※この作品はR-18です。

SLAYER'S CREED +α R-18   作:EGO

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リクエストから。
ヒロインは監督官。
冒険者向けのお仕事モードと、受付嬢に見せる素での言動がだいぶ違うのでちょっと苦戦。

彼女の『看破』の奇跡で昇級を果たせなかった冒険者たちの報復ーーを、ローグハンターがぶちのめしてからの一夜の話。

二人の状況は両片想い(監督官からの矢印大きめ)みたいな感じです。


Memory?? 初めての傷を

 冒険者とは、本来身分もわからぬ無頼漢である。

 そんな彼らをある程度統率し、身分を確保するのが冒険者ギルドであり、そこで働く職員たちの責務でもある。

 冒険者の信頼とは、すなわち今までの功績や人格による等級に比例する。

 等級も高くなればその分信頼され、低ければ軽んじられる。冒険者とはそんなものだ。

 だからこそ、昇級することに固執する冒険者も多い──というか大半だし、ギルド職員たちも厳正な審査の上で彼らの昇級を決める。

 そして至高神の信徒であり、相手の嘘を見抜く奇跡──『看破(センスライ)』を扱える監督官は、本人が望まずともそんな会合や面接の場に引っ張り出されることもまた多い。

 そしてある不正を働いた冒険者の一党を糾弾。その後余罪まで発覚したので昇級を却下し、街からの追放処分としたのがつい先日。

 そんな彼女は、

 

「んん!?んんんんんん!!」

 

 退勤時に路地裏に引き込まれ、猿轡を噛まされていた。

 時刻は深夜。双子の月明かりさえも届かない路地の闇の中で、猿轡越しに助けを求めるように悲鳴をあげるが、彼女を取り押さえる男たちは憎悪と情欲に塗れた瞳をギラつかせるばかり。

 

「女のくせに、偉そうにしやがって……!」

 

「俺たちがどんだけ死にそうになったのか知らねえだろうな!てめえらはペン握って文字を書くばっかりなんだからよ!」

 

「安全な場所でぬくぬくしてるギルド職員如きが、俺たちに偉そうなこといいやがって!」

 

 昇級を蹴られた腹いせなのだろう。男たちは罵詈雑言を監督官にぶつけると、何の遠慮もなしに彼女が着ていたギルド職員の制服を破く。

 

「んん!?んんん!んんんん!!」

 

 良くも悪くも鍛えられた男たちの腕力に上等とはいえただの服が耐えられる訳もなく、制服はただの布切れへと成り果てる。

 監督官が涙を流しながら何かを訴えるが、男たちは聞く耳を持たない。

 むしろ審査会では凛としていた彼女が子供のように泣いている姿を滑稽だと嘲笑い、欲望を昂らせる。

 

「どうせこの街にはいられねえんだ、最後に思い出の一つくらい増やさしてくれよ」

 

「歳の割に小さえ胸だな。いいもん食ってんじゃねえのか、ギルド職員さんよ!」

 

「これならもう一人の方を狙うべきだったか?」

 

 男たちは監督官ともう一人、審査会に参加したギルド職員である受付嬢の姿を想起するが、もう時間がないからと彼女への復讐は断念するようだ。

 

「まあいい、てめえだけで我慢してやる。せいぜい愉しませろよ」

 

 男たちは醜悪な笑みを浮かべながら監督官に手を伸ばし、その柔肌を無遠慮に掴んだその瞬間だった。

 路地の入り口から、静かな足音が彼らの耳に届いたのだ。

 男の一人が監督官の口を塞ぎ、もう一人が腰の剣に手をかけながら身構える。

 最後の一人はこの闇の中で見えっこないとたかをくくるが、その足音の主はゆっくりと路地裏へと足を踏み入れた。

 マジかと目を見開いた男たちは目配せすると、一人がそっと両手をあげながら侵入者の方へと足を進めた。

 

「いやはや、申し訳ない。友人が酔い潰れてしまって、今介抱を──」

 

「そうか。なら、選べ」

 

