ヒロインは銀髪武闘家。ラスボスとの戦いを終え、無事にログハンと結ばれた彼女は、仲間たち(特に勇者)の計らいで温泉街を訪れる。一話目。
ローグハンターと銀髪武闘家の結婚。
冒険者ギルドへの襲撃、倒壊と、嫌な知らせが続く中、不意に舞い込んだ朗報に友人たちも、ローグハンターの妹である勇者も大いに喜んだ。
何か贈り物でもしてやろうと話し合い、二人が欲しがるものは何だと頭を捻り、妹である勇者の意見を仰ぎつつ、考えに考え抜いた結果至ったのは、
──とりあえず、二人きりでのんびりできる時間をやるか。
二人揃ってギルド襲撃犯の追撃で、肉体的にも精神的にも満身創痍にされたのだ。ならば新婚旅行を兼ねた慰安旅行に送り出してやるのがいいだろう。二人が喜ぶかは別として、自分たちに用意できるのはその程度。
「よし!そうと決まれば、僕に任せて!」
そして冒険者たちはやると決めれば早いのは、他ならぬ彼らがよく知っている。
自分たちでは断られるかもと足踏みする冒険者らの心配を他所に、勇者は「二人に言う前に、外堀を埋めちゃわないと!」と二人が断れない状況を作り上げることから開始することを提案し、冒険者たちも彼女に続く。
宿の手配、移動手段の確保などなど。勇者を中心として団結した冒険者たちの行動は、途中から結託した女魔術師と令嬢剣士の協力もあり、結婚に浮かれるローグハンターと銀髪武闘家の耳に届くことはなかった。
そんな冒険者たちの暗躍は数日間に渡り、ローグハンターが友人たちが何かしていると気付いた頃にはもう遅い。
銀髪武闘家と共に女魔術師と令嬢剣士に詰め寄ったローグハンターに、宿への紹介状や乗り合い馬車の券を纏められた紙束を渡した勇者は満面の笑みを浮かべた。
「さあ、お兄ちゃん!お姉ちゃんとのんびりしてきてね!」
「……は?」
愛する妹の言葉に間の抜けた声を漏らしたローグハンターを他所に、銀髪武闘家は小首を傾げ、女魔術師と令嬢剣士は二人に気付かれないように小さくガッツポーズ。
「全部こっちで手配したから、後は現地に行くだけだよ!さあ、準備して行った行った!」
状況について行けないローグハンターと銀髪武闘家を他所に、勇者は満面の笑みで言葉を続けた。
もう逃げ場はない、さっさと行けと、最愛の兄を半ば脅す形で話を進めるのは少々気が引けるが、こうでもしなければ兄は行ってくれない。
いつもは太陽を思わせる笑顔にほんの僅かな邪悪を孕ませながら、勇者はずいっと紙束を差し出す。
ローグハンターは負けを認めるように深々と溜め息を吐くと、勇者が差し出した紙束を受け取った。
冒険者たちの短くも濃密な暗躍から幾日か。
ローグハンターと銀髪武闘家の夫婦はとある温泉街にいた。冒険者や貴族が静養のために訪れると噂のその場所は瓦屋根の建物や、浴衣姿の通行人の姿も相まって、極東の風情を感じさせる。
「知らない内に、何だか大変なことになっちゃったね」
そんな見慣れない光景を眺めていた銀髪武闘家は、苦笑混じりに隣のローグハンターに声をかけた。
「ああ、まったくだ」と肩を竦めながら、荷物を詰め込んだ鞄を馬車から降ろしたローグハンターは小さく溜め息を吐く。
「あいつらも、俺たちに構うほど暇ではないだろうに」
すっと目を細め、自分たちをこの場所に連れてくるために悪戦苦闘したであろう友人らの姿を幻視した彼は、それを振り払うように頭を振った。
そんな彼らの苦労にも気付かない程に気を抜いていたのはこちらだ。策謀を巡らせていたのが悪意ある輩であれば、ここではなく墓場に直行していた可能性もある。
ローグハンターは小さく溜め息を吐くと、懐から勇者から渡された地図を取り出した。
馬車の寄り合い所から事細かに描かれたそれは、勇者ではなくおそらく魔女が描いたものだろう。
彼は地図と視界に広がる極東風の街並みを交互に見やり、ある程度の道順を確認。
