無事に長男――ウィルクが産まれて、一人で寝れるようになったので久しぶりに……。
初見さんのために軽い解説。
シルヴィアは妊娠を機に冒険者を引退、ジブニールは家族との時間を確保する為に冒険に出る機会を減らし、訓練所の指導員を中心に活動している。
ジブリールの自宅、子供部屋。
真夜中故に薄暗いその部屋には、銀髪の女性──シルヴィアと、彼女の息子である銀髪の幼児──ウィルクがいた。
ウィルクはベッドに寝転がりながら船を漕ぎ、ベッド脇の椅子に座ってお伽噺を聞かせてくれる母親をじっと見つめていた。
シルヴィアの表情はいつにも増して柔らかく、紡がれる言葉は歌を歌うように優雅で、本の登場人物に合わせて声色を変える徹底ぶり。
そんな母親の声に安心してか、あるいは久々の休みで家にいた父親と遊びすぎてか、ウィルクは瞼をゆっくり閉じて、すやすやと寝息をたて始めた。
規則正しく上下する彼の胸の動きを眺めながら満足そうに微笑み、そっと彼の額に口付けを落とす。
「おやすみ」
囁くように愛息子に告げると音もなく立ち上がり、足音を一切たてずに部屋を後にした。
ゆっくりと扉を閉めると耳を澄ませ、ウィルクが起きていない事を確かめるとホッと一息。
そのまま足音に気を付けながら自身の寝室へと進み、今度は普通に扉を開けた。
部屋の中央に鎮座するダブルベッドには既に誰かいるのか、シーツが膨らみ、小さく上下に揺れている。
シルヴィアは小さく肩を竦めて苦笑を漏らすと、その膨らみの隣に腰かけた。
困ったように笑いながらシーツを剥がし、寝巻き姿でうつ伏せに寝転ぶ夫の背を撫でた。
「大丈夫~?」
そう言いながら彼の肩を揉んでやれば、彼の口からは「あ゛ぁ゛……」と掠れた声が漏れた。
一日中息子と遊んでいたのだ、流石の彼とて疲れたのだろう。
ベッドの上でだらしなく体を伸ばし、枕に顔を埋めている。
「うぅ、情けない……」
そんな彼の口から漏れたのは、何やら自責するような言葉だった。
「どうかした?」と肩を揉むながら問えば、ジブリールはまた気持ち良さそうに息を漏らしながら「たかが一日だぞ?」と不満そうに眉を寄せた。
「お前は毎日あいつの相手をしているんだろう?なのに俺は一日でこれだ」
「いつもなら魔術師ちゃんとか剣士ちゃんが来てくれるんだけどねぇ」
彼女の言う通り、普段なら女魔術師や令嬢剣士をはじめ、彼らの世話になった冒険者たちが顔を出し、暇なら面倒を見てくれるのだが、今日は誰も来なかった。
まあそれは、多忙なジブリールが丸一日休みということで、家族水入らずの時間を過ごしてもらおうという後輩たちからの優しい心遣いだったのだが、結果的には肝心の彼がダウンすることになった。
彼等も彼らでウィルクの事を舐めていたのだろう。
シルヴィアは「やれやれ」と首を左右に振ると、そっと顔を寄せた。
「お疲れ様、お父さん」
耳元でそう囁くと、彼はくすぐったそうに僅かに身動ぎし、「それは俺のセリフだ」と苦笑混じりに返した。
けれど『お父さん』という一言は大層お気に召したのか、表情は割りと嬉しそうなものだ。
もっともその表情は枕に埋まっている為見えないのだが、シルヴィアはなんと無くでそんな気がして頬を緩めた。
ウィルクが産まれてから色々な事があったし、その度に二人で一喜一憂しながら乗り越えてきた。
それはまるで二人で冒険をしているようでいて、心地が良いのは今でも変わらない。
けれど、不満がないわけでもない。今日だってそうだ。せっかく家族三人がいるというのに、息子は父親にばかり甘え、父親も息子ばかりを構う。
言ってしまえば、何だか二人から仲間外れにされたようで気持ち悪く、かといって自分から言い出すのも何かが違う気がする。
