※この作品はR-18です。

SLAYER'S CREED +α R-18   作:EGO

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アンケート四位、剣聖編。

分岐条件はローグハンターが銀髪武闘家含め、ヒロインフラグが立っていないこと。

時期はエピローグ頃。


Memory?? 強い子を産みたくて

 陽が照りつける都のとある場所に、キンキンと甲高い金属音が響いていた。

 そこはいわゆる練兵場と呼ばれる場所で、普段なら兵士や騎士たちが己の技を磨き、肉体を強くする場所なのだが、今回に限ってはそこには兵士たちの姿はない。

 塀で円形に囲まれたその場所にいるのは、二人の男女。

 片や濡羽色の髪を頭の高い位置(ポニーテール)で纏め、刃が欠けて今にも折れそうな剣を握る女性。

 この国、あるいは世界において五本の指に入るであろう剣豪──剣聖と呼ばれる彼女は、鮫のような獰猛な笑みを浮かべ、相対する相手を睨み付けた。

 睨まれた男性は白い髪を揺らすと、蒼い色の瞳をゆっくりと細めた。

 相手からは手加減無用と言われ、現状の力は互角。武器はお互いに壊れてかけており、あと二三打ち合えば砕ける事だろう。

 彼はフッと短く息を吐くと神経を研ぎ澄ませ、剣聖を睨み付けた。

 夜空の如く揺れる蒼い瞳が、宝石の如く輝く金色に染まり、彼が纏う雰囲気が変わる。

 彼から放たれる重圧(プレッシャー)が、段違いに跳ね上がったのだ。

 剣聖はその重圧に武者震いすると、深く腰を落とし身構えた。

 

 ──前後左右、どう動こうが叩き斬る!

 

 彼女に出来るのはそれだけ。同時に彼が出来るのもそれだけだ。

 先に動いた方に合わせて後手に回った方が動き、相手を迎撃する。

 後手でありながら先手を取らなければならないという無茶にも聞こえるそれを、二人は行おうとしているのだ。

 完全な静寂が辺りを包み、二人は相手を睨み付けたまま動かない。

 張り詰めた空気は不思議と心地よく、研ぎ澄まされている筈の神経は不思議と落ち着いている。

 僅かにずれていた二人の呼吸が重なり、瞬きさえも忘れて相手の動向を見つめる中、ローグハンターは地面を踏みしめた。

 地面にヒビが入るほどの力を込めて脚部を踏ん張り、全力をもって前方に──剣聖に向けて飛ぶ。

 

「ッ!」

 

 愚直な正面突破。相手を誘うための後退?間合いを測るための横移動?笑わせる。

 まさにこれこそが求めていたもの。求めていた状況。彼こそが、求めていた相手。

 剣聖は過去に例がないほどに活力に満ちた獰猛な笑みを浮かべると、気合い一閃と共に迫る彼に向けて剣を振るう。

 瞬間響き渡ったのは、ガキンッ!と何かが砕ける異音混じりの金属音だった。

 

「──俺の、勝ちだ」

 

 静寂に包まれた練兵場に、低く鋭い声が響いた。

 剣聖はちらりと自身の手元に目を向ければ、刃が根元から失せた自身の模擬刀があり、折られた刀身はあらぬ方向の地面に突き刺さっている。

 対する彼の模擬刀の刃は半ばから折れてはいるものの、相手を斬ることには支障がない程度。それが自身の首に添えられているのだ。

 剣聖は瞬きと同時に蒼い色に戻った彼の瞳を見つめ、小さく肩を竦めた。

 

「──私の、負けです」

 

 彼女の宣言を受けた男性──ローグハンターはどっと疲れたようにため息を吐くと、折れた模擬刀を眺め、それを肩に担いだ。

 

「それじゃあ、俺はここで失礼する」

 

 彼は額の汗を拭うとそう告げて、剣聖に背を向けて「じゃあな」と右手を挙げた。

 練兵場を去っていく彼の背を見送った剣聖は、豊かな胸に手を添えると、ドクドクといつも以上に激しい自身の心の臓の音に耳を傾けた。

 同時に頬を朱色に染めながら、心底嬉しそうに、けれど恥ずかしいのかはにかむような、それこそ恋する乙女のような笑みを浮かべた。

 胎の奥が何かを求めるように熱を帯び、それは全身へと広がっていく。

 

