※この作品はR-18です。

SLAYER'S CREED +α R-18   作:EGO

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リクエストから。
ヒロインは妖精弓手。何だかんだで初登場。

時期的にはエピローグ後。最終決戦に付き合ったんだからという理由で、ローグハンターを冒険に連れ出したはいいものの……?

ローグハンターは独身です。



Memory?? 出られない部屋

 四方世界のどこか。名もない山の中腹に突如として洗われる洞窟の中を、二つの人影が進んでいた。

 掲げたられた松明に照らされ、不気味に揺れる影は、大きなものと小さなものが一つずつ。

 松明片手に石畳の洞窟──正確には遺跡だ──を進むローグハンターは、ちらりと上機嫌そうに隣を歩く妖精弓手を見つめ、彼女に気付かれないように抑えたため息を漏らした。

 自分の戦いに彼女を──正確には彼女をはじめとした冒険者たちを──巻き込んだのだから、彼女に報酬を払うのは当然のこと。

 かねてより言っていた、彼女が言う「冒険」に連れ出されるのは当然の事だ。

 

「ちょっと、あんた」

 

 一人ボケッと考え事をしていたのが気付かれたのか、妖精弓手が平たい胸を張りながら、ローグハンターの顔を見上げる。

 

「せっかく冒険に来たのよ!もっとこう、目を輝かせたらどうなの?!」

 

 松明に照らされて浮かび上がる、遺跡の壁に描かれた太古の壁画を指差しながら言うが、ローグハンターは僅かに目を細めて「そうだな」と呟く程度。

 彼とて興味がないわけではないのだが、如何せん暗すぎてよく見えない。タカの眼を使ってもいいが、それでは肝心の壁画が見えなくなってしまうのだ。

 だからこそ、彼は少々残念そうにため息を吐いた。

 

「……よく見えん」

 

 彼はそう言いながら壁に手を触れ、優しく撫でた。

 どんなに美しい絵画も、時の流れに呑まれればぼろぼろに風化し、撫でただけで剥がれて床に落ちてしまう。

 これでは全容がわからず、修復するにも限度があるだろう。

 

「只人って、ホントに不便よね……」

 

 そんな事を考えていた彼の隣で、じっと眼を凝らして壁を睨む妖精弓手はそう呟き、ローグハンターの脇腹を小突く。

 

「ほら、もっと奥に行きましょ?何かあるかもしれないし」

 

「そうだな」

 

 ローグハンターは彼女の提案に頷くと、雑嚢に手を入れて替えの松明を取り出し、炎を移す。

 かつては様々な人が訪れ、神々に祈りを捧げていたであろう場所も、何らかの理由で棄てられた挙げ句、忘れ去られてしまえば、後世の冒険者たちが挑む遺跡に早変わりだ。

 松明片手に先導するローグハンターを背を見つめながら、妖精弓手は足元に落ちていた古い金貨を拾い上げ、じっとその柄を睨み付けた。

 こんな場所ではあるが、顔も知らない誰かがいた証だ。

 何かしら持ち帰り、然るべき手順で調べれば、ここがいつの時代に使われたものか、いつ頃棄てられたのかがわかるというものだ。

 まあ錆や歪みが酷く、まともに見られたものではない。

 早々に諦めた妖精弓手はそれを懐にしまい、小走りでローグハンターを背を追いかけた。

 二人が見ていた壁画が、何やら絡み合う二人の男女の絵であることには、気付くこともなかった。

 

 

 

 

 

 やれ隠し部屋がないか、やれ宝箱はないかと騒ぎながら、二人はようやく遺跡の最深部へとたどり着いた。

 石材の壁で円形に囲まれた部屋の壁には、等間隔に焚き火用の台が並び、燃えかすを通り越して灰となったものが山になっている。

 

「ここで終わり、みたいね」

 

「そう、みたいだな……」

 

 妖精弓手がその灰の山を手で掬いながら言うと、ローグハンターはタカの眼を発動して隠し通路がないことを確認し、彼女の言葉に頷いた。

 

「で、あれが宝箱か」

 

 彼が手で示した先にあるのは部屋の中央に置かれた長持だけで、それだけが目標を示す金色の輝きを放っている。

「みたいねぇ」と何だか期待はずれだと言わんばかりの声音で返した妖精弓手は、手についた灰を払いながら長持の方へと歩み寄り、片膝をついた。

 そのまま蓋の隙間を調べたり、ぐるぐると回って長持そのものに何かないかを確かめる。

 

「本職は俺なんだが」

 

「いいじゃない!こんな暗いんだし、手元だって見えないでしょ?」

 

「見えなくはないがな……」

 