 人当たりのいい笑顔で猫を被り、声音もできるだけ優しく。

 けれどその言葉を遮り、侵入者は淡々とした声色で告げる。

 目深く被った頭巾の下。夜空を思わせる蒼い瞳に殺意を宿し、腰に吊るした剣を抜刀する。

 

「そいつを解放するか、ここで終わるか、どちらがいい」

 

「ロ、ローグハンター!?」

 

 男の一人が悲鳴をあげた。それを合図に侵入者──ローグハンターが闇の中を駆け抜けた。

 勝負になどならない。対人戦において抜きん出る辺境勇士たる男との正面きっての戦いなど、それこそ銀等級(都市最強)でもなければ成立しない。

 男たちは悲鳴をあげながら蹴散らされ、自らから溢れ出した鮮血の海へと沈んでいく。

 そして、勝負がついたのは三十秒も経たない頃。

 四肢の腱を削ぎ落とされ、もう剣を振ることも歩くこともできなくなった挙句、喧しいという理由で喉さえも潰された男たちが、血の海の中を転がっていた。

 そんか彼らをゴミを見るように見下ろしたローグハンターは剣に血払いをくれると、自分の体を抱きしめるようにして縮こまる監督官へと目を向け、彼女の前に片膝をつきながらしゃがみ、視線を合わせる。

 

「明日には騒ぎになるだろうが、その時は証言を頼めるか。俺も追放にはなりたくない」

 

 彼の言葉に震えながらこくこくと頷く監督官。

 ローグハンターは彼女に騎士団の制服たる黒の外套(ローブ)を被せてやると、「遅くなってすまない」と謝罪の言葉を口にした。

 触られるのも嫌だろうと離れようとするローグハンターだが、不意に監督官がその手を掴んだ。

 驚くローグハンターに監督官は何も言わず、腫れた目元もそのままに彼をじっと見つめる。

 彼女と視線を合わせ、声をかけることもなくただじっとしていると、監督官がぼそりと呟く。

 

「一人に、しないで……」

 

 今にも消えてしまいそうな、普段の溌剌とした声音にはほぼ遠いそれにローグハンターは口を継ぐみ、そっと彼女の隣に腰を下ろそうとするが、足元まで血が流れてきたのに気づいて小さく息を吐く。

 

「家まで送る。こいつらは、明日まで生きていればその時考えよう」

 

 そしてならず者殺し(ローグハンター)の名に恥じない無慈悲さをもって男たちを見殺しにすることを決め、監督官も否もなく頷いた。

 喉を潰された彼らは何やら喚くが、彼は構うことなく監督官をおぶった。

 

「案内してくれ。できるだけ人目は避ける」

 

「それでお願い」

 

 彼の首に回した腕でぎゅっと彼を抱きしめながら監督官は応じた。

 ローグハンターは「いくぞ」と告げると走り出し、人目を避けるように影から影へと街の中を駆け抜ける。

 そうしてたどり着いたのは街の中でも小洒落た住宅街だった。

 そのまま彼女の指示で住宅街の中を進み、たどり着いたのはとある集合住宅(マンション)。

 その一室に部屋を借りているという彼女の指示の下、彼女の部屋の前へとたどり着く。

 

「じゃあ、俺はここで……」

 

「待ってっ……!」

 

 部屋の鍵を開け、そのまま彼女を降ろして帰ろうとした間際に監督官に手を掴まれた。

 不安と恐怖に震え、今にも泣き出しそうな顔の彼女を捨て置けるほど、ローグハンターとて無慈悲ではない。

 

「一応、部屋を調べて誰か入り込んでないかを調べる。それでいいか」

 

 彼の確認に監督官は何度も頷きながら「お願い」と連呼する。

 子供みたいな言動だなと溜め息を漏らすローグハンターは、言われるがままに彼女の家へと入った。

 そのまま彼女を寝室で休ませると各部屋を周り、何かしらの刺客がいないことを確かめていく。

 念の為と何度か部屋を周り、『タカの眼』さえも使って安全を確かめたローグハンターは寝室に戻り、毛布に包まりながら震えている監督官へと歩み寄った。

 わざと足音を立てて歩く様は彼らしくない。だが今の監督官に無音で近づけるほど、彼も冷血漢ではない。

「失礼する」と断りを入れてからベッドに腰掛け、毛布越しに彼女の背中を撫でてやる。

 

