※この作品はR-18です。

ていく おぅばぁ   作:柴猫侍

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佐倉 双葉

 

「いやぁー、大漁大漁っとォ♪」

 

 両手にひっさげられた袋ごと、小さな体がベッドに飛び込む。

 ボフッ、と音が立てば、掛布団や毛布に染みついていた()()の香りと共に、溢れ出た空気が髪を靡かせる。

 

「あ゛ぁ~、疲れたぁ~」

「お疲れ、双葉」

「えへへ、今日は買い物に付き合ってくれてありがとうな」

「お安い御用だ」

「うむ! よきにはからえ!」

 

 ベッドに倒れたまま応答する少女の名は佐倉 双葉。蓮の居候先である喫茶店「ルブラン」の店主・佐倉惣治郎の義娘である。最近まで引きこもりであったが、今では付き添いがあれば遠出できようになってきた。

 今回も蓮の付き添いの上、秋葉原まで買い物に出かけてきたところだ。

 こんもりと膨れ上がっている袋には、今日買って来た洋服が山ほど詰め込まれている。

 

「いやぁ~、それにしても惣治郎も気前いいよな~。洋服買いたいって言ったら万札ポンっと三枚も渡してくれるんだから!」

「双葉が外に出るようになったから、それなりにお洒落してほしいと思ってるんだろう」

「そういうもんか? ま! そのおかげでしばらくは着るものには困らないな!」

 

 ニカッと笑ってみせる双葉。彼女と惣治郎に血の繋がりこそないが、本当の家族のような絆で結ばれていることは確かだ。

 惣治郎も年頃の娘を持つ親として、ファッションを楽しんでもらいたいと考えていると推測しても粗方間違いではないはず。

 

「……でも、ちょっと買いすぎたかな?」

「そうだな。俺が付いて来てなかったら持ち切れなかっただろう」

「そこのカレシ! おなごに荷物を持たせる心算とは何事だぁー! こういう時は、『俺が付いていくから安心しろ……』的なことをだな」

 

 最初だけ勢いが良かったが、それ以降は尻すぼみに声量が小さくなっていく。

 指の先をツンツンさせる彼女は、恥じらいを覚えてるように頬を染め、蓮の顔を見つめる。

 

「……っていうのは冗談で……その……蓮があれもこれも『可愛い』とか『似合ってる』とか褒めてくれるから……嬉しくて、つい……」

「……」

「む、無言で頭撫でるなぁ……!」

 

 いじらしい態度の双葉を前に、撫でざるを得ないと無言の蓮が手を伸ばしていた。

 恋人と言うよりかは兄妹に見える光景であるが、これでも立派に付き合っている。双葉の義父である惣治郎こそ知らないが、二人はすでに()()()()()だ。

 

 しかし、甘える時に甘えるのが双葉である。

 最初こそ子供扱いされて頬を膨らませていた彼女も、一分も経たぬ内に胸いっぱいに満ち満ちる安心感やときめきのままに、蓮の方へ寄り添っていた。

 

「んふふっ♪」

「満足したみたいだな。それじゃあ、一度服をしまうか」

「え~、後でいいじゃ~ん」

「双葉の部屋は放っておくと散らかるから、片づけられる時に片づけなきゃな」

「なぬッ!? わ、私だって片づけくらい……!」

「できるか?」

「……え、えへへ~」

「……一緒に片づけようか」

「アイアイサー!」

 

 苦笑いで誤魔化す双葉。

 長年の引きこもり生活が祟り、真面な家事スキルが養われなかった双葉は、片づけでさえ一苦労だ。体力がないことも相まって、一人で片づけようものならば一日かかってしまうため、最近では蓮が部屋に来訪した時、ついでに片づけている。

 今回もまた、買って来た洋服の収納と併せ、部屋の片づけが決まった。

 

「さて、押し入れは……ッ」

「あわわわッ! レディーの押し入れの中を見るな! デリカシーがないぞ!」

 

 早速押し入れを開いた蓮が、眼前に広がる光景に絶句する。

 そこには所狭しと詰め込まれた段ボールやら袋やらが溢れかえっており、とてもではないが収納スペースがあるとは言えない。

 

「……とりあえず、開けてない段ボールから片づけるか」

「ら、らじゃー」

「どうして開けもしないで仕舞うんだ……」

「いやぁー、後で開けようと思って……な?」

「……中身も分からないと分けようもない。開けても構わないか?」

「あいよっ! ドーンと開けちゃ……ッ!!!」

 