「ようやく、見つけた……っ!」

 

 涙さえも流しそうな程の感動にうちひしがれながら、剣聖はぐっと拳を握った。

 

「私よりも強い男を……っ!」

 

 彼女は探していたのだ。自分を負かせるほどに強い者を。

 彼女は求めていたのだ。剣聖と呼ばれる自分が、打ち負かされる日が来ることを。

 同時に決めていたのだ。自分を打ち負かした者が男で、秩序の陣営に連なる者であるのなら──。

 

 

 

 

 

 都には、西の辺境で大人気の宿『眠る狐亭』の本店がある。

 規模も人員も辺境の街の支店とは段違いで、一回りも二回りも違う程だ。

 それは同時に様々な人々が集うという事なのだが、不思議と問題が起こることは少ない。

 雇われた用心棒たちがそこらの冒険者では相手にならないほどに強いのもあるが、ここで問題を起こして摘まみ出された奴が、二度と帰ってこなかったというまことしやかな噂があることも大きい。

 それが事実かどうかは別として、そんな黒い噂も見え隠れする眠る狐亭の一室に、ローグハンターがいた。

 寝間着に着替える事も億劫で、上半身裸でベッドに大の字で転がりながら、ボケッと天井を見上げているのみだ。

 諸事情で都に来ることになったまではいいが、まさか剣聖と一戦交える事になるとは思わなかったのだろう。

 最後の全力をもった踏み込みは良かったが、少々足に負荷をかけすぎた。筋肉が悲鳴をあげていて酷く痛む。

 

「あぁ、くそ……っ」

 

 気の抜けた悪態をついた彼は腹筋の力のみで上体を起こし、自身の足を解し始める。

 痛みでビクビクと跳ねる足を気合いで押し留め、ぐにぐにと筋肉を指で解していく。

 

「ぐっ!ああ……」

 

 痛みが少しずつ筋肉が解れる気持ちよさに変わり、ローグハンターの表情が緩み始める。

 

「……よし」

 

 ある程度痛みが引いて、歩く程度なら支障がなくなった頃、ローグハンターはホッと息を吐いた。

 それと同時にコンコンと扉がノックされ、緩んでいた意識が引き締まる。

 とりあえず上着を着た彼は鞘に入ったままの剣を片手に持ち、そっと扉を開けた。

 

「やはりここでしたか」

 

 同時に彼の視界に納まったのは、扉の前に仁王立っていた剣聖だった。

 いつもの鎧姿ではなく、妙に胸元が開けた平服姿なのだが、腰には油断なく剣を帯びている。

 いつもは頭の高い位置(ポニーテール)で纏めてられている彼女の髪は、髪紐を解いて降ろされていた。

 いつもとは違う雰囲気の彼女にローグハンターは僅かに警戒しながら、単刀直入に問うた。

 

「……どうかしたのか?」

 

「いえ、昼間の勝負があまりにいきなりだったので、お詫びを込めて」

 

 彼女はそう言うと背中に隠していた酒瓶と杯をローグハンターに見せ、にこやかな笑みを浮かべた。

 彼女の言葉を受けたローグハンターは状況を理解できずに瞬きを繰り返すと、「まあ、入ってくれ」と彼女を部屋に招き入れた。

 

「一人部屋だから、椅子はそこに一つしかないが──」

 

「なら、ベッドに座りましょう」

 

 ローグハンターが部屋の片隅の化粧机を示しながら言うと、剣聖は彼の言葉を遮る形でベッドを示し、そこに腰を降ろした。

 ローグハンターは小さく肩を竦めて彼女の隣に腰を降ろすと、ちらりと剣聖の方へと目を向ける。

 当の彼女は杯に酒を注ぎ、それを彼の方へと差し出した。

 

「どうぞ」

 

「ああ……」

 