「落ち着くまで、ここにいる。早く寝ろ」

 

 母を殺されたばかりの頃。周囲の大人たちは何を言うわけでもなくこうしてただ側にいてくれた。

 かける言葉に迷っていたのかもしれないし、何を言っても無駄だとある種の諦観があったのかもしれないが、それでも孤独でいることだけは許さなかった。

 そして、それにほんの少しでも救われていたのも事実だ。

 だからこうして側にいる。辛いことがあっても一人でいられる人間は、あまり多くはない。

 そうして背を撫でてやりながら側にいたのは、果たしてどれほどだろうか。一時間か、二時間か、あるいは三十分も経っていなかったのかもしれない。

 ただ静かに時間が流れる中で監督官の震えが少しずつ治り、寝息と思われる規則的な呼吸の音だけが寝室に聞こえ始めた。

 もう大丈夫だろうかと安堵に胸を撫で下ろすローグハンターだが、次の問題にぶち当たった。

 

(さて、どうやって帰るか)

 

 玄関から出る。外からどうやって鍵をかけるのだ、ピッキングでもするか?余計に彼女を怯えさせてどうする。

 窓から出る。自分のように登攀が得意な下手人がいるかもしれない。故に却下。

 やはりこのままここで一泊するべきか。見張りという意味もある。

 

(起きたら謝っておこう。今は、とりあえず──)

 

 そうして今夜は一睡もしないと決めたローグハンターが撫でる手を止めると、小さな呻き声と共に監督官がもぞもぞと身動ぎした。

 そのままひょこりと顔だけを覗かせ、じっとローグハンターを見つめる。

 

「起こしたか」

 

 ローグハンターが申し訳なさそうに言うと、彼女はふるふると首を横に振り、そのまま彼に寄りかかった。

「おい!?」と驚愕を声を漏らす彼を他所に、監督官は彼の胸板に頭を擦り付けながら言う。

 

「怖かった……」

 

「…………」

 

 その言葉にローグハンターは答えない。かける言葉が見つからないからだ。男である自分に、女の恐怖はわからない。

 それでも監督官は毛布から腕を出すと、彼を抱きしめた。

 

「このまま、私の初めて奪われちゃうって、思った……っ」

 

「大好きな人にあげたかったのに、こんな奴らにって、思っちゃった……っ」

 

 彼の胸に顔を埋めながら、嗚咽混じりの言葉が続く。

 ローグハンターは何も言わず、ただ彼女の言葉を受け止める。無意識の内に彼女の背を摩っているのは、きっと子供の頃にそうしてもらったものの真似だ。

 子供のように泣く彼女の声を受け止めながら、ローグハンターは小さく微笑んだ。

 ギルド職員としての彼女しか知らなかったが、こうして見るとやはり彼女もまた一人の乙女なのだと、気づけた気がしたのだ。

 問題は、そんな大事なことを俺なんかに言っていいのかという疑問が湧く。

 まあ、それだけ追い詰められいるのだろうと適当に思考を切り上げ、そのまま彼女の言葉を待つことを選んだローグハンターだが──。

 

「だから、私の初めてもらって」

 

「ぇ……」

 

 その言葉をどうにか受け止めたローグハンターは、停止しそうな思考をどうにか回してその言葉の真意を探ろうとする。

 彼女は混乱しているからこんなことを言い出したのだ、そうに決まっていると、ほんの一瞬過ぎった『彼女は自分が好きなのでは?』という都合が良すぎる解釈を投げ捨てる。

 ローグハンターは彼女の背を撫でながら、言う。

 

「そんなこと言うな。本当に好きな人のために──」

 

「本当に好きな人だから、言ってる」

 

「あんな事があったんだ、一回落ち着け」

 

「落ち着いてるよ。だから、貴方にあげるって決めたの」

 