 双葉の了承を得るままに発送用の段ボールを開いた蓮。

 一方、自身も中身が何であったか胸を躍らせていた双葉であったが、最初に開封された中身を出された瞬間、言葉を失った。

 

 出るわ出るわ―――何が?―――アダルトグッズが。

 

「ッ……ッ……ッ……!」

「双葉……これは……?」

「あ、あのっ……そ……それ、は……そのッ……」

 

 電動マッサージ機だけならば、まだ誤魔化しがついていただろう。

 だが、ローターやバイブ、果てにはコンドームまで出てきたとなれば、弁明の余地もなくなる。

 

 茹で蛸よろしく顔面が赤く染まる双葉は、指をツンツンと突きながら、視線を泳がせるしかなかった。

 

(おい、過去の私! どうしてこんなものを放っておいた~~~!)

 

 結論から言えば、これらのアダルトグッズは間違いなく双葉が購入した物だ。

 蓮と付き合いと決まった時、初めての彼氏ができた喜びに舞い上がり、その晩は寝るにも寝られない興奮に苛まれていた。

 恋愛経験のない双葉であるが、サブカルチャーの知識には滅法強い。加えて少年漫画よりも生々しい描写が多い少女漫画を嗜んでいたこともあり、性的知識についても多少心得があった。

 

『きっと蓮とムフフなことをするんだ……!』

 

 という妄想から、深夜遅くまでムラムラと眠れぬ時を過ごし、変なテンションになってしまった彼女は、渦巻く興奮のままにアダルトグッズをネットで購入してしまったのだ。

 だが、それから一晩眠れば綺麗さっぱり真夜中の記憶が消え、現物が家に届いた時でさえ、何を注文したか思い出せなかった。

 

 そして今に至る。

 

 過去の大雑把な自分を呪うが、時すでに遅し。

 元々口がうまい訳でもない双葉は、状況が状況とだけあって、ごにょごにょとどもることしかできない。

 変な汗を滝のように流す双葉。

 すると、アダルトグッズが入った箱を手に持ったままであった蓮が、おもむろに双葉を抱きしめた。

 

「れ、蓮!? 急に抱きしめ……にゃあ゛!?」

「こんなものを買って、双葉は何をするつもりだったんだ?」

「ぁ、あぅあぅあぅあぅ~……!」

 

 突然の抱擁はもちろん、抱きしめられながら小ぶりな尻たぶを揉み解される双葉は、完全に平静を保てなくなってしまっていた。

 

「蓮……こ、これはセクハラだぞぅ……!」

「彼氏なのにか?」

「……彼氏なら許してしんぜよう! でも、もうちょっとムードとか……」 

「それなら」

 

 言うや、蓮の行動は早かった。

 封がされたままであったアダルトグッズの箱を開け、中身の電動マッサージ機を取り出す。

 柄尻の部分から延びるプラグをコンセントに繋げれば、後はスイッチを入れるだけの状態となった。

 

「……ごくり」

 

 生唾を飲み込む双葉は、眼鏡をきらりと光らせる蓮を見上げた。

 

 

「ま、まさか……」

「そのまさかだ」

「んっ!?」

 

 躊躇いなくスイッチを入れた蓮が、震動する先端部分を双葉の胸部にあてがう。

 ヴヴヴと震える先端をあてがわれた双葉は、他人に触られた経験のない部位に襲い掛かる微振動に、驚きと衝撃と、そして僅かな快楽を感じ取り、身をよじらせた。

 

「ちょ、ちょっとタンマ!」

「待たない」

「即答って……あっ!? ほんとのほんとに……うわあ!?」

 

 絶えず襲い掛かる振動に痺れや掻痒感に似た感覚に、堪らず双葉がのけ反った。

 しかし、バランスを崩した彼女は、そのままベッドへ背中を預ける形で倒れてしまう―――ゆったりとした服の隙間から、ぷっくりと膨れ上がった桜色が顔を覗かせる。

 慎ましやかなサイズでこそあるが、色白な少女の柔肌の上では、これでもかと主張せんばかりに目立っていた。

 

 するや、桜色を主張する胸元へ吸い込まれる蓮。

 直後、双葉は露出した先端が生温い熱に覆いつくされる感覚に襲われ、甘い悲鳴を漏らした。

 ザラザラとした舌の感触は、未開の地たる乳房にはかなりの刺激だ。蓮の舌が蠢く間、双葉は全身を捩らせて甘美な淫蕩に喘いでいた。

 

「れ、蓮……それヤバい……!」

「ひもひいいは」

「舐めながら喋るなぁ! ひぅ♡」

 

