燦と結のイチャイチャif話 作:ジョン・ドゥ
・美っち生イき!の世界の二次創作…という設定です
・原作のTwitter画面再現がタグだけで約800字ってマジ?
・スマホ執筆ですので、最後のネタがPCからではうまく見えない可能性があります。ご容赦を
原作者様の小説
https://syosetu.org/novel/217501/
warning!
・処女作です
・独自設定タップリです
・ご本人たちに迷惑をかけぬようお願いします
・燦×結てぇてぇ
・夏コミおめでとうございます
ごろりと転がった燦の視線と、ぎしりと詰め寄った結の視線が絡まる。
言葉は要らない。瞳から滲み出るその思いはお揃いのもので、ならば何をすべきかは分かりきっていた。
顔が近づく。
風呂上がりで未だに赤みを残すその肌も、しっとりとしたその唇も、眉毛の一本一本でさえも、今ははっきりと見える。
吐息が熱い。
それは決して体温のせいなどではなく相手を想うが故のものであると、何よりも互いが理解している。
やがて瞼が閉じていく。
視覚すらこれからの行為には邪魔だと、本能が告げる。
そうして今、二人は1つになった。
◇◇◇
「もうやだ……結とだけコラボしていたい……」
「諦めなさい、そこは」
呪詛を吐き出しながらとぼとぼ歩く少女と、それは諦めて受け入れろとハキハキ歩く窘める女性。
彼女らは新進気鋭のVtuber「黒猫燦」と「夏波結」。
ヴァーチャルユーチューバーグループ「あるてま」に所属する二人であり、そして視聴者からは「親子」だとか「百合ップル」だなどと揶揄われており、実際満更でもない様子を見せている二人である。
なぜ二人が歩いているのかといえば、所謂オフコラボの撮影……の、帰りである。
今回のコラボは『夏コミお疲れさまでした!あるてま二期生勢揃い!』の謳い文句のもと、二期生は当然ながら一期生の数名まで登場する豪華なコラボだったのだ。
なお撮影後の感想としては『後輩と交流出来て嬉しい』というものや『先輩/同期生とのコラボが出来て満足』という肯定的なものが多数を占めていた。
他にも撮影時のレクリエーションでやった『ジェスチャーで何の生物の真似をしているのか当てる』というゲームにて、我王神太刀が誤って「がおー!」と叫んでしまった際のテンパり具合がヤバかっただとか、その後『いっそ殺せ……』と呟いたときの背中の小ささだとかも話題になっていた。
だが一部の猫は『人多い…やだ…』と、撮影そのものというよりは人と触れ合うことそのものに疲れていたようであり、そしてかのがおー!神太刀…もとい我王神太刀は『もうやだ…我生きていけない……』とこぼしていたりと、中には深い傷を負った者たちも居た。
兎も角先の発言でお察しの通り、黒猫燦はがおー!神太刀よりも深刻なダメージを受けており、撮影終了後にはフラッフラで今にも気絶しそうだった程に肉体的にも精神的に疲労していた。
余りの惨状を見るに見かねた夏波結が付き添い、気分転換におやつを食べに行った帰りというのが現状である。
なお今回のおやつは高級フルーツパーラーの特製シャーベットであり、キリリとした酸味が疲弊した肉体に染み渡ったと、借りてきた猫並にガクブルしていた燦は申していた。
ちなみに結はチョコアイスを食べており、その際に燦にあーんをしてやるというダダ甘行為をしていたそうな。
ところで、高級フルーツパーラーなぞ現役高校生の自称後天的陰キャである黒猫燦からしてみれば、どう考えても行かないお店である。
1つはフルーツパーラーというのは陽パワー溢るる者たちの溜まり場である(偏見)という点。
1つは単純な金銭へのダメージという点。
以上2点より燦一人では絶対に行かないようなお店であったが、たまに結に連れられてちょっとお高い店にお邪魔させられ、若干金銭感覚が麻痺しまった燦は、毎度の如く遠い目をして結のお世話になっていた。
真面目な話彼女の懐はどうなっているのか凄まじく気になるが、気になるのと同じくらい恐ろしいので聞かないようにしている。好奇心は猫をも殺すのだ。
閑話休題、今回の撮影は八月という炎天下の時期に行われた。
八月と言っても色々あるが、今この場面で重要なのは『天気予報に関わらず突発的な雷雨が発生し得る』ということである。
そう、撮影が終了したのは昼過ぎで、そこから二人はおやつを食べて帰っているのだ。
つまりタイミング的には夕立が来てもおかしくない時間帯である。
そして運悪く彼女たちは傘を持っておらず-
「…あれ、もしかして」
「…降りだした……?」
案の定というかお約束というか、傘を持っていないときに限って雨が降るという腹立たしい事件に二人は遭遇した。
夏の通り雨は『バケツをひっくり返した様な』と形容されるほどの土砂降りであることが多いが、今回も御多分に漏れずそれはそれは激しいものだった。
「ねぇ、どっか雨宿り出来る場所知らない!?」
「私が聞きたい!」
降り注ぐ豪雨は彼女らを濡れ鼠にし、それでもなお留まることなく降り続ける。
二人並んで走っているにも関わらず叫ばないと声が届かない程に酷い雨で、体温的にも服的にも速やかに退避せねばより悪化していくだろうことは明らかだ。
だがラブコメの神様は二人を見ていたのだろうか。
なんとも
「…! あそこに入りましょう!」
「雨宿り出来るならどこでも!」
なおお察しの通りその施設とはラブホテルであり、恋人たちが愛を囁きあったりするのに使うあの施設である。
◇◇◇
(気、気まずい……)
建物に入った時は気にも留めて居なかったが、結に連れられて部屋に入った際に嫌でも目についたピンク色の壁紙を見て違和感を感じ、そして仕舞われていた『ゴム』を見て燦は確信した。
──ここ、ラブホテルじゃね?と。
燦にとって夏波結という人間は、憎からず思うどころか唯一の友人であり、また友愛以上の念すら抱いている相手である。
そして時折
そんな相手とラブホに入って、全く煩悩を抱くなというのは、淫猫には出来るわけがない。
そんないつもは頼れる
(ん? 風呂?)