 彼女の言葉に肩を竦めたローグハンターは、彼女の隣に片膝をつき、弄くっている鍵穴に目を向けた。

「ふんふんふ~ん♪」と余裕の鼻唄が漏れている辺り、それなりに気を抜いているのだろう。

 いつもなら注意するところだが、タカの眼で透視しても、宝箱に何かが仕掛けられている様子はない。

 失敗しても、命に関わるような事態にはならないだろう。

 

「よし、開いたわよ」

 

 むしろ心配なのは壁や天井の方だと、ローグハンターが周囲を警戒していると、妖精弓手が嬉しそうに長耳を上下に揺らしながらそう告げて、さっさと開けてしまう。

「おい……」と少々の不満を込めてローグハンターが声をかけるが、当の彼女は気にした様子を見せずに中身を覗きこんだ。

 

「……あれ?」

 

 瞬間、何やら驚いた様子で声を漏らし、揺れていた長耳が動きを止めた。

 

「どうした」

 

「あれ~、私たちが一番乗りだと思ったんだけどなぁ」

 

 ローグハンターの問いかけを無視し、残念そうに肩をすくめた妖精弓手は、更に身を乗り出しながら「二重底かしら?」と呟き、長持の底に手を触れた。

 

「空だったのか」

 

 そんな彼女の背中を見つめながらローグハンターは苦笑すると、「外れだな」と本音を漏らして立ち上がった。

 何もないならさっさと帰り、次の依頼に備えなければならない。

 

「ちょっと待って!ここに何か──」

 

 長持に背を向けて部屋を出ようとする彼を他所に、長持の底に何かがあることに気付いた妖精弓手が、恐る恐るそれに触れた。

 その瞬間、それはがこん!と音をたてて沈むと、妖精弓手は「へ……?」と間の抜けた声を漏らした。

 直後、部屋全体が揺れ始め、天井にこびりついていた埃や、天井が欠けたのか、ぱらぱらと音をたてて小石が降り注ぐ。

 

「わわわ!?な、何事!?」

 

「それは俺の台詞だ!何をした!?」

 

 突然の揺れに慌てる妖精弓手に向けて、床に両手足をついて踏ん張るローグハンターが怒鳴り付けた。

 地震かとも思ったが、あまりにもタイミングが悪い。背後から異質な音がした直後だ。

 持ち前の平衡感覚で揺れに耐える妖精弓手は、床に這いつくばって耐えているローグハンターに目を向け、更にその奥にある部屋の入り口に目を向けた。

 

「な!?入り口が!」

 

「今度はなんだ!?──っ!」

 

 彼女が指を差してそちらを示すと、ローグハンターは弾かれるようにそちらに目を向け、有らん限りに目を見開いた。

 部屋の入り口の方から石同士が擦れる音が聞こえてきたかと思えば、さながらシャッターのように薄い石材が、入り口を塞ぐように降りてきているのだ。

 

「「っ!」」

 

 それに気付いた二人は慌てて走り出すが、時既に遅く、重々しい音をたててシャッターは降りきってしまう。

 

「「──」」

 

 突然の事態に二人の思考が停止すると、今度は壁に並んでいた焚き火台に術的な青白い炎が灯り、薄暗かった部屋を照らし出す。

 突然の明るさに目を覆った二人だが、すぐに持ち直して辺りを警戒し、周囲の壁から天井、床にいたる全てを警戒する。

 部屋に閉じ込めたのだ。魔物(ボス)が出てきても不思議ではない。

 二分か、三分か、二人は呼吸音さえも限界まで押し殺して神経を研ぎ澄まし、明るくなった部屋を警戒する。

 

「……何も来ないわね」

 

「そのようだな」

 

 妖精弓手が辺りを警戒しながら言うと、ローグハンターも同じように辺りを見渡した。

 炎が灯った以外に何の変化もない、石造りで無機質な部屋があるばかりだ。

 

「そろそろ、どうやったら出られるかを考えるか」

 

「……そうね」

 

 ローグハンターの提案に妖精弓手は頷き、構えていた大弓を背中に担ぎ、代わりに黒曜石の短刀を抜いた。

 それを合図にローグハンターはタカの眼を発動し、何か手掛かりを探して部屋を見渡した。

 床にはなにもなく、天井にもなにもなく、壁には──、

 

「……ん?」

 

「どうかした?」

 

 何かが書かれている事に気づいて思わず声を漏らすと、自慢の長耳でそれを聞き取った妖精弓手はすかさず反応を示す。

「いや」と首を傾げたローグハンターは、「でもな」と呟いてその文字に近付いた。

 つられて妖精弓手もそこに近づけば、彼は塞がった入り口の脇にある看板のようなものに手を触れて、そこにこびりついた苔や埃を乱暴に払い始めた。

 そうして隠された文字が浮かび上がり、二人が覗きこむと、そこに書かれていたのは──。

 