 不意に股間を襲う振動。それは先程彼女に微弱な快感を教え込ませた電動マッサージ機であった。

 無防備であった股間にあてがわれる電動マッサージ機は、蓮の手によって一気に最大までパワーが上げられる。

 突如として媚肉を揺るがす振動が強まり、自然と脚を固く閉ざしてしまう双葉であったが、それは寧ろ逆効果。両足の間の道具をガッチリと固定してしまう結果に至り、もたらされる快楽を倍増させる。

 

「ぅあっ!!?」

 

 刹那、双葉の体が大きく跳ねる。

 すると間もなくして彼女のズボン―――主に股間周辺の色味が変化していくではないか。じわじわと広がっていく染みからは、微かな牝臭が立ち昇る。

 

 それを目の当たりにした蓮はと言えば、舌と道具による愛撫を止めて双葉の顔を覗く。

 

「双葉?」

「~~~! バカバカバカバカ、蓮のバカ! この歳になって漏らすとかマジありえん! あ~、マジで恥ずかしい!」

 

 軽く潮を吹いて羞恥に悶える双葉は、ベッドの上で見悶えていた。

 

「うぅ~、パンツの中とかぐしょぐしょ……おい、蓮。責任とってお前が洗うんだぞ……って!? な、なな、なんで急に目の前で脱ぎ始める!?」

「? シないのか?」

「当たり前みたいな感覚で言うな! わ、私だって心の準備というものがあるのでございまして……!?」

 

 完全に()()流れであると考える蓮が脱衣する光景を前に、双葉は混乱しながら部屋中の窓という窓とカーテンを閉め、それから電灯を常夜灯に変える。

 あまつさえ布団を被ってからベッドに着席した双葉は、鼻息を荒くしながら宣言した。

 

「よーしッ!! 準備オーケー!! ヤろう!!」

「見えにくい」

「は、恥ずかしいからに決まってるだろ!! 私、杏とか真みたいな体じゃないから……ごにょごにょ……」

 

 つまりは体に自信がないと言いたい双葉。

 しかし、それを気にする蓮ではなく、どもる彼女を優しく押し倒したかと思えば、彼女が被っていた布団をはぎ取る。

 「ヒッ!?」と甲高い悲鳴を上げる彼女に覆い被さった蓮は、そのままはぎ取った布団を自身にも被せ、拙い密閉空間を生み出す。

 目の前の双葉の甘い息遣いさえはっきりと鼓膜を揺らす暗闇。十センチとない距離感の中、彼はまず互いの唇を求めるように動いた。

 

 手掛かりは甘い吐息だけ。

 顔を撫でる熱い風を敏感に感じ取る二人は、導かれるままに唇を重ね合わせた。

 

「ッ、~~~♡」

 

 唇が重なると同時に、双葉の声にならない叫びが布団の中に響きわたる。

 唇を求める双葉は餌を求める雛鳥の如く唇を尖らせ、もどかしい進退を繰り返す蓮に少しでも近く在ろうとしていた。

 

 その間、蓮の手が双葉のズボンにかかる。

 潮で濡れた下着ごとはぎ取った後、布団の外へ放り捨てる。そうしてから、今度は上半身だ。

 服の裾を掴み、裏返すように上へと捲り上げる。

 そうすれば必然的に万歳の態勢を取らざるを得なくなった双葉は、暗闇の中ながら乳房や脇といった部分を晒す羽目となり、暗闇の中で悶死しそうになっていた。

 

 双葉は、まだ大して動いていないにも拘わらず体中の穴という穴から汗が吹き出るのを感じ取っていた。

 それらは布団の中の湿度を急激に上げていく。同時に理性を狂わせる牝の色香も。

 自身でさえはっきりと嗅ぎ取れる匂いにくらりと眩暈を覚えた。

 では、彼は?

 答えはすぐに唇への応答で返された。

 

「双葉……」

「ん……ふっ……蓮……」

 

 むさ苦しい空間の中で一心不乱に唇を貪り合う二人。

 はじめは啄むように。程よく湿った唇は、艶やかな嬌声と共に息継ぎせんと離す度、相手の鮮やかな赤色と引っ張り合う。ギリギリまで離れようとしない赤色は、ようやく離れるやぷるりと揺れ、情熱的な余韻に浸らせてくれる。

 とろりと瞳を蕩けさせる双葉。ただでさえ蒸し暑い密閉空間の中、興奮のあまり互いに体を火照らせて発熱しているのだ。それが二人の発汗に拍車をかけ、次第に空間が息苦しくなっていき、双葉の意識は朦朧としていく。