そう、風呂の湯を張っているのである。
燦も結も雨に打たれて全身びしょ濡れであり、風呂で体を温めようとするのは至極当然だ。
問題は順番…というより一緒に入るかどうかだ。
先にも少し触れたが、燦はちょくちょく結の『切り抜きボイス』や『カウントダウン』に
また夏波結ご本人も大層な美人であり、例え友人だと分かっていても彼女としては正直相当クるものがあるのだ。
そんな相手と一緒に風呂に入るということは、つまり生まれたままの姿──率直に言えば裸を拝むことになるのだ。
見たくないと言えば嘘になるが、かといってこれで万が一間違いを起こして関係を拗らせてしまえば、と考えるとどうしても消極的な考えになってしまわざるを得ない。
「燦、風呂入るわよ」
「うひゃい!? えっとその、お、お先にどうぞ…?」
つらつらと考え事をしていたせいか変な声が出てしまったが、そんなことはさておき。
懸念事項が現実となりそうでおたおたと慌てる燦は、ダメ元ながら別々に入ることを提案する。
これは燦自身を守るのと同時に結をも守るものであり、であらばもしかしたら、万が一、いや億が一くらいの確率で聞き届けられるのではと、紙より薄い期待を胸に抱き返答を待つ。
濡れた服が気持ち悪く、下手をすると風邪を引きそうだが、それでも共に風呂に入るよりは問題にならないはず。
風邪はまだ一時の問題であるし、そも夏風邪は馬鹿しかかからないというのだから自分は大丈夫だと言い聞かせ、冷える体を必死に誤魔化す。
これで間違いを犯したり、あるいは自分の視線に気が付かれたりすれば……と考えれば、風邪の方がよっぽど良いに決まっている。いや、かからないのが最良ではあるが。
だが、結は結ママと呼ばれるほどに燦を良く見ている存在である。当然、冷えた体を誤魔化そうと小刻みに震えている燦の体を見逃す訳もなく。
何か理由があることは察しつつも、それより自分達が暖まる方が優先だと判断した結は、無情にも決議を下す。
「何言ってるの、あんたも一緒に入るのよ」
意見の数は1対1。よって通常ならば罷り通ることはない。
だが数としては1対1だとしても、燦は結に頭が上がらない以上、この決定を棄却することなぞ出来るはずもなく。
しかもそれが決して嫌なものではなく、むしろ喜ばしいものですらあるため余計に否定できず、ただズルズルと流されていくしかないのであった。
何、自分がやらかさなければ良い話。
唯一の友人を失わないためにも、鋼の自制心で抑え込むと、そう意気込んだ。
だが悲しいかな、それらは燦個人の意見であり、結の思考や行動は全く計算に含まれていないことに、彼女は気が付かないのであった。
◇◇◇
(それにしても綺麗よね…)
──その感想が決して情欲の念ではなく、九割の感心と一割の嫉妬の念によって構成されたものであると明記しておく。
そう、燦も色々と思うところはあったのだろうが、結も燦の裸を見るという行為に思うところが無いわけではないのだ。
ただそれが
普段学校以外で出歩かない燦の肌は夏であるというのに殆ど焼けておらず、しかし病的なほど白いわけでもなく適度に色付いており、またそのツヤもハリもまるで赤子のそれの様で、同じ女として羨ましい限りである。
髪は烏の濡れ羽色で、まるで全てを引き込むような蠱惑的な美しさである。
光を受けて現れる光沢はその黒髪にこそ映え、柔らかな白い反射光とそれを確かに閉じ込める黒いメラニンが、相反する色である筈なのに不思議と調和していた。
体型こそややちんまりとしたものであるが、それはそれで魅力があるというものだ。
確かにある胸の膨らみは恐らくふわふわと柔らかいのであろう。いつぞやに見てしまった時も思ったが、指を埋めたらさぞかし気持ち良さそうである。
臀部もこれまた小さいが、しかしツンと上を向ききちんと張っている様は、ずっしりとしたそれとは違った有様を示し、スベスベの肌も相まって撫で回したくなるというものだ。
そして何より猫耳と猫尻尾。
気分によってピコピコと動き回るそれらは雨に濡れているからだろうか、今はすっかりと沈んでしまっている。
それがまるでしゅんとしているようにも見えて、なんとも庇護欲をそそられる。
そのくせ雨によって見出だされた艶めきは妖しく輝き、目を捕らえて離さない。
『青いからこそ美味な果実』というべきだろうか。それは確かに人を選びはするものの、それもまた1つの形であると言える。
正直に言えば羨ましいとも妬ましいとも思うが、それ以上に感動すら覚える程の美しさであると思うのは、きっと友人としての色眼鏡ではないはずだ。
それを間近で拝めるのだから、役得以外のなにものでもないだろう。
あわよくば背中を流したり出来ないだろうかとは思うが、流石にそれは本人の許可次第である。
そんなことを思われているとは露知らず、結と共に風呂に入るという事で頭が一杯の燦は、どうやってとっとと抜け出すかばかり考えていた。
(これはマズイ…!)