『SEXしないと出られない部屋』

 

 だった。複雑な言語の上には、ご丁寧に子供にでも読めるようにふりがなまで振ってある。

 

「「………」」

 

 二人は意味を理解できずに数度瞬きを繰り返すと、顔を見合わせ、再び看板に目を向ける。

 

『SEXしないと出られない部屋』

 

 だが何度見ても意味は変わらず、書かれているのはその一文のみだ。

 二人は再び顔を見合わせて数度瞬きすると、思い切り息を吸い込み、「「畜生が(ガイギャックス)!!」」と口を揃えて叫んだ。

 部屋中に反響する二人の声に混ざり、この部屋に入ってしまった哀れな二人を、嘲笑うかのような嗤い声が聞こえた。そんな気がした。

 

 

 

 

 

「神々の都合通りになってやるものか。運命は自分で決めるものだ」

 

「そ、その通りよ!絶対に脱出する手がある筈だわ!」

 

 あの看板を見つけてしまえば後は早い。

 あの条件以外の手を使い、何がなんでも出ていってやろうと二人の意識が共有されたのだ。

 ならばどうするか。そんなものは決まっている。シャッターを破ればいい。

 とりあえず雑嚢に入っていた手投げ弾(グレネード)を取り出し、それを分解して火の秘薬(かやく)を取り出すと、シャッターの下にそれを撒いていく。

 そして導火線代わりにするため松明の油布を取り外し、それを伸ばしていく。

「爆破する!」と叫べは妖精弓手は耳を塞ぎ、ローグハンターも身体を丸めて対衝撃体勢を取る。

 そして両手首のアサシンブレードを抜刀し、それを擦り合わせて火をつけた。

 火は油布を伝ってシャッターの方まで駆けていき、爆音を響かせて火の秘薬(かやく)を弾けさせた。

 耳をつんざく音が鼓膜と部屋を揺らし、衝撃が全身を殴り付ける。

 

「どうだ!?」

 

 ローグハンターが期待を込めてシャッターの方に目を向けるが、そこには多少焦げただけのシャッターがあった。

 隠す気もなく舌打ちを漏らすと、妖精弓手が耳を押さえながら彼の隣に戻ってくる。

 

「こっちも駄目ね」

 

 壁に隠し通路がないかと探し回っていた妖精弓手が戻ってくると、上の森人特有の優雅さをもって肩を竦めながらそう告げた。

 

「隠し通路はなし。天井にも何にもないわ」

 

「畜生(ガイギャックス)」

 

 彼女の報告に吐き捨てたローグハンターは、ついに痺れを切らして隔世状態を発動し、金色の双眸でシャッターを睨み付けた。

 そのまま迫力を込めた歩みでシャッターに近寄った彼は、ゆっくりと握り拳を置き、「ハッ!」と気合い一閃と共に渾身の力を叩きつけた。

 ローグハンター渾身の発勁(はっけい)。上級の悪魔すら即死させる一撃を受けたシャッターは、

 

「……嘘だろ」

 

 びくともせずにそこに鎮座していた。

 ローグハンターは間の抜けた表情で、数瞬の間思考を停止させると、息を整えて集中し、シャッターに挑んだ。

 ガンガンとシャッターを殴り付ける音を聞きながら、妖精弓手は休憩がてら壁に寄りかかって座り込み、深々とため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 それから数十分ほど経った室内。

 ぜぇぜぇと息を切らしたローグハンターが、妖精弓手の隣に座り込み、乱暴に頭を掻いた。

 

「ああ、くそ……!限界だ……」

 

 そう悪態をついた彼の瞳は蒼くなり、額には玉のような汗が浮かんでいる。

 気を利かせた妖精弓手が懐から取り出した手拭いで彼の額を拭ってやり、「はい」と水袋を差し出した。

 それを受け取ったローグハンターは水を一口あおるとホッと息を吐き、申し訳なさそうに彼女に告げた。

 

「物理も、魔術も駄目。完全に手詰まりだ」

 

「そう。まあ、あんたの様子を見ればわかるわ」

 

 彼の言葉に何てことのないように笑った妖精弓手は、ちらりと汗の滲んだ彼の横顔を眺め、赤面しなが、もじもじと爪先を擦り合わせた。

 

「ね、ねぇ……?」

 

「なんだ」

 

 彼女の声に反応して振り向いたローグハンターは、目と鼻の先にある彼女の顔に驚き、僅かに身体を仰け反らせた。

 