 だが、当の彼女はと言えば恍惚に浸ったような面持ちを浮かべていた。

 

(キスしちゃった……私、蓮とキスしちゃったぞ……♡)

 

 好きな異性と全裸でキスするなど、数か月前の自分では想像もつかない経験だ。

 羞恥心とそれ以上の多幸感が胸をいっぱいにさせる。

 

 しかし、半ば放心状態であった彼女を、打って変わって力強い口付けが襲いかかった。

 半開きの口に捻じ込まれる舌は、脱力していた小ぶりな舌と絡み合う。その間、蓮の口腔から流れ込んでくる唾液は、双葉に甘い衝撃を与えた。

 

「んっ!? んんんっ!!? んっ……んふぅ……♡」

 

 人生初めてのディープキスに驚愕の声を漏らしていた双葉も、一分と絶たぬうちに口腔を蹂躙する感覚に悦びを覚え始める。

 ガチガチに硬直していた体も、今や蓮を放さないと言わんばかりに彼をホールドしていた。

 脂肪も筋肉も少ない双葉の体は非常に柔らかだ。触れれば壊れてしまいそうな繊細さを彷彿とさせる肢体が、今は自分を抱きしめている―――そう考えるだけで蓮の愚息は双葉の下腹部を圧し潰す勢いで腫れあがっていた。

 

 一方で、双葉の体にも異変が起こっている。

 当人は気が付いていないが、初めてのオーラルセックスに脳の処理が追い付かず、雪崩れ込む快楽を受け入れたが為に、秘所から愛液がとめどなく溢れ出していた。

 加速度的に淫靡な臭いに満ち満ちる空間。

 牡が牝を、牝が牡を誘惑する情欲的な空気を取り込む二人は、次第に理性の箍が外れ始めていた。

 

 最初の羞恥が嘘のように濃密な接吻を交わしていた双葉は、荒く胸を上下させ、口の両端から垂れ流れる唾液をそのままに、蓮へ語り掛けた。

 

「あのね、蓮……」

「どうした?」

「今度は私が上になってもいいか?」

「ああ」

「ムフフ……言ったな!? 私の絶技でひぃひぃ言わせてやるから覚悟せよーッ!」

 

 一転し、ノリノリな口調となった双葉が器用に体勢を入れ替える。

 無論、布団は剥がさぬままだ。二人の体には幾つもの汗が玉のように浮かんでおり、布団の中の熱気の凄まじさを物語っている。

 そんな中、蓮の上に跨る双葉は、小さな舌を彼の体に這わせ始めた。

 

―――チャプ、チャプ……。

 

 蒸し暑い中に響きわたる水音は、青青しい淫蕩と背徳の色に彩られていた。

 首筋から始まり、彼女は蓮の乳首を重点的に舐り始める。まるで先ほどの意趣返しと言わんばかりの愛撫に、無抵抗の蓮は緩やかな快楽に顔を歪ませた。

 

はんひへるのは(感じてるのか)?」

「ああ、気持ちいいぞ双葉」

「んふふ♡ はんはふ(頑張る)……んっ」

 

 それからも一心不乱に蓮に舌奉仕する双葉。

 そんな彼女に失礼ながら猫を彷彿とさせていた蓮であったが、しっかりと愚息は反応している。

 ビンビンと怒張している剛直は、ちょうど双葉の小ぶりなお尻の谷間に挟まれる形で立ち上がっていた。

 

「双葉」

「ふぁあ?」

()の方を舐めてくれないか?」

「し、しし、下!? そ、それってまさか……」

 

 理解する。瞬間、キュンと下腹部が疼いた。

 そこでやっと自身が彼に跨った箇所―――秘所周辺が愛液に濡れていることに気が付く。

 

「マ、マジかー。とうとう私も……お、おう! ドンと来い! なんたって私は蓮のカノジョなんだからな!」

「大丈夫か?」

「……ホントはちょっと怖い。だ、だって、初めては痛いって言うし、その……」

「善処する」

「ん! 任したぞ!」

 

 喪失を前に上ずった声を出すなど緊張の色を隠せない双葉であったが、誰よりも信頼する男を目の前にして全てを捧げると言わんばかりに両手を差し出す。

 意図を察した蓮は、受け入れられるがまま双葉の抱擁を受ける。

 お互い汗に塗れた体を密着させ、迸る体温を感じ合う。

 

 興奮が全身に滾る蓮は、早速痛い程に腫れあがった剛直を淫裂にあてがう。

 未開の花園は、雨に打たれたかの如く濡れそぼっており、これ以上の前戯など必要ないと言わんばかりであった。

 

