が上がんない。まったくこれ以上無いほどの屈辱だぜ。
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「…んで、仕事ってのはなんだよ。」『陸上部隊に支給された物の移動。弾薬、薬莢、その他銃のパーツetc。かなり重たいからトレーニングになるでしょ?』「…ふーん。どれだけ運べばいいの?」『この積み上がってるもの全部。』「…は?」まるで山だぞ?これを1人で…って仕方ねえか。『それじゃ、よろしくね。』ナユタはそういうと基地に戻っていった。奴は日光に弱い。
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「…ダンボール一個何キロなんだ?軽すぎて何にもなんねえよ。」愚痴を垂れつつも仕事をしていると、頭に鈍い痛みが走った。「っ…!」足元に石が転がる。どうやら投擲された石が直撃したみてえだ。
『はははっ!命中したぜ!』…んのヤロー。張本人は俺と同じ部隊の奴らだ。デカブツが1人、前に出て俺の髪を引っ張って耳元で喋る。『よおよお陸上部隊の落ちこぼれぇ!…良いことを教えてやるぜ…ここではなぁ…銃を使えねえ奴はクズ当然なんだよ!』遠巻きの子分だろうか、同じような奴がヤジを飛ばす。『そうだそうだ!このクズめ!』「…チッ…うるせえんだよ…仕事の邪魔だあっち行ってくれよ。」『ほーう…?随分威勢の良いガキじゃねえか…そういう奴がいると俺の…目障りなんだよぉっ!!』右腕を振りかぶって…殴る気だな。それならこっちも…容赦はしねえぞ。______