西の辺境で一二を争う人気の宿屋──眠る狐亭。
年末という事で騒がしい賭博場や酒場の喧騒とは別に、ローグハンターが拠点としている部屋は騒がしかった。
「じゅる!じゅるるるるるるっ!んべー、れろ、じゅるるるるるるっ!」
「んーっ、んーっ!!」
ローグハンターをベッドに押し倒した銀髪武闘家──既に二人とも裸だ──が、彼の頭を押さえ付けて激しい口付けをしているからだ。
普段の彼なら逃げるなり押し返すなり出来るのだろうが、現在は片腕を骨折している為それが出来ず、ひたすらにされるがままとなっていた。
どうにかして逃げようと足をじたばたと暴れさせてはいるものの、彼の性格からして彼女を蹴ることは出来ず、加えて本来なら腕を固定するはずの三角巾で両腕を頭の上で固定されている為、最後の頼みである腕力にも頼れない。
「ほーら、暴れないの。傷開いちゃうよぉ?」
銀髪武闘家は一度口付けを止めて顔を離すと、にこにこと上機嫌そうに笑いながら額の傷痕を撫でた。
同時に「ひっく」と場違いに可愛らしいしゃっくりと共に酒臭い息を漏らし、「えへへ~」と照れ隠しのように笑った。
ローグハンターはぜぇぜぇと肩を揺らして喘ぎながら、自身を見下ろしてくる銀髪武闘家に僅かに非難するような視線を向けた。
「何度も、言うが……。俺は……怪我人、だぞ……?」
「ん~、それがぁ、なぁに?」
彼の言葉に銀髪武闘家はふるりと首を傾げ、妖しく笑いながら彼へと顔を寄せた。
「うるさい口はぁ、塞いじゃおっかぁ……」
耳元で囁くように言うと彼女は「ふふ」と小さく笑い、「いただきまーすっ」と何故か挨拶をすると、閉じかけていた彼の口を指でこじ開けてから彼の唇を奪った。
彼の白い歯を舐め、唇の裏を舐め、歯茎を舐めて彼の味を堪能すると、逃げ場をなくしてさ迷っている舌に襲いかかり、獲物を見つけた蛇のように絡み付いた。
捕まえた彼の舌を「じゅるるる!」と音をたてて吸い上げ、逃げる為に頭を振ろうとしても、彼女の手に抑えられて動かせない。
「んー!んー!ぶあっ!んぐ!」
絡み付く彼女を舌を押し返そうとするが、酒が回っている為かいつも以上に動きの良い舌を御しきれず、彼はひたすらに翻弄されるばかり。
むしろ彼女の口の中に残っていた酒精がローグハンターの口にも流れ込み、少しずつ彼の意識を朦朧とさせ、抵抗も更に弱くなり始めていた。
「じゅる!じゅるる!んべろっ、べろっ!んふふ」
無抵抗な彼の姿に銀髪武闘家は口付けをしたまま嬉しそうに笑い、更に顔を寄せて舌を突っ込む。
本来なら触れていけない、口の柔らかな部分や舌の付け根、奥歯など、今度こそ口の端から端までを舐め回す。
「ぶっ、がっ!」
録な抵抗も出来ずにいる彼が、もはや断末魔のような声を溢すと、銀髪武闘家は流石に危険と思ったのか顔を離した。
当の彼は楽になったとはいえ、目に涙を浮かべて赤面したまま呼吸を荒くし、けほけほとむせた。
それは体が起こした反射的な反応なのだが、滅多に見れない彼が涙を流す瞬間と、随分と弱った彼の姿を見てしまった銀髪武闘家は、「あは~っ」と喜色の強い声を漏らしながら目を輝かせた。
変わらずにこにこと笑う彼女は再び彼に顔を寄せると、目尻から流れた涙を舌で舐めとり、その勢いのままに彼の瞼に口付けを落とした。
いや、今の彼女がその程度で止まるわけもなく、彼女は彼を顔に舌を這わせながら移動し、鼻から頬へ、頬から唇へ、唇からは口許の傷痕を沿うように舐めるながら首筋へ。
そして首筋にたどり着くと、かぷっと音をたてながら噛みついた。それも甘噛みではなく、しっかりとだ。
甘噛みではない歯を立てた噛み方は、もはやれっきとした攻撃である。
首筋から感じた鋭い痛みにローグハンターは小さく呻きながら体を跳ねさせると、銀髪武闘家は「あ、痛かったぁ?」と問うた。
だが返答する余裕のないローグハンターが沈黙で返すと、「ごめんねぇ」と悪びれた様子もない声で平謝り。
自分でつけた歯形を犬のようにぺろぺろと舐め、くすぐったさから息を漏らしたローグハンターの頬に口付けを落とした。
「もう、可愛いなぁ……」
抵抗せずにそれを受け入れた彼の頬を撫でながら言うと、彼女はまた頬を一舐めし、そのまま更に下へと舌を這わせた。