何がマズイってナニがマズイのだ。
燦が美少女だというのは事実だが、だからといって結が美しさで劣るかと言えばそうでもないのだ。
夏ということもありやや小麦色に焼けた肌は活発さを印象付けるものであり、からっとした強かさを宿している。
茶染めの髪は念入りに手入れされているのだろうか、結が頭を動かす度にさらさらと肌の上を走り、薄小麦の肌と相まって天真なさまを示す。
体型は燦とは異なり起伏に富んでいた。
豊かな双丘は体を動かす度にゆさゆさと揺れ動き、視覚への暴力を振るってくる。
燦の手では溢れてしまいそうなそれは、いっそ力任せに揉みしだきたくすらなってしまう。
そして胸に劣らぬ存在感を示すのはその桃尻。
巨大とは言ったが、しかし垂れることなくたっぷりと鎮座しており、フリフリと振れる度に思わず猫の本能と燦の性欲がアレを叩かせろとうるさくがなりたてる。
パシンと叩いた際に波が走るであろう様を想像しては、本能たちが叫ぶのも仕方がないと思えるほどだ。
それらも危険であったが、それと同等以上に危険なのは太腿であった。
肉付きの良いそこは、しかし脂肪だけで成り立ってはいない。
そう、筋肉もついた欲張りセットなのだ。
脂肪による柔らかさを内側に存在する筋肉がキュッと引き締め、だらしなさ過ぎず固すぎないムチムチ感を引き出している。
此ほどけしからんものにスパッツやホットパンツを合わせた日には、五体投地して崇め奉るしかないであろう。
燦が青い果実ならば、結は『成熟した果実』を体現する存在であり、肉感的という言葉こそ相応しいだろう。
そんな発育の暴力を間近で見せられて、心が揺れない筈がなかった。
先に固めた自制心は何処へ行ったのかと問うのは余りにも酷だろう。
しかも彼女は、燦が同性の友人であるが故に、何の躊躇もなく服をぱっぱかと脱いでいくのだ。
そんな無防備な様を見せられては、いくら友人であっても襲い掛かりたくもなってしまうというものだ。
何かの間違いを起こす前に逃げようと思うのは、いっそ称賛すべき判断と言えるだろう。
だが悲しいかな、それぞれ思い悩んでこそいるものの、結のそれと燦のそれは異質のものであり、ましてや
「ねぇ、背中流しても良い?」
「Why!?Why!?」
余りにテンパってどこぞの松明おじさんみたいな声が出ているが、それも当然と言えるだろう。如何に接触を最小限にするか知恵を絞っていたところに、唐突にこんなことを言われた燦の心情は推して知るべし。
「いや、折角二人で風呂に入ってるんだし…ダメ?」
「うぅ……」
美人のお願いでワンコンボ
友人のお願いでツーコンボ
上目遣いでスリーコンボ
こんな強烈なコンボを食らって断れる様な人物が居るだろうか、いや居まい。
しかもその内容は「友達の背中を流したい」という、余程仲が良くてもやるかどうかは分からない様な激レアものの提案である。
今回を逃せば、下手をすれば二度と出来ないかもしれないものだ。
人生で滅多に無いであろうお願いをジェットストリームアタックで叩き込まれた燦は、肯定と否定の間で揺れに揺れた挙げ句、結の言葉に甘えることにした。
「…お願い、します……」
だがそれは、燦が恐れていた間違いへの入り口であった。
◇◇◇
背中というのは、意外と快感を感じるものなのだ。
無論強く擦ったりだとかすればただ痛いだけだし、平常時に自分でなぞった程度では特になんとも思わないだろう。
「ひぁ…ぁ……ふあっ!?」
だが触れるか触れないか程度に優しく撫でられると、それは途端に強力になる。
頭のてっぺんから尻尾の先までぞわぞわとした怖気が走り、くすぐったいようなもどかしいような、しかしじりじりとした痒みの様な快楽が身を刺し貫く。
「あっあぁっ…うひぃっ!?」
今まで得たことの無い快感。
ボディーソープに包まれたタオルがさわさわと玉の肌を擦り上げ、そしてゆっくりと降りていく。
肌を傷付けないようにとの気遣いによって為される結の手付きは、しかし今の燦には歯痒いものだった。
「いっ、ぐっ…ふぅぅっ…!」
そう、この行為は快楽を得られはすれども、そう簡単に絶頂することは出来ないのだ。
その為疼きはたまっていく一方で、しかし友の前で自慰に耽るなど恥ずかしくて出来ない燦は、ただひたすらに耐え忍ぶしかないのだ。
イキたくてもイけない、かといって友達の前で自分で慰めるような真似はしたくない。
二律背反に苛まれる燦は、ただただ喘ぐしかなかった。
「ぅぃい……!わふっ…ふぅ…!」
さて、燦が啼きながらも耐えているなか、背中を流すという望みを現在進行形で叶えている結はというと。
こちらもこちらで、なにやら悶々としている様だった。
「ひっぐ…ぅぁあ…」
(…これは…なんと言うか……)
今までは単なる友人としてしか見てこなかった。
燦に対しては「綺麗だ」とか「羨ましい」とか「手がかかる友人だ」とかそういう思いしか抱いておらず、決して性的な目では見ていなかったと、背中を流す前であったなら胸を張って言えただろう。
「ふーっ!ふーっ…!」
だが今はどうだ。
背にタオルを走らせる度に嬌声を漏らし、歯を食い縛ろうとしては押し寄せる快楽に口を開かされ、顔には朱が差し、目には涙さえ浮かべている友人を見てなお手を止めず、それどころかより一層緩急を付けて無抵抗の燦を嫐る始末。
これではまるで、愉しんでいるようではないか。
「ひんっ…はぁ…っ!」
いいや、事実彼女は愉しんでいる。
そう、既に彼女は惹き込まれてしまったのだ。時に魔女の使い魔と目される黒猫の、その魅力に。
「んにぃ…!にゃぁあ…」
そうやって一度ストンと受け入れてしまえば、後は深みに転がり落ちていくだけだった。
もっと見たい、もっと知りたい、もっと暴きたい。そういった欲がふつふつと湧いてきて、そして結はそれに従うことにした。
「みゃうっ!?」
手始めにタオル越しではなく、素手で背中を撫ぜてみる。
「にゃっ…はぁっ!?」
布よりも丸い触れ心地と温かな体温が、より微細な力加減でツゥと背を駆ける。
減った接地面積から与えられる快感は、圧力の様にガツンと増えていく。
するすると五指が踊る度によがり声が紡がれ、硬質な爪が歩けば背が伸び上がる。