勿論本人たちにその気はなく、何となく察してくれたジブリールが途中から混ぜてくれたので良いのだが、やはり息子の興味は父親にばかり向いていた。
やはり同性と異性では関心や興味の度合いが違うのだろうか。
まあ単純に父親と一日中一緒にいられるから、ここぞとばかりにはしゃいでいただけな気もするが……。
シルヴィアは彼の肩を揉んだまま数瞬悩むと、じっと彼の後頭部を睨んだ。
白く脱色された髪をうなじの辺りで纏められていて、それが揺れる度にウィルクは猫じゃらしに飛びかかる猫のように遊んでいたように思える。
そのまま彼の体に舐めるように視線を動かし、寝巻き越しでもわかる筋肉質な腕や、細いながらしっかりとしている背筋に目を向けると、彼の寝巻きの中に手を突っ込んでそっと指を這わせた。
「っ……」
指が触れた瞬間に驚いたのか、彼は体を揺るわせて力が入れたが、すぐにリラックスして体を弛緩させた。
それを了承と受け取ったシルヴィアは、凝っているのかいつにも増して固い彼の背を撫でるように指を這わせて、僅かに感じる肌とは違う触感──おそらく傷痕を優しく撫でた。
彼は彼女の指の温かさが心地よいのか気の抜けた息を漏らし、体をベッドに沈みこませる。
これ幸いと笑みを浮かべたシルヴィアは、凝り固まった彼の背中に指を沈めて解し始めた。
その度に「ぐぅぉ……」とか「んぉぉ……」とか、身動ぎしながら声を漏らす彼の姿は何だか可愛らしくて、訳もなく愛おしい。
──それはそれとして。
「ねえ、ジル……」
「んぅ……?」
背中を解されながら声をかけられたジブリールは顔を横に向け、横目でシルヴィアに目を向けた。
彼の蒼い瞳に映る彼女は窓から差し込む月明かりに照らされて、白い肌と銀色の髪を幻想的な色に染めていた。
だが頬だけは何やら赤く染まっていて、瞳も何やら潤んでいる。
その表情は彼女が欲情している時に見せるそれで、現に彼女は何かを求めるようにもじもじと体をくねらせている。
「……」
ジブリールは目を細めて小さく息を吐くと、寝返りを打って仰向けに体勢を変更した。
すると待ってましたと言わんばかりにシルヴィアは彼に股がり、倒れこむように身を寄せる。
むにゅんと豊かな胸が彼の胸板に潰されて形を歪め、寝巻き越しにお互いの体温がわかるほどに体を密着させた。
そして無防備に晒してくれる彼の首筋に吸い付き、唇を形をした痕を残すと彼の耳元で囁く。
「ちょっと相談があるんだけど」
「俺で良いなら聞くが」
耳元で聞こえる彼女の声をくすぐったく思いつつ、彼は彼女の髪を梳きながら頷いた。
冒険者を辞めてから手入れが行き届き、さらさらと指を通してくれる彼女の髪は、いつまでも触っていたくなるほどに心地がよい。
それは撫でられている彼女も同じなのか、気持ち良さそうに銀色の瞳を細め、ねだるように頬擦りをする。
「それで、何か悩みごとか?」
「どちらかと言うと、お願いかな……」
「お願い……」
彼女の言葉をおうむ返しすると手短に「で、何だ」と問うた。
問われた彼女は一度体を起こすと照れたように赤面しながら頬を掻き、「あのね」と一拍置いてから彼へと告げた。
「昼間はさ、ウィルにずっと構ってたじゃない?だからその……」
「その?」
何やら言葉が続かない彼女を見上げつつ、ジブリールは首を傾げた。
だが彼女が何を言うかわかっているのか、その表情はにこにこと上機嫌に笑っており、明らかに言わせようとしていた。
胸の前で両手の人差し指をツンツンとしながら俯くシルヴィアに彼の表情は見えていないらしく、「だから、その……」と言葉を続けて彼へと告げた。
「夜は、私に構ってくれない、かな……?」