 ぎゅっと彼を抱きしめながら、監督官が顔を上げた。

 涙でぐしゃぐしゃだった顔には何かの覚悟を決めた色が強く、何より返答次第によっては離してくれないだろう気迫もある。

 

「本当に?」

 

 ローグハンターが信じられないと言わんばかりか問うと、監督官は俯きながら言い返す。

 

「結構勇気出して言ったんだけど……」

 

「……そうか」

 

 その言葉に、ローグハンターをして納得せざるを得なかった。

 どうやら彼女、本当に自分をヤるつもりらしい。いつの間にそこまで好かれたのかは知らないが、先程の一件が彼女の中にあった何かを壊してしまったらしい。

 頬を朱色に染め、潤んだ瞳でじっと見つめてくる彼女を見下ろす。

 そんな彼女の頬を撫で、腫れた目元も親指を撫でる。

 微笑みを浮かべてやれば、監督官は目を泳がせる。

 

「その、私も知識しかないから、えっと……」

 

「力を抜いて、身を任せてくれ」

 

 彼女の心配に微笑みをそのままに返してやり、胸中で息を吐く。

『俺も初めてなんだが』と出かけた言葉を飲み込み、ごほんと咳払いを一つ。

 

「嫌なら突き飛ばしてくれ。そうしたら止める」

 

 彼女に本当に駄目だった時の為の逃げ道を用意してやりながら、頬を撫でていた手で彼女の顎を持ち上げて顔を上げさせる。

 二人の視線が絡み合うこと数秒。監督官は全てを受け入れるように目を閉じ、彼に身を任せる。

 いつものお転婆とも言える言動は鳴りを潜め、今はただ静かにしている。

 ギルド職員というある種の冒険者ギルドの顔である彼女の顔はそれなり以上に整っている。どこか幼さを残す顔立ちは、けれど時には凛とした強さを宿す強い女性の顔だ。

 時折冒険者の昇級試験の立ち会いを求められる立場故に、そんな彼女の二つの顔をよる知るローグハンターにとって、そんなギャップが彼女に興味を引かせたのかもしれない。

 

(そんな彼女を、俺は──)

 

「────。愛してるぞ」

 

「ぇ……んぐ!?」

 

 仕事の過程で知った彼女の名を口に出し、想いを告げると共に彼女の唇を奪った。

 突然の告白に目を開いてしまう監督官だが、すぐに口を塞がれた。

 触れ合うだけの優しい口付けに驚く彼女を見つめながら、ローグハンターはそっと唇を離す。

 

「何事にも順番はあるだろう」

 

「それは、そうだけど……っ」

 

 顔を真っ赤にしながら照れる彼女に、ローグハンターは笑いかけながら「もう一回だ」と告げて、一方的に再び口付けした。

 そのまま口付けの雨を降らせ、唇だけではなく額や鼻にも唇を落としていく。

 

「うぅ……。なんか、くすぐったい……」

 

 しつこいまでのキスの雨に監督官は鈴を転がしたように笑う。

 ローグハンターもそんないつも通りの笑顔を嬉しく思いつつ、そっと彼女を押し倒す。

「きゃ……!」と小さく悲鳴を漏らす監督官だが、その拍子に体を包んでいた毛布がはだけ、下着姿を彼の視界に曝け出してしまう。

 かあ……!と顔を耳まで赤くする監督官を見下ろしたローグハンターは、その華奢な体のあちこちに残る男たちの手形に気づき、目を細めた。

 そっとそこに手を触れてみれば、彼女はピクリと揺れてから体を強張らせた。

 ローグハンターとわかっていても、やはり先程のことが心傷になっているのだ。彼もそれに気づきつつ、それを上書きするように彼女の体を強めに掴む。

 

「腕も、脚も、腰も、折れそうなくらいに細いな」

 

「ぅぅ……」

 

 手首の跡を上書きし、腿の手形を上書きし、腰のものも上書きする。

 僅かな圧迫感と痛痒に呻く監督官だが、抵抗はしない。怯えたように体を震わせはするものの、蕩けた視線を彼へと向ける。

 