肌と肌が触れ合うその感触は二人の官能を煽り立て、蒙を開き、新たな世界へと誘う。
「に゛ゃ゛っ!?」
さらなる追撃として、結は尻尾を軽く掴んでみた。
あまりギュッと力を入れては不味いだろうと、掴むというよりはもはや添える程度の力具合である。
だがそれは背中とは比較にならない程の快感だった様で、明らかに先程よりも大きな悲鳴を上げていた。
「待って、おねがっ!飛ぶ!飛んじゃう!!」
とうとう燦は振り向き、泣き叫びながら懇願する。
涙は止めどなくポロポロと零れ、口は戦慄いて小刻みに震える。漏れる吐息は強く吹き荒び、顔は真っ赤に染まっていた。
どう見ても少女にしか見えない雌猫がそんな顔を晒す様を見て、結は背徳感と征服欲で脳が埋め尽くされるのを自覚する。
─そんな顔をされたら、もっと虐めたくなってしまうではないか。
必死にお願いしていた燦は、結の唇が持ち上がっていくことに気付く。
それは笑顔を形作る時にするもので、それがどうしてか怖いと思ってしまった。
「う、嘘だよね? そ、そんなことしないよね?」
首をいやいやと震わせながら、やめてくれと疑問の形をした請願をする。
ナニをするときに色々とやったことはある燦だが、唯一尻尾だけは避けていた。
というのも余りの快楽に身悶えてしまい、誤って肩を痛めたことがあるためだ。
あまりにも間抜けかつ恥ずかしすぎる怪我であったため以降は避けていたのだが、その時の身を焦がす奔流は、今でも思い出せるほどに記憶に灼き付いている。
そんな場所を思いっきり触られるなど冗談ではない。
そう思い、一縷の望みをかけて告げたのだが。
結からの返答は、遠慮の無い扱き上げであった。
「~~~っ!」
もはや声ですらない震えが耳朶に響く。
背筋は真っ直ぐを通り越し弧すらも描き、脚もグッと折り畳まれる。
全身が強張る程に強烈なスパークは、しかしまだ魁でしか無かった。
「ふっ、ひっ!?」
シュッ、シュッと勢い良く擦り上げていく。
その度に食い縛った歯の隙間から息が強制的に排出させられ、視界にちらちらと白い星が混じりゆく。
「かっふ、ひぃっ!? っはぁ、は、あっ!」
肺の中が空っぽになり視界が黒に侵食されそうになる。
慌てて喉を引き攣らせながらも空気を吸い込み態勢を整え、整えた矢先にまた結に蹂躙される。
何時もの結であれば、呼吸すら覚束ない様を見れば、それが誰であれ絶対に心配して介抱しようとするだろう。
しかし今は燦を啼かせるという熱に溺れ、故に斯様なことでは止まらない。
目は嗜虐心に満ち溢れ、燦が苦しんでいるというのにニヤニヤと笑みを絶やさず、むしろどんどん笑いを深めていくばかり。
決して快いだけではない筈のその所業は、なれども今の燦にとっては悦ばしいものでしかなかった。
何故ならそれは苦痛と共に快感をも届けるものであり、すっかり発情した一匹の雌としては、そんなものですら度しがたいほどに気持ちが良いのだ。
「んん…っ!っぷぁ!」
背を丸め脚を畳み、体を丸める。
手は血が引いて白くなるほどにカランを握りしめ、意識を繋ぎ止める錨とする。
もたらされる快楽を堪える為の姿勢は、見方を変えれば『もっと虐めてくれ』と尾を差し出しているようにも見える。
少なくとも今の結には、差し出されているのに攻めを止めるという選択は、端から無かった。
扱く手は徐々に速さを上げ、伴って頂へ上る速度も速まる。
「はっはっ、はぅっ…!」
おとがいを突きだし喉笛を晒し、歯は噛み合って閉じているのに唇が開く。
目は焦点を失い、一応は色を届けるも、ぼやけたそれは最早何を映しているのかさえも分からない。
脳はグラグラと煮え立ち、ただただ快楽を甘受するのみ。物を考えるなどと言った無駄なことは、今は一切出来やしない。
その様を見て限界が近いことを察した結は、トドメの一撃を繰り出す。
「燦」
体を近づけ、手をとある個所へと滑らせる。
その個所には触れないように気を遣りつつ燦の耳に口を寄せ、そして呟く。
「良いよ」
その一言と共にその個所──尻尾の付け根を柔らかに、だが確と握りこんだ。
「ぇあ、に゛ゃ゛ああああぁぁっ!」
握られた瞬間、音が拾えなくなり景色が飛ぶ。
一拍おいて漸く追い付いた感覚は、尾から迸る電撃のような暴力を受信し、絶頂へと至る。
背を弓なりに伸ばし、胎の底からマグマがせりあがる。脳がゆらゆらと揺き、今立っているのか座っているのか、寝転がっているのかすら自身では判断がつかない。
快楽地獄とは良く言ったものだ、こんなにも頭が惚ける地獄なんてきっと他になく、そして気持ち良いからこそ忘れられない。
ある意味で最も抜け出せぬ地獄に堕ち、理性も思考も幸せそうに溶けていた。
「にゃあぁ…あぁっ……」
十数秒程度、あるいは十数秒もの
名残がビクビクと全身を痙攣させ、股からは洪水の様に蜜が流れ出る。
散々嫐られて弄ばれた燦だが、それでもまだ彼女は飢えていた。
「結ぃ…」
絶頂を迎え頭が冷えているであろう猫娘は、なのにもっともっとと顔を向けて希う。
切望に目は潤み、半開きの口からは涎がだらだらと垂れ、享楽に耽った顔はとろりと弛む。
調子に乗っているときの小生意気なそれでもなく、おろおろ慌てているときの気弱なそれでもなく、美味しいものを食べているときの幸せそうなそれでもなく、寝起きのときの惚けたそれでもない。
快楽でぐちゃぐちゃに歪んだ、その顔。
それは結の手でもたらされた、結だけの顔だった。
「燦…」
顔が近づく。
同性だとか友人だとか、そんなしがらみなど彼方に放り捨て、目の前の相手をより深く知らんとする欲望を燃え上がらせ、お互いにまた一歩歩み寄る。
そうして今、唇が──
『お風呂が 沸きました♪』
─交わされようとした丁度その時、電子音声が水を差す。
風呂が沸いたというそれは、だのにとても冷ややかな音だった。
「……」
「……」
「…入っちゃいましょうか」
「…うん」
この時ようやく何故風呂に入ったのかを思い出した二人は、どうするべきかと視線を交わす。
とはいえ今この空気で続きをするのは如何なものかと判断した結は、取り敢えず本来の目的を達成することを選びとり、燦も異論なく了承した。