「ど、どうかしたのか……?」

 

 ローグハンターが首を傾げると、妖精弓手が両手の人差し指を弄りながら問いかけた。

 

「私じゃ、嫌……?」

 

「──」

 

 突然の発言に言葉を失ったローグハンターに向けて、妖精弓手は更に言葉を投げ掛けた。

 

「その、あんたに無理してほしくないし、そもそも無理言って連れ出したは私だし、挙げ句に失敗したのは私だし……」

 

 彼女は申し訳なさそうに長耳をしおらせながら言うと、覚悟を決めたように表情を引き締めて彼に告げる。

 

「私が責任をとるわ。あんたが良ければ、だけど……」

 

 少々自信なさそうに自分の身体を見つめた妖精弓手が、「駄目?」と見上げるという都合上上目遣いになりながら問うと、ローグハンターは困り顔になりながら頬を掻いた。

 正直言えば隔世状態での攻撃の連続で疲労は溜まっているし、魔術も使いすぎで再使用にはかなりの時間がかかる。

 完全回復しても出られる保証はなく、食料や水分も心許ない。出られるのなら、早めに出るに限るだろう。

 ローグハンターは疲労の溜まった頭で様々な事を考えていくが、結局のところ手詰まりということに気付くのみ。

 諦めたようにため息を吐いたローグハンターは、変わらず覚悟を決めた──ように見えてどこか期待した──表情を浮かべる妖精弓手に目を向け、「いいのか?」と問いかけた。

 

「それは2000年守ってきた貞操をあなたに捧げること?それともこんな埃っぽい場所ですること?」

 

「俺なんかで、いいのか?」

 

 妖精弓手の確認に、ローグハンターが自嘲的な言葉で返すと、彼女は「構わないわよ」とあっけらかんとした表情で答えた。

 彼女の気遣いに目を閉じたローグハンターを他所に、妖精弓手は「ただし!」と彼の鼻先に指を突きつけた。

 

「また冒険に付き合ってもらうわよ。何年先も、何十年先も、何百年──は流石に無理があるわね」

 

 彼女が指を折って何かを数え、流石に行きすぎかと苦笑を漏らすと、ローグハンターがくつくつと喉を奥を鳴らすように笑い声を漏らし、「いくらでも付き合うよ」と声を震わせた。

 

「何なら円環(サークル)の先で生まれ変わっても、付き合うさ」

 

「それは……見つけるのが大変ね。でも、それはそれで面白そう」

 

 妖精弓手は彼の冗談か、あるいは本気の一言に苦笑を漏らすと、「なら、まずはここを出ないとね」と意気込んだ。

 

「ああ。さっさと出よう(ヤろう)」

 

 彼は開き直ったように笑いながらそう言うと、彼女の頬を撫で、そっと顔を寄せた。

 頬から伝わってくる彼の温もりに、心地良さそうに目を細めていた妖精弓手は、彼を受け入れるように目を閉じる。

 青白い炎に照らされて壁に映る二人の影が、一つになった。

 

 

 

 

 

「ちゅ……んっ……はっ……んんっ!」

 

 壁に寄りかかるように座っているローグハンターの膝の上に、彼と向き合う形で座った妖精弓手は、ひたすらに行われる彼の口付けを受け止めながら、合間合間にくすぐったそうに身体を震わせていた。

 片手で頭を押さえてキスをされるだけならいいが、もう片方の手で背中を撫でられ、時には脇腹、時にはうなじを撫でられれば、流石にくすぐったいというもの。

 

「ふっ……んん!……ちゅ!んぐ!?」

 

 声をあげようにも口が塞がれているためどうにも出来ないでいると、ローグハンターが僅かに開いていた口の隙間から舌を捩じ込み、無防備にじっとしていた彼女の舌に襲いかかる。

「ひゃ!?」と口を塞がれたまま悲鳴を漏らし、肩を跳ねさせて身体を強張らせたが、すぐに弛緩させて彼に身を任せた。

 一方的に絡んでくる彼の舌に任せ、彼の温もりと唾液の湿り気を堪能しながら目を細めた。

 だらしなく下がった長耳は先端まで真っ赤に染まり、彼の動きに合わせてピクピクと震えている。

 視界の端でそれを捉えていたローグハンターは、彼女に気付かれないように手を近づけると、指先で優しく撫でた。

 

「っ!」

 

 同時に弾かれるように身体を跳ねさせた妖精弓手は、その勢いのままに口付けを中断。愛撫するように撫でられる耳のくすぐったさに、自分の指を噛んで声を押し殺す。

 

「んっ……!ふ……っ!ひぅ……!」

 

