前話から数年後。
銀髪武闘家と剣の乙女とのフラグが立っていないため、アサシンにも指導者にもならず、聖騎士にもなっていない。
辺境の街の辺りで後輩たちを構いつつ、のんびりと
夕焼けに照らされた辺境の街。眠る狐亭。
ローグハンターの拠点とされている一室で、彼は久しぶりの危機に陥っていた。
「あははっ!久しぶりだね、お兄ちゃん?」
部屋に待ち構えていた勇者が自分をベッドに押し倒し、いつの間にか裸になっているからだ。
休日だったから油断したとか、気配を感じられなかったとか、そもそも鍵を締めていた筈なんだがとか、不意打ちを貰った理由は色々あるが、とりあえず後悔をするのは後だ。
自身に馬乗りになる勇者は、過去にないほどに妖艶な笑みを浮かべ、爛々と輝く瞳には情欲の炎が揺れているのだ。彼女をどうにかせねば考えられまい。
「本当に、久しぶりだな……」
とりあえず彼女の言葉に返してやった彼は、そっと視線のみを動かして彼女の裸体に目を向けた。
彼女を初めて抱いてから数年。彼女の顔からは幼さが消え、薄かった胸には確かな膨らみがあり、すらりと伸びた足には程よく肉がつき、それを支える臀部もまた同じ。
彼女のより女性らしくなった肉体にローグハンターが魅入り、思わず生唾を飲み込むと、勇者は妖艶な笑みを深めて彼の首もとに顔を寄せた。
すんすんと鼻で呼吸をして、僅かに汗の香りがする兄の臭いを肺一杯に吸い込み、ぴろりと舌を這わせた。
僅かに感じる汗の味に目を細めて、もっと味わおうと舌を動かす。
舐める度に感じる彼の味と、僅かに漏れる彼の唸り声が彼女の興奮を誘い、何もされていないのに子宮が疼く。
「あっはぁ……。もう無理っ、我慢できない!」
一人興奮する勇者はそう言うと、状況を理解しきれないローグハンターのズボンを降ろした。
そこから出てきたのは、まだ半勃起状態の逸物だ。過去に何度か彼女を貫いたそれとは比べるまでもない、本調子には程遠い萎えた肉棒。
「むぅ……」と不満げな声を漏らした勇者は、ローグハンターの顔を見つめ、有無を言わさぬ威圧を込めて一言告げる。
「──服、脱いで」
単刀直入な彼女の一言とその迫力に、ローグハンターは僅かに怯えながらこくこくと頷いた。
彼の返答に勇者は嬉しそうに目を細め、一旦彼の上から退いた。
そして彼が休日故の適当に見繕った平服を脱ぎ、彼女に裸体を晒した瞬間、舌舐めずりした勇者が彼に襲いかかった。
「じゅる!じゅるる!れろれろれろ!」
彼に襲いかかった勇者は、まず彼の逸物を口に含んだ。
いまだに勃起しきっていない彼の逸物をくわえ、飴玉を舐めるように彼の亀頭を舌の上で転がす。
「くっ、おお……」
彼女が与えてくる甘い快感にローグハンターは小さく唸り、悩ましそうに眉を寄せた。
彼女が舌を這わせる度に逸物に熱が溜まっていくのがわかり、彼の興奮を表すように、逸物が少しずつ固く、大きく、太くなっていく。
「んぐっ!んんっ!れろ、じゅるる!」
口の中で膨らんでいく亀頭に舌を押され、竿で口を抉じ開けられた勇者は僅かに驚きを露にするが、怯まずに舌を動かして、溢れた先走り汁を舐めとり、思い切り啜る。
「ぐっ……!」
尿道に溜まっていた先走り汁さえも吸い上げられ、裏筋をペロペロと細かい動きで舐められると、ローグハンターは先ほどよりも熱のこもった声を漏らす。
亀頭を包む彼女の温もりと、彼女の舌が与える快感が、電撃のように彼の身体を駆け、反射的に肩が揺れる。
「んふ……。じゅるるるるる!」
