新婚旅行ではっちゃけ過ぎた二人は……。
僅かに開いた窓の隙間から吹き込む風の冷たさに、シルヴィアは目を覚ました。
「ぁ……ぅ……ぁれ……?」
まるで一晩中叫んだように喉が痛み、漏れ出た声も酷く掠れている。
ジブリールと食事し、女将が出した飲み物を飲んだところまでの記憶はあるのだが、その先が曖昧だ。
何故ここにいるのか、何故裸なのか、全く見当もつかない。
「お、重い……っ」
そして、裸のジブリールに覆い被さられているこの状況が、何よりもよくわからない。
シルヴィアの胸を枕元に代わりに、その谷間を顔を埋め、すうすうと寝息をたてているのだが、吐き出される吐息が擽ったい。
同時に、胎の中に感じる異物感からして、彼の立派な一物が自分の秘部に入り込んでいるようだ。
とは言っても、ジブリールが動かず、萎えて小さくなっているそれが僅かに入り込んでいる程度。多少の違和感はあれど、いつもの叩きつけるような快感は感じない。
状況からして、何らかの原因で食後に寝てしまった自分に欲情し、襲ってしまったのだろう。そして、そのまま寝落ちしてしまった。
普段は真面目な顔をしているが、意外と欲望に忠実である事を知っているのは自分しかいまい。
彼の寝顔が見えないのは残念ではあるが、彼の安眠している姿に微笑みをこぼしたシルヴィアは、彼を起こさないようにそっと髪を撫でた。
色を失い、それでもなお初雪のように美しい白い髪は、手櫛で梳ている筈なのにこちらが撫らているように心地よく、いつまでも撫でていたい気持ちが湧いてくるが、
「むぅ……」
ジブリールが低く唸りながら顔をあげ、薄く開いた寝ぼけ眼でシルヴィアを見つめた。
「おはよう」と浮かべた微笑みをそのままに声をかければ、彼は瞬きと共に表情に凛々しさを取り戻し、いつもの真剣な眼差しになったかと思うとハッとして彼女の上から退いた。
小さな一物が秘部から抜ける弱い快感に鳥肌を立てたシルヴィアを他所に、ジブリールは慌てて頭を下げて口を開く。
「すまんっ!昨日は、少し舞い上がり過ぎた……っ!」
同時に吐き出された謝罪の言葉を軽く受け流し、シルヴィアは「違うでしょ」とわざとらしく不機嫌そうな声音で彼に言う。
「え?」と困惑の声を漏らし、何を間違えただろうと自問する彼に、シルヴィアは問うた。
「私はおはようって言ったんだから、キミが言うべきことは?」
「……っ!ああ、そうだな」
彼女の問いかけで合点がいったのか、小さく頷いたジブリールは姿勢を正すと、微笑みを浮かべながら言う。
「おはよう、シル。……で、いいのか?」
「うん、おはよう。……でいいんだよね?」
そして起床の挨拶を交わした二人だが、揃って窓の外に目を向けた。
そこにあるのはいまだ暗い森の河の景色であり、朝露と思しき霧がかかっている。
恐らく、日は跨いでいる。だが、まだ陽が出ていないようだ。目を凝らして遠くに視線を向ければ、僅かに輪郭が白んでいる山が見える。
もうすぐ日の出といった時間なのだろう。とりあえず、新婚旅行二日目は始まっているようだ。
ならば、まずは何をしようかと思慮するジブリールを他所に、シルヴィアはかちこちに乾いた白い染みが貼り付いている自分の身体を見遣り、小さく息を吐いた。
そのまま視線を部屋に併設された露天風呂に向け、そっと彼の背を撫でた。
擽ったそうに身動ぎし、肩越しにどうしたと問いかけるジブリールだが、シルヴィアはペタペタと彼の背に触れ、僅かに感じる湿り気と粘り気に眉を寄せた。
自分にその記憶はないが、おそらく彼は眠る自分を一晩中堪能したのだろう。汗も酷いし、頸の辺りに顔を寄せて臭いを嗅ぎ、舌を這わせれば汗のしょっぱさを感じられた。