いつもなら鷲を飛ばし、近場の塔によじ登るところだが、鷲は妖精弓手に確保され、友人らからは登るなと釘を刺されている。そこまで言われても登る程、拘りはない。
──訳でもないんだが……。
ある意味で新しい場所にたどり着いた時の楽しみを封じられたローグハンターは、登りがいのありそうな物見櫓を視界の端に納めながら小さく溜め息を漏らした。
あれに、登ってはならないというのか。
「早く行こ!えっと、こっち?」
そんな勝手に落ち込んでいる彼に、無邪気な笑顔を浮かべた銀髪武闘家が声をかけた。
友人たちが諸々の工面してくれたとはいえ、折角の新婚旅行だ。難しいことは考えず、楽しみたいのだろう。
彼女の笑顔に当てられたローグハンターは強張っていた表情から力を抜くと、深く息を吐いてから地図をしまい、鞄を持ち上げた。
「こっちだ。少し遠回りしてもいいが、どうする?」
「一回宿に荷物置いてからにしよ。荷物置いて、着替えてから、のんびりしよ?」
ローグハンターが彼女の分の荷物を持とうとすると、それよりも早く彼女が荷物を確保し、行き場を失った彼の手を掴み指を絡ませた。
馬車にもほとんど寄り添う形で乗車していたが、こうして並んで手を取り合うのも乙なもの。
掌に感じる彼女の温もりを堪能しながら、ローグハンターは手を引いて歩き出す。
なお、このやり取りは馬車の乗り合い所の真横で行われていた為、二人と同じ馬車に乗ってきた客や、ここを去るために馬車を待っていた人たちに目撃されていたのだが、二人は気にする素振りさえ見せない。
どうせこちらの素性も、名前も知らない連中だ。邪な関係だと思うのなら思わせておけ。
「さあ、こっちだ」
地図は頭に叩き込んだ。先導する分には何の問題もない。
念のためとタカの眼で周囲を警戒しておくが、ほとんどが同業者か貴族、観光客ばかり。人影のほとんどが無害を示す無色や白ばかり。なら、心配することもあるまい。
ジブリールは愛するシルヴィアの手を引きながら、目的の宿を目指して温泉街に繰り出した。
そうして、数分ほど歩いてたどり着いたのは小さな旅館だった。温泉街の端も端、街の象徴たる清流の脇に一つだけ孤立するようにポツンとあるそこが、今回の目的地であった。
勇者の知り合いだという女将の先導で部屋に通された二人は、その設備に揃ってポカンと口を開けて困惑していた。
極東の家屋を意識してか、畳が敷き詰められた部屋は二人で寝泊まりするにはあまりにも広く、部屋の中央は木ばりになり、火の消えた囲炉裏が使われる時を待って鎮座している。
部屋の外には客用の露天風呂が設置され、山の中で孤立しているのをいいことに最低限の柵しかなく、温泉に入りながら清流を眺めたり、空を堪能できるようになっている。
一応、雨に備えて屋根代わりの天幕が出せるようになっているが、今の天気なら必要あるまい。
「……風呂付きの部屋とは聞いていなかったな」
荷物を部屋の隅に置き、それぞれ部屋を見て回っていたジブリールは、温泉に片手を突っ込んで湯加減を確かめながら顎に手をやってぼそりと呟く。
勇者から渡されるがまま受け取り、そのままここまで来てしまった弊害とも言える。まさか、こんなにいい宿が手配されているとは。
むぅと小さく唸る彼を他所に、シルヴィアは「ねえねえ、こっち見て」と彼を呼んだ。
「なんだ」と振り向いた直後彼の視界に飛び込んできたのは、女将に手伝ってもらったのか、灰色の浴衣に身を包んだシルヴィアの姿だ。
筋肉質でありながら柔らかな四肢をゆったりとした布一枚で包み込んではいるが、豊満な胸の胸元が隠しきれずに谷間が顔を出しているし、帯を結ぶ位置が本来のそれより高いのか、胸を強調するように持ち上げている。
それに浴衣が小さいのか、あるいは単に彼女のそれが大きいのか、浴衣が臀部に貼り付いて見事な曲線をより強調する。
ワンピースやドレスとも違う、着なれない衣装のためか居心地悪そうにしながらその場をくるりと回った彼女は、赤面しながら俯き加減に「似合う?」と問うた。