小さく小首を傾げながら告げられた言葉にジブリールは僅かに目を見開き、彼女の顔を凝視した。
端から見れば彼が驚いたか、あるいは引いているように見えるのだろうが、実際は違う。
羞恥からか顔を赤らめ、「言っちゃった」と心の声を音として発信し、けれど彼の事を潤んだ瞳でじっと見つめてくるその様に、ただ単に魅入っていただけのこと。
「駄目?」とだめ押しのように言われれば、彼は「わかった」と言う他になく、言われた彼女は嬉しそうに頬を緩め、笑みを浮かべた。
その笑顔に疲労を吹き飛ばされたジブリールは「よし」と頷くと、上体を起こして自身に馬乗りになる彼女を抱き寄せた。
そのまま髪を手梳で梳いてやりながら、「それにしても」と耳元で囁きながら苦笑を漏らす。
「自分の息子に嫉妬したのか?」
「……!?ち、違いますぅ!」
彼の言葉に一瞬狼狽えたものの、すぐに持ち直したシルヴィアはぷいっと顔を背け、不機嫌そうに頬を膨らませた。
そんな彼女に「悪い悪い」と言葉だけの謝罪の口にすると、彼女の頬に手を触れて自分の方へと向き直らせる。
「──そんな所も愛おしいけどな」
「っ!い、いきなり何んぐ!?」
彼の突然の告白に今度こそ狼狽えた瞬間、吐き出した言葉を遮る形で唇を奪われた。
無遠慮に突っ込まれた舌が自身のものに絡み付き、ざらざらとした感覚が舌を這い回る。
「ん、んん!んぐっ。ちゅ、れろ!んぁ!」
突然の事態に体は逃げようとしたが、それよりも速く閃いた彼の手に後頭部を押さえられ、未然に逃亡を封じられる。
「ん!んんっ!れろ、べろっ!」
ならばと開き直って口内を蹂躙する彼に反撃を試し、彼の舌を相手の口内に押し返す事には成功したものの。
彼はそれすらも予期していたのか、ゆっくりと口を閉じ、彼女の舌を捕まえた。
「ん!?」
彼女が状況を把握し、声を漏らした頃にはもう遅い。
孤立無援となった彼女の舌は、もはや格好の餌でしかないのだ。
ペロペロと舌先を舐められ、裏側を舐められ、思い切り吸われ、時にはその両方が同時に行われる。
「んん!んーっ!んーっ!」
絶え間ない舌への攻撃に声にならない悲鳴を漏らしていると、後頭部を押さえている腕とは別の、空いていた彼の片腕が動き出す。
髪を掻き分けてうなじを撫でた指先が、背中を撫でるように下へと流れ、彼の太ももに潰されて形を歪めていた肉付きのいい臀部へと伸び、
──そのままショーツの中へと滑り込んだ。
「んあ!?」
彼女が舌を苛められたまま悲鳴をあげると、その隙に彼の舌が彼女の口内へと侵入を果たし、再び彼女の唾液を舐めとり始めた。
同時に直接臀部に触れていた手を蠢かせ、安産型特有の肉付きを堪能する。
「んっ、ふぅ!んっ!んーっ!」
その手つきはさながら
「ん!んっ、んぅっ!んんーっ!」
指で痛気持ち良い場所を責められる度に、彼女は体を震わせた。
毎回毎回、突く度突く度、彼の指は寸分の狂いなく彼女のツボを捉え、的確な力加減で刺激する。
何故それが出来るのかなど、責められる側の彼女には皆目検討もつかないのだが、それは単にジブリールの『眼』が良いからだ。
もはや直感とも言える彼の眼は、愛する人の弱点を見つける程度なら雑作もなく、何より彼女がそれで悦ぶというのなら余計に気合いが入るというもの。
ジブリールは絶妙な力加減で彼女を刺激し続け、その度に反応を示す彼女の姿に機嫌を良くしていた。
そして最後の一ヶ所を思い切り押し込んだ瞬間、
「んん~~~っ!!!」
彼女は突然体をビクビクと震わせながら思い切り彼を抱き寄せ、声として吐き出す筈だった悲鳴を、彼の胃の中へと吐き出した。
彼女の悲鳴を飲み込んだジブリールは彼女から顔を離し、酸欠とは別の理由で呼吸を乱している彼女の顔を覗きこんだ。