◇◇◇
「だぁーほら、乾かしてあげるからこっちに来なさい!」
「まま…」
「誰がママか!」
あの後は特筆すべきこともなく、単に体を洗い風呂に入っただけだった。
そして今は適当に髪を拭いた燦に対し、結が何だかんだ言いつつも乾かしてやるという、何時も通りの様な光景が広がっていた。
だがそれは、何処までも薄っぺらくて。
薄氷の下の獣は、今か今かと貪るその時を窺っていた。
「ふみゃ~…」
例えば、頭を梳かされる心地好さに弛み思わず零れ落ちたその声。
普段なら笑って流せるようなそれも、今に限っては結の心臓を掴んで締め上げる暴力へと変貌している。
例えば、櫛を持つその手。
それは先に燦の背と尾を愛撫したものであり、その手によってもたらされた快楽がリフレインしては、胎の奥が疼いて止まない。
些細なことすら先の営みを呼び起こし、埋み火を大火にせんと扇ぎたてる。
そうして、あるいは漸く、その時は来た。
「あ゛ぁ゛~極楽ぅ~…」
「オッサン臭いわよ…」
髪を乾かしてもらった燦は、解放された勢いでベッドにドサリと倒れ込む。
その際に漏れ出た、あんまりにもあんまりであるはずなのに何故か似合ってしまう声に苦言を呈しつつ、結もベッドに腰を下ろす。
束の間の静寂。
その僅かな時間は、獣が起きるには十分だった。
ごろりと転がった燦の視線と、ぎしりと詰め寄った結の視線が絡まる。
言葉は要らない。瞳から滲み出るその思いはお揃いのもので、ならば何をすべきかは分かりきっていた。
顔が近づく。
風呂上がりで未だに赤みを残すその肌も、しっとりとしたその唇も、眉毛の一本一本でさえも、今ははっきりと見える。
吐息が熱い。
それは決して体温のせいなどではなく相手を想うが故のものであると、何よりも互いが理解している。
やがて瞼が閉じていく。
視覚すらこれからの行為には邪魔だと、本能が告げる。
そうして今、二人は1つになった。
◇◇◇
ふにふにとした柔らかさが唇を刺激する。
キスをする際に瞳を閉じるのは、きっとこれを楽しむためなのだろう。
押し付け合い、触れ合わせ、表層を食らい合う。
自身の唇が撓み、心の臓は唸りを上げ、よりその感覚を味わおうと無意識に体をも重ねゆく。
それでは足りない。まだ浅い。
何故ならこれは唇同士の接触に過ぎず、まだ舌を交わしてすらいない。啄む程度であって、貪り食らうというには大人しいにも程がある。
「はむっ…れぇろ…」
だからまずは口を開き、そして覆う。
口の表ではなく中に踏み入らんがために、はしたなくもガブリとかぶりつく。
「んん…ぷぁっ…」
そうして舌を差し出し、ちょんちょんとその扉をノックする。
ノックを受けて開かれた隙間に舌を差し込み、見えた舌に絡め、熱烈に踊る。
少しざらついた舌の表を舐めとり、つるりとした舌の裏を擦り、温かな口内を流れる唾液で染め上げる。
同時に己が舌鋒も舐めとられ、擦り上げられ、懸命に送り出される唾液で穢される。
互いが互いに貪り、舐り、啜り、口腔を犯す。
ピチャピチャと鳴り響く水音は頭蓋を揺らし、ぐにゅぐにゅと睦み合う舌が多幸感を脳に刻む。
本来嫌悪を抱くであろう他者の唾液は、しかし今の二人にとっては極上の甘露にしか思えず、舌に刷り込ませ、口内に塗りたくり、注がれるそれを確と味わって飲み下す。
まだ足りぬ。
口を重ねるのに慣れてきた二人は、さらに貪欲に深みを求める。
たった二枚のバスローブごしに伝わる温もりは、しかしバスローブ二枚分も隔たりがある。
それですらももどかしく、故にどちらからともなく手を滑らせ邪魔な布をはだけさせ、隠された肢体を暴き出す。
露になった素肌どうしの熱は、先までが比べ物にならぬほど熱かった。
「わぷっ!?ふむっ…!」
寒くもないのに身を寄せ合い、熱を与え、そして奪うべく密着する。
むにと乳房が潰れようと、余りに動きすぎて呼気が漏れようと、それでもより近付こうと悶え、身を捩る。
「ふ…ぅ…はぷっ…」
そうしてついに得られた温かさは今までの何よりも心地好く、食らい合うていた際とは一転して心が凪いでゆく。
そして緩やかに感じる拍動、流れる血の力強さ。命の歌声。
トクリトクリとしたその声音とぽかぽかと優しげな熱は、一人であっては感じ得ぬものなのだろう。
ああ、ただこの温度と音色こそが『幸せ』というものなのだろうか。
「ぷはっ…」
「はぁ…ふぅ…」
そうして幾ばくか時を過ごし、ようやく二人は二つに戻る。
確かにあれは甘美であったが、しかし今求めるそれでは無い。
身を焦がし焼き尽くす劣情と快楽をこそ求めているのであり、それはあの優しさでは埋め得ぬものであるのだから。
だけど今は、この余韻に浸っていたい。
その思いは同じだったようで、二人は同時に互いの顔を見やる。
見事に行動が一致していた様がなんだかおかしくて、思わずくしゃりと笑いあう。
そうやって笑う顔さえ愛おしくて、体だけでなく心すら暖まっていく。
「わひゃっ!?」
再開は唐突だった。
夢見心地で一息ついていた結は、背中からの奇襲に思わず声を漏らす。
「んふふ~」
「ちょっ燦っ!?あぅっ!?」
驚いて燦の顔を見てみればしてやったりと得意気に笑っており、しかし常のそれとはまた違った色が入り交じっている。
伝わる感触から察するに、恐らく手を背に回し撫で上げたのだろう。風呂での意趣返しといったところか。
にへらと頬を弛ませ、しかし目には微かな嗜虐の炎がちろちろと燻っている。
その二色の混合は可愛らしいさと妖艶さが同居しており大層魅惑的であったが、その妖しげな顔に見合うように、責め立てる手付きも婀娜っぽいものであった。
「ま、待って!あっふ…ぅ、ん!」
白魚がさらさらと背骨を泳いだかと思えば、脇腹に近いところを這いずる。
こそばゆい様なそれは痒みとは違い触れられる度に強くなっていき、尾てい骨にビリビリとした疼きが蓄積されていく。
しかし肉の内側にある骨の疼きなぞ解消することは出来ず、ただただ溜まっていく一方である。
「やぁっお願い、止めっ」
「にゃふっふ~」
必死の懇願を聞いても今の燦は笑顔を深めるのみで、手を緩めるどころかよりいやらしく動かすばかりであった。