「似合ってる」ジブリールは即答き、彼女の姿に魅入るようにじっと見つめ、「本当に綺麗だ」と心からの賞賛を口からこぼした。
「えへへ。あ、ジルのはこれだって」
「ああ、わかった。着替えるついでに、風呂に──」
彼の褒め言葉に照れ笑いをしながら、彼女はもう一着分の浴衣を示す。
その言葉に応じたジブリールは着替えついでに温泉に彼女を誘うが、その直後にくぅと気の抜ける音がどこからか聞こえてきた。
先程とは違う理由でシルヴィアの頬が赤くなり、そっと腹を抑えるが、それでも抑えきれずにくぅと腹の虫が鳴いた。
二度も鳴いてしまえば、彼女も開き直ったのだろう。笑いながらジブリールに言う。
「その前に、ご飯食べに行こ?お腹空いちゃった」
彼女の言葉に待ってましたと言わんばかりに反応した女将に通されたのは、旅館に併設された食事処だった。
女将曰く、紹介なしでは泊まれないこの宿に来るのは有名な貴族や冒険者ばかりらしく、今日の客はジブリール夫妻のみであるらしい。
慣れない浴衣の着心地に四苦八苦しながら女将の話を聞いていたジブリールは、部屋の良さに合点がいき、そしてここを用意してくれた勇者たちの心遣いに感謝した。
つまるところ、現状ではこの宿は自分たちの貸し切り状態。他の客に気を遣ったり、客同士のトラブルを気にする必要もない。
──だから、ここを選んだんだろうな。
いつの間にか気遣いができるようになった妹に嬉しく思いつつ、少し面倒をかけ過ぎたなと僅かに反省。今度、このお礼で自分とシルヴィアと、彼女の三人で出掛けるのもありかもしれない。
「たまにはだけど、こうやって静かな場所にいるのもいいね」
食事処の片隅。窓際の席に対面する形で座るシルヴィアが、外を流れる川を眺めながらぼそりと呟いた言葉に、ジブリールは「そうだな」と同意を示した。
今二人の耳に届くのは川のせせらぎの音と、お互いの呼吸の音程度。遠くからは揚げ物をあげる音や、女将と料理長のやり取りも聞こえなくはないが、ジブリールの聴覚をもってしてもその内容が聞き取れない辺り、余程小さな声で話しているのだろう。
二人揃って何か言う訳でもなく清流の音に耳を傾けていると、不意に女将の声が耳に届いた。
どうやら料理ができたようだ。この街の名産らしい肉や魚の揚げ物が皿に並び、採れたての野菜が盛られた皿も卓に置かれ、最後に極東の箸なる食器が二人の前に置かれた。
初めて見る食器の存在に驚く二人を他所に、女将はそれの使い方を簡単に説明し、駄目そうこちらをとそっとフォークやスプーン、ナイフと使い慣れた物が差し出されるが、
「物は試しだ。これで食べてみるさ」
「何か、ペンみたいに持つんだね。この指を、こうして、こう……?」
二人は女将の説明だけで使い方を最低限理解したのか、ぎこちないながらも箸を使い、料理に伸ばし始めた。
流石冒険者様、覚えが早いですわと微笑み混じりに告げた女将は、邪魔をしないようにと厨房に下がり、また何かの準備をし始める。
何を準備しているのかは置いておいて、二人はどうにかこうにか箸で揚げ物を掴み、口に放り込んだ。
噛んだ瞬間サクッと軽快な音を立てて衣が砕け、肉汁が弾ける。途端に封じ込められていた旨味が口内を蹂躙し、二人は無意識の内に口を揃えて「「美味しい」」と呟いていた。
揃って同じ感想を漏らした二人は顔を合わせて可笑しそうに笑うが、既に箸は次の料理へと伸びている。
一口一口を堪能し黙々と食すジブリールと、食べる度に何かしらの反応を示し、幸福感に満ちた顔で頬を押さえるシルヴィア。
ジブリールは揚げ物を口に入れる合間合間にそんな彼女の姿を見やり、食事と共に幸せを噛み締める。
そうしてしばらく食事を楽しんでいると、女将が飲み物ですと小さな盃を二人に差し出した。
「あ、ありがとうございます」
口元を揚げ物の油で汚していたシルヴィアは、流石にはしたないかと慌てて口元を拭うと、お礼と共に盃を呷った。