二人とも汗だけでなく色々なもので全身がベタついているのだ、ならばやる事は一つ。
「ねえ、ジル」
「あ、ああ。なんだ」
突然愛する妻に頸を舐められた挙句、耳元で愛称を呼ばれたジブリールは多少なりとも狼狽えつつ彼女に声を返すと、彼女はにぱっと綻ぶような笑みを浮かべながら告げた。
「一緒にお風呂入ろう?背中、流してあげるから」
そうと決めてしまえば、ジブリールよりも速いのが彼女の美点の一つだろう。
ほとんど裸であった二人は荷物から替えの下着の準備だけすると、そのままの足で露天風呂に足を向けた。
木製の桶で湯気を立たせる温泉を掬い上げ、それを頭から被る。
「「あ〜〜」」
途端に全身を包み込んだ温もりに二人は気の抜けた声を漏らすと、流れのままに湯船に浸かりたい気持ちが膨らむが、そこに入るにはあまりにも汚れ過ぎている。
「先にお前を──」
「はい、ここ座って!早く早く!」
とりあえず、昨晩の謝罪を含めて彼女の身を先に清めてやろうとするジブリールだが、それよりも速くシルヴィアが彼に声をかけた。
今の今まで隣にいた筈の彼女が、いつの間にか露天風呂の端にある洗い場におり、鏡の前に置かれた椅子を示して彼を呼んでいる。
相変わらずの行動の速さにほんの一瞬困惑するジブリールだが、ペチペチと椅子を叩いて急かす彼女に負け、納得せぬ内に椅子に腰を降ろした。
「別にお前を先に──」
「いいから、黙って前向いてて。こ、こっち見ないでね……っ!」
それでもやはり彼女を洗いたいのか、ジブリールは渋るのだが、それすらもシルヴィアが言葉で制して前を向く事を強制。
低く唸り、漏れかけた不満を飲み込んだジブリールは、言われた通りに正面を向き、鏡に映る自分を睨みつけた。
身体中に刻まれた傷跡を見るたびにそれが刻まれた時を思い出し、白い髪を見るたびにあの日の決戦を思い出す。
──こうして、自分を見るのはいつぶりだろうな……。
思わずこぼれた苦笑をそのままに、すっと蒼い瞳を細めた。
鏡の前に立つのは、衣装を着て、最後に身嗜みを整える時程度。こうして裸で鏡の前に座るなど、滅多なことではありはしない。
「そ、それじゃ、失礼しますっ!」
そうして一人で思慮を続けていると、不意にシルヴィアの緊張に震えた声が耳に届いた。
何をそんなに緊張していると、彼女を弄り半分に笑ってやろう振り向く間際、背中に柔らかい二つの物体が押し付けられた。
「っ!?」
突然の感触に驚き、振り向こうとした体勢のまま固まるジブリールに、顔を真っ赤にしたシルヴィアは「振り向いちゃ駄目だからね!」と釘を刺した。
「あ、ああ……!」
彼女の指摘にジブリールが慌てて姿勢を正すと、背後のシルヴィアが小さく安堵の息を吐く。
今の自分の体勢を彼に見せるのは、流石に心の準備が必要だ。もう少ししてから、彼と自分が慣れた頃を見計らって、声をかけよう。
彼女はそう決めながら石鹸の泡に包まれた豊満な胸を両脇から寄せ、改めて彼の背中に押しつけた。
柔らかな乳房がジブリールとシルヴィアの身体に押し潰され、形を歪めるが、その柔らかさは変わらない。
「う、動くよ……?」
「ああ」
だが見えずとも彼女が何をしているのかはわかるのか、ジブリールまで顔を耳まで赤くしながら、彼女の好意を甘んじて受け入れた。
そんな彼の優しさに感謝しつつ、ゆっくりと身体を動かして胸を上下に揺らした。
筋肉質でありながら柔らかい彼の背と、彼女の豊満な胸が擦れ合い、石鹸が泡立つ湿った音が微かに漏れる。
「んっ……。ふっ……。ぁ……っ!」