上目遣いで彼の反応を見た勇者は愉快そうに目を細め、そっと自分の手を自分の秘部へと伸ばした。
感触を確かめる程度に優しく触ってみれば、くちゅりと湿った音が僅かに漏れる。
「ん……っ」
勇者は僅かに身動ぎすると、彼の逸物を口で責めながら、自身の秘部を弄り始めた。
上の口には彼の逸物を、下の口には自分の指をそれぞれくわえ、彼のものを扱く動きに合わせて指を出し入れする。
「んっ!ふぅ!じゅる!ふぁ!んんっ!」
ピクピクと肩を揺らしながら彼女は喘ぎ、こぼれた吐息が無防備な彼の逸物に刺激を与える。
「くぉ……!」
最近ご無沙汰だった彼の逸物は我慢の仕方を忘れたのか、逸物を登っていく射精感がひるひる内に膨らんでいき、逸物が一回りも二回りも大きくなっていく。
「くそっ……、そろそろ……!」
ローグハンターが早くも耐えきれずに欲望を解放しようとすると、勇者が「ぷあっ!」とわざとらしく声を漏らしながら彼の逸物を解放した。
はぁはぁと肩を揺らして乱れた呼吸を繰り返す勇者は、ニヤリと笑うとにベッドに尻をつき、足を広げた。
濡れた秘部を見せつけるように指で秘裂を開き、彼へと告げた。
「
挑発するように、あるいは求めるように彼女がそう口にすると、ローグハンターはお預けをくらってピクピクと痙攣している己の逸物に目を向け、次いで彼女の秘部へと目を向けた。
そこはぱくぱくと開閉を繰り返しながら愛液を溢し、納まるべきものを待ち受けている。
彼は再び生唾を飲むとこくりと頷き、彼女の身体に覆い被さった。
快感に変わって痛みを感じるまでに勃起した逸物で手で支え、子供の拳ほどありそうな亀頭をひくつく彼女の秘裂に当てる。
「んっ」
くちゅりと僅かに音が漏れると共に、勇者が肩が震える。
目の前にある彼女の顔を見つめながら「大丈夫か」と問うと、彼女は余裕の笑みを浮かべて頷いた。
ローグハンターはゆっくりと腰を突き出し、濡れた彼女の秘部に逸物を埋めていく。
「くっ……あぁ……ふぁっ」
勇者は胎内に侵入してきた異物感に苦しげな表情を浮かべるが、それはすぐに恍惚としたものへと変わり、艶っぽい声を漏らす。
締まった膣肉を掻き分けられる度に、痺れるような快感が身体を駆け抜け、彼女の表情が蕩け始めた。
「ひぅ……あっ……」
彼の逸物に吸い付くようにひだが蠢き、与えられる快感が彼の理性を削り、彼の表情から余裕を奪っていく。
ローグハンターが眉を寄せて小さく唸ると、勇者は笑みを浮かべて彼を抱き寄せ、耳元で囁く。
「思いっきり動いていいよ、お兄ちゃん……」
「っ……!」
その一言は、やはりと言うべきか彼を崩す一撃だ。
彼の理性はぷつんと音をたてて切れ、残るは目の前にいる
ローグハンターは獣じみた唸り声をあげると、彼女の細い腰を両腕で掴み、力任せに腰を突き出した。
パン!と腰同士がぶつかる乾いた音が響いたかと思えば、締めていた膣肉を強引に抉じ開けられ、降りていた子宮口を殴られた勇者は背筋を震わせ、妖艶な笑みを浮かべた。
「あはっ!奥まで、入ってきた!これ、これが欲しかったんだ……っ!」
ぐりぐりと子宮口に亀頭を押し付けられる快感に、勇者の身体は悦びを表すように震える。
彼女の声に背を押され、ローグハンターは彼女の子宮口に的を絞って責め始めた。
ぐりぐりと子宮を潰すように押し込んだり、あるいは撫でるように腰を回して逸物を滑らせたり、あるいは思い切り突いてみたり。
「ひゃん!いいっ!そこいいよぉ!」