 それを受け取ったローグハンターは僅かに警戒しながら中身を覗きこみ、顔を寄せて臭いを嗅いだ。

 普通の葡萄酒だ。いや、少し値が張る葡萄酒かもしれない。

 そう推理するローグハンターを他所に剣聖も自身の杯に葡萄酒を注ぎ終え、彼の方に向き直りながら「では」と呟く。

 

「あなたの勝利に」

 

「お互いの健闘に」

 

 剣聖の音頭にローグハンターが重ね、二人は杯をぶつけた。

 そして二人は思い切り葡萄酒をあおると、ローグハンターはホッと息を吐く。

 

「なかなか、いい酒だな」

 

「少々奮発してしまいました」

 

 ローグハンターが予想した通りの味に、剣聖は照れたように笑いながら「おかわりもありますよ」と酒瓶を揺らした。

 ちゃぷちゃぷと水が跳ねる音が部屋に漏れて、ローグハンターは苦笑を漏らした。

 

「あまり酒には強くないんだがな……」

 

「むっ!それは聞き捨てなりません!」

 

 ローグハンターとしてはただのぼやきなのだが、剣聖はここぞとばかりに噛みついた。

 彼の方に身を寄せながら、じっと彼の蒼い瞳をまっすぐに見つめる。

 

「剣では負けましたが、こちらでは負けませんよ!」

 

「いや、なぜそうなる」

 

 何故か鬼気迫る表情で詰め寄ってくる彼女から逃れるように上体を逸らしながら、ローグハンターはため息を吐いた。

「さあ、勝負です!」とお互いの杯に問答無用で二杯目を注いだ剣聖は、ぐびっと葡萄酒をあおった。

 勝手に勝負を始められたローグハンターはまたため息を吐くと、葡萄酒の水面を眺めて一息でそれをあおる。

 口の中に広がる酒精の感覚に目を回しながら、気合いを入れて彼女に杯を突き出した。

 どうせ酒瓶が空になれば終わる勝負だ。三四杯ならどうにかなる。五杯目からは辛いだろうか。

 ともかくローグハンターは彼女の勝負を受け入れ、並々と注がれた葡萄酒を再びあおった。

 隣で不敵に笑う、剣聖の顔にも気付かずに。

 

 

 

 

 

 だが、神々が振るう骰子(さいころ)というのは何とも気紛れで、神々にすらその結果は予測出来ないのだ。

 つまり何が言いたいのかと言うと、

 

「なーにが『酒には強くない』ですかぁ!ぜんぜん、飲めてますよぉ!」

 

「何故だ……っ」

 

 本来なら結果は逆だろうに、何故か剣聖の方が先に根を上げたのだ。

 完全に酒が回った剣聖を膝上に乗せたほろ酔い状態のローグハンターは、思い切り抱きついてくる彼女に困惑している。

 きっと彼女は、彼に会いに行くための気付けと称して何杯か飲んだことを、覚えてはいまい。

 まさしく彼女の敗因はそれで、ローグハンターの勝因は無理に飲まずに自分のペースを守った事だろう。

 彼は何やらぼそぼそと呟きながら自分に抱きついてくる剣聖への対処を思慮しながら、無心になることを心がけていた。

 彼女が密着してくる度に豊かな胸が胸板で潰れ、服越しにそ柔らかさが伝わってくるのだ。

 

 ──だが、どうする。

 

 同時に彼はほぼ詰んでいるのではという答えにたどり着いた。

 こんな酔っぱらった彼女を外に放り出す事は出来ず、かといってここに泊めたら自分が無事では済まないだろう。

 彼女の連れ──つまり最愛の妹たる勇者──がここに来てくれる可能性もあるが、この現状を見たら、

 

『あはは……、お邪魔しました!』

 

 なんて、乾いた笑顔と共に颯爽と去っていくに違いない。それだけは断言出来る。

 もう一人の連れである賢者が来た場合は、絶対零度の視線を向けて無言で去っていく。これも断言出来る。

 

 ──詰んでないか……?