胸を上下に揺する度、彼の背と乳首がコリコリと擦れ合い、淡い快感が彼女の胸から広がっていく。
背後から聞こえる微かな嬌声に当てられたジブリールは、下腹部に熱がこもっていくのを感じながら、歯を食い縛って自制する。
「んぁ……っ!んんっ♡ど、どぅ、ジル……?んっ……♡気持ち、いい……?」
そんな彼の耳元で、シルヴィアは客に媚びる娼婦のような猫撫で声で問いかけると、彼は「気持ちいいよ。決まってるだろ」と振り向く事なく即答した。
そのどこか跳ねるような声音に、嬉しそうに笑ったシルヴィアは、照れ隠しのように胸の動きを速め、胸をスポンジ代わりにゴシゴシと彼の背を擦る。
力が強まった分、乳首と背中が擦れる強さも増し、潰れた乳首がコリコリと音を立てて転がり、痺れるような快感がシルヴィアを襲う。
「んぅ……っ♡ほら、ゴシゴシ……っ♡どっか、痒いところ、ない……?」
「大丈夫だ。その、そっちは辛くないか?」
「んぇ……?ふふっ。んっ♡大丈夫、だよ……っ♡」
彼の心配の声に笑みを浮かべて返しつつ、シルヴィアは身体の動きを大きくして彼の背中を洗っていくと、不意に彼の肩甲骨の凹凸と乳首が擦れ合い、結果的に乳首を弾くことになってしまった。
「ひぁっ♡」
不意に感じた強い快感にシルヴィアは嬌声を漏らしながらピクンと肩を跳ねさせ、プルプルと身体を痙攣させながらその動きを止めた。
「シル?」と振り返らずに心配の声をあげるジブリールだが、そんな彼にシルヴィアは「大丈夫だよ」と強がりの笑みを浮かべながら返す。
だが、両膝立ちで彼の背に寄りかかる彼女の股には、温泉の水や石鹸の泡とは違う生温かい液体が垂れていき、太腿を伝っていく。
先程の強烈な刺激に当てられてか、軽い絶頂を迎えてしまったようだ。全身で彼を洗うという重労働も重なって呼吸が乱れ、吐き出す息にも情欲の熱がこもる。
一人で勝手に奉仕しつつ、勝手に絶頂しているという、見方によっては酷く変態的な行為をしているとようやく自覚したのか、彼女は誤魔化すために再び身体を動かそうとするが、
「……本当に大丈夫か?」
背中越しに投げられる彼の声は、情欲の欠片もない、優しさのみが孕んだ愛する者を心配する声だ。
彼の言葉にシルヴィアは再び大丈夫だと返そうとするが、先の絶頂の余韻のせいで舌が震えて上手く喋ることができず、子宮が疼いて熱を孕む。
何にも触れられず、挿れられてもいないのに、キュンキュンと収縮を繰り返す膣肉の感覚に悩ましそうに息を吐くと、その吐息を背中で受け止めたジブリールは律儀に振り向かずに「シル?」と彼女の愛称を呼んだ。
「……だ、大丈夫。んっ、ふぅ……♡ね、ねえ、ジル、こっち向いて」
その声にようやく持ち直したシルヴィアは、深呼吸と共に昂りを落ち着かせ、今すべきことを優先することにした。
彼女の言葉にジブリールは「いいのか?」と問い返した。先程まで振り向く事だけはあれだけ固辞していたというのに、急にそれを解くとは何事か。
「うん。あ、身体ごとね、私と向かい合わせになって」
そんな彼の思慮とは裏腹にシルヴィアが何てことのないように頷くと、ジブリールは椅子に乗る臀部を軸に横回転し、背後の彼女と向き合う形を取った。
「……っ!?」
それと同時に飛び込んできたのは、胸を中心に泡に塗れながら頬を上気させ、熱のこもった呼吸を繰り返す妻の姿だ。
白い泡に塗れているものの、ピンと勃った薄桃色の乳首がその泡の層から飛び出しており、彼の背に擦れた影響かいつにも増して固く勃起してしまっている。