ジブリールも彼女に続く形でそれを呷った瞬間、口に広がった独特の苦味と旨味に違和感を覚え、女将に「これはなんだ」と問うた。
女将はそれはこの宿の特性のお酒です。裏の倉で作っているのですよと答えてくれるが、ジブリールにとってこれがどこで作られているかなど、どうでもよかった。
女将から視線をシルヴィアに戻せば、彼女は身体を左右に揺らしながら「ひっく」と声だけは可愛らしいしゃっくりを漏らし、恍惚の表情で「ふへ〜」と気の抜けた吐息を漏らす。
ジブリールは額に汗を流しながら、とりあえず互いの皿が空になっていることを確認。ならば、食堂を去ったとしても問題はあるまい。
問題は、どう頑張っても逃げきれないことだが。
「じりゅ〜。ちゅ〜して、ぎゅ〜ってしてー」
「せめて部屋まで我慢してくれ。顔を寄せるな、まだ廊下だ」
キスやハグをせがむ彼女の猛攻を凌ぎながら、どうにか食堂から脱出したジブリールは、腕に抱きついて全体重をかけてくるシルヴィアを支えつつ、唇を尖らせて迫る彼女の顔を一旦押し返す。
「うぅ……。私のこと、きらいになっちゃったんだ。結婚したのに、嫌いになっちゃったんだ……」
ジブリールのその行動にシルヴィアは目から大粒の涙を流し、喚き始めるが、彼女の言葉に不満そうに眉を寄せたのはジブリールその人だ。
彼女を嫌いになるなど、それこそ天地がひっくり返ってもあり得ない。酒が絡んでいるとはいえ、そんな万が一にもあり得ないことを、彼女の口から出たという事実が気に食わない。
彼が溜め息を吐いたのと、二人が泊まる部屋にたどり着いたのはほぼ同時。
鍵を開け、扉を開き、彼女を連れ立って中に入り、後ろ手で扉を閉めて鍵を締める。
普段なら物音ひとつたてないそれらの動作が、苛立ちをぶつけるように全てが荒く、扉や床が軋む音が部屋に響く。
「……?じりゅ?」
急に無言になり、荒々しい彼の行動に疑問を抱いてか、シルヴィアは不安そうに彼の顔色を伺うと、ジブリールは彼女から手を離し、従業員が用意していたであろう布団に腰を下ろした。
「ほら」
一人扉の前に取り残され、不安そうに佇むシルヴィアに向けて、ジブリールは両手を広げて迎え入れる姿勢を取った。
ぱっと表情を明るくしたシルヴィアは彼に飛びかかり、勢いのままに彼を押し倒すと馬乗りになり、彼の浴衣をはだけさせた。
「はむ……っ。んちゅ♡ちゅ♡ちゅ〜♡」
そのまま露出した胸板や首元に唇を落とし、吸い上げて次々と痕をつけると、ちらりと彼の表情を伺った。
潤んだ瞳で彼を見下ろしながら、酒精に溶けた理性が最後の力を振り絞る。
「いい、よね……?」
ここに来たのは新婚旅行とはいうが、同時に休暇の為だ。二人でのんびりすると決めたのにこんな事をしていいのか、そんな疑問が過ぎったのだろう。
だが、ジブリールはそんな理由などどうでもよかった。
彼は彼女の後頭部に手を添えると自分の方に引き寄せ、そっと彼女の唇を奪った。
「ん……♡んちゅ……♡じりゅ♡ちゅ♡んちゅ♡」
唇同士が触れ合う湿った音を漏らしながら、ジブリールとシルヴィアは深い口付けを交わしていた。
互いの唇を咀嚼するように吸い付き、時には角度を変えて口付けしながら、薄く開いた視線が交錯する。
息継ぎの為に一度顔を離すと、ジブリールは彼女を抱き締めながら身体を起こした。
膝の上に彼女の臀部が押しつけられ、その心地よい柔らかさと重さが彼の機嫌を良くしていく。
僅かに表情が柔らかくなった事に気付いたのか、シルヴィアは微笑みながら彼に口付けし、今度は彼女の手が彼の頭を押さえ込んだ。
無論、押さえずとも彼は抵抗などしないのだが、何故か機嫌が悪かったのだから逃げる可能性もある。そんなまずあり得ない未来を潰す意味でも、より密着するという意味でも、彼女は全力でジブリールを押さえ込む。
「んちゅ♡はむ……っ♡ちゅ♡じゅる!ちゅ♡んちゅ♡」
僅かに開いていた隙間から舌を押し込み、迎え入れるように待ち構えていた彼の舌に絡ませ、お互いの舌に唾液を塗りたくっていく。