 

 彼は再びその答えにたどり着くと、剣聖がうーうー唸りながら彼に身を寄せた。

 

「あなたの身体、温かいですね……」

 

「そうか?」

 

「はい……」

 

 突然の言葉に首を傾げながら、ローグハンターはようやく活路を見出だして、ちょうど足元に置いてある雑嚢にを足で小突いた。

 確か毒消し(アンチドーテ)があった筈だ。それを飲ませれば彼女もある程度は回復するだろう。

 問題はどうやってそれを取るかだが──。

 

「失礼するぞ」

 

「ん……?」

 

 面倒なので素直に彼女を退かし、雑嚢に向けて手を伸ばす。

 手を突っ込んで中身を探り、水瓶を取り出すだけ。言ってしまえばそれだけで、援護さえあれば戦闘の合間にさえ出来る事だ。

 

 ──だが、この部屋に味方はおらず、いるのは飲んだくれの剣聖のみ。

 

 彼女は不機嫌そうに眉を寄せるのと、ローグハンターが毒消しを取り出したのはほぼ同時。

 

「とりあえず、これを──」

 

 彼が彼女に向けてそれを差し出そうとした瞬間、不意に口が塞がれた。

 鼻を通り抜ける強烈な酒の臭いと、目の前にある剣聖の顔、そして唇に感じる柔らかさに困惑しつつ、彼はぽとりとベッドの上に毒消しの水瓶を落とした。

 ベッドの柔らかさに受け止められ、水瓶が割れる事はなかったが、彼にとって問題はそこではない。

 彼は数度瞬きを繰り返すと、剣聖は顔を離した。

 

「ふふ。私の初めてです」

 

「──」

 

 

 勝ち誇ったように笑う彼女の顔を見つめ、更にローグハンターは困惑を強めた。

 彼の反応がいまいちだったからか、剣聖は悔しそうに唸ると、次なる一手を打った。

 彼が困惑から回復する前に、勝負を仕掛けたのだ。

 彼女は今出せる全力をもって彼の身体に飛びかかり、そのままベッドに押し倒し、その勢いのまま馬乗りとなる。

「うお!?」と驚く彼をそのままに、剣聖は倒れた彼の顔を見下ろしながら、妖艶な笑みを浮かべた。

 

「ど、どうかしたのか……?」

 

 見たこともない──そもそもあまり付き合いがないのだが──彼女の表情に、ローグハンターは僅かながら恐怖を抱きながら問うと、剣聖は彼の頬に触れた。

 

「私の初めて、もう一つあげます」

 

 微笑みながらそう告げた彼女は自身の服に手をかけて、それを脱ぎ捨てた。

 鍛え抜かれ、贅肉とは無縁の肉体を持ちながら、胸には確かな存在感を示すたわわな果実が二つ。

 

「……!?」

 

 突然下着姿になった剣聖の姿に驚きながらも、彼は彼女の完成された肉体に魅入っていた。

 整った顔立ちは言わずもがな、普段なら凛とした瞳は酒の力で僅かに蕩け、肉体は僅かに火照ったように赤い。

 手足は戦うための肉体と言わんばかりに筋肉質だが、どこか柔らかそうな印象を受け、それは割れた腹筋も同じ。

 豊かな胸とは対象的に、腰はコルセット要らずに引き締まり、身体を支えている臀部は柔らかに形を歪めている。

 ローグハンターは訳もわからずに生唾を飲むと、剣聖は扇情的な笑みを浮かべ、彼の視線を誘導するように自身の身体を撫でた。

 豊かな胸をから始まり、腹筋、臍、そして熱を帯び始めた下腹部を撫で、次いで彼の股関へと手を伸ばす。

 

「ふふ」

 

 そこに触れたと同時に、剣聖は思わず笑みをこぼした。

 彼のズボンを押し上げる確かな膨らみは、彼が少なからず興奮してくれている証拠だ。

 

「あなたも、脱いでください」

 