月光を孕んだ銀色の瞳が快感に蕩けているものの、彼女はまだやりたいことがあるのかそっと彼の背に手を回し、胸板に胸を押しつけながら抱き締めた。
「……シル?」
「いいから、このまま動かないで。ね?」
ドクンドクンと力強く跳ねる彼女の心音を聞きながら、ジブリールは首肯した。
夜空を閉じ込めた蒼い瞳が見つめるのは、こちらをじっと見上げてくる彼女の瞳だ。
言われた通りに動かずにいると、彼女は微笑みながら身体を上下に揺らし、押しつけた乳房で彼の胸板を磨き始める。
「んっ……♡はっ……♡さっきから、ずっと、こうやってたんだよ……?気持ちいい?」
「……っ、ああ。何度も言わせないでくれ」
「そうだね。んっ♡ここも、こんなに大っきくなってるし……♡」
ゴシゴシと肌が擦れ合う音を聞きながら、シルヴィアは勃起した彼の一物に不意に手を伸ばした。
鈴口から先走り汁を溢れさせる亀頭を指先でつつき、その度に小さく呻く彼の反応に笑みをこぼす。
「気持ちいいよね……?でも、まだ駄目。ここはあとでね」
シルヴィアは彼の胸板を磨きながらそう言うと、一物に触れていた手を離し、両脇から胸を挟んで中央に寄せつつ、お互いの乳首が擦れ合うように位置を調整してから胸の動きを再開。
コリコリと互いの乳首が転がしあい、既にそこを性感帯として完成しているシルヴィアは快感に喘ぎ、ジブリールは慣れぬ感覚に低く唸る。
シルヴィアはコリコリとお互いの乳首が擦れる快感に喘ぎながら、目の前で物足りなそうにしているジブリールの表情をじっと見つめ、悪戯っぽく笑った。
「あとでって言ったでしょ?我慢して」
いつもなら押し倒されているだろうに、律儀に待ってくれているジブリールを煽るように彼の手を取り、筋肉質な彼の腕を谷間に挟んだ。
そのまま左右の胸を上下逆に動かし、腕を洗っていく。
途中、流石に暇を持て余したジブリールが彼女の頬をつついたり、抓んだりするハプニングはあれど、それもお互いに笑って流してしまうのだから大した問題でもあるまい。
そのまま胸と手を使って足を磨いてやりながら、目の前で揺れる彼の一物をじっと見つめ、ごくりと生唾を飲んだ。
もじもじと太腿を擦り合わせ、物欲しそうに彼の一物を見つめていると、不意に彼女を見るジブリールと視線が合わさった。
彼もまた触ってほしいのか、僅かに腰を動かして一物を突き出し、彼女の鼻先と亀頭が触れ合った。
先走り汁が鼻に貼り付いたかと思えば、強烈な生臭さが彼女の鼻腔を駆け抜け、ビクビクと身体を震わせる。
「……えいっ!」
そして我慢の限界を迎えた彼女は豊満な胸で彼の一物を包み込むと、両脇から胸ごと一物を圧迫しながら、ゴシゴシと上下に揺らし始める。
胸の柔らかな肉で包まれた一物は動く度に優しく扱きあげられ、鈴口からびゅるびゅると先走り汁が溢れ出し、彼女の谷間に汚い染みを残していく。
だがシルヴィアはそれに構う事なく胸を動かしながら、時折谷間から飛び出してくる亀頭に口付けを落とし、唇に口紅代わりに先走り汁を付けていく。
「ほらほら、こうして欲しかったんでしょ?私の胸で、おちんぽゴシゴシして欲しかったんでしょ♡」
胸が上下に動く度、柔らかな胸の肉が形を歪めて一物を扱き、洗剤と先走り汁が混ざって泡立ち、彼女の谷間から溢れ出す。
泡が潤滑油となり、より激しく胸を動かしていく中で、シルヴィアは眉を寄せて耐えているジブリールに向けて告げた。
「いいよ、
「う……っ!」
そして彼女からの懇願とも取れる言葉に後押しされ、ジブリールはついに我慢の限界を迎え、低く唸った。
同時にシルヴィアは胸で亀頭を包み込み、吐き出されたものを全て谷間で受け止める体勢を取った。