先ほど通った道を再び通り、首筋の噛み痕を通り越し彼の分厚い胸板へとたどり着くと、そこにも口付けを落とした。
ちゅっちゅっとわざとらしく音をたてながら思い思いに口付けを落とした彼女は、不意に自分の尻を撫でた熱い何かに気付いて「んぅ?」と声を漏らしながら振り向き、「あは~」と満面の笑みを浮かべた。
「キミも気持ちいいんだぁ、よかったぁ~」
すりすりと彼の逸物を扱きながら言うと、とろんと蕩けた瞳でそれを眺め「あ、そうだぁ」と何かを思い付いたように目を細めた。
「ちょっとごめんねぇ」
彼女はそう言うと彼の頭を跨ぎ、「えへへ」とだらしない笑みを浮かべた。
ローグハンターの目の前にはパクパクと開閉しながら蜜を溢す秘裂が口を開いており、弄られてもいないのにクリトリスもピンと勃っていた。
ローグハンターが「何を──」と問おうとした瞬間、「えい!」と可愛いらしい声を漏らしながら彼の顔に秘裂を押し付けたのだ。
「もがっ!?」
「私も舐めてあげるからぁ、キミも舐めてねぇ」
彼女は一方的にそう言うと、彼の顔にぐりぐりと秘裂を押し付け、マーキングするように愛液を擦り付けながら、彼の逸物に顔を寄せた。
ぷんぷんと香る雄の臭いに目を輝かせ、竿に舌を這わせると、裏筋を細かい動きで舐め回してみると、ローグハンターは「んぐ!?」と声を漏らし、逸物がビクン!と跳ねた。
「そっかぁ、ここがいいんだぁ」と恍惚の表情を浮かべながら言うと、今度は亀頭を口一杯に頬張り、あめ玉のように舌の上を転がした。
「んっ、ふぅ!」と息を吐きながら力を入れたローグハンターは、口許を覆う秘裂を思い切り舐めた。
「ひん!」と突然の快感に銀髪武闘家は体を跳ねさせたが、すぐに状況を理解して嬉しそうに笑い、また逸物を頬張った。
「れろれろ、じゅる、じゅる!じゅるるるるる!」
数度舐めただけで漏れ始めた先走り汁をすすり、独特の味に舌鼓を打ちながら、さらに味わおうと舌の動きを激しくさせた。
口の中でもびくびくと跳ねる逸物に苦戦する銀髪武闘家を他所に、ローグハンターは一心不乱に彼女の秘裂を舐めていた。
割れ目をそうように舐め、穴の周囲を丹念に舐めて更に愛液を分泌させ、それを舐めとり、時には音をたててすすってやれば、銀髪武闘家は快感に体を震わせた。
「ひやぁん!」と甲高い嬌声を漏らすと、やり返すように彼の逸物をしゃぶり、頭を上下させて口で扱き始めた。
じゅぼじゅぼと音をたて、喉奥に触れる亀頭の感覚に涙を浮かべながら、けれど彼を喜ばせるために扱きあげる。
「じゅぼ!じゅぼ!んぐっ、じゅる!じゅぼ、じゅぼ!」
時には吐き出しそうになりながら、時には舌を這わせて先走り汁を舐め取りながら、絶え間なく快感を与えるように扱き続ける。
対するローグハンターも与えられる快感に耐えながら、彼女の秘裂に舌を突っ込んだ。
「んぐ!?じゅぼ、じゅるる!れろれろ、じゅぼ!」
秘部に感じた異物感に目を剥きつつ、ローグハンターの逸物を扱きつつ、裏筋に舌を這わせた。
舌先に力を入れて、指の腹で優しく撫でるように、そっと撫で上げたのだ。
「っぐ!ううっ!」
自らの分身の中を熱い何かが登っていく感覚を感じたローグハンターは、最後の意地として秘部から舌を抜くと、ピンと勃った彼女の陰核に噛みついた。
「ひにゃ!?」
「ぐおっ!?」
二人が絶頂を迎えたのは、ほぼ同時だった。
絶頂を迎えると共に離してしまった逸物から吹き出した白濁液を顔と胸で受け止めた彼女は、恍惚の表情で熱を帯びた息を吐き、絶頂と共に吹き出した潮で顔をぐっちょりと濡らしたローグハンターは、彼女の尻に潰されたまま目を細め、秘裂に向けて疲労からかため息を吐いた。
「ひっ!」と息を吐きかけられただけなのに快感を感じた銀髪武闘家は体を跳ねさせると、口許についた白濁液を舌で拭い、鼻の穴を塞ぐようについたものは指で拭い、ちろりと舌で舐め取った。
胸についたものはそのまま放置して、苦いながらに癖になる味に喉を鳴らすと、彼の上から退いて彼の顔を見つめた。
顔を愛液でべったりと濡らした彼は、荒れた呼吸をそのままに、赤らんだ顔のまま彼女の顔を見つめ返した。