朱色に染まった頬は潤んだ瞳と合わさって色っぽく、僅かに端から涎を垂らす口許は、自分のものか彼女のものか、ともかく唾液で濡れている。
余韻に浸るように体はピクピクと震え、「み、見ないでぇ……」と羞恥心からか顔を背ける。
それをされたジブリールは瞬きを数度すると、信じられないと言わんばかりの声音で「お前、まさか……」と声を絞り出し、臀部を撫でていた手を彼女の秘裂へと向かわせた。
そこに触れた瞬間に感じたのは、ショーツがびしょ濡れになっている程の湿り気と、明らかに大きすぎる反応を示したシルヴィアの「ひぅ!?」という声だった。
彼の疑問は確信へと変わり、彼はにやりと嗜虐的な笑みを浮かべた。
「へぇ、そうか……」
「あ、いや、違うの!」
「まだ何も言ってないが」
「え、あ、あぅ……」
ジブリールに何かを言われると察知したシルヴィアは先手を打たんとしたが、当の彼からの切り返しに沈黙。俯いたまま何も言わなくなった。
ジブリールはそんな彼女をまた愛おしく思いつつ、けれど彼女のお願いを叶える為に次の手を打つ。
「だが、違うというなら」
彼はそう言うと俯いていた彼女の顎を指で押し上げ、にこりと彼女に向けて笑みをこぼした。
──確かめないとな。
その笑顔は、何だかとんでもなく邪悪なものだったが。
「こんなに湿らせて、潮まで噴いて、まだイってないと?」
「いっへらい!いっへらいから!まへ、まっへぇ!?」
ベッドに組み伏され服を剥がし、両手両足を広げた体勢で腰だけを突き上げる体勢にした彼女の臀部を、ジブリールは淡々と責めていた。
先ほど同様にツボ──というよりも性感帯──を指でぐりぐりと押して刺激し、彼女の反応を確かめているのだ。
彼の感覚的では、既に彼女は最低でも四五回は絶頂を迎えているのだが、当の彼女はそれを拒絶し、していないと言い張る。
だが秘部からはぴゅーぴゅーと透明な液体が噴き出しており、ベッドのシーツに染みを作り出していく。
「ここら辺はどうだ?」
ジブリールはそう告げながら臀部を押すと、
「んひぃ!?」
彼女の口からは快感に喘ぐ声が漏れ、秘部からは更に潮が噴き出した。
ジブリールは何とも言えない面持ちでシルヴィアを眺め、「お前、いつの間に、ここまで……」と押し込んだ指とピクピクと震える臀部を交互に見つめ、肩を竦めた。
いつの間にここまで開発されたのか、それは彼にもわからない。
「いってらい!いってらいの!」
「ああ、そうか。そうだな」
それでも強がる彼女に対して諦めたようにため息を吐くと、「──で、そろそろ良いか?」と露骨に話題を逸らすように告げた。
「ほぇ?」
快楽に喘いでいた彼女は間の抜けた声を漏らしながら振り向くと、「ひっ!」とどこか怯えたような声を漏らした。
いつの間に彼は上着を脱ぎ、ズボンをずらして勃起した逸物をさらけ出していたのだ。
そのまま快感に震える腰を両手で押さえると、パクパクと開閉する秘部に亀頭を押し付ける。
くちゅりと湿ったら音を漏らしながら更に押し付けてやれば、ビクビクッ!と彼女の腰が小刻みに揺れた。
求めているのか、あるいは逃げようとしているのか、それは定かではないのだが、ジブリールは前者として受け取った。
「いくぞ」と告げると返答を待たずに腰を前に突き出し、逸物を彼女に秘部へと
「ん゛あ゛っ!?」
亀頭が子宮口に達した瞬間、彼女の口から野太い声が漏れた。
きゅんきゅんと膣肉が入り込んだ逸物を締め付け、それに合わせるように「あ゛っ、お゛っ」と彼女の口から声が出る。
まだ
「……大丈夫か?」
「ら、らいじょーぶ!へーきっ!」
「駄目だなこれは」