 なんなら、脱がせますよ?と我慢出来ない様子で彼女が続けると、ローグハンターは僅かに目を逸らした。

 かつて来たりし者(外から来た神もどき)との戦いで見せられた──体験させられたと言うべきか──記憶の中で、これと似たような状況になっていた記憶があった。

 不本意ではあるが、その記憶を幾らか利用することで、現状を打破出来るかもしれない。

 彼は彼女に気付かれないように目を閉じると、小さく息を吐いて『隔世状態』へと移行。

 蒼い瞳が金色に染まり、全身の感覚が尖鋭化していくのがわかる。

 彼はゆっくりと目を開き、彼女を見つめながら一度頷いた。

 同時に自身の服に手をかけて、さっさと脱ぎ捨てる。

 これは彼自身自覚がないことだが、彼もそれなりに酔っている。

 普段の彼なら誘いに乗らず、どうにか説得を試みるのだろうが、酔いは彼から正常な思考を奪い、本能の部分を覗かせているのだ。

 

 

 

 

 

「んっ、ちゅ……。ふっ、んぁ……」

 

 同じく下着姿になったローグハンターにベッドに倒された剣聖は、彼の口付けを受け入れていた。

 お互いの唇を啄むような交わりから始まったそれは、既に次の段階へと進んでいた。

 剣聖の口内に侵入を果たしたローグハンターの舌は、優しく愛撫するように彼女の舌に絡み付き、僅かに残る酒の残り香を味わうように口内を這い回る。

 

「ふっ、あっ。んんっ……」

 

 彼の舌が這う度にピクピクと身体を震わせ、隙間から息を漏らしながら、剣聖は蕩けた瞳に彼を映した。

 頬は高揚したように朱色に染まっているが、その瞳は真剣そのもので、その視線に剣聖は背筋を震わせた。

 彼の体温を感じるだけで下腹部が疼き、何かが燻っているかのように熱が溜まっていく。

 

「んっ。んん……」

 

 彼に口内を愛撫されながら、彼女はもじもじと身体をくねらせ、内股気味になった太ももを擦り合わせる。

 何かはわからないが、何かが欲しくて堪らないのだ。その何かは、目の前の彼が持っていることだけは何故かわかる。

 そんなただですら意識が曖昧になっているにも関わらず、そうした思考に意識を傾けた為か、彼女は彼の手が動いている事に気が付かなかった。

 

「ん!?」

 

 彼の指が股関に入り込み、ショーツ越しに僅かに湿った秘裂を撫でると、剣聖は驚いたように目を見開き、身体を震わせた。

 彼は優しく撫でるように指を這わせると、ビリビリと痺れるような感覚が脳に伝わり、彼女の思考を更に蕩けさせていく。

 布の擦れる音に混ざりくちゅくちゅと湿った音が漏れ始めると、ローグハンターは一度彼女の唇を解放した。

 

「ふぁ!んっ!ひぅ!んんっ!」

 

 口を解放されはしたものの、彼女は真一文字に口を継ぐんで、声が漏れないように堪えた。

 ローグハンターはショーツ越しでもそれなりの湿り気を感じられるようになると、ショーツをずらし、ぴたりと閉じた秘裂を広げ、口を開けた秘部に指を差し込んだ。

 

「んぁ!?」

 

 剣聖が胎内に感じた僅かな異物感に悲鳴をあげると、ローグハンターは彼女に優しく告げる。

 

「少し辛いだろうが、我慢してくれ」

 

 彼の言葉に剣聖が苦しげに眉を寄せながら頷くと、ローグハンターはそっと微笑んで僅かに指を奥へと押し込んだ。

 

「んぐ……っ!」

 

 隙間なく絞まっていた膣肉が指により抉じ開けられる感覚に低く唸りつつ、ふーっと深く息を吐いた。

 ローグハンターは血の巡りが悪くなるほどに締め付けてくる彼女の膣肉の感覚に目を細めると、僅かに指を曲げ、そのまま膣肉を引っ掻くようにして指を動かし始める。

 

「ひぐ!んんっ!ぐっ!」

 

 胎内を引っ掻かれる初めての感覚に、苦悶の声にも似た音を漏らしながら、剣聖はベッドのシーツを思い切り握りしめた。

 

「もう少し、我慢してくれ」

 

 彼は淡々とした口調で言うと指を更に奥まで押し込み、蠢く膣肉とはまた別の、ざらざらとした感触のある場所に軽く触れた。

 

「ひっ!」

 

