店主に茶化される原因となった出来事です。
Memory01 始まりの夜
眠る狐亭の一室。ローグハンターが拠点としているその部屋で、当の彼はベッドに押し倒されていた。
着替え中に襲われたため上半身は裸で、引き締まった彼の体と、そこに刻まれた余多の傷が月明かりに照らされて浮かび上がる。
自身に馬乗りになる銀髪武闘家は何故か上機嫌そうに鼻を鳴らし、瞳は既に蕩け始めていた。
シャツもズボンも履いておらず、ましてやブラジャーすら着けていない。今彼女が纏っているのは飾り気のないパンツのみで、程よく肉のついた太ももや、呼吸に合わせて上下に揺れる豊かな乳房が、月明かりの下に晒されている。
ローグハンターは倒れたまま苦笑混じりに肩を竦めると、彼女の銀色の瞳を覗きながら言う。
「……またか」
言われた彼女は困り顔で「えへへ……」と笑うと、「良いでしょ?」と小首を傾げて問うた。
問われた彼は小さく息を吐き、「構わないさ」と了承の意を示した。
時折ではあるが、彼女は何の脈絡もなく彼に襲いかかる事がある。
それはお互いに死にかけた大仕事の後だったり、すぐに終わる簡単な仕事の後だったり、その発作が起こるタイミングに一貫性はないが、少なくとも彼女はそれが起きたら何も考えずにローグハンターに襲いかかる。
それは彼が絶対に迎え入れてくれるという信頼の証であり、事実ローグハンターが拒むことはほぼない。
今回もまた彼は拒まず、抵抗もなく彼女に馬乗りになられているわけだ。
彼の許可を貰えた銀髪武闘家はにこりと笑うと、彼の唇に口付けを落とす。
「ちゅ……」
触れる程度の軽いキスをすると、彼の口許の傷痕にも口付けし、矛先は首もとへと向かう。
様々傷が目立つ中で、ほとんど傷がないその場所は、人間最大の急所の一つ。切られれば血が噴き出して死ぬのだから、重点的に守るのは当然の事。傷一つないのは当たり前だ。
そこを無抵抗に触らせてくれるのは、彼が全幅の信頼を寄せている証拠。
その事を嬉しく思いつつ躊躇いなく吸い付き、舌先でぺろぺろと舐めながら思い切り吸い上げた。
「っ……」
くすぐったそうに体を震わせたローグハンターの姿に、銀髪武闘家は小さく笑いつつ自らがつけた痕を見つめ、勝ち誇るように鼻を鳴らす。
傷のない場所に──すぐに消えるとは言え──傷をつけたのは、何とも悪いような気もするのだが、何故か誇らしさが勝ってしまう。
「ふふ……ふにゃ!?」
そうやって笑っていた銀髪武闘家の口から突然声が漏れ、びくりと体が跳ねた。
寝転んでいたローグハンターの腕がいつの間にか彼女の安産型の尻に伸ばされ、そのまま鷲掴んだのだ。
そのまま彼は指を動かして彼女の尻肉を揉みしだき、胸ほどではないが柔らかな感触を堪能する。
「んん……」
銀髪武闘家は下半身からくるくすぐったさに身動ぎしつつ、声を圧し殺す為に再び彼の首に噛みついた。
歯を立てない甘噛みではあり、その程度でローグハンターが止まるかと問われれば答えは否。
むしろ口を塞ぐ必要が消えた為、彼はもう少し大胆な事をし始める。
尻を揉んでいた手をショーツの中に入り込ませ、そのまま割れ目をなぞるように撫で始めたのだ。
「っ」
赤面した彼女は力を入れて体を固めるが、ローグハンターは気にしない。どうせ後で力が入らなくなるのだ。
尻の割れ目を通りすぎれば、次にたどり着くのは彼女の秘裂。昔に比べて柔らかくなったその場所に触れてみると、くちゅりと湿った音が漏れ、彼の指を何かが濡らした。
ローグハンターはフッと小さく笑うと、真っ赤になった彼女の耳元で「期待してたのか?」と囁いた。
「~!」
耳元で囁された彼女は背筋を震わせながら、けれど否定の言葉は吐かずに首もとを僅かに歯を立てて一噛み。
「ちょっと痛いぞ」と若干棒読みになりながら苦言を呈するが、彼女を振り払わない辺り、とてつもなく彼女には甘いのだろう。
ローグハンターは声には出さずに苦笑を漏らすと、秘裂を撫でていた指に意識を傾けた。
優しく撫でる程度の手付きだったものを、さらに積極的なものへと切り替えるのだ。