それがまた求められているようで、銀髪武闘家は背筋を震わせると、一度の射精では固さを失わない彼の逸物を撫で、亀頭に自身の秘裂を当てた。
二人は言葉もなく見つめあい、同時に小さく頷きあうと、彼女は躊躇わずに腰を落とした。
ずりゅ!と音をたてて膣肉を貫いた亀頭が、その勢いのままに子宮口にキスをすると「は、あぁ……っ」と声を漏らし、ぞわぞわと背筋を駆ける感覚に目を細め、「んんぁ」とまた声を漏らした。
「んんっ。動くね」
彼女は一方的にそう告げると、腰を上下に動かし始めた。
かりで膣肉を削られる度に嬌声が漏れ、亀頭が子宮口に触れる度に体が震え、彼女の口からは絶え間なく喘ぎ声が発せられ、白濁液に汚れた胸がゆさゆさと揺れ動き、肉感的な尻が形を歪め、動きに合わせて髪がなびく。
「ひゃ!あん!ひぅ!あひ!いい、いいのぉ!気持ちいい!もっと、もっとちょうらい!」
彼女は言いながらローグハンターの胸板に手をおいて支えにしつつ、更に腰を動きを激しくさせた。
「あん!ふぁ!ひん!」と突かれる度に喘ぐ彼女を見上げるローグハンターは、彼女の動きに合わせて腰を突き上げた。
彼女が腰を上げれば腰を沈め、降ろそうとした瞬間に腰を上げる。
やったことはただそれだけなのだが、冒険者として五年連れ添った二人の息は文字通りぴったりであり、寸分の狂いなく叩きつけられる衝撃に、銀髪武闘家は「ふぁあ!?」と声を漏らし、一足早い絶頂を迎えた。
けれどローグハンターは止まらず、更なる快感を得ようと、あるいは与えようと腰を動かし続けた。
「あひ!いいよぉ、もっと、もっとぉ!イく!イく!もっとイかせぇてぇ!」
ローグハンターの腰が上下する度に彼女の体は絶頂を迎え、けれどあまり激しくはないからか意識は明瞭で、より感じる部分に当たるように自身の腰をくねらせると、彼女のGスポットをかりが削った。
「んひゃ!?そこ、そこいいのぉ!イく!またイッちゃう!いい!もっとちょうだい!」
それを見つけてしまえば、後は早かった。腰の覚悟を覚えた銀髪武闘家はその角度で腰を保ち、ローグハンターは更に力を入れて腰を動かし始める。
「ひん!あん!あっ!イく!!イぐ!!」
度重なる絶頂を迎えてなお、銀髪武闘家は更なる快感を求め、胸についた精液を指で拭い、それを自らの陰核に刷り込むように指で弄り始めた。
「んあっ!?イぐ!だめ、これくしぇになりゅ!これきもちいぃっ!くせぇになっちゃう!くせぇになっちゃうのぉ!?」
一気に膨らんだ快感に声を漏らす彼女を他所に、更に締まった膣肉の感覚に唸ったローグハンターは、短く息を吐きながらまた登ってきた射精感を押さえ付ける。
自身の上で、白濁液に濡れながら快楽に躍り狂う愛する人の姿はどこか幻想的で、暴力的で、けれどそれ以上に愛おしくて。
「イくイくイくイくっ!さっきから、イくのとまらない、とまらないのぉ!まだイぐ!イぐぅぅぅ!」
酔っている為なのか歯止めが効かない彼女は、自分の限界を超えて尚も絶頂を続け、肌に玉のような汗を滲ませ、それを動きに合わせて振り撒きながら、更に絶頂を迎えた。
「ぐぁ!あぐっ、にぁ!?だめ、だめなのこれ!こしもゆびも、どっちもとまらないのぉ!?」
陰核が充血するほどに指で擦る彼女はへこへこと腰を動かしながら叫び、射精感に耐えるローグハンターへと目を向けた。
「おねがい、ちょうらい!あちゅいの、わたしのおなかのなかに、どぴゅどぴゅらしてぇぇっ!」
「っあ゛あ゛」
その言葉が最後の
ローグハンターの口から獣のような唸り声が漏れると、限界まで抑えられていた精液が解き放たれたのだ。
「──っああああああああああああ!!!」
彼女がそれを察したのは、それから一瞬遅れての事だった。
膣内を埋める逸物の熱さが強くなったと思った瞬間、それよりも更に熱いものが子宮へと直接注がれたのだ。
「あっ、はっ、へ……っ」
胎内に解き放たれた熱さに打ち震える銀髪武闘家は、更にそれを感じようと目を閉じ、熱のこもった息を吐き出した。
それはローグハンターも同じだった。両腕を拘束された状態での行為にいつも以上の疲労を感じた彼は額に汗を浮かべながらため息を吐き、今になってぶり返してきた腕の痛みに眉を寄せた。