純粋な心配からの確認にやけくそのように返され、彼は肩を竦めながら不満げに眉を寄せた。
「むぅ」と小さく唸った彼は、とりあえず一度で我慢しようと決めると、腰を振り始めた。
「ん゛ぁ゛!?ひん!お゛っ!んぐ!」
「あんまり声を出すと、ウィルが起きるぞ?」
「──っ!んん、んんん!!」
ゆっくりと腰を前後させながらシルヴィアに忠告すると、言われた彼女は慌てて両手で口を押さえて声を押し殺す。
彼女の反応にジブリールは満足そうに頷くと、腰の動きを激しくさせた。
先に自分で言ったように、下手に音を出したらウィルクが起きてしまう為、腰が当たらないように寸止めしてだ。
「んっ!んんっ!んーっ!んん~っ!」
ずりゅずりゅと湿った摩擦音と、彼女の押し殺した喘ぎ声のみが室内を支配し、ジブリールの聴覚から更に興奮を誘う。
だが理性を捨てることはない。既に体は疲労困憊、下手をすれば明日まで響いてしまう。
故に自身が射精出来るのは一度。それ以上続ければ自分を抑えきれなくなってしまう。
ジブリールは自身の情欲に鎖をかけて封じ込めると、理性を持ったまま腰を振るう。
「んん!んぁ!んーっ!ん゛ーっ!!」
亀頭が子宮口を殴る度に彼女は絶頂を迎えて体を跳ねさせ、目に涙を浮かべながら更に来る快感に喘ぐ。
ジブリールも短く呼吸をしながら腰を振り、それを少しずつ速くし始めた。
逸物を登っていく熱さと、背筋をくすぐる射精感から、自身の限界が近いと判断したのだ。
「
「んん、あっ!きて、きてぇ!」
彼の言葉が最後の
締め付けながら逸物を扱くように蠢く膣肉の感覚に歯を食い縛り、ジブリールは更に腰を振るう。
「ひん!あっ!んぁ!いい!いいのぉ!」
「ぐっ、おおっ!」
ジブリールが低く唸るような声を漏らすと、最後に思い切り腰を叩きつけた。
パンッ!と鋭い打撃音が部屋に鳴り響くと共に、彼は限界を迎えた。
高まっていた射精感に耐えきれず、鈴口からどろりとした精液が吐き出される。
「んぁ!?あつ、あつい!あちゅいのぉ!」
「くぅ、おぉ……」
背筋で背中を弓なりにしならせながら彼女も絶頂を迎え、更なる締め付けに尿道に残っていた精液さえも絞り取られ、ジブリールは力の抜けた声を漏らした。
そのまま体からも力が抜けて、彼女の背中に額を当てながら荒れた呼吸を繰り返す。
腰を引いて萎えた逸物を引き抜くと、どろりとした精液が逆流して秘部からこぼれ、それが太ももを伝っていくと、シルヴィアは「ひぅ!」と小さく悲鳴を漏らした。
その声がまた可愛らしくて、ジブリールは嬉しそうに笑いながらころりと転がって彼女の上から退いた。
天井を見上げながらはぁはぁと呼吸を繰り返し、額に浮かんだ汗を乱暴に拭う。
「んん……」
不意にうつ伏せに倒れていた彼女が体を起こし、精液と愛液に濡れ、てかてかとしている彼の逸物にすり寄り、それを頬張った。
「うお!?」
「れろれろ、じゅるるるっ!れろ……んぐっ」
舌を這わせてこびりついた精液を舐めとり、まだ尿道に残っていたものまで吸い上げ、それを飲み込んだ彼女は、また勃起し始めたそれを愛おしそうに指で撫でた。
突然始まった口淫と手こきに驚くジブリールを他所に、彼女は「もっとぉ……」と更に彼を求めるような事を言いながら彼に股がり、完全に固さを取り戻した彼の逸物の上に腰を持ち上げた。
「あー、シル……?」
「もっと、ほしいのぉ……」
ジブリールの声を無視した彼女は恍惚の表情を浮かべながらそう言うと、問答無用で腰を降ろした。
彼女の秘部はずりゅ!と威勢のいい音を響かせながら彼の逸物を飲み込み、シルヴィアは「あっ、んぁ、へぁ……」と叩きつけられた快感に声を漏らしながら体を震わせる。