「その、そっちも脱いで……」

 

「ああ」

 

 一人だけ裸なのが嫌なのか監督官がそう言うと、ローグハンターは手早く衣装を脱ぎ去り、上半身が裸になる。

 古傷がいくつも残る鍛え抜かれた肉体を監督官は魅入るように見つめていると、彼は体を倒して彼女に覆い被さり、彼女の体に接吻していく。

 ちゅ……ちゅ……と静かなリップ音を漏らしながら、彼女にいくつもの鬱血痕(キスマーク)を付けていく。

 監督官はくすぐったそうに身動ぎするが、彼は気にせずにキスを降らす。

 服で隠せるようにと気にかけつつ、胸元や腹部、あるいは下腹部にも痕をつける。

 

「〜〜〜!!!」

 

 次から次へと彼の物である証を付けられる状況に監督官は声にならない声をあげながら身を震わせる。

 

「本当にいいんだな」

 

 今更何をと聞き返そうとするが、それを聞くよりも早く気づいた。

 彼の脚衣(ズボン)の股間が何かに押し上げられているのだ。それが何かわからないほど、監督官も生娘ではない。

 もじもじと太腿を擦り合わせる彼女は、もうキス痕だらけの脚をゆっくりと開いた。

 

「いいよ」

 

 返事はその一言。ローグハンターは頷くと脚衣と下着をずり下ろし、勃起した一物を取り出した。

「ぇ……」と小さく声を漏らした監督官は、その大きさに目を丸くする。

 子供の腕と見紛うそれは、目測でも彼女の股から臍までは確実にある。そんなものを、今から挿れる。

 プルプルと身を震わせながら、それでもと脚を開いて彼を受け入れる。

 ローグハンターは唾液を自分の手に吐き出すと、潤滑油代わりにそれを一物に塗りたくった。

 

「いくぞ」

 

 彼は一方的にそう告げると、彼女のショーツをずらして秘部を露出させ、そこに亀頭を当てがった。

「きて」と消え入りそうな声で監督官が告げると、ローグハンターはいっそ無慈悲なまでに腰を突き出し、彼女の秘部へと一物を挿入した。

 

「っ…………!!!」

 

 肉を掻き分けられる異物感。そして処女膜を破られる激痛。

 その二つに彼女は体を強張らせ、覆い被さる彼の背中に腕を回す。

 

「ふぅ……!ふぅ……!けっこう、痛い……っ!」

 

「落ち着くまでこのままでいよう。ゆっくり呼吸しろ」

 

「うん……!」

 

 痛苦に喘ぐ彼女の頬を撫でながらローグハンターが言うと、監督官は言われた通りに深呼吸を始める。

 深呼吸をする度に控えめな胸が上下に動き、彼女の顔にも少しずつ余裕が戻り始める。

 その様子を見ていたローグハンターは、不意に彼女の唇を奪った。

 突然とはいえ慣れ始めたキスを監督官はすんなりと受け入れ、体から力を抜いた。

 ローグハンターが顔を離せば、彼女は微笑みと共に言う。

 

「大丈夫そう。動いていいよ」

 

「……もう少し挿れるとは大丈夫か?」

 

 彼女の言葉にローグハンターが申し訳なさそうに返し、監督官は目を丸くしながら自身の下腹部に目を向けた。

 確かに彼のものが入っている。だがそれも根本までではなく、まだ余裕があるのだ。

 今でもだいぶ苦しいのに、それを全部。流石にそれは死んでしまうのでは。

 彼女の脳裏にそうな思考が過ぎるが、それでも彼のためならと「いいよ」と答えてみせた。

 彼は「なら、いくぞ」と返すとゆっくりと腰を前に突き出し、捻じ込むように一物を更に挿入。

 

「ぅ……!っ………!〜〜〜〜!!!」

 