するとすぐに鈴口から火傷するのではと思うほどの熱を孕んだ精液が吐き出され、谷間から白濁液が溢れ出す。
数十秒ほどかけて行われた吐精が落ち着くと、ジブリールはどっと溜め息を吐き出した。
こうも焦らさせ、煽られ、一方的に奉仕されたのは、随分と久しぶりに思える。
「ふふ。いっぱい出たね。私の胸、ベトベトになっちゃった。ほら、見て」
シルヴィアは椅子に座ったまま深く息を吐く彼に声をかけ、彼が顔を上げたのと同時に閉じていた胸の谷間を開いた。
ねちゃ〜と気色の悪い音をたてながら開いたそこからは、生臭い湯気が立ち昇り、ジブリールが吐き出した精液がこびりつき、左右の胸を繋ぐように白濁の橋が何本もかかっていた。
それを自分が作り出した光景であることを理解しているジブリールが、愛する妻の淫靡な姿に生唾を飲む中、シルヴィアはそっと彼の一物を口に含むと、
「じゅるるるるる!」
勢いよく吸い上げ、尿道に残っていた精液を吸い出した。
突然の快感に喘ぐジブリールを他所に、こくりと喉を鳴らしてそれを飲み込んだシルヴィアは見せつけるように口を開け、にこりと微笑んだ。
「ご馳走様でした。これで綺麗になったね」
ペロペロと一物を舐め回し、こびりついた精液を舐め取りながらそう言うと、彼女は湯船に桶を突っ込み、温泉を掬い上げると、それをジブリールの頭から被せた。
ばしゃん!と水が弾ける音を聞きながら、全身に感じる温もりと風が当たる冷たさに身震いしたジブリールに、シルヴィアは言う。
「先入ってていいよ。私も身体洗わないとだし」
彼女は胸にこびりつく精液を指で掬い、それを舐めながらそう言うが、ジブリールは彼女の手を掴んだ。
「今度は俺の番だ。座れ」
「え?いいよ、別に。私がしたくてやったんだし」
「なら、座れ。俺がしたいから、するんだ」
「……じゃあ、遠慮なく」
流石に彼に洗われるのはと遠慮するシルヴィアだが、ジブリールの有無を言わさない圧力の前に屈っし、彼と交代で椅子に腰を下ろした。
「あ、私も背中向けようか?」
「どっちでもいいさ。どうせ全身綺麗にしてやるんだからな」
そして先程までのジブリールと同じように鏡の方を向こうとするが、ジブリールがそれを制した。
「そう?」と小首を傾げる彼女を横目に彼は黙々と石鹸を泡立て始め、きめ細やかな泡が彼の手と、手拭いを包んでいく。
自分の手と、シルヴィアを交互に見遣る彼の瞳はさながら獲物を見つけた捕食者のようにぎらつき、彼女の肢体を見つめている。
「お、お手柔らかにお願いします……っ!」
これはまずいと直感したシルヴィアが先んじて釘を刺すと、彼は「任せろ」とだけ告げて彼女に手を伸ばした。
そうして始まったジブリールの洗体は、彼女の予想に反して優しいものだった。
洗うついでに肩を揉まれ、腕や足の筋肉を解され、血行が善くなったからか、全身がポカポカと温かい。
「んっ……。んぁ……、ふぅ、ぁ〜」
ジブリールの泡に塗れた手が身体中を這い回りつつ、触れた場所に確かな癒しを与えてくる状況に、シルヴィアは気の抜けた声を漏らしながら、背後のジブリールに身体を預けた。
そうなると予想していたいたのだろう。それを受け止めたジブリールは彼女の温もりを感じつつ、洗体と按摩を続行。
武闘家である以上、彼女の肉体は常に限界近くか、あるいはそれ以上の稼働を強いられる。彼女はいつも疲れていない風を装うが、実際には彼女も気付かない内に疲労が蓄積し、突然限界がくるなんて事もあるかもしれない。
普段から按摩してやったり、十分な休息を取るようにはしたりはしているが、それでも限界はあろう。