 ピクピクと身体を震わせ、潤んだ瞳でローグハンターを見つめる妖精弓手は、「やめ、てぇ……」と蕩けた声で懇願した。

 彼女の言葉に背筋を震わせたローグハンターは昂ったように笑うと、耳から手を離し、彼女が纏っている衣装に手をかけた。

「あっ……」と声を漏らしたのも束の間、ローグハンターは少しずつ彼女の衣装を捲っていき、細く括れた腰が、柔らかな腹が、顔を覗かせる。

 恥ずかしそうに赤く染まった顔を背けた妖精弓手だが、抵抗したり抗議したりする様子はなく、彼にされるがままになることを受け入れる。

 その様子を了承と受け取ったローグハンターが更に衣装を捲り、彼女の胸が見えそうになった頃、一つの疑問が頭を過った。

 

 ──上の森人の下着はどんなものなんだ?

 

 普段ならまず見ることがなく、一生の内に見る機会すらないであろう、森人の王族の下着だ。

 人間として割りと枯れてはいるが、好奇心を失ったかと問われれば答えは否。気になるものは気になるものだ。

 そんな下らない──本人的には大真面目な──疑問を解決する為、意を決して彼女の衣装を更に持ち上げた瞬間、

 

「──」

 

 彼は言葉を失った。

 彼の反応を受けた妖精弓手は途端に自信をなくしたように顔を俯けた。

 

「や、やっぱり、おっきい方が好き……?」

 

「いや、大きさはどうでもいいんだが」

 

「だが?」

 

 彼の言葉に妖精弓手が首を傾げながら返すと、ローグハンターはそっと彼女の胸に触れた。

 

「──下着はどうした」

 

 彼の目の前にはまっ平らな彼女の胸と、ピンと勃った桃色の乳首があり、そこを隠している筈のものが、ブラジャーがないのだ。

 

「つけてないけど?」

 

 ローグハンターの問いかけに何てことのないように返した妖精弓手は、「どうしたの?」と首を傾げた。

 彼女の反応に一瞬困り顔になり、小さくため息を漏らしたローグハンターは、「いや、何でもない」と少々怒気を込めて呟いた。

 

「この話は帰ってからだ」

 

「なによ、怒ってんの?」

 

 彼の態度を茶化すように問うと、ローグハンターは蒼い瞳を細めた。

 それはさながら獲物を狙う鷹のようでいて、向けられた妖精弓手は思わず生唾を飲みこみ、一人の女として恍惚の表情を浮かべた。

 そう、ここにいるのは冷静に昂った一人の男と、本能から興奮している一人の女だ。

 

 

 

 

 

「ひゃん!あっ!はっ!はん!あっ!」

 

 入口もなく、出口もない室内に、妖精弓手の嬌声が響いていた。

 あれから瞬く間に上着を剥がされた妖精弓手は、敷き布代わりに敷かれた毛布の上で背後から抱き締められ、小さめの胸の中央で存在を主張する乳首を責められていた。

 

「ひゃ!?ひっ!あっ!はっ!はひゅ!」

 

 指の間に挟まれ、捏ねるように転がされる度に電撃のような快感が全身を駆け抜け、ズボンに隠された秘裂からは大量の愛液が分泌され、染みをつくっていく。

 

「何と言うか、随分と敏感なんだな」

 

「あひ!?あっ!はっ!はっ!はへ!ひっ!」

 

 上半身裸になり、彼女の体温を直に感じていたローグハンターが、くすぐるように耳元で囁きながら乳首を転がしてやれば、妖精弓手は快感に震えながら肺の空気を吐き出し続け、酸欠を起こしたように視界が点滅する。

 産まれてから2000年。無意識の内溜まっていた性欲が、彼女の小さな体躯では受け止めきれない快感を自ら生み出しているのだ。

 

「きひゅ!あっ!はっ!ひん!あ──」

 

 ビクビクと身体を揺らしていた妖精弓手は、突然目を見開いて身体を強張らせると、

 

「ひぎ!?ああああああああああああああ!!!」

 

 全身を痙攣させながら、絶叫した。

 ズボンの中に隠された秘裂からはぷしぷしと音をたてて潮が吹き出し、痙攣する身体に合わせてピンと勃った乳首が暴れ、彼の指の間で暴れまわる。

 

「かひゅ!ひぁ!ああああああああああ!!」

 

 その感覚すら彼女に快感を与え、休む間もなく二度目の絶頂を叩きつけられる。

 意味を持たない悲鳴をあげながら絶頂に震える彼女を見つめ、流石に危ないかとローグハンターが手を離すと、絶頂に暴れる身体を毛布の上にうつ伏せに倒し、ビクビクと身体を痙攣させる。