くちゅくちゅとわざとらしく音をたてながら指を這わせ、ぴくぴくと体を震わせる彼女の反応を楽しみつつ、さらに次の段階へと進む。
器用に人差し指と薬指で秘裂を開き、中指を秘部へと差し込んだ。
湿っていたおかげか、抵抗もなくするりと胎内に潜り込んだ中指に膣肉が吸い付き、くすぐるように蠢き始める。
「ひぅ……!」
僅かに感じる異物感に声を漏らした銀髪武闘家の髪を梳いてやりながら、ローグハンターは「動かすぞ」と告げ、返事を待たずに中指を前後に動かし、出し入れを始めた。
「ひっ、ふっ、んん……」
中指の動きに合わせ、銀髪武闘家からの口から悩ましげな声が漏れ、物欲しそうに腰が揺れ始める。
くちゅりくちゅりと鳴る水音と、時折漏れる彼女の吐息のみが室内で起こる音で、ローグハンターは持ち前の
「んっひゅ、くっ」
ゆっくりと、彼女に傷をつけないように優しく撫でる彼の指先が出入りを繰り返し、彼女に緩い快感を与えていく。
けれどそれでは満足出来ないのか、彼女は「もっと……」と声を漏らし、出し入れを続ける彼の手を掴んだ。
ほとんど力の入っていないそれは、彼の動きを制限するには意味をなさないが、彼は彼女の意図を察してか動きを止め、中指に続いて薬指を彼女の秘裂へと差し込む。
体をびくりと跳ねさせるだけで声は我慢した彼女の背を撫でながら、今度は前後させるのではなく、指を曲げて膣肉を掻いてやる。
ぐちゃぐちゃと先程とは違う音が漏れ始めると、彼女の反応もまた変わり始めた。
「んっ。あっ、くぅ……っ」
口をつぐんで声が出ないように我慢しつつ腰を浮かせ、もっと気持ちが良い場所を掻いてもらおうと腰を左右に揺らし始める。
そして、その時はすぐに訪れた。
ローグハンターの指が膣内でざらつく部分に届き、そこを思い切り掻きあげたのだ。
「くひん──っ!!」
彼女が目を見開いて体を跳ねさせた瞬間、空いている手で彼女の頭を捕まえたローグハンターが、素早く口付けすることで口を塞いだのだ。
同時に彼女の
「ん──っ!!っ──!んん──……!?」
吐き出される喘ぎ声は全てローグハンターに飲み込まれ、いくら腰が暴れても彼の手が離れることはない。
「あまり暴れるな、怪我するぞ」
「ちゅっ!まへ──!イっ……!」
彼が喋った為、僅かに彼女の声が漏れ出たが、ローグハンターはさらに深く口付けをすることで更なる発言を封じる。
「ん!?んん……!ふっ……!」
口で呼吸が出来ない為か、鼻で荒々しく息を吐きながら、脳内で弾ける火花で視界を点滅させながら、彼女は突っ込まれた彼の舌に自らの舌を絡めた。
「ちゅ!れろ、べろ!ぷはっ!くる、きちゃう!」
不意に彼の口付けから解放された彼女は、回らない呂律もそのままに、蕩けた瞳を彼へと向けた。
彼女の言葉を表すように、指に吸い付いていた膣肉が痙攣を始め、耐えていた何かを爆発させようとしていた。
ぐちゃぐちゃと先程より激しく水音をたてながら、彼の指はようやく見つけた彼女の弱点を責め続ける。
「イクッ!イッちゃ──」
彼女が絶頂を迎えようとした瞬間、彼の指が止まった。
「……ふぇ」と来る快感に備えていた彼女は気の抜けた声を漏らしてローグハンターの顔を見ると、彼は何やらしてやったりという悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「な、なんで……」と腰を揺らしながら問うと、その答えはすぐに知れた。
パンツを押し上げた彼の怒張が、自らの秘裂を撫でたからだ。
それだけで答えを察した彼女は更に瞳を蕩けさせながら、お預けをくらった秘裂からは、期待からか愛液を分泌させた。
ローグハンターは自らに覆い被さる銀髪武闘家の肩を掴むと脇に転がし、今度は自らが覆い被さるように彼女の上へ。
びちょびちょに濡れる彼女の秘裂に亀頭を添え、ちらりと彼女の顔に目を向けた。
「いいよ、来て……」
潤んだ瞳に彼を映した銀髪武闘家は、両腕をローグハンターの首に絡めながら頷いた。
彼は一度深呼吸すると、一気に腰を押し出した。
愛液のおかげか途中で止まることなく、閉じていた膣肉を掻き分け、かりで引っ掻きながら、亀頭が子宮口とぶつかった。