 緊張しているのか、双葉は小刻みに震えている。

 そうした緊張を和らげるべく、手探りで双葉にキスを落とせば、一層抱擁の力が増す。より近付く彼女の体からは、溢れ出た汗と共に発情した牝の芳香が纏わりついていた。

 牡の理性の悉くを奪い去る香りだ。

 蓮はこのまま情欲のままに双葉の体を貪りたい衝動に駆られるものの、彼女の期待を裏切る訳にはいかないと強靭な精神で堪える。

 

 そして、固く閉ざされている扉にゆっくり―――それこそ動いているか分からないくらいには緩やかに挿入していく。

 

「んんっ♡」

 

 緊張の余り息継ぎも忘れて蓮と唇を重ねていた双葉から甘い声が漏れる

 着実に肉壁を押し広げていく剛直の感触につられ、重ねる唇に吸い付く力も抱きしめる力も強まっていく。

 

「んっ……ふぅ……んぐっ!?」

 

 淫蕩に浸っていた双葉であったが、訪れた瞬間に目を見開く。

 蓮の剛直を阻む膜の存在が、自身の下腹部で痛い程に主張している。

 

「ふっ、ふっ、ふっ、ふーッ! ふーッ! ふーッ!」

 

 とうとうか、と双葉が覚悟を決める。

 荒い息遣いは蓮の顔を撫でる。それに応じ、彼もまた双葉から痛みを忘れさせようと、吸い付いてくる彼女の口腔へ舌を捻じ込む。

 今度は歯茎をなぞり、全体を味わうかのような濃厚で濃密な内容。

 舌を絡ませあうとも違う感覚に驚く双葉は、体をビクビクと痙攣させながらも、体を委ねて快楽を享受する。

 

 刹那、鮮烈な痛みが脳天を貫く。

 すると、双葉が咳き込んで蓮の口腔から肺へ空気が送られる。これには蓮も驚いたが、すぐさま強引に舌を捻じ込んでくる双葉に二度目の驚愕を覚えた。

 一しきりディープキスを楽しんだ彼らは、淫臭に満ち満ちる空間の中、甘く蕩けた声音で囁き合う。

 

「双葉……痛くなかったか?」

「うん……♡ 思ってたより痛くなかったぞ。なんでかな、蓮といっぱいチューしてたら痛いの忘れてた……これって大発見じゃね♡」

「キスならいくらでもしてやる」

「にへへっ……♡ ……あれ? そう言えばお前ゴム着けたっけ?」

 

 返答は―――ない。

 間もなくして双葉の脳裏に過る嫌な予感と、得も言われぬ高揚。意識してしまった下腹部に疼くような感覚を覚える。

 

「……って、さては着けてないな!? やばいやばいやばいやばい!! すぐに抜……イデデデデッ!? きゅ、急に動くなぁ……!! ゆ~っくり……ゆ~っくり頼むぞ……!!」

「分かった。落ち着け」

「これが落ち着いてられるか!! いいか、絶対中に出すなよ!? 絶対だからな!? 念押しに言っとくけど、フリとかじゃないからな!?」

 

 焦燥に駆られる双葉が捲し立てる。流石に彼女も子供を孕む重大性が分からない人間ではない。

 

 しかし、その一方でもう一人の自分が悪魔のように囁いていた。

 

(赤ちゃん? 今、中に出されたら蓮との赤ちゃんが……あわわわわっ!)

 

 理性に反し、本能が彼の子を孕めと声高々に叫んでいる。

 その証拠に引き抜かれようとする剛直を、処女を喪失したばかりで強張った膣壁がギュウギュウと締め付けて放さない。

 トロトロと滲み出てくる愛液―――否、本気汁が剛直の間を縫って淫裂の外へと溢れていく。それは無毛の恥丘を伝ってベッドに零れ落ち、二人だけの空間に一層濃厚な香りを迸らせた。

 蓮だけではなく双葉自身でさえ狂わせる香りに、彼女は理性がガラガラと音を立てて崩れ去る幻聴を耳にする。

 

(赤ちゃん……欲しい……蓮との赤ちゃん……♡)

 

 生まれて初めてできた大好きな男の人。

 自分にはもったいないとすら思える素敵な相手との蜜月に、少女であった双葉の中に女が目覚め始めていた。

 

 乳首はピンと立ち、淫裂はかつてないほどに濡れそぼっている。そして普段は引きこもっている肉芽も、今だけは痛い程に膨れ上がり、彼の下腹部に擦りつけられていた。

 