 

「へっ……!あっ……!ひっ……!」

 

 身体が跳ねるのに合わせて彼女の口から呻き声が漏れ、ズボンからは吸いきれなかった愛液と潮が滲み出し、毛布に落ちて点々と染みをうくる。

 ローグハンターは苦笑混じりに頬を掻き、彼女の身体を仰向けにすると、快感に歪んだ彼女の顔を数秒眺め、びちょびちょに濡れたズボンを降ろした。

 次いでショーツも降ろそうとするが、彼の視界に飛び込んできたのは──、

 

「……下も穿いてないのか」

 

 愛液と潮でぐしょぐしょになった、一糸も纏っていない彼女の下半身だった。

 ピタリと閉じた秘裂はパクパクと開閉を繰り返し、その度に愛液が吐き出される。

「無防備すぎるぞ」と不満を口にしても、彼女からの返答は熱のこもった呻き声のみ。

 ローグハンターは肩を竦めるとズボンとパンツを纏めてずらし、勃起した己の逸物を取り出した。

 切っ先を彼女の秘裂に擦り付けて、分泌された愛液と吹き出した潮を亀頭に塗りたくる。

 

「あっ……!ひぅ……!」

 

 くちゅくちゅと音をたてて擦る度に妖精弓手は身体を震わせ、小さな臀部がピクピクと跳ねる。

 ローグハンターは一度深呼吸をすると、聞こえているかは別として「いくぞ」と告げた。

 

「優しく……して……よ……?」

 

 妖精弓手がどうにか取り戻した理性を振り絞ってそう言うと、ローグハンターは「善処する」と返して目を細めた。

 そしてゆっくりと腰を前に突き出し、ピタリと閉じた膣肉を掻き分けていく。

「くっ!うぅ……!」と胎内を占める圧迫感に眉を寄せた妖精弓手と、凄まじいまでの締め付けに負けじと腰を前に前に進ませていたローグハンターだったが、亀頭が何かに触れた事を合図に腰を止めた。

 膣肉の締め付けが一際強くなり、動けないのもあるが、今触れているものが、彼女にとって大切な事だと知っているからだ。

 そんな彼の思慮に気付いてか、妖精弓手はへにゃりと力の抜けた笑みを浮かべて彼へと告げた。

 

「ここまで……来たんだからっ……、遠慮しないでよ……」

 

「──」

 

 彼女の言葉にローグハンターは言葉もなく苦笑すると、「そうだな」と呟いて表情を引き締めた。

 同時に妖精弓手が歯を食い縛ると、ローグハンターは一気に腰を突き出し、一思いに彼女の処女膜を貫いた。

「ぎっ!?」と小さく悲鳴をあげた妖精弓手は毛布を握り締め、痛みに身体を震わせた。

 

「くっ!うぅ……っ!いっ……たぃ……!」

 

 先程まで快感に蕩けていた思考が痛みにより覚醒し、途端に冷静になる。

 冒険者という職業上、痛みに慣れている妖精弓手だったが、想像を遥かに越える痛みに瞳から涙を溢れさせ、身体を強張らせた。

 

「おい、大丈夫か」

 

「大、丈夫に、見える?」

 

「見えないから訊いている」

 

 そんな彼女を見下ろしながらローグハンターは問うと、頬を伝っていく涙を指で拭ってやり、そのまま彼女の頬を撫でた。

「大丈夫になったら言ってくれ」と告げた彼は、頬を撫でていた手で彼女の胸に触れて、乳首を指で弾いた。

 

「ひん!」

 

 突然襲ってきた鋭い快感に目を剥いた彼女は甲高い嬌声を漏らす。

 そのまま指の腹で転がされれば、ビリビリと痺れるようや快感に身体を震えさせ、覚醒した思考が再び蕩けていく。

 

「あっ……はっ……ひゅ……んぁ……っ!」

 

 ピクピクと身体を跳ねさせながら嬌声を漏らしていると、そのまま口がだらしなく開いてしまい、端からは唾液が垂れ、犬のようにはぁはぁと呼吸を繰り返す。

 

「いい、わ!もう、だいじょうぶ!うご、いて……っ!」

 

 そして辛抱堪らなくなった妖精弓手が叫ぶと、ローグハンターは開いていた彼女の唇を塞ぎ、問答無用で舌を差し込んだ。

 同時に言われた通りに腰を振り始め、引き締まった彼女の膣肉を力任せに抉じ開け、掻き回す。

 下腹部が彼の逸物を型どったような一筋の膨らみができ、それが絶えず前後に動き続けているのだ。

 