 それと同時に剣聖は腰を跳ねさせながら悲鳴を漏らし、目を見開いたまま下腹部へと視線を向けた。

 彼の指は根元まで秘部に入り込み、彼女からは彼の中指が失せているかのようにさえ見えるほどだ。

 ローグハンターは彼女の頬に口付けを落とすと、耳元で「いくぞ」と囁いた。

 

「あ、待っ──」

 

 彼女は慌てて止めようとするが、もう遅い。

 彼は彼女の急所(Gスポット)を捉えた指を、虫に刺された場所を掻くように、思い切り掻き始めた。

 

「んぎっ!?んっ!んんんん!!」

 

 シーツをぎゅっと握りしめたまま、彼女は全身を駆け抜ける快感に腰を痙攣させるが、口を継ぐんで声を漏らすことはない。

 酔いが回っているとはいえ、彼女は誇り高き剣聖だ。この程度で悲鳴をあげてどうする。

 彼女は自分にそう言い聞かせるのだが、ローグハンターはそれが不満だったのか、彼女の耳元に顔を寄せ、ぼそりと呟く。

 

「我慢しなくていいんだぞ」

 

「……っ!」

 

「俺と二人きりの時くらい、女として振る舞ったらどうだ」

 

「~!」

 

 彼の声は父の声さながらに低く、理由もなく安堵を与えてくる。

「あっ、はぁ……」と不思議と頬が緩む中で、彼はゆっくりと指の動きを再開すると、剣聖は継ぐんでいた口を少しずつ緩めていき、ついに口を開いた。

 

「ひっ!ああっ!そこ、そこです!そこがいいんですっ!」

 

 かくかくと腰を揺らしながら言うと、ローグハンターは「ようやくか」と笑み混じりに指の動きを激しくさせた。

 ぐちゃぐちゃと音をたてながら膣肉を引っ掻き回してやれば、剣聖は「あっ!はひっ!」と甲高い悲鳴にも似た嬌声を漏らす。

 

「ひっ!あんっ!ひぎ!な、なんですか!?この感じは!?」

 

 度重なる快感が背筋をくすぐられるような感覚と、頭の中でバチバチと火花が散る感覚に変わり、彼女の膣肉が痙攣を始める。

 

「我慢しなくていいからな」

 

「は、はいぃ!もっと、もっとしてくださいっ!!」

 

「任せろ」

 

 剣聖としてではなく一人の女としての懇願にローグハンターは頷くと、言われた通りに指の動きを激しくさせる。

 流石に疲れてきたが、彼女の為ならこの程度苦にはならない。

 ざらざらとした膣肉を、武骨で固くなった指先で抉ってやれば、彼女の声からは更に嬌声をあげる。

 

「ひん!ぎっ!ああああああああっ!!!」

 

 彼女が一際大きな声をあげると、ついに限界を迎えた。

 足を爪先までピンと伸ばし、秘裂から透明な液体が吹き出した。

「うおお」と驚きながら指を抜くと、剣聖は「ひゃ!」と声を漏らして腰を跳ねさせた。

 その勢いで吹き出した潮が彼の顔にもかかるのだが、彼は気にした様子もなく腕で拭った。

 同時に跳ね上がった剣聖の腰がベッドに落ち、ピクピクと痙攣を繰り返す。

 

「あっ……はっ……へぁ……っ」

 

 口から気の抜けた声を漏らす彼女を見下ろしながら、ローグハンターは最大まで勃起した逸物をパンツから取り出した。

 彼がそれを彼女の下腹部に乗せると、剣聖は恍惚の表情を浮かべた。

 ローグハンターが逸物の亀頭を彼女のびちょびちょに濡れた秘裂に添えると、剣聖は何も言わずにこくりと頷いた。

 

 

 

 

 

 パンパンパンと肉同士がぶつかり合う音と、剣聖の喘ぎ声が、窓から差し込む月明かりに照らされた部屋に響いていた。

 

「あん!あっ!はん!あん!」

 

 結合部からは破瓜の血が流れているものの、彼女の表情には痛みを感じている様子はなく、むしろ快感によって朱色に染まっている。

 対するローグハンターは何かに耐えているかのように視線は険しく、腰使いに容赦がない。

 