腹と背の境い目をそぉっと撫で下ろし、はたまた尾てい骨の周囲をくるくると走らせ、脇に細指を差し入れくすぐる。
その度に体を曲げ伸ばしし燦の手から逃れようとし、しかしいつの間にか後頭部に回された片手によって拘束され、逃れること敵わず啼かされるばかりである。
既に手玉に取られている結であったが、これは前座に過ぎず。そして、これからが本番であった。
「はぁ…あぁっ!あっ…」
「じゃあ次は…」
願った通りに手を止められ、さらには背から手を離された結は、何故か悲しげな表情をしていた。
だが今燦が言っていた通り、これは次への準備でしかない。
今までは手を結の背に回して責めてきた。
それは結が燦に覆い被さるような形であったが故のものだが、それだけならもう一ヵ所攻められるところがある。
だが燦は敢えてまだそこを攻めなかった。
何故ならば──そこを攻めてしまうと、早く終わってしまうからだ。
普段の燦は割と結に頼ってばかりの弱々ガールだが、こう見えて中々サドもいけるクチである。
性癖を明かしていたときや、いつぞやのメス墜ち云々の時もそうだが、彼女は『自身が攻められる側』として楽しんでいるようで、その実『自身が攻める側』としても楽しんでいる節があるのだ。
受け身に比重が傾いてこそいるものの、攻めが嫌いというわけではないらしい。
というより気質的には、むしろ攻める方が得意ですら有りそうだ。本人の好みと一致するかは別として。
「ぁえ…? …ちょっ、まっ!?」
閑話休題。
そろそろ頃合いかと判断したのか、後回しにしていたそこを攻め立てることにした燦は、そっと結のそこに手を添える。
「ご・め・ん・にゃ♡」
甘やかに囁いた燦は、しかし遠慮も容赦も一切なく、ベチャベチャの女陰を割開き、グリグリと圧した。
「あ、やぁっ!」
蜜にまみれたそこは当然ながら敏感になっており、少し擦れる度にビリビリと稲妻が頭の中で落ちていく。
燦の指は蛇の如く自在に這い回り、しかし痛みを感じさせる様な真似はしなかった。淫猫の本領発揮ということだろうか。
「ぃいっ!さっ!燦、燦ん!」
名前を呼び、ギュッと抱きしめて縋りつく。
それが何ゆえのものかは本人にしか分からない。あるいは本人ですらも理解できないのかもしれない。
それでも二人は堅く抱き合うのを良しとし、融け合うように隙間を埋める。
「い…ぎっ!ふぅー、ぅあっ!そこっ、そこだめぇ!」
視界がちらつき、頭が震える。
脚もガクガクと震え、それでも燦を押し潰してはならぬと死力を尽くして立っていた。
と、ここで燦は一度手を緩める。
「んっ…ぇ…?」
今まで縦横無尽に攻めていたそれが突如スッと抜けていき、寂寥の念すら抱く。
だがそれ以上に困惑していた。何故攻めを止めたのだろうか、そんな思いが胸に渦巻く。
「そのままじゃキツいでしょ?」
もやもやと悩んでいた結は、燦のその言葉で、おおよその理由を解する。
要するに燦は体勢を変えようと、そう言っているのだ。
それは結を慮ってのことか、はたまた自身が十全に攻めたいが故のものか。
脈絡なく告げられたそれがそのどちらか、または両方を指し示していることに気が付かないほど、結はまだ鈍くは無い。
そうやって物を考えられる程度には余裕があるのも事実であり、それこそがこの提案をした理由の一端であるのだろう。
もっと余裕をなくしたいが、この姿勢では難しいのだと。多分、そういった感じだ。
「こっち来て?」
何れにせよ、その提案を受け入れてしまえば、燦の思うがままにされることは想像に難くない。
難くないのに、しかし思い至ってなお「そうされたい」と思っている自分が居た。
そうして気が付けば、口から言葉が飛び出していた。
「…うん」
たった一言。その一言を受けた燦は妖艶に微笑み、そうして二人っきりのダンス大会は漸くフィナーレに移ろうとしていた。
◇◇◇
「かっふっ、んぃい!?」
背が反り、体が浮かぶ。
喉はもはや楽器でしかなく、燦がぱらぱらと指を運ぶ度に卑猥な音色を紡ぐ。
ベッドに横たえられた結は、先程よりも激しく体を跳ねさせていた。
「可愛いなぁ…」
一方的な愛撫は、それでも結にとって嬉しかった。
燦が自分を見ている。自分を気持ち良くしようとしてくれている。自分を一人の女として見ている。
それの何と心地好いことか、それの何と喜ばしいことか!
それだけの思いを彼女から向けられて、結の心が踊らないわけが無かった。
そうやって身も心も舞い上がっている結を見て、燦はますます笑みを深める。
宿る嗜虐の炎は結の痴態を燃料に焚べて轟々と燃え盛り、衝動に委ねて焼いてしまえと声高に叫ぶ。だがそんなことをしてはもはや凌辱になってしまうだろう。
それはダメだ。一方的な攻めである分には良いが、相手を慮ることを忘れたそれは単なる暴力でしかない。
とはいえそろそろ攻め手を強めても良いかと判断した燦は、その訴えに僅かばかり乗ることにした。
「はぁ~むっ」
「うひゃっ!?ちょっなにして…ぁん!!」
次に燦が目を着けたのは、豊かに実った結の胸だった。
マシュマロのようにふわふわのそれに顔を埋め、歯を立てぬよう気を付けつつカプカプと甘噛みし、舌でぞぞと舐めあげる。
「れぇ…あむ…」
刺激としては優しいものの『燦が胸に顔を埋めている』というのは、結にとって危険な光景であった。
少し目を向ければ、一心不乱にチュパチュパと胸を攻め立てる燦が見える。
目を瞑り吸い立てる様はまるで乳飲み子の様で可愛らしく、そしてペロリと舐めているのはマーキングであるかのように思え、それが快楽を齎さんがための行為であるにも関わらず、いじらしくすら思える。
だがそんな風に思っていられたのはここまでだった。
「
「ぅえ!?だ、ダメぇ!?」
そう、燦はまだ乳首に対して一切の刺激を与えていなかったのだ。
舐め回し噛み付いていたのはマーキングであると同時に、唾液で湿らせ胸の感覚を強めた上で本丸を攻め落とすための布石でもあったのだと、今漸く結は気が付いた。
「あむ。んん…」
「~~っぁああ!」
気が付いたからといって、何ができる訳でも無いのだが。
ダメと拒まれようがお構いなしに口に含み、ぺろぺろと舌で転がし、軽く挟んで弄ぶ。