「んぉ!?じゅる!んぐ!おっ!じゅるる!んんっ!ぶっ!」

 

 圧迫感は先程までと変わらない筈なのに、脳に叩きつけられる快感は先程の比ではなく、絡みついてくる舌を迎撃することも出来ずに一方的になぶられる。

 だが流石に息苦しくなったローグハンターが顔を離すと、「ぷぁ!」と可愛らしい声を漏らし、すぐに獣じみた嬌声をあげ始めた。

 

「おぁ!?あっ!はっ!あっ!ひっ!んぃいい!」

 

 どすどすと殴られるような衝撃が子宮を揺さぶり、その全てが脳に達する頃には快感へと変換され、彼女の理性を焼き尽くす。

 

「あっ!ひっ!あん!はっ!そこ、いい……っ!」

 

 少しずつ余裕が出来てきた妖精弓手は、彼の腰の動きに合わせて自分の腰を振り始め、更なる快感が彼女に襲いかかる。

 

「んぁ!?ぎっ!あっ!ひぅ!いっ!そこ、いい、のぉ!!」

 

 ビクンビクンと身体を跳ねさせながら快感に喘いでいると、不意に何かを思い付いたローグハンターが彼女の耳元に顔を寄せ、身体の動きに合わせてピクピクと震えている長耳に噛みついた。

 

「ひゅ──」

 

 突然耳を生温かいものに包まれた妖精弓手が肺の空気を吐き出すと、「まっ……だめ……」とくすぐったそうに身体を震わせながら言うが、ローグハンターは一切聞き入れた様子もなく彼女を長耳を舐め回し始めた。

 

「ひぎ!?あっ!はっ!あっ!ぎっ!だ、だめ……!そこ、だめなのにぃ……!!」

 

 はむはむと甘噛みし、飴を舐めるように舌を這わせてやれば、妖精弓手は喘ぎながら逃げようとするが、ローグハンターは片手で彼女の頭を押さえ込んで動きを封じ、腰の動きを速めながら更に耳を責める。

 

「かひゅ!?あっ!ひっ!んぉ!?おっ!お゛っ!んお゛ぉ゛!?」

 

 耳を責め始めてから膣肉が更に締め付けを強めながら、何かに耐えるように痙攣を始めれば、ローグハンターは眉を寄せながら笑みを浮かべ、一旦甘噛みを止めて彼女の耳をくすぐるように囁いた。

 

「そろそろ射精(で)そうなんだが、抜いても?」

 

 本来なら問答無用で抜けばいいものを、謎の嗜虐心が芽生えたローグハンターはそう問いかけ、彼女の返答を待った。

 そして、彼女からの返答はほとんど間を置かずに行われた。

 

「いいから!ぜんぶ、ちょうらい!もっと、もっと、きもちよくしてぇぇえええ!」

 

 叫ぶように返されたローグハンターは小さく頷くと、スパートをかけるように一気に腰の動きを速め、パンパンと音をたてて腰を打ち付ける。

 

「ひん!あっ!ひぅ!きたっ!さっきみたいに、じりじりしてきたぁ!!」

 

「くっ、おおお……!」

 

 彼女の宣言と同時にローグハンターは低く唸ると同時に腰を思い切り打ち付け、高まっていた射精感を解放した。

 どろどろの精液が彼女の子宮にぶちまけられ、その熱と精液が子宮壁を撫でる感覚に襲われた妖精弓手は、

 

「ひぎ!?ああああああああああああ!!!」

 

 絶叫と共に絶頂を迎え、結合部から潮を吹き出した。

「お゛っ……!あ゛っ……!」と野太い悲鳴を漏らしながら絶頂に震える妖精弓手をそのままに、ローグハンターは彼女の細い腰を両手で押さえ込み、一滴たりともこぼすことを許さずに精液を流し込む。

 凄まじい射精量に子宮は瞬く間に満杯になるのだが、出入口を塞がれているため、逃げ場がない精液は次々と注がれる精液に押されて子宮内を暴れまわり、彼女に断続的な快感を叩きつける。

 

「きひ──……」

 

 そんな事をしていると、妖精弓手は断末魔のように声を絞り出し、それを最後に身体を弛緩させて毛布に身体を沈めた。

 許容量を遥かに越える精液を注がれた為か、下腹部がぽこりと膨らみ、触れてみればぐにぐにと形を変える。

 ふーっと深く息を吐いたローグハンターは、ゆっくりと腰を引いて逸物を抜くと、同時に秘裂からはどろりとした精液が溢れ、彼女の尻の割れ目に添って毛布に滴り落ちていく。

 その様子を眺めていたローグハンターが乱れた呼吸を繰り返していると、何か重いもの同士が擦れる音が彼の耳に届き、倦怠感をそのままに音の主を探して部屋を見渡した。

 するとどうだろう。全力をもってしても壊れなかったシャッターが、少しずつ上がっていくではないか。

 ローグハンターはホッと息を吐くと、妖精弓手に視線を戻した。

 