ジブリールはキスを楽しみながら、そっと彼女の浴衣に掴み、ゆっくりとそれを脱がせていく。
帯で留めているだけで、布を羽織っているだけと言っても過言ではないのだ。ゆったりとしている浴衣は軽く動かすだけですぐにずれ落ち、筋肉質でありながらも見事な曲線を描く肩が顔を出し、布擦れの音と共に豊満な胸に顔を出した。
キスをしながらも彼に脱がされた事に気づいたシルヴィアは小さく声を漏らすと、一度キスを中断して身体を離した。
途端に口の中が寂しくなり、ジブリールは「嫌だったか?」と問いかけるが、シルヴィアは首を横に振った。
ジブリールはじゃあ、なぜと聞こうと口を動かした瞬間、不意に彼女の胸を隠すブラジャーに目を向けた。
黒の布地に、白い華やかなレースがつけられたそれは見覚えがなく、基本的に着心地を優先する彼女らしくはないデザインのもの。
じふの膝に乗っている臀部に目を凝らせてみれば、浴衣の隙間から同じデザインのショーツも見え隠れしており、Tバックになっているのか安産型の臀部が形をそのままにそこに鎮座していた。
彼が下着に目を向けた事に気付いたのだろう。シルヴィアは彼の口元の傷痕に口付けすると、耳元でぼそりと呟く。
「その、二人きりの旅行だから、気合い入れてみちゃった」
緊張しているのだろうか、僅かに上擦った声でそう告げた彼女は、酔い以外の理由で顔を真っ赤にしながら、似合っているかどうかを彼に聞こうとすると、それを制する形でジブリールが彼女を押し倒した。
きゃ♡と小さくも、けれど媚びるような声での悲鳴を漏らすが、ジブリールは彼女に覆いかぶさりながら、興奮した様子で彼女を視姦。
筋肉質ではあるが触れれば柔らかい四肢を、その温もりで何度も自分を抱き止めてくれた豊満な胸を、何度触れても飽きる事はなく、むしろ余計に昂らせる臀部を、なによりも愛おしそうにこちらを見つめ返す彼女の表情と、月光を思わせる銀色の髪と瞳を、彼女の全てを舐めるようにじっくりと、目で堪能する。
だが、それもほんの十秒足らず。既に瞼の裏に焼き付いているそれを、今度は触覚で楽しもうと手を伸ばし、ブラジャーをずらして胸を露出させた。
ようやく封が解かれた為か、ぷるんと揺れながら姿を現した胸は重力に負ける事なく形を保ち、ピンと勃った薄桃色の乳首が存在を主張する。
ジブリールはそこに触れたいという気持ちをぐっと堪えると、物欲しそうに半開きになっている唇に吸い付くき、無意識の内に溜まっていた唾液と共に舌を彼女の口の中に捩じ込んだ。
「んんっ♡んふっ♡ちゅ……♡んちゅ♡んくっ、んぁ……♡」
無遠慮に入り込み、口腔の粘膜を削ぎ落とさんばかりに暴れ回る彼の舌を受け入れつつ、こくこくと喉を鳴らして彼の唾液を飲み込んでいく。
ジブリールはそんな彼女の姿に抑えきれない愛おしさが膨らんだいき、彼女を押し潰さんばかりに身体を密着させて、舌をより奥へと押し込む。
同時に固い胸板が彼女の柔らかな胸を押し潰し、お互いが僅かに身動ぎする度に乳首が擦れ、淡い快感を彼女の脳へと届けた。
「ぁ……♡んっ……♡じりゅ♡ちくび、コリコリして、きもち……♡」
キスで口を塞がれる合間に、シルヴィアはジブリールに媚びるような嬌声を漏らし、キスの邪魔にならない程度に身体を揺らし、彼の胸板に胸を擦り付ける。
極上の柔らかさと、小さな固い突起が擦れる感触にジブリールも心地よさそうに目を細め、片手で彼女の臀部を鷲掴んだ。
白い臀部に手形が残るほどに力強く指を食い込ませ、それでも押し返してくる弾力を楽しみながら、按摩するようにぐりぐりと臀部のつぼを押す。
「んぃ♡あ……っ♡じりゅ、じる……っ♡そこ、気持ち♡んぁ、んんん♡」
ぐりぐりと指が臀部のつぼを押す度にシルヴィアは身体を震わせ、段々と脱力してジブリールのなすがままになっていく。
愛撫のそれとは違う、相手を癒す按摩の快感に身体が緊張を解き、気が緩んでいく。