「はひ!ひぅ!あん!ひん!」

 

 彼の腰が叩きつけられ、亀頭で子宮口を殴られる度に彼女の口から嬌声が漏れ、豊かな胸がぶるんぶるんと大きく揺れる。

 ローグハンターは左胸を片手で鷲掴むと、僅かばかり力を入れて指を蠢かせた。

 

「あひゅ!ひん!むねは、やめてぇ……っ!」

 

 彼女は秘部と胸からくる二つの快感に喘ぎながら、力の入らぬ左手で胸を掴んでくる彼の腕を掴んだ。

 ──が、本来発揮される力は五割も発揮されず、ただ掴むに留まった。

 故にローグハンターは気にも止めず、ふにふにと彼女の胸を揉みしだく。

 それに留まらず、彼の指はピンと勃った桃色の乳首にまで伸び、そこを思い切り摘まんだ。

 

「ひん!あん!いいですぅ!むねも、おなかのなかも、きもちいいっ!!」

 

 乳首を指の腹で転がされ、子宮口に亀頭を押し付けられた彼女は、ピクピクと身体を痙攣させながら「ひぎ!いいっ!」と理性が失せ始めた声を漏らす。

 

「あっ!ひん!ふぁっ!また、きます!さっきの、きますぅ!」

 

「俺もそろそろ限界だな……っ」

 

「んぁ!このまま、くださいっ!ぜんぶ、なかにぃ!」

 

 彼女は感情のままに叫ぶと彼の腰に両足を絡め、思い切り引き寄せた。

 ぐちゅ!と湿った音をたて、抜けかけた彼の逸物が再び子宮を殴り付け、剣聖は「んぉおっ!」と野太い声を漏らす。

 

「本当に良いのか!?」

 

 絶頂が近づいたからか、再び痙攣を始めた膣肉に逸物を扱かれながら、ローグハンターは唸るようにそう問うた。

 彼とて限界は近い。気を抜けば、溜まっているものを吐き出してしまう。

 膣内(なか)に射精(だ)すとなると、それは下手をすれば子供が出来るというわけで──。

 

「いいんですっ!わたし、あなたの子供が、ほしいっ!」

 

 一瞬とはいえ迷いを見せたローグハンターに、剣聖はそう告げた。

 言われた彼は目を見開いて驚きを露にするが、諦めたようにため息を吐いた。

 

「わかった。全部、射精(だ)してやる」

 

 彼はそう告げて、彼女の唇を奪った。

 同時に彼の逸物は限界を迎え、抑え込まれていた精液を吐き出した。

 

「んんっ!んーっ!!!!」

 

 彼にキスをされたまま、子宮に精液を注ぎ込まれた剣聖は、それを引き金にして絶頂を迎えた。

 がくがくと腰を揺らし、痙攣する膣肉が彼の逸物を扱きあげる。

 尿道に残された精液さえも絞り出され、さらなる射精を誘うように蠢く膣肉の感覚にローグハンターは小さく唸ると、我慢を辞めて全てを注ぎ込む覚悟を決める。

 

「んぐ!んんっ!んーっ!んご!?」

 

 ローグハンターは少々無理をしながら更に腰を突き出すと、逸物が彼女の子宮を押し潰し、同時に追加の精液を注ぎ込む。

 

「んんっ!んぉ!んぐ!んっ!」

 

 同時に再びの絶頂を迎えた剣聖は、胎内に染み渡る熱と、口内を支配する彼の温もりに背筋を揺るわせ、両腕を彼の首に回した。

 

「んっ!ちゅ!んぎっ!んんんっ!!」

 

 彼の舌に自身の舌を絡めながら、最後の一滴まで絞り出さんと、下腹部に力を入れて彼の逸物を締め付けた。

「ぐっ」とローグハンターが彼女にキスをしたまま唸ると、彼は文字通り溜まっていた精液の最後の一滴を鈴口から吐き出した。

 同時に彼女から顔を離したローグハンターはそのまま彼女を貫いていた逸物を抜き、萎えた己の分身と、逆流した精液を吐き出している秘裂に目を向けた。

 異常に精液を注がれた彼女の下腹部はぽこりと膨らみ、妊婦まではいかなくとも何だが違和感を禁じ得ない。

 