「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ いいか、蓮……このまま中に射精()したら、絶対に責任取ってもらうんだからな……♡」

「……フンッ」

「お゛ぁ!!? う、動いたら……あぁッ♡」

 

 淫靡な熱気に包まれる布団の中、小さくながらも機敏に抽送運動を始める蓮に、双葉の口から甘い喘ぎ声が上がった。

 蓮の剛直は、喪失の名残である血を洗い流さんばかりに溢れ出す汁を掻き出しながら、未だ締め付けのキツイ蜜壺の奥を目指す。

 すると、あっという間に鈴口が子壺の入り口と接吻を交わした。

 鈍痛にも似た感覚が下腹部に響いた後、それ以上に全身に染み渡る快感と多幸感が押し寄せる。それは麻薬のように双葉の脳を犯していく。二度、三度と子壺を刺激される度、もっともっとと彼が欲しくて堪らなくなるのだ。

 

(ヤッバい♡ 幸せ過ぎて脳汁ドバドバだ♡ わ、わわ、私の()()()……蓮のが欲しくてたまらなくなってる~~~♡)

 

 気が付いた時、双葉が自分の両脚が彼の腰を拘束していることに気が付いた。

 露ほどは残っていた理性をあざ笑うあさましい牝の反応だ。体は完全に堕ちていた。ただただ精液を待ち望む女と化して。

 しかし、双葉は淫らになる自分を恥ずかしく思うよりも、そのような自分の体を抱きしめてくれる彼に対し喜びを覚えていた。

 

「れ……蓮♡」

「どうした?」

「チ、チューしてもいいか……?」

「もちろんだ」

「そ、そっか。それじゃあ……んッ……♡」

 

 三度、蓮との口付けに恍惚とした表情を浮かべ、夢中となる双葉。

 一方で何度も剛直を突き立てられている蜜壺からは、布団の中に響きわたるほどに粘着質で艶やかな水音が奏でられていた。加えて、時折空気が漏れるような音も混ざっている。

 双葉は照れ隠しか、その度に熱烈なキスで音を誤魔化そうとした。

 だが、彼女の反応の全てを察している蓮は、わざと音が立つような円軌道を描くように抽送運動を続ける。

 

―――ブチュ……プピッ……グチュ……♡

 

 放屁にも似た音が聞こえる度、双葉は悶死寸前と言わんばかりに赤面する。

 

「蓮……それ、恥ずかしいぞ……♡」

「恥ずかしがる双葉もかわいい」

「褒めてもなんも出な……ぷぁ……チューで話……んっ……遮るなぁ……♡」

「それじゃあ」

「んくぅうぅううぅうぅ~!!」

 

 キスがダメならと腰の動きを早くする蓮に、双葉が悶絶する。

 下腹部が叩きつけられる度、彼女の薄くも柔らかな肉が波打つ。加えてびっしょりと肌に纏わりついていた汗が水飛沫を上げるように弾ける。

 布団の中で行われる肉宴。双葉はただ、蓮に為されるがまま声を押し殺すことしかできなかった。

 

 すっかり湿ってしまったベッドの生地を引っ張り、ギリギリと歯を食いしばりながら蜜壺を蹂躙される快感を堪えて身をよじらせる双葉の姿は、酷く背徳的だ。

 自然と動きが激しくなる蓮に、双葉もとうとう我慢できずに甘く蕩けた悲鳴が口から漏れ始める。

 

「双葉ッ……イクぞ!」

「あぁ♡ んっ、うん♡ ひぅッ♡ 私もだッ♡ ひぐぅ♡ ギュウって♡ ギュ~ってして♡ はなれないでッ♡」

「ああ。絶対に放さない」

「ッ~~~♡♡♡」

 

 耳元で囁かれるキザな言葉に、双葉の胸に満ちる多幸感が限界を超えた。

 それは全身の末端まで染み渡る快感を後押しし、未成熟な体を一気に絶頂まで押し上げる。

 ふわり、と体が羽のように浮かび上がる感覚。直後、脳天を貫く快楽の衝撃に、双葉の体がビクンと跳ね上がった。

 

「あ、ああぁぁあぁぁああぁぁぁああ♡♡♡」

 

 振り絞れるだけの空気と共に絶叫する双葉。

 彼女の淫蕩の色に彩られた歓喜の叫びは、布団の中に響きわたると共に、蓮の体をビリビリと震わせる。

 その直後、剛直を締め付ける肉壁の感触に、彼もまた限界を迎えた。

 一回り膨れ上がる剛直から解き放たれる精は、竿が揺れる度にドクドクと溢れ出す。

 