その度に勇者は嬌声をあげて、両足で彼の腰に押さえつけ、全身で彼の体温を感じられるように身を寄せる。
ローグハンターは胸板に感じる柔らかな感覚に目を細め、耳元で響く彼女の嬌声から逃れるように僅かに身を離す。
「あん!ひぅ!あっ!」
快感に蕩けた彼女の表情を正面から見つめてやれば、彼女は僅かに恥ずかしそうに頬を赤く染めて僅かに顔を逸らした。
だが、それさえも今のローグハンターを興奮させる材料であり、彼は迷いなく彼女の頭を手で押さえると、勢いのままに唇を奪った。
同時に子宮口を責めていた逸物を、かりが出るまで引いてやると、全体重を乗せて彼女の子宮に叩きつける。
「んんっ!んぐ!?んんん!んーっ!」
そのまま腰を振り始めると、ごんごんと子宮を殴られる感覚に勇者は目を剥くが、すぐにその感覚さえも快感に変換し彼女の瞳は蕩けていく。
「んぐ!んぅ!!んんーっ!」
矢の返しの如く鋭いかりで膣肉を解され、Gスポットを削られ、子宮口が殴られ、子宮が潰される度に彼女は喘ぎ、僅かに開いた口の隙間に舌が捩じ込まれる。
「んぁ!?れろれろっ!じゅる!んぐ!?」
無遠慮に突っ込まれた舌に応戦しようとするが、胎内に叩きつけられる衝撃に意識が集中してしまい、彼の舌に一方的な蹂躙を許してしまう。
快感に伸びきった舌に彼の舌が絡み付き、口内に溜められていた唾液を塗り込まれる。
「んふぅ!ん……っ!んん……!」
自身のそれとは別の温もりに包まれた舌は歓喜に打ち震え、勇者の表情もまた悦びに染まっていく。
「んんっ!んぐ!れろ!んーっ!じゅる!んぁ!?」
パンパンと音をたてて叩きつけられる快感に浸っていると、彼の逸物が一際強く叩きつけられ、同時に膣肉が痙攣を始めた。
ローグハンターは本能のままに好機と見るや、腰の動きを大きく強いものから、細かく速いものへと切り替えた。
かくかくと細かく腰を振り、断続的に彼女の急所を突き続ける。
「んひぃ!?んんんっ!んぐ!んぁ!んいぃぃぃっ!」
勇者はビクンビクンと身体を跳ねさせ、封じられた口から嬌声を漏らす。
それは彼の喉を通って胃に落ちていき、誰にも届くことなく消えていった。
だがそれが不満だったのか、ローグハンターは何やら不機嫌そうに目を細めて顔を離し、上体を起こした。
「んぁ!?ひぎ!おにーちゃん!?まって、こえ、がまんできないぃぃぃぃぃっ!!」
同時に彼女は適当に理由をつけてまたキスをねだるのだが、ローグハンターは黙殺するように亀頭で子宮を殴った。
度重なる強烈な快感に耐えきれず、彼女が背中を弓なりにしならせながら絶頂を迎えると、彼は更に腰を振るう。
「いぎぃ!まへ、まっへ!?おにーちゃ、だめぇ!」
絶頂が治まる事なく責められる彼女はしなる身体を無理やり元に戻して兄の肩を押すが、彼はその程度で止まらない。
肩を押してきた彼女の手を掴んでベッドに押さえつけ、僅かな怒りを込めて突き出す腰に力を入れる。
「んぁ!?ぎいぃっ!まっへ、やすましゃて!イく!イく!またイくからぁ!」
ビクビクと身体を震わせて秘部から潮を吹き出しながら、彼女は更なる絶頂を迎える。
点滅を繰り返す視界を歯を食い縛る事でどうにか耐えて、彼の腰を捕まえている両足になけなしの力を入れた。
彼女の引き寄せた力と、彼の突きだすタイミングが完璧に交差し、彼の逸物が凄まじい速度をもって彼女の子宮を殴り付け、押し潰した。
「ん゛お゛お゛っ!」
子宮を潰される圧倒感さえ快感に変わり、勇者の口から野太い声が漏れた。