「んぇ、あっ!これで、こども、できます、かね……?」

 

 絶頂の余韻に身体を痙攣させ、はぁはぁと乱れた呼吸のまま剣聖が問うと、ローグハンターはぜぇぜぇと喘ぎながら、「どうだろうな」と苦笑混じりに返し、脱力したままにベッドに寝転んだ。

 二人の呼吸音のみが支配する室内で、ローグハンターはふと思い出したように彼女に問うた。

 

「そういえば、お前酔いは──」

 

 そこまで言いかけて、彼は呆れたように口を閉じた。

 剣聖は情事を終えた体勢のまま眠りに落ちたようで、すやすやと寝息をたてているのだ。

 彼はため息を吐くとごろりと寝返りをうち、天井を見上げながら目を閉じた。

 思いのほか疲労が溜まっていた身体はすぐさま睡眠の体勢に入り、彼からも静かな寝息がたち始める。

 残ったのは部屋に残る淫行の残り香と、いつしか重なった二人の寝息のみだ。

 

 

 

 

 

 翌朝、同室。

 ローグハンターと剣聖の二人はベッドの上に座り込み、何やら真剣な面持ちとなっていた。

 酒の力を借りてしまったとはいえ、諸々と行程を飛ばして行為に及んだのだ。肝心の事を確認しなければならないだろう。

 

「──で、なぜ、あんなことを?」

 

 少々照れ臭そうにローグハンターが問うと、剣聖もまた恥ずかしそうに頬を掻きながら答えた。

 

「私は強い子が欲しいんです。私も剣士の端くれですから、我が子には強くなって欲しい」

 

「それが、なぜ昨日のあれに繋がる」

 

 彼女の言葉を受け止めたローグハンターが素早く切り返すと、剣聖はもじもじと身体をくねらせながら呟いた。

 

「強い子を産むためには強い父親をと、私よりも強い殿方を探していたのですが、中々見つからず……」

 

「ようやく見つけたのが、俺か」

 

 ローグハンターの確認に剣聖は「はい」と照れたように笑いながら頷くと、表情を引き締めて改まったような口調で彼に問う。

 

「順序が逆になってしまいましたが、私と、お付き合いをしてはくれませんか……?」

 

 普段の凛とした調子が続いたのは、ものの数コンマ秒。

 徐々に不安そうな顔になった彼女は恐る恐ると言った様子で問うと、ローグハンターはため息を吐き、ぼりぼりと頭を掻いた。

 

「別に、探せば俺よりも強いやつはいると思うぞ?」

 

「いえ、あなたがいいんです!」

 

 ローグハンターが何となく発した言葉に剣聖は鋭く返し、彼の手を取り、ずいっと身体を乗り出す。

 

「その、これは内密にして欲しいのですが」

 

「おう」

 

 急に普段の迫力を取り戻した剣聖に驚きながら頷くと、剣聖はぎゅっと彼の手を握りながら言う。

 

「辺境の街でお会いした時、私に不意打ちをしましたよね」

 

「そんなこともあったな」

 

 彼女が言ったのは収穫祭前夜の出来事。ゴブリンスレイヤーを不審者として問い詰めた彼女に、ローグハンターが襲いかかった時の事だ。

 彼女は頬を赤く染めながら、彼へと告げる。

 

「あの時から、何だが気になってしまいまして……」

 

「……」

 

 彼女の告白にローグハンターは思わず言葉を失い、再びため息を吐いた。

 そして諦めたように頷くと、彼女の手を握り返す。

 

「わかった。俺なんかでよければ、よろしく頼む」

 

「はい!よろしくお願いしますっ!」

 

 後の世において、四方世界最強夫婦とまで呼ばれた二人は、こうして一歩を踏み出したのだ。

 ローグハンターの妹であり、剣聖の属する一党の頭目である、勇者の確認を取ることもなく──。

 

 




感想等ありましたら、よろしくお願いします。

次回は女魔術師を予定。
一票でも入ったなら、書くしかないでしょ!
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