 肉が掻き分けられ、子宮が押し潰され、内臓が押し上げられる。

 未知の感覚に彼女はローグハンターを抱きしめる力を強め、涙ぐんだ瞳で彼を見つめる。

 彼も彼で食いちぎらんばかりの締め付けと、外に追い出そうと蠢くひだの愛撫に性感を刺激され、前に行こうとしているのに腰が下がろうとしてしまう。

 それでも彼は前に進み続け、そしてローグハンターの腰と監督官の股が触れ合った。

 

「っ……!ぜ、全部入った……っ?」

 

「ああ。何とかな」

 

 凄まじい異物感と圧迫感に目を見開く監督官。額に玉のような汗を浮かべながらも、どこか嬉しそうに笑うその様は愛する男に奉仕する女のそれだ。

 ローグハンターもまた彼女に微笑みを返すと、額に貼りついた髪を退かしてやり、そこに唇を落とした。

「あぅ」と気の抜けた声を漏らし、照れたようにそっぽを向く監督官。

 ローグハンターは僅かに腰を引き、勢いをつけて腰を打ちつけた。

 

「ひぅ……!」

 

 ずん!と体の奥底や響く重々しい衝撃に監督官は呻き、膣肉が引き締まる。

 ローグハンターはそのまま慣らすようにゆっくりと腰を動かしながら、一物の形を彼女に刻み込んでいく。

 

「ぅ……!うぅ……!流石に、大き……すぎ……っ!」

 

 腰が打ちつけられる度に監督官の体が揺れ、その度に苦悶にも似た声を漏らす。

 だが、ローグハンターはその声も耳に届かない程に必死だ。

 初めてとはいえ、彼女の膣肉の具合が──あるいは相性が良すぎるのだ。気を抜けば彼女の膣内に射精してしまいそうだし、そうなれば彼女の身に何が起こるか。

 それでも腰の動きが止められない。これまでの人生で享受することのなかった快感が、彼の内に眠っていた男としての本能を目覚めさせたのだ。

 目の前の女を貪れと、薄暗い欲望が渦巻いてくる。

 

「っ……!ぅ……!あ……!?んぎっ……!」

 

 どすどすと体重をかけて行われる抽送運動に監督官は呻き声を漏らすが、胎内からじんわりと全身に広がっていく快感に艶のこもった吐息を漏らす。

 

「ん……!はぁ……!あ……んんっ!」

 

 肌を赤く上気させ、熱を孕んだ声を漏らしながら悶える監督官。

 蕩けた瞳をローグハンターに向け、我慢するように表情を険しくさせる彼を見つめる。

 

「いいよ。あなたの好きにして」

 

 そっと彼の頬を撫でながら言うと、ローグハンターは彼女の掌に口付けた。

 そのまま彼女の手を握りながら腰を動かし、ゆっくりとした動きで一物を抽送し、彼女の胎内を深々と抉っていく。

 

「あ……っ!んん……!ああ!!」

 

 ぱちゅぱちゅと湿った音を立ててローグハンターと監督官がぶつかり合い、その度に彼女の口から嬌声が漏れる。

 膣肉の締まりも良くなり、一物を搾るようにヒダが蠢いた。

 

「ぁ……!っ……!ま、待って……!な、何か来ちゃう……っ!♡」

 

 膣肉が痙攣し、カクカクと腰を震わせながら監督官が言うと、ローグハンターも「俺もだ」と切羽詰まった声で返す。

 

「一回抜くぞ。このまま射精(だ)したら……」

 

 そして彼女のことを想い、彼女が望まない結果を避けるべく腰を引こうとした瞬間、がっしりと彼女の両脚が彼の腰を押さえつけた。

 焦るローグハンターに向けて、監督官が言う。

 

「だから、いいよ。あなたになら、私は……っ」

 

 その言葉にローグハンターは小さく唸ると「どうにでもなれ」とやけになりながらも腰を動かした。

 体重を乗せて、彼女の芯を打ち付けるように力強く。パン!パン!と鋭い音が部屋に響く。

 

「あ……♡おぐ……っ!しきゅう、潰れ……て……っ♡」

 