「へっ……あっ……ひっ……」

 

 身体をピクピクと跳ねさせながら、絶頂の余韻に浸る彼女は、シャッターが上がったことにも気付いていない。そもそもしばらくは動けないだろう。

 

「仕方ない」

 

 そんな彼女の様子を確認したローグハンターは、とりあえず体力を回復しようと彼女の隣に寝転がり、天井を見上げた。

 何も描かれていない天井だが、とりあえず見ている分には問題ない。

 彼はため息を吐き、蒼い瞳で見ているであろう神々を睨み付ける。

 

 ──今回ばかりは恨むぞ、神々よ。

 

 

 

 

 

『もう!彼に嫌われたらどうするのさ!』

 

 そうやって怒鳴ったのは、いつも通り盤を見下ろしていた『幻想』です。

 怒ってますと言わんばかりに頬を膨らませて、目の前で懲りた様子もなく笑っている神様たちを睨み付けます。

 一時期流行った『○○するまで出られない系』のダンジョンも、ここまで酷いものはなかったと思います。

 あってもせいぜいキスをするとか、ハグをするとか、簡単なスキンシップ程度のものです。無理やり本番を求めるなんて、言語道断です。

 その意見に賛同しているのは地母神です。この神様も怒りながらこのダンジョンを用意した神様たちを前に仁王立ちしています。

 他の神様たちは楽しそうだと野次馬になり、神様によっては『やれやれ!』と煽り始める始末です。

 そんな神様たちが説教大会をしている隙に、そんなダンジョンに入り込んでしまった二人は脱出していきました。

 罠はおろか、魔物すらいないのです。自動成功、無事に脱出です。

 これを冒険といえるのでしょうか?これではまるで、ただの連れ込み宿(ラブホテル)です。

 一人彼らを眺めていた『真実』はやれやれと首を横に振って、誰も見ていない盤を見下ろします。

 さて、あの二人がその後どうなったのか、見てみましょう。

 

 

 

 

 

 数日後、辺境の街。眠る狐亭の一室。

 普段ならローグハンターの拠点として、異様なまでの静けさに包まれている筈なのだが、

 

「あん!はっ!へぅ!ひっ!あっ!」

 

 そこから、甘ったるい女性の嬌声が漏れていた。

 室内に唯一設置されたベッドの上で、ローグハンターと妖精弓手が交わっているのだ。

 二人とも表情は恍惚の色に染まり、立ち込める淫行の匂袋と、シワと染みだらけになったシーツから、長時間に渡って交わっていることは明白。

 

「はっ!ひっ!そこ、いい!もっと、もっとついてぇ!」

 

 2000年感じることのなかった異性の温もりと、凄まじいまでの快感を知ってしまった彼女は、見事にそれに嵌まってしまったのだ。

 それはローグハンターにも言えることで、思いの外相性が良かった彼女との性行に溺れ、快楽を貪っていた。

 

「ふぉ!ぎっ!あっ!ああああああああ!!」

 

「おぉ……っ!」

 

 彼女が絶頂すればローグハンターも絶頂を迎え、既に満杯になっている彼女の子宮に精液を吐き出す。

 だがそれで彼の昂りは治まらず、抜かずにそのまま次のラウンドに突入する。

 

「んぉお!?あっ!ああああああああ!!」

 

 彼女の嬌声は途絶えることを知らず、二人は快楽を貪り続ける。

 冒険に向かい、帰っては交わり、時には出先でも交わり、その頻度はもはや常軌を逸している。

 片や古き者(外界の神)の血を宿す者、片や精霊の末裔。

 世界から見ても希少な二人にとって、それは当然なのだろう。

 妖精弓手はともかく、ローグハンターの時間は有限。死ぬまでに出来る限りのことをしなければ、死ぬ直前で後悔をするというもの。

 故に二人は交わり合う。理性がどろどろに溶けてなくなる程に、二人は交わり続けた──。

 

 

 




Q 同時期(エピローグ頃)の銀髪武闘家とローグハンターを放り込んだらどうなりますか?

A 一回ヤって出口が開いてもしばらく出てこない。食料との兼ね合いもあるが、下手すれば一日二日は出てこない。

あと妖精弓手がノーブラノーパンなのは公式ですからあしからず。

感想等ありましたら、よろしくお願いします。
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