激しく絡んでいた舌の動きが緩慢になっていき、ジブリールの舌に捕まったかと思えば、脱出する素振りも見せなくなってしまう。
だが今が好機と見たジブリールは彼女のショーツをずらして秘部を露出させると、そこに触れて湿り気を確認。
くちゅりと湿った音と共に感じる、生暖かくも粘っこい液体の感触に大丈夫そうだなと息を吐くと、一度キスを止めてシルヴィアの顔を覗き込んだ。
「んぁ……?じりゅ、どうしたの……?」
突然の中断にシルヴィアが困惑の声をあげると、ジブリールは微笑みながら彼女の秘部に指を挿れた。
「ひゃ……っ」
シルヴィアは途端に感じた異物感に悲鳴をあげるが、すぐにその異物感が快感に取って代わられたのか、プルプルと小さく身動ぎし始める。
指に膣肉が食いつき、指を扱くようにひだがわななく。
ジブリールはそれを楽しむようにゆっくりと指を抽送し、最近ご無沙汰であった膣肉を解していく。
ゆっくり、優しく、丁寧に、指を抽送する度にシルヴィアはか細い声を漏らすが、もじもじと物足りなそうに太腿を擦り合わせている。
ふむと声を漏らしたジブリールは、お望み通りにしてやろうと抽送の動きを速め、彼女の急所でもある膣肉の中でもざらついた手触りの場所──Gスポットを指で引っ掻いてやった。
「ひゃ!?あひゅ♡じ、じりゅ!?きゅ、急に、激し……♡んぁ♡ひっ♡ああああああ♡♡」
グチャグチャと湿った音を響かせながら指で膣肉を掻き回し、吸い付いてくるひだを腕力に物を言わせて振り切り、責め立てる。
指が膣肉を掻く度、Gスポットを抉る度に激しい快感がシルヴィアの全身を駆け巡り、弛緩させていた身体が強張っていく。
ジブリールの指が動く度にシルヴィアの腰がかくかくと揺れ、掻き出された愛液が布団を汚す。
「じりゅ……♡まへ、待って……っ♡イく♡イく♡イくぅうううう♡♡♡」
ビクビクと快感に身体を震わせていたシルヴィアは、不意に上擦った嬌声をあげて絶頂を迎えた。
両足が爪先までピンと伸びきり、秘部からはジブリールの指を汚すようにぷしゅぷしゅと音を立てて潮が噴き出す。
だが、彼は止まらない。絶頂した彼女の無視し、指を動かし続けて快感を与え続ける。
「……!?♡ま、まへ、やめへっ♡イってる……っ!イってる、かりゃ……♡んぉおおお♡♡」
シルヴィアは絶え間なく与えられる快感から逃げようと腰を引こうとするが、彼の手が臀部を鷲掴んでいるためそれができず、訪れた絶頂が落ち着く事なく次の絶頂を迎えてしまう。
それが二度、三度とと続いた頃になってようやくジブリールは秘部と臀部を掴む手を離し、彼女を解放。
「んぇ……♡あひっ……♡ぁ……♡ひぅ♡」
ピクピクと身体を揺らし、肩を揺らしながら呼吸を整えようとするシルヴィアを他所に、ジブリールは着崩した浴衣を乱暴に脱ぎ捨てると、パンツも脱いで勃起した一物を露出させた。
シルヴィアは「あ……」と声を漏らし、僅かに怯えるように、けれど期待するように一物を見つめると、ジブリールは微笑み混じりに彼女の股を開き、その間に納まった。
「──悪いが、もう抑えられんぞ」
そして耳元に顔を寄せてそう告げると、彼は無慈悲に腰を突き出して一物を一気に根元まで押し込んだ。
「お゛……♡」
どちゅん!と音を立てて亀頭と子宮口がぶつかり合った瞬間、シルヴィアの口から野太い嬌声が漏れ、全身を痙攣させて快感に打ち震える。
だがそれが何だと目を細めたジブリールは腰を動かし始め、パンパンと乾いた音を立てて腰を打ち付ける。
エラ張るカリが絶頂後で痙攣する膣肉を掻き回し、亀頭が子宮口を殴りつけて子宮を押し潰す。
「んぉ……♡ぎっ……♡じりゅ、じりゅうう♡まへ、待って……♡や、休ませて……♡イ、イく……♡イぐ……っ♡」
シルヴィアは快感の波に攫われ、視界を点滅させながらジブリールに制止の声をあげるが、彼には届かない。