「ふぁあ……ヤバい……現代の若者の性の乱れだ……私、リア充真っただ中だ……♡」

「よく分からないが抜くぞ」

「ちょっと待って……なんていうか、こう……余韻的なものをだな……」

「萎んだらゴムが取れる」

「は?」

 

 素っ頓狂な声を上げる双葉から萎んだ逸物を抜いた蓮。

 熱気に喘ぎ、堪らず布団を押しのける双葉が目の当たりにしたのは、蓮の逸物にコンドームが装着されており、てっきり膣内に出したとばかり思っていた精液が並々と注がれていた光景であった。

 どれだけ出したのだと問いただしたくなるくらい大量の精液を前の生唾を飲み込んだが、問題はそこではない。

 てっきり種付けされるとばかり思っていた双葉にとっては、彼がコンドームを着けていた事実が何よりの想定外。デキた後の計画や「子供が出来たら眼鏡かけるようになっちゃうな」といったピロートークも台無しになってしまった。

 

「な、な、な……!」

「? 中は駄目だったんだろ?」

 

 あっけらかんと言い放たれる。

 正しい主張だが、今だけは違うだろう。そう叫びたくなった双葉は、己の内に沸々と湧きあがる怒りと、歯止めが利かなくなった性欲のままに蓮の胸へ飛び込んだ。

 羽のように軽い体が汗だくの胸板へ圧し掛かる。

 彼を見下ろす体勢へと移った双葉は、荒い吐息を漏らしながら、悪戯っ子のようなあどけない笑みを浮かべた。

 

「もぉ~逃げられないぞぉ~?」

「双葉、何をする気だ?」

「私だって怪盗の端くれだ。欲しいものは自分の手で掴んでみせる! ……なんちゃってな♡」

 

 幼さと艶めかしさが混じった声音が紡がれた。

 間もなくして、胸板に圧し掛かっていた体が後退していく。未だに愛液が溢れる淫裂の軌跡には、汗とも違う光沢が確かに煌いている。

 そうした拙い動きながらも、ようやく自らの手で淫裂に剛直をあてがった双葉は、すぅーと深呼吸をして覚悟を決めた。

 

「ッ、んんん♡♡」

 

 ヌルリと挿入される剛直に、肺から空気が押し出されるかの如く嬌声が漏れた。

 しかし、快感に喘ぎながらも少女の体が上へ下へとゆっくり動く。淫蕩に火照る体が密着する度、二人の性器の間からは部屋中に響きわたる水音が奏でられる。

 

「ど、どーだ……私だってその気になればこのくらい……♡♡」

「流石双葉だ」

「それ……どーいう意味だ……んっく♡♡」

 

 遠回しにスケベだと言われているようで頬を膨らませるも、内心嫌な気はしていなかった。

彼が気持ちよくなってくれているのならばいい。

心は、繋がる肉体から伝播する熱に応じ、ポカポカと温まっていくようだった。ただ繋がっているだけで何もかもが蕩けていく感覚は、今の双葉にとって何物にも代えがたい充実感を覚えさせていた。

 

―――出来る事ならばこのまま延々と繋がっていたい。

 

 しかし、そんな双葉の願いを否定するのは、他ならぬ彼女の心だ。

 

『本当にそれでいいのか?』

 

 不意に声が響く。

 

『それで満足か?』

 

 もう一人の自分が問いかけてくる。

 

『また自分を誤魔化すのか?』

 

 緩やかな幸せを感じる今、()()()()を求める傲慢さは重々理解しているつもりだった。

 こうして組み伏している間も、彼は慈愛に満ちた眼差しを送っている。

 だが、違う。本心が求めているものはもっと肉欲に彩られた―――。

 

「……あのね、蓮」

「? どうした」

「そ、その……圧し掛かっといて言うのはアレだけど……」

 

 細身ながらも鍛えられた体に覆い被さる双葉は、ゴクリと喉を鳴らしてから本心を口にした。

 

「私を……もっとメチャクチャにして欲しいんだ……♡」

「ッ……」

「駄目……か?」

 

 今日一番の甘え。

 さながら親猫に甘える子猫にも似た光景であったが、耳元で甘く囁かれた蓮にとってはこの上なく情欲を煽り立てるシチュエーションだった。

 覆い被さる双葉を抱きしめるや、そのまま彼女をうつ伏せに寝かせる。

 「え?」と驚く声が上がったが、構わない彼は太腿と尻肉の奥に佇む淫裂に、赤く怒張した肉棒を突き立てた。

 