そして困惑するジブリールを他所に、妖しく笑いながら腰を上下にさせ始めた。
彼女の動きに合わせ、子供が産まれてから余計に大きくなった胸が豪快に揺れ、汗と涎、ついでに秘部からこぼれた愛液が飛沫となってベッドに飛び散っていく。
「シ、シル!?待て……っ!」
「んぁ!ひん!いやぁ!まへにゃい、とまらにゃいのぉ!」
「シル?シル!聞いてるか!?」
「あん!ひん!あん!やん!いい!いいよぉ!」
されるがままのジブリールを他所に、シルヴィアは一人快楽を貪る。
冒険者を引退し、高められた体力は全て子育てへと向けられた。けれど今日は終始ジブリールが相手をし、自分がやったのはベッドまで運んで物語を聞かせた程度。
要するにただですら多い体力が無駄に残り、ジブリールからの責めで体が余計に昂ってしまったのだ。
詰まる所、今日に限ってはシルヴィアの方が有利で、ジブリールはただ食われる被食者側。
最終的にシルヴィアが落ち着いたのは、ジブリールが三度達した頃で、その頃には流石の彼も疲労困憊となっていた。
夜はジブリールの舞台にあらず、彼ら夫婦の舞台なのだ。
翌朝、ジブリール宅の居間。
「……あー、ウィル?」
「ウィル、どうしたー?」
僅かにやつれた様子のジブリールと、普段に比べて肌艶が良いシルヴィアの二人は、目の前に立つ息子の姿に困惑していた。
ウィルクは小さな体を二人の間に割り込ませ、父を背にして両手を拡げ、シルヴィアを睨んでいるのだ。
彼の親たる二人は顔を見合わせた首を傾げると、ウィルクはシルヴィアに向けて告げた。
「とーしゃ、いじめちゃ、めっ!」
「……ふぇ?」
突然始まった息子からの説教にシルヴィアは間の抜けた声を漏らすと、ウィルクは父親に抱きつきながら更に言う。
「よる!かーしゃ、とーしゃのこと、つぶそうとしてた!」
「……ふぇ!?」
舌足らずでことばも覚束ないが、彼は確かに『つぶそうとしてた』と言った。つまり、潰そうとしていた。
──昨日の夜、私がジルを潰そうとしていた……?
シルヴィアは数瞬考えると、すぐに答えにたどり着いた。
昨日の夜に自分が上になった覚えは、あのタイミングしかない。
「──!?!!?」
ボン!と音をたてて真っ赤になったシルヴィアを他所に、ジブリールは苦笑混じりにウィルクの頭を撫でた。
母親に似た銀色の髪は肌触りが良く、母親のそれと同様にいつまでも触っていたくなる。
そうして柔らかな笑みを浮かべたまま、彼は赤面して踞るシルヴィアに目を向けた。
「──見られていたみたいだな」
「っ!!!」
彼の残酷なまでの一言に彼女は顔を隠したまま悶え始め、ウィルクは「むぅぅ」と不満そうに頬を膨らませる。
「かーしゃ、きらい!」
「うぇ!?あ、待って!嫌いにならないでぇ!」
彼女はそう叫びながらウィルクをジブリールの腕からぶんどり、「えっとね、あれは、その、遊んでたの!ね?」と適当な言い訳で言い繕うが、ウィルクの反応は良くない。
彼は余計に不満そうな顔になると、目に涙を浮かべながら思い切り息を吸い込んだ。
シルヴィアはやってしまったという顔になり、慌てて離れようとしてももう遅い。
「かーしゃ、やぁぁぁあああああああああっ!!!!」
「あー!ごめん、ごめんねぇぇええええええっ!!!」
西の辺境の朝に、元気溌剌な親子の声が、神々にも届くほどに響き渡ったのだった。
しばらくウィルクが二人の寝床に入り込むのは、ある意味当然の結果だろう。
だがもうすぐそこにもう一人加わることを、彼らは知らない。
陽が山から顔を出した瞬間に、地母神やその他の神たちがガッツポーズをしたことを、彼らは知らないのだ。
感想等ありましたら、よろしくお願いします。