同時に膣肉が引き締まり、彼の逸物を搾り取らんと激しく蠢いた。
「ぐっ……!」
ついにローグハンターも我慢の限界を迎え、押し潰した彼女の子宮に溜めに溜めた精液を吐き出した。
「んぎぃいいいいいいいっ!!」
最近発散されることもなかった精液がようやく見つけた出口に殺到し、勇者に子宮の奥を突かれる錯覚を与えるほどの勢いで吹き出す。
「あぎっ!んいぃぃぃっ!」
また背中を弓なりにしならせ、軽く白眼を剥きながら絶頂を向けた勇者。
彼女は背筋をしならせたまま痙攣を繰り返し、伸びきった舌の先からは塗りたくられた彼の唾液が垂れる。
「えっ……がっ……あっ……」
ローグハンターの吐精と、勇者の絶頂が治まったのは、数分が経った頃だった。
勇者はしなっていた背中をベッドに沈め、結合部からは子宮に納まらず、逆流してきた精液がこぼれている。
「ん……!あひゅ……っ!へ……」
絶頂の余韻に身体を震わせる彼女を他所に、ローグハンターは物足りなそうに眉を寄せ、彼女の胸に触れた。
かつては僅かに膨らみがある程度だったその場所も、今では片手にどうにか納まる程の果実が実り、桃色の乳首がピンと勃起して存在感を露にしている。
彼はもみもみと彼女の胸に揉みながら、指で乳首を弾いた。
「ひゃん!」
突然電撃のように全身を駆けた快感に、堪らず勇者が身体を跳ねさせると、ローグハンターはここぞとばかりに乳首を責め始めた。
指の間に挟んで引っ張ってやったり、指で弾いたり、指の腹で転がしたり、あるいは赤子のように吸い付いてみたり。
「あひっ!ひぁ!あん!だめ!そこっ!びんかんっ、だからぁっ!」
ビクビクと乳首を責められる度に身体を揺らし、どうにか兄を止めようとする勇者だが、構わず彼は歯を立てて乳首に噛みつき、思い切り吸い上げた。
「ぎひぃっ!んぁ!?だめっ!イく!おっぱいで、イくぅぅぅぅぅぅ!」
同時に彼女は再び絶頂を迎えると、弾かれるように彼の腰に絡んでいた足がピンと伸び、秘部からは精液混じりの潮が吹き出す。
「あへぇ……おにー、ちゃん……やすませ、やすませてぇ……」
度重なる絶頂に疲弊した勇者は、はぁはぁと乱れた呼吸を繰り返しながら、変わらず逸物を挿れたままの兄に懇願した。
彼女が呼吸する度に胸が上下し、潤んだ瞳はいまだに快感に蕩け、言葉の割には膣肉は物欲しそうにきゅんきゅんと締め付けてくる。
そう言った情報を受け取ったローグハンターは、極上の獲物を前にした肉食獣さながらの笑みを浮かべ、再び彼女の身体に覆い被さった。
「んぎ!?ぎいぃ!だめ!まへ、まっへぇ!」
勇者の嬌声と共に、パンパンパンパンと肉がぶつかり合う音が部屋に響く。
ローグハンターに挿れられたまま上下を交換された彼女は、下から突き上げられる快感に喘ぎ続けていた。
逃げようにも彼の両手で腰を押さえつけられ、ひたすらに快感を叩きつけられるのみ。
「んいぃぃぃっ!また、イく!イっちゃう!おにーちゃん、まっへぇ!」
彼女の制止の声は無情にも届くことなく、ローグハンターは二度目の吐精を迎えた。
「んぁっ!ひぎっ!?んぃぃっ!」
今度はベッドに腰かける彼の上に背中を任せる形で座らされ、突き上げられる度に絶頂を迎えていた。
彼の手で腰を押さえられているわけではないのだが、今度は片手で胸を、もう片方の手でクリトリスを責められ続け、ひたすらに絶頂を叩きつけられているのだ。
「ぎぃ!ぎひぃ!んぎゃ!?」
指で乳首を弾かれ、クリトリスを転がされ、逸物で子宮を貫かれ、彼女は絶頂しては更に絶頂を迎える。