 ゴリッ。

 

 そのように聞こえる音が、双葉の腹の中で響きわたった。

 

「ッ……お゛……お゛ぉッ……!!?」

 

腹側の膣壁だけでなく、子壺さえも圧し潰される感覚に、双葉は息もままならぬと言わんばかりの様子を浮かべる。

 

「ほッ……かひゅ……あ゛ッ、蓮……これヤバッ……♡♡」

 

 寝バックの体位となった双葉が、快楽に歪んだ面持ちを浮かべながら声を漏らす。

 だが、本番はここからだ。

 陸に打ち上げられた魚の如く痙攣していた双葉の蜜壺へ、容赦なく腰を打ち付け始められた。

 彼女の薄い尻たぶでさえ肉波が打つ勢いと言えば、それがどれだけ凄まじいものであるか計り知れよう。

 

「おごッ♡♡ あッ♡♡ いぎッ♡♡ ひぃい゛♡♡」

 

 小さな体に似合わぬ野太い声を漏らし、快感に悶える双葉が叫ぶ。

 

「ッ……ャバ♡♡ く、苦しいッ♡♡ でも気持ちいいのッ♡♡ お腹つぶされてるッ♡♡ 蓮のおちんちんで子宮つぶされてるよォッ♡♡」

 

 腰を打ち付けられる度、膣壁を抉る雁首を有す亀頭が子壺の入り口をノックする。

 今日まで処女を貫いた彼女にとって子宮口など未知も未知な世界だった。

 しかしながら、人によっては苦痛に等しい乱暴なピストンを受けながら、彼女は脳天に雪崩れ込む快楽に喘いでいた。

 

 しかも、蓮に背中から圧し掛かられて身動きが取れない状態と来た。

 種付けを待つばかりの恰好を自覚して発情した彼女の体は、突き立てられる肉棒から搾精せんと力強く締め上げる。

 

「欲しい♡♡ 蓮の赤ちゃん欲しいッ♡♡ 射精()してッ♡♡ いっぱい射精()してくれッ♡♡ 私ッ、蓮の赤ちゃん孕むからッ♡♡」

「ッ……双葉!」

「キてッ♡♡ 蓮のザーメン……キ、たぁぁあああぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ♡♡♡」

 

 ビクリと膣内で跳ねる剛直の感触に、射精されたと理解する双葉の肉体が喜びに打ち震える。

 尿道を通じて吐き出される肉棒が数度跳ねる度、蜜壺に収まり切らなかった愛液がツーっとベッドの上へ零れた。

 

「はぁ……はぁ……はへッ♡♡♡ 蓮の……いっぱい……♡♡♡」

 

 今度こそ中出しされた―――最早彼女の面に焦燥はなく、大好きな彼の子種を注がれた喜びの色だけが滲み出ていた。

 

「これで……♡」

「ふぅ……凄かったな、双葉」

「こ、こんな姿見せるのは蓮の前だけだぞ……」

「そのお陰でこんなに出た」

「へ?」

 

 ポン、と横たわる双葉の眼前に置かれるゴム袋。

 それは紛うことなき口を縛り上げたコンドームであった。中には白濁とした液体―――精液が並々と注がれていたが、それは明らかに先ほどのものではない。

 

「蓮……まさか、()()着けたのか?」

「当然だ」

「ッ~~~~~!!! 蓮のバカ!!! アホッ!!! 女たらし!!! 私が覚悟決めたってのにゴムって……情緒の欠片もねーのなッ!!!」

 

 またもや純情な乙女心を弄ばれたと憤慨する双葉が、蓮の胸をポカポカと叩き始める。

 そんな微笑ましい光景に後頭部を掻く蓮であったが、こればかりは彼も譲れない。

 

「妊娠はまずい」

「うぅぅうぅうぅ~……!!!」

「……それじゃあ、箱一個分ゴムを使いきったらナマで……」

「ホントか!!? よーし、言質取ったからな!!」

 

 しかし、今にも泣き出しそうな双葉の表情を目の当たりにし、ついつい譲歩してしまう蓮。

 

 それに張り切る双葉―――だが、この後失神するまで喘がされるとは、夢にも思ってはいなかった。

 

 

 

「こ、この性欲魔神め……!」

 

 

 

 後に筋肉痛でベッドの上から起き上がれない双葉が言い残した言葉である。

 

恋人にできるキャラ以外で読みたいキャラは?

  • 双子の看守(+ラヴェンツァ)
  • 新島冴
  • ソフィア
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