 彼が本気になったのだとわかれば、監督官もまた恍惚の表情で喘ぎ始めた。

 子宮を潰される圧迫感も、胎内を動く異物感と、今はその全てが快感へと変わっている。

 それはローグハンターも似たようなものだった。痛いほどに締め付けてきた膣肉の感触も、気遣っていた監督官の声や表情も、全てが彼の欲情を誘い、射精感を高めていく。

 そして、その時は不意に訪れた。

 ローグハンターが腰を引き、一際強く打ちつけたのが合図となった。

 スパン!と鋭い衝突音と共に、押し潰された子宮に向けて射精が行われたのだ。

 溶けた鉄のように熱く、粘つくそれが胎内に吐き出された瞬間、監督官は声にならない嬌声をあげながら背中を仰け反らせ、絶頂を迎えた。

 ローグハンターも彼女の腰を押さえつけ、逃げないように固定しながら吐き出した精液の全てを彼女の子宮に注ぎ込む。

 数十秒の射精が終わり、ローグハンターが彼女を解放すると共に監督官は四肢を投げ出すようにしてベッドに沈んだ。

 はあはあと乱れた呼吸を繰り返し、ぼぅとした表情でローグハンターを見つめる。

 対するローグハンターも似たようなものだ。戦闘後とは違う疲労感に押されて体を倒し、監督官に覆い被さる。

 二人は無言のまま見つめ合うと、どちらからと言うわけでもなく唇を重ね、舌を絡ませる深い口付けを交わす。

 

「んじゅる♡じゅぞぞ……♡んぁ……♡んんっ……♡」

 

 舌を伝って流し込まれる彼の唾液を啜りながら、監督官はびくりと肩を跳ねさせた。

 射精後も挿れられぱなしだった一物が再び大きくなり、胎内を圧迫し始めたのだ。

 

「……まだ満足してないっぽいね」

 

「……嫌なら、やめるが」

 

「別に嫌とは言ってないよ」

 

 ローグハンターの頬を撫で、このまま続けてもいいと言ってやる。

 その言葉に彼は嬉しそうに笑うと再び彼女の唇を奪い、二度目の行為を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 外から聞こえる鳥の囀りと、布擦れの音に監督官は目を覚ます。

 寝ぼけ眼を向ける先には窓から差し込む朝日を浴びながら身支度を整えているローグハンターの姿がある。

 

「行っちゃうの?」

 

 一抹の不安──彼がどこか遠くに行ってしまうような予感に、彼女はそう問いかける。

 振り向いたローグハンターは微笑みを浮かべながら言う。

 

「俺は冒険者。お前はギルド職員。流石に二人同時にここを出るわけにもいかないからな」

 

 互いの立場の違いを口にしつつ、けれど彼女から離れるつもりはないのか表情は穏やかだ。

 

「お互いの仕事が終わったら、また会いにくる。明日でもいいなら、明日にでも」

 

「うん。待ってるね」

 

 その返事を聞くと、彼は開け放った窓から身を投げて外へと消えていった。

 一人残された監督官はシーツにくるまりながら、まだ違和感が残る下腹部を愛おしそうに撫でる。

 

「──絶対に誰にも邪魔させない」

 

 ようやく告げられた想いを成就させるため、とりあえず彼女がすべきは昨晩の強姦未遂の告発と、そこから救ってくれたローグハンターの弁護だ。

 幸いにもローグハンターは在野最高の銀等級の冒険者。ギルド職員が襲撃にあい、偶然その場に居合わせた程度の理由でも他の者たちは納得するだろう。

 付き合い始めた翌日に牢屋行きにはさせたくない。

 監督官はシーツを剥がしてベッドから立ち上がると、気合いを入れるように自分の頬を叩いた。

 そして時を同じくして、ローグハンターもまた眠気を飛ばすように自分の頬を叩く。

 二人の人生がどうなるかは神でさえもわからない。

 いいや、だからこそ神々は二人の行く末を見守ってくれるのだ。

 今日も骰子が振るわれる。説得か、あるいは信用か。

 少なくともローグハンターと監督官の二人にかかれば、振る必要もないほどの骰であることは確かだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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