そしてローグハンターの吐精を合図に、再びの絶頂を迎えた。
「んっ……あっ……へっ……」
ベッドにうつ伏せに転がされた彼女は伸びをする猫のように腰を持ち上げられ、丸見えになった秘部に逸物を突っ込まれていた。
度重なる絶頂で意識が混濁し、凄まじい倦怠感で手足はベッドに投げ出され、持ち上がっているのは彼に支えられている腰のみ。
そこにローグハンターの腰が叩きつけられ、押し出される形で身体が揺れて、シーツに乳首が擦れて更なる快感を彼女に与える。
「ひぅ……はっ……ひゅ……」
突かれる度にピクピクと身体を痙攣させ、彼女の膣肉はわななき、彼の逸物を扱きあげた。
疲労からか先ほどよりもゆったりとした動き故に、彼の逸物は蠢くひだの感触を直に感じ、それを抉るように突いてやれば、勇者は小さな絶頂を繰り返す。
「ひぅ!」
ローグハンター三度目の吐精を合図に彼女は絶頂を迎え、ついにその意識を手放した。
長時間一度も抜かずに続けられた責めに彼女の肉体が限界を迎え、気絶してしまったのだ。
三度目の射精を迎えたローグハンターは、けれど満足した様子もなく、思い切り腰を引くと、渾身の力を込めて逸物を子宮に叩きつけた。
「んぎ!?」
突然叩きつけられた快感に無理やり意識を覚醒させられた彼女は、「はっ、かっ」と肺の空気を吐き出しながら、ちらりと振り向いた。
そこにいたのは余裕の笑みを浮かべる兄の姿で、纏う雰囲気から彼がまだやる気なのは見ればわかる。
勇者は力の抜けた笑みをこぼすと、どうにか自力で身体を転がして彼と向かい合う。
力が入らず震える手を挙げて彼の頬を撫でて、にこりと微笑んだ。
「いいよ。最後まで、付き合ってあげる」
彼女の言葉にローグハンターは満面の笑みを浮かべ、彼女の唇を奪った。
無遠慮に入り込む彼の舌に自身の物を絡めながら、勇者はそっと彼の身体を抱き寄せた。
時刻は深夜。だが二人が眠る様子はない。
ただぐちゃぐちゃに溶け合いながら、ひたすらに快楽を貪り続けた──。
翌日。昼頃。辺境の街の門前。
勇者はにこにこと笑いながら、律儀にも見送りに来てくれた兄の手を握った。
「よし!それじゃあ、また来るね!」
「おう。いつでも来い」
二人して陽が出るまで愛し合ったというのに、不思議とその疲れを表に出す様子はない。
元々規格外の二人だ。二時間も眠れれば、失った体力を取り戻す程度造作もないのだろう。
勇者はローグハンターを引き寄せ、彼の身体を抱き寄せると、耳元で言う。
「いってきます、お兄ちゃん」
「いってらっしゃい」
彼は彼女の身体を抱き返しながら言うと、勇者は彼の温もりを堪能してから名残惜しそうに身体を離した。
そしてゆっくりと彼の身体から離れると、それを合図にしたように一迅の風が吹き抜ける。
ローグハンターが思わず目を庇い、風が止むと共に目を開けると、そこには誰もいなかった。
彼は辺りを見渡して消えていった妹の姿を探すが、相変わらず神出鬼没の彼女を見つける事は出来ない。
いい加減諦めた彼は小さく肩を竦めると、静かに目を閉じて胸に手を当てた。
世界の命運を懸けて戦う彼女に、回りから歪だと言われようと、仮初めだろうと安らぎが与えられるなら──。
「──お前に安全と平和を」
せめて祈る。彼女の無事を、彼女の未来を。
彼女の兄として、彼女の恋人として、彼はただ静かに祈りを捧げた。
感想等ありましたら、よろしくお願いします。
次回は受付嬢編を予定。