ふっ!ふっ!と短く息を吐きながら、それに合わせて腰を突き出し、彼女の胎内を抉り続ける。
動く度、動く度に膣肉が引き締まり、ひだが一物を捕まえようと蠢くが、ジブリールの力の前ではあまりに無力で、カリが吸いつこうとするひだを蹂躙し、追い散らす。
「あへっ♡あ……♡んひっ♡んぉ……♡ぉおおおおおお♡♡」
どすどすと殴られるような衝撃と快感に白眼を剥きながら、シルヴィアは絶頂に身を震わせる。
いつにも増して大きく、固い一物が膣肉を解していき、分泌される愛液を潤滑油により動きを大きくしていく。
だが、不意に動きを止めたジブリールは、あへあへと気の抜けた嬌声を漏らす彼女の耳元に顔を寄せ、そっと囁いた。
「シル、愛してる」
「んぇ……?」
突然告げられた愛の告白にシルヴィアは困惑の声を漏らすが、身体は素直に喜んでいるのか、膣肉の締め付けがほんの一瞬強くなる。
その感触を楽しむように目を細めたジブリールは更に追撃を放つ。
「この世界の誰よりも、何よりも、お前が好きだ」
「……っ♡」
「さっき、俺がお前を嫌いになったとか言っていたな?そんなこと、あるわけない。俺は、お前が、大好きだ」
「じりゅ、まへ、やだ、やめて……っ♡」
彼女への想いを口に出す度、彼の声が耳に届く度、二人の胸の中には凄まじいまでの多幸感が生まれ、表情がだらしない程に緩んでいく。
だが、まだだと表情を引き締めたジブリールは真正面から彼女の顔をを見下ろすと、柔らかく破顔して笑みを浮かべた。
「俺は、お前の夫になれて幸せだ」
「〜〜〜〜っ♡♡♡♡」
ジブリールがそうして本心を告げた直後、シルヴィアは笑顔を返しながら全身を震わせると、ビクン!と一際強く身体を跳ねさせた。彼の言葉だけで、正確にはあまりにも強烈な幸福に身体が耐えきれず、半ば気絶すると共に絶頂を迎えてしまったようだ。
途端に膣肉の締め付けが強くなり、動こうとしたジブリールの一物をがっしりと掴んで離さない。
同時にヒダが蠢き始め、動きを止めた一物を扱きあげ、子宮口が精子を求めて亀頭に吸い付いた。
「くっ……」
優しく手で扱かれるのとは違う、一物全体を擽り回すような快感にジブリールが低く呻いたかと思うと、抑えきれずに精子を吐き出してしまう。
「ひっ♡ああああああああああ♡♡♡」
その熱に当てられてようやく意識を取り戻したシルヴィアは、同時に絶頂を迎えて甲高い嬌声をあげた。
どぴゅどぴゅと音を立てて子宮に精液が吐き出され、子宮は瞬く間に満たされてしまう。
一分ほど続いた吐精が終わると、ジブリールはゆっくりと一物を引き抜いた。シルヴィアの秘部からはごぼりと音を立てて白濁液が溢れ出し、ジブリールの手形がついた彼女の臀部と、毛布に白い染みを残した。
流石のジブリールも疲れたのか、乱れた呼吸を繰り返しながらシルヴィアに目をやると、困ったようにすっと目を細めた。
「あへっ♡ぉ、おほ♡ジル、じりゅ……♡あへ♡わたひも、私も、だいすき……♡愛してるよぉ……♡」
絶頂の余韻に当てられてピクピクと痙攣しながら、夢現の状態になりながらも彼の告白に返事をしていた。
愛する男に抱き潰され、秘部から大量の白濁液を溢れさせながら、それでも自分への想いを告げてくれたのだ。
それを理解した途端、僅かに萎えた一物がすぐに硬さを取り戻す。
同時にシルヴィアも回復したのか、ゆっくりと身体を起こすと、ジブリールに笑顔を向けた。
「いいよ。ジルの好きなだけして♡私も、頑張るから♡」
「あん♡じりゅ、しゅき♡やん♡だいすき、あいしてる……っ♡」
今度は自分が動く番と言わんばかりに、布団にジブリールを寝かせたシルヴィアは騎乗位で彼の一物を秘部に飲み込んでいた。
身体を上下に揺らしながら、かくかくと腰を前後に揺らす度、彼の一物が彼女の急所を捉え、視界の点滅するほどの快感を与えてくるが、彼女は構う事なく腰を動かし続け、ジブリールを見下ろす。