高められた性感より引き出されたそれの強さに身を跳ねさせようとし、しかしのし掛かる燦のせいで悶えることしか許されない。
何が乳飲み子だ、彼女は性欲旺盛なJKで、しかも履修事項は座学と自身だけとはいえ、ベテランでもあるのだ。少なくとも結よりは遥かに。
そんな相手に隙をさらすなぞ、悪手でしかなかった。
「むぐっ…れろ…
「み゛ゃっ!待ってお願い!お願いぃぃ!?」
「
さらに空いた片手がもう片方の乳首に伸び、コロコロ転がした上で挟み潰し始めたではないか。
片方しか攻められてなかった時でさえあんな様を見せるほどだったのに、もう片方まで攻められてはオモチャに成り下がる他なかった。
「燦、燦ん!あっひゅっ、ふぅっ!」
「ふむっ!?」
あまりの熱に恐怖の念すら覚えた結は、燦に縋り、抱きついていた。
そして抱きつかれた燦はと言うと。彼女のことだからニヘラと笑っているのでは、という予想とは裏腹に、その顔は必死の形相をしていた。
思わず燦をかき抱いた結は気が付かなかったが、この時燦は結の胸に思いっきり顔を埋められており、鼻も口も塞がれていたのだ。
いくら燦でも、窒息させられ悦ぶほどの特殊性癖はしていない。
結の胸は凶器だとは思っていたが、まさかこんな物理的な意味だとは思ってもみなかった燦は、あわててギブアップの意を告げるべく、快楽攻めを止め腕をタップする。
「むーっ!むーっ!」
「ぇう…? …って燦!?」
気付いた時には顔が若干青くなり始めており、気絶するには早いが、かといって苦しくなかった訳でもないくらいのタイミングだった。
急いで解放した結は、興奮などどこかへ行ったとばかりに燦を心配していた。
「だ、大丈夫? 気持ち悪かったりとかしない?」
「だいじょーぶだけど……結ままのおっぱいはやはり危なかった……」
「…その、ごめん…」
ここで「ごちそうさまでした」などとボケを挟むべきか迷った燦だが、これ程心配している結相手にボケるのは、流石に不謹慎かと判断する。
とはいえ真面目くさった空気にするのも違うと思い、大丈夫であることを示した上で少しばかり諧謔を弄するも、結局それが結にチクリと刺さってしまう。
空気が死んでしまったが、しかしこのままお開きという訳にもいかず。
何とかこの空気をぶち壊すべく、燦はある提案をする。
「貝合わせ、しよう!」
「…はい?」
唐突に、この空気で、訳の分からないことを堂々と言い出した燦。
その勢いに飲まれて生返事をしたのだが、それが『貝合わせを知らぬが故のもの』と受け取った燦は、鼻高々に貝合わせについて説明を始める。
なお、実際に結は貝合わせについて全くの無知であった(というより昔の文化としてしか知らなかった)ので、とりあえず燦の説明を聞くことにした。
貝合わせとはざっくらばんに言えば神経衰弱の様なものであり、出された貝の片割れと、場に広がる片割れとを合わせ、適切な対を作る──というものではない。
上記は平安末期のものであり、元の名前が貝覆いであるだとか、本来の貝合わせとは平安初期の貝の美しさの優劣を競うものらしいとか、そういうものでもない。
貝合わせとは女性器どうしを擦り合わせる性技の一種である。
四十八手が1つ、松葉崩しで行うのが有名だが、実際には対面座位や騎乗位でやる…らしいとのこと。この辺は彼女も相手が居なかったため確証はないようだが。
という旨の説明を、燦はどや顔でしていた。
それは相手が知らぬものを知っている優越のようにも、子が親に何かを説明するときの誇らしさにも見える。
だがドヤッている燦とは裏腹に、説明を聞いた結は、顔を真っ赤にしてプルプルと震えていた。
今までの所業を考えれば『言葉なんぞよりもっと凄いことをやっているのに、今更なんで説明だけで』とも思えるが、やはり直接言葉にすると羞恥心というものが湧いてくるのだろう。
「な、な、な……」
そんな結の心情を余所に、燦はそれまでの小憎たらしい少女の笑みから、薄ら寒いほどの色気に満ちた女の笑みへと顔色を変える。
目の中ではくつくつと獣欲が滾り、呼気は熱風の様に大気を焦がし、緩やかに持ち上げた手にすら劣情が孕んでいた。
その余りのギャップに弛んだ空気がひしと締められ、思わず背筋が伸びる結。
猫に見つめられ固まった彼女の顔に耳を寄せ、そして毒を流し込む。
「一緒に気持ち良くなろ?」
その問いに結は是とも非とも述べず、おずおずと手を回すことで答えとした。
◇◇◇
跨がられのし掛かられ、ギシリとベッドが軋む。
餌を食らった獣が、もっと貪らせろと下品にわめきたてる。
その声に従い、二人は肌を重ねようとしていた。
「…いくよ」
その一言とともに、灼熱がぶつかった。
先の唇とは異なる暴力的な熱さが身を炙り、ジリジリと焼かれる快感を覚える。
いっそ痛みすら覚えそうなそれは、しかし二人が望んでいたものだった。
「ぃあっ!?」
「ひゃっ!?」
駆け巡るそれはあまりに強くつい離れてしまうも、だが味を占めた二人はすぐさま食らおうと再び重なる。
「んぅっ…っはぁ…!」
「ふっ、ふぅーっ…」
息が熱い。
その熱を互いに振り撒き、高め合う。
そうして小休止したところで態勢を整え終わり。ついに食餌の時間が始まる。
汗に塗れた全身はすりすりと滑り、そしてピリとした微弱な信号と、熱に溺れる相手の体温を告知する。
腹の奥からマグマが込み上げて来ているのは目の前の相手も同じであると考えると、得も言われぬ何かが湧き出て止まらない。
そそり立つ乳首は度々ぶつかり合うも、どちらかと言えば当たっていない時間の方が長い。
だからこそだろうか、衝突した際のスパークは視界に星が瞬くほどに強く、故に結の胸を押し潰す程にギュウと迫り、そうしてコリコリと肌によって引き倒されながら、相手を求めて擦り合わせる。
愛液まみれの女陰に至ってはニチャニチャと音を立てながら触れ合っている。
いや、本当に触れているのだろうか。
熱と粘液で満たされたそこは、もはや溶け合ってすらいるのではと思えてしまう。
立てる音は決して大きくないのに体に響き、その音が聞こえる度にさらに蜜が溢れては混じり合って、そして流れ行く。
「燦…燦ん…!」
「結…結ぃ…!」