「っ!きったぁ……」
同時に小さな絶頂を感じながら、彼女は熱のこもった息を吐き、両足で彼の腰を押さえ込む。
イった為か小さく痙攣する膣肉が与えてくる快感に耐えながら、ローグハンターは「動くぞ……っ」と唸るように声を絞り出した。
「ま、待って。キス、キスしてっ」
銀髪武闘家は体を震わせながら言うと、彼は返事をなく彼女の唇を奪った。
「ちゅ、ふっ、れ、んん……」
唇が触れあう程度のものだったが、銀髪武闘家が誘うように口を開いた事を合図に、ローグハンターの舌が彼女の口内へと差し込まれた。
同時に彼の腰が動き始め、ずりゅずりゅと音をたてながら彼女の膣内を暴れまわる。
「んっ!じゅる、れろ!ひんっ!ん、んんん!じゅるる!」
上からも下からも湿った音を鳴らしながら、銀髪武闘家の喘ぎ声は限りなく小さなもの。
パンパンと肉同士のぶつかる音を小耳に挟みつつ、ローグハンターは更に腰の動きを激しくし始めた。
パンパンパンパン!と鋭い音を響かせながら腰が叩きつけられ、鋭いかりにGスポットを抉られる度に体が跳ね上がり、小さく絶頂を繰り返すが、それでも意識を繋ぎ止めて彼が与えてくる快楽を享受する。
「んん!──っ!ぶあ!?」
だが体は予想を反して暴れまわり、首を振ってキスを中断させてしまう。
突然自由になった口から音が漏れ、変わらず体の芯に叩きつけられる怒張の勢いに肺の空気が押し出されて、「かっ、はっ!」と小さく声を漏らした。
「んぎ!あぐ!いい、きもちいいのぉ!!」
押さえるものがなくなった彼女の口から特大の喘ぎ声が漏れると、ローグハンターが動いたのはほぼ同時。
彼女の後頭部に手を添えると体を沈め、彼女の口を自身の肩に押し当てたのだ。
ちゅ!と彼の肩に口付けを落とした銀髪武闘家は「んー!んんん!んん!?」とこもった喘ぎ声を彼の肩に吐き出し、ぎゅっと彼を抱き寄せる腕に力を入れた。
ローグハンターは腰の動きを緩やかにしながら小さく唸り、先生から学んだ事が変な方向に生かされているとため息を吐いた。
本来なら、アサシンブレードを突き刺した相手に悲鳴をあげさせないように口を塞ぐ技なのだが、まさか男女の営みで使う日が来ようとは……。
「んんー、んんんー……。ぷはっ。おねがい、ちょうらい。あついの、だして……」
そんな思慮に耽っていた彼の肩を叩いた銀髪武闘家は、霞んだ思考のままそう言うと、ローグハンターは現状に意識を戻した。
過去の教えを思い出すよりも、今は目の前の恋人を満足させてやるのが先決だろう。
「ああ、わかった」と彼は頷くと、「本気でいくぞ」と表情を引き締めると、全身に浮かぶ玉のような汗のせいか、額に張り付いた銀色の髪を指で拭ってやる。
「いいよ。わたし、じょうぶだから……」と彼女がへにゃりと笑うと、ローグハンターは小さく微笑みを返し、彼女の顔を肩に押し付けた。
肩に感じる彼女の息づかいと、背に回された腕がぎゅっと力が入った感覚を感じつつ、腰の動きを激しくさせた。
「っ!んん!んんんんん!ん──っ!~っ!!」
膣肉が抉られる度に駆け抜ける感覚に体を跳ねさせ、再びの絶頂を迎えても、ローグハンターは止まらない。
本気でいくと彼は言った。つまり彼が果てるまで止まることはない。
「ん!ん!ん!ん~っ!?」
かりでGスポットを抉られ、子宮口を亀頭で殴られる度に絶頂を迎え続け、最初に迎えた絶頂から戻ってこられない彼女は視界を点滅させながら、意識を飛ばさないように歯を食い縛った。
「んー!んんんー!ぐっ!ふっ!」
今は耐えるのだ。もうすぐもっと凄いのが来る、もっと気持ち良くなれる、彼が気持ち良くなってくれると、焼き切れかけた理性を繋ぎ止め、ひたすらに耐える。
「そろそろ、
「んー!んっん!んんんん……っ!」
彼の宣言に体が悦びの声をあげ、膣肉が勝手に締まり、子宮口が僅かに下がり始める。
同時に胎内を抉り続ける怒張が僅かに膨らみ、更なる熱を纏い始めると、銀髪武闘家はぎゅっと目を閉じて備えた。
──くる、あついのくりゅ!ちょうらい、どぴゅどぴゅ、あちゅいのらしてぇぇぇ!!!