彼は身体が動く度に揺れる豊満な胸や、快感に蕩ける彼女の表情、汗で額に貼り付いた銀色の髪と、彼女が持つ全てを堪能しながら、不意に笑みをこぼして両手で臀部を鷲掴み、浮かないように自分の腰へと押し付けると、
「すまん、
低く呻くような声でそう告げると共に、本日二度目の射精を行った。
「〜〜〜〜♡♡♡」
彼に捕まっているため、逃げることもできないシルヴィアは子宮を満たす精液の感覚に目を見開き、声にならない嬌声をあげながら身体を仰け反らせて快感に打ち震える。
吐精が終わると共に絶頂も落ち着いた彼女が、脱力しながらぱたりとジブリールに覆いかぶさるように倒れ込むと、どちらからというわけでもなくお互いにキスを始め、蛇のように舌を絡めあう。
「んぉ……♡ぉおおおお♡♡お゛……♡おお゛ぉぉおお゛おお゛♡♡♡」
ジブリールに背を預ける形で彼の上に腰を降ろしたシルヴィアは、凄まじい快感に視界を点滅させながら、野太い嬌声をあげながら身体を小刻みに痙攣させていた。
一物は変わらず彼女の秘部を貫き、ジブリールの突き上げで絶えず子宮口に刺激を与えられ続けているが、快感の所以はそれだけではない。
ジブリールの片手が乳首を、もう片方の手が陰核をこねくり回し、絶えず快感を与え続けているのだ。
「じりゅ!じりゅうう!!まへ、やめ、やめへっ♡イぐ!ィく……♡さっきから、ずっとイってるかりゃ……♡」
あへあへと絶えず嬌声をあげながら肌に珠のような汗を浮かべ、だらしなく開いた口からは舌をこぼしながら、ジブリールに待ったをかけるが、彼は笑みを浮かべるだけで何も言わない。
代わりに指で陰核を弾き、乳首を抓りながら、一際強く腰を突き上げた。
「お゛──……♡♡♡」
三つの凄まじい快感に一度に襲われたシルヴィアは意識を飛ばしてしまうが、ジブリールは構わずにその三点を責め続け、気が向いたタイミングで射精を行う。
吐精の快感に身震いしつつ、シルヴィアの頸にいくつものキスマークを付けていくジブリールは、いまだ萎えずに彼女の胎内を貫いている一物と、それをくすぐる膣肉の感覚に小さく息を吐いた。
どうやら、まだこの昂りは落ち着かないようだ。
彼女をうつ伏せに布団に寝かせ、覆いかぶさりながら一物で秘部を貫く。
「っ!?〜〜〜♡♡♡──……っ♡」
シルヴィアはその衝撃でほんの一瞬目を覚ますが、すぐに快感に流されて白眼を剥くと、絶頂しながらピクピクと痙攣を繰り返す。
そんな彼女の頸や肩に次々とキスマークを付けながら、ジブリールは微笑みながら我慢できずに彼女の膣内に精液を吐き出した。
「せっかくの旅行だ。心ゆくまで、この旅行を楽しもう」
「待って、ちょっと休ませて……っ」
気絶している彼女の耳元でそう告げて、彼女の反論を無視して勝手に延長戦に突入するのだった。
果たして、何度彼女に注いだだろうか。
もう数えるのも馬鹿になるほどにシルヴィアの子宮に精を注いだジブリールは、どっと疲労を吐き出して崩れ落ちた。
あれほど固かった一物もようやく萎えて、先端が彼女の秘部に入り込んでしまってはいるものの、勃起する気配はない辺りとりあえず精を吐き出し切ったようだ。
最後は彼女を抱きしめながらの正常位で抱いていた都合、彼女に覆いかぶさる形で力尽きてしまったが、その体勢から身動きひとつできない。
──やばい。これ、明日動けるか……?
彼女の上から退こうともがくが、自分を受け止める豊満な胸の柔らかさと温もりに意識が遠のいていき、何より無意識だろうに抱き締めてくる彼女を払うことができない。
──明日、起きたら謝ろう……。
ただそうだけを決めて、ジブリールは目を閉じて静かな寝息を立て始める。
なお、彼に潰されているシルヴィアは、
「あへっ♡もぅ、ゆるひて……っ♡イぐッ♡ぉほっ……♡あへ……っ♡」
一人絶頂の余韻に浸りながら、接合部から大量の白濁液を吐き出し続けていた。
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