──力みすぎたか……。
拘束されたまま拳を開閉させて具合を確かめていると、銀髪武闘家が自身の肌越しに精液で満たされた子宮を撫で「もっとほしい……」とどこか感情が失せた声で言うと、「ふへへ」とどこか邪悪な笑みを浮かべた。
「ねえ、まだいけるよねぇ……?」
「……ああ。その前に腕を」
「あはっ。じゃあ、もーいっかい、ね」
彼女はにこやかな笑みを浮かべて告げると、再び腰を動かし始めた。
流石のローグハンターも顔を青ざめるが、彼女には関係のないこと。
酒精と快感に酔った彼女を止められるのは、神を含めて誰もいやしないのだ。
「ん、んぅ……」
窓から差し込む陽の光に当てられて、銀髪武闘家は目を覚ました。
全身に残る倦怠感と酷い頭痛に苦しみながら体を起こし、妙な違和感が残る体に目を向けた。
「ひっ!」
そして思わず小さな悲鳴を漏らした。
自慢ではないが大きな胸にかぴかぴに乾いた白い何かが張り付き、股の間にも大量のそれが張り付いているのだ。
「な、なな、何があったの……?」
宴会で酒を飲んだのは覚えているが、そこからの記憶が一切ない。
たらふく食べて、たらふく飲んだ──のだろうか。酒を飲むといつも記憶が飛んでしまう。
「ん、うぉぉ……」
不意に聞こえたローグハンターの呻き声に銀髪武闘家はハッとして、ようやく自分の隣に眠る彼へと目を向けた。
「ひっ!?」
同時に先ほど以上に切羽詰まった悲鳴を漏らし、目を見開いた。
何と言えば良いのか、今の彼は何だが大変な事になっているのだ。
誰にやられたのか両腕を縛り付けられ──結び目が自分のものに似ている気がする──、誰にやられたのか服を脱がされ──脱いでそのままに投げておくのは自分くらいだが──、誰に襲われたのかやつれるほどに疲弊していて──内側から鍵のかかった部屋には自分しかいないが──、体のあちこちにキスの痕が残されている──大きさからして自分のものに似ているようだが──。
ここまで疲弊した彼が見れるのは、年に一度か二度程度。貴重な経験だから目に焼き付けておくが。
「えっと、大丈夫……?」
彼女が頬を撫でながら問うと、彼は薄く目を開けて彼女を見つめ──と言うよりは睨み──ぼそぼそと口を動かした。
聞き取れなかった彼女は顔を寄せて「もう一回」と頼むと、ローグハンターは一度深呼吸をして、彼女の耳元で囁いた。
「お前は──」
「うん」
「二度と──」
「二度と?」
「酒を飲むな」
「ええ~」
「ええ~、じゃあない」
「ぶー」
ローグハンターからの突然の物言いに頬を膨らませて拗ねたようにそっぽを向くと、言った本人たるローグハンターは「とりあえず、包帯解いてくれ」と更に頼んだが、銀髪武闘家は不満げに息を吐くのみ。
──これはしばらく駄目そうだな……。
ローグハンターは目を細めてため息を吐くと、天井の染みに目を向けた。
「窓を開けて換気して、体を拭け」
「そうだねぇ。えっと、タオルタオル……」
その指示には素直に従った彼女は、裸のまま部屋を歩き回りタオルを探して右往左往。
淫行の臭いが充満する部屋を、その痕を全身に刻んだ女性が歩くと言うのは何とも言い表せぬ感覚だが、その場を動けないローグハンターはため息を吐くばかり。
──あいつが酒を飲むと録な目に合わない。
次からはもっと警戒しようと脳裏に刻みながら「あ、あったよ!」と元気溌剌な彼女の声に微笑を浮かべた。
またいつも通りの一年が始まるのだ。なら、今日という日を楽しまなければ損だというもの。
「んー、なかなか取れないな……」
ごしごしと体を拭く彼女を視界の端で捉えると、すぐさま視線を外した。
タオルで胸や股を拭う姿が自慰行為に見えてしまったなど、口が裂けても言えやしない。
直視してしまえば、また自分を抑えられなくなってしまう。
けれど、
「よし、こんなもんでしょ!」
どうかな?どうかな?とこちらに恥ずかしげもなく体を晒してくる彼女の笑顔はだけは見ることが出来た。
出会った頃と変わらない、太陽のような笑顔だけは、どんな時でも見ることは出来るのだ。
感想等ありましたら、よろしくお願いします。