彼女の期待が最大限に大きくなった瞬間、そのタイミングを狙い澄ましたように、彼の鈴口からどろりとした精液が吐き出された。
「ん!?んんんんんんんんん!!!」
胎内に着火した
それでも吐精は終わらず、彼女の子宮を満杯になるまで注がれた精液が逆流し、二人の接合部から漏れだしながら愛液と混ざりあい、白く濁った泡となって彼女の尻を垂れていく。
「んん!?んん──っ!ん──……!」
吐精と同時に迎えた絶頂の波に耐えきれず、銀髪武闘家はついに意識を手放し、弛緩した体をベッドに投げ出すと、彼の肩から顔を離してベッドに沈みこんだ。
「あへぇ……へぁ……」
度重なる絶頂と吐精を受け止めた彼女は、意味のない声を漏らしつつ、絶頂の余韻で体を跳ねさせながら、「んっ、あひゃぁ……」と更に声を漏らした。
「っ!」
ようやく吐精が終わったローグハンターは自らの分身を彼女の胎内から引き抜き、どっと出た疲れと共に息を吐いた。
同時にベッドに倒れる彼女の姿に目を向け、目を細めた。
白い肌は赤く上気し、各所には玉のような汗が浮かび上がり、口の端からは涎が、秘裂からは泡立った精液が垂れ出ている。
いつも一纏めにされている銀色の髪はベッドに扇形に広がり、汗に濡れたのかいつも以上に月の明かりを反射し、艶々としていた。
「──」
ローグハンターは彼女の姿に息を呑むと、また存在を主張し始めた自らの分身に目を向け、頭を掻いた。
二十年近く封じられていた性欲は、解き放たれてからというものかなり馬鹿になってしまった。
それは初体験から一年以上経った今でも治らず、むしろ性欲は強くなる一方。
「我慢だ、今は抑えろ……」
流石に気絶した彼女を襲うのは良心が痛むし、何より彼女は限界だ。もう一度致せば、恐らく明日は動けなくなってしまう。
「耐えるのには慣れてる。大丈夫だ……」
自身に暗示をするようにぼそぼそと呟くと、彼はサイドテーブルに置かれた水瓶をぶんどるように取ると、それを直接煽った。
火照った体を物理的に冷やし、興奮を冷ます。
彼はホッと息を吐くと、またちらりと寝転ぶ彼女に目を向けた。
汗を含めて、様々な形で水分を失った筈だ。失った水分は早めに補給しなければ後で大変な事になる。
ローグハンターは目を細めて再び水瓶をあおると、彼女に口付けを落とし、開かれた口に少しずつ水を流し込んだ。
彼女の舌に自分の舌を絡ませ水の通り道を確保しながら、少しずつ少しずつ流し込む。
こくこくと喉を鳴らして飲み込んでいく姿に微笑みながら、口に含んだ全ての水を流し込んだローグハンターは体を離し、口の端から垂れた水分を拭うと、深く息を吐いた。
水分が入った為か彼女の呼吸もだいぶ落ち着き、喘ぎ声だったものが、ようやく寝息と言ってものになっている。
ローグハンターは嬉しそうに目を細めると、額に張り付いた髪を拭ってやり、そこに口付けを落とした。
「おやすみ」
静かに告げられた言葉に彼女は「んぅ……」と小さく返事をすると、再び穏やかな寝息をたて始めた。
彼女にシーツを被せたローグハンターは彼女の隣に寝転び、自分もまたシーツを被った。
既に夜遅い。今から寝れば、明日に支障が出ない程度には回復するだろう。
寝ればまたいつも通りの明日が来て、いつも通りの一日が終わり、いつものように眠るのだ。
この時の彼は、この翌日に新たな仲間が加わる事を知るよしもなく、ただいつものように眠りについた。
この日封じ込めた性欲を解放できたのは、これから何ヵ月も経った後の事だ。
感想等ありましたら、よろしくお願いします。