自分が何を口走っているのか分からない。
そのくせ相手の呼び声はきちんと耳に入る辺り、お互い自分自身よりも相手の方こそを見ているのだと本能が察する。
それだけ分かれば十分だった。
「はむっ、んむっぐ」
「ふむっ、んぁ、あっぷ」
体だけでは足りぬと唇すら重ね、舌をすら触れ合わせ、相手をしゃぶり尽くさんとばかりに強引に動く。
時折出来る隙間から涎が漏れようが、それが顔を汚そうがどうだって良い。たまに歯にぶつかってしまうことなぞ知ったことか。
ただただ相手を食らえれば、それで良い。それだけが良い。
だがその食事は、終わりが近づいていた。
始める前から昂っていた肉体に猶予など既になく、だから二人はより激しく求める。
「ぷぁっ、ふっ、んぶっ」
「あふっ、っは、んっ」
強まっていく快楽を堪え、相手と同時に果てんがために舌を抜き、歯を食い縛り、なれど離れるのは嫌だと唇だけは離さない。
動きは激しさを増していき、その分だけ快楽も強まり、絶頂へと近付く。
だが一人で迎えるのではなく、二人で一緒にそれを迎えたい結は目を開く。
「んんっ!」
「ふむっ、う…んっ…」
開いた先には、潤んだ燦の瞳があった。
どうやら燦も同じだった様で、涙で滲む視界でも何を告げていたのかは理解出来る。
ならばそれに従うだけだ。
同じ望みであらばなおのこと。
体温を抱きしめ、唇を交わし、体を重ね、心を通わせる。
貪り合い、押し付け合い、互いの望むがままに己を差し出す。
もはや感覚すら曖昧になり、境目が揺らぎ、そうして二人は同時に果てへと至った。
「んっ……っ…!!」
「むぅ~~っ!!」
求めて止まなかったそれは、思考の殆どを塗り潰す程に気持ちよかった。
それを二人で迎えることが出来たという事実がなによりも嬉しく、つい頬が弛む。
「はぁ…はぁ…えへっ」
「…ふぅ…ふふっ」
思わず笑いが漏れ、心地好い倦怠感が身を包む。
ふにゃふにゃと笑い合い、そして限界を迎えた体の勧めるままに、微睡みに落ちていった。
◇◇◇
「えへへー…」
デヘデヘと能天気に笑う様が、微妙に腹立たしくもあり、そしてやはり愛おしくもある。
以前から変わらぬはずのその顔が、今はより一層魅力的に映る。
自分が変わったのか、燦が変わったのか。頭を回そうとして、止めた。
この笑顔があればそれで良い。結局のところ、これに尽きるのだから。
「はぁ…まったく」
口ではあたかも呆れているようで、しかし頬がゆるゆると持ち上がっていく。
嬉しさが溢れてやまないのは、結も同じことだった。
「うにゃーん…」
「甘えん坊ねぇ…」
ベタベタと引っ付いて離れない燦を、しかし結は拒むことなく受け入れ、頭をさする。
その瞳には優しさが滲み、撫でる手には慈しみが詰まっていた。
「はにゃ~…幸せ~…」
正直に言えばシャワーを浴びたかった結だが、こんなものを見せられては後回しで良いかと思考を翻す。
「私もよ、燦」
燦との一時ぐらい、急がなくたって良いだろう。
そう、素直に思えた。
これからも燦に苛立つことはあるだろう。
燦も結も、失敗することだってあるだろう。
あるいは、喧嘩だってするかもしれない。
それでもきっと許して、仲直りして、結局最後は一緒に笑い合うんだ。
根拠も何もなくただ漠然と、しかし確実に結は思った。
「ねぇ結」
「なぁに?」
「大好き」
「……私も、大好き」
まずはこのお話を読んで頂きありがとうございました。
徹夜テンションであっまあまの本音をぶつけていた神回を見て「これは書かざるを得ない!」と思い筆を取った次第です。
初めてこうやって公開しているわけですが、やってみて『自分の作品が他人に見られる』ってこんなにも心細いものなのだと実感しました。
なのに黒猫燦は最初に大コケしたり、ちょくちょく不安で押し潰されそうになっているにも関わらず放送を続けていて、陳腐ですが『凄いな』と。
他人の視線という針の筵に踏み出すその強さ。私には無いものです、例えアバター越しでも。
だからこそ私は黒猫燦に惹かれたのです。その在り方に。
…いやまあ、パンツ暴露とかはちょっと…その…考えない方向で。
兎に角、その姿勢をリスペクトし公開に踏み切ったという訳です。
えーと…後書きってどう〆れば…
皆さんも「サンチャンカワイイヤッター!」という言葉と共にスパチャぶん投げましょう!
それでは、もし私が再び筆を取り作品を公開することが出来たならばそちらで、無理だったら放送でお会いしたく。
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黒猫燦 ﹀ @kuroneko_altm 「燦と結のイチャイチャif話」読 了 パーフェクトだウォルター 結は私のもの! syosetu,org/novel/221913 #hamelnovel #hmN221913 Translate Tweet ┃燦と結のイチャイチャif話 - 目 ┃ハーメルン ┃∞ syosetu,org 9:53 PM・Jul 1, 2018・Twitter Web App |
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| ⊂ ↱↲ ♡ < |
とくめー@774desuyo・1m ﹀ 返信先: @kuroneko_altm 感謝の極み あの放送見てビビッと来ました 夏コミおめでとうございます! ⊂ ↱↲ ♡ < |
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本編の最後のところで十分述べました。
え?なら匿名投稿すんな?
やめてください死んでしまいます(私のメンタルが)。
正直話が走りすぎな気もしますが、今の私ではこれが精一杯です。
特殊タグ面白いので皆さんも如何でしょう?
相性の良し悪しがあったりして思うようにいかないこともありますが楽しいですよ(boxやら強制改行やら。特に強制改行)。
ちなみに最後のネタは3時間かかりました。カラーコードとにらめっこする時間も含めると多分もう30分以上は増えます。
続きは書くかも知れませんし、書けないかもしれません。