だからこそ今のうちに回復させられるのならしてやるべきだと、ジブリールは判断したのだ。もちろん、昨晩の無茶に対する謝罪も大いに含まれているが。
力を抜いている為、柔らかい二の腕を揉みしだき、指を間を洗うために自分の指を絡め、互いの手を握り合う。
「どうだ、気持ちいいか?」
「うん……。ちょっと、眠くなっちゃうくらい……」
そのまま囁くような声で問えば、彼女は欠伸を噛み殺しながらそう告げて、薄くなった瞳に彼を映す。
相変わらず興奮しているのか、蒼い瞳が爛々と輝いているが、それでも彼女の為と自制する理性は残っているようだ。
それなら、このまま寝てしまってもと思うシルヴィアだが、不意に彼の手が脇を撫でたのを合図に小さく悲鳴をあげ、睡魔に負けかけていた意識が覚醒した。
「すまん。変なところを触ったか?」
「え?あ、ううん、平気。ちょっと、びっくりしちゃって……」
突然の悲鳴にジブリールが僅かに困惑した様子を見せ、シルヴィアは誤魔化すように笑いながら首を横に振った。
彼は身体を洗ってくれているのだ、それならぼ脇くらい触るだろうに。
「た、ただ、ちょっと擽ったいかも……」
そして先の悲鳴を擽ったさのせいにすると、ジブリールは得心した様子で頷き、「少し我慢してくれ」と告げて脇を摩り始めた。
彼の手が動く度に感じる擽ったさにシルヴィアは声もなく身動ぎするが、これも洗体だとして我慢を選択。
そのまま数分かけて左右の脇を洗い終える頃には、我慢しすぎた彼女は顔を真っ赤にさせ、呼吸を乱していた。
「はぁ……。はぁ……。お、終わった……?」
「ああ、脇わな。次いくぞ」
ジブリールに寄りかかりながら問うたシルヴィアに、彼は淡々とした声音でそう返し、泡を追加した手をそっと彼女の太腿に置き、その内側を優しく撫で始めた。
膝の方からゆっくりと根元に向けて進んだそれは、温泉とは別の湿り気を帯びた秘部に迫っていくが、そこにたどり着く前に引き返し、再び膝の方へと進んでいく。
「ぁ……」
彼の行動にシルヴィアは切なげな声を漏らすが、ジブリールは気にしない。
秘部には決して触れないようにひたすらに内股を摩り続け、淡い快感を彼女に与え続ける。
「んっ……。ぁ……。ジ、ジル……?もうちょっと……強く……っ」
もじもじと爪先を擦り合わせ、ジブリールにもっと力を入れるように言うが、彼は肩を竦めて「そうか」と返すが、力加減は大して変わらない。
うぅと切なそうに呻く彼女を他所に、太腿から手を離したジブリールは、彼女の胸を下から持ち上げるように鷲掴んだ。
指を包み込む柔らかさときめ細やかな肌の感覚を楽しみつつ、彼は五指を蠢かせて胸を刺激し始める。
「ぴっ!?」
途端に背筋を駆け抜けた痺れるような快感に変な声を漏らした彼女を他所に、ジブリールは根本から優しく、けれど指示通りに力強く彼女の乳房を扱きあげ、同時に谷間に溜まった自分の精液をこぞき落としていく。
「ぁ……♡じ、ジル……っ!待っ、んん……♡そんな、急に、強い……っ♡」
牛の乳を搾るように、力強く胸を扱かれるシルヴィアは胸から広がっていく快感に喘ぐと、ジブリールはその反応を楽しむように胸を揉みしだきながら、彼女の首筋に吸い付き、キスマークを付けていく。
耳元で聞こえてからリップ音を聞きながら、胸を揉まれるシルヴィアは快感に身動ぎするが、ちらりと彼の手を見つめて低く唸った。
彼は絶えず胸を揉み、キスもしてきてはいるが、全く触れてこない場所が一つ。
「ジル、お願い……っ!乳首、先っぽも、触って……♡」
そう、彼は胸を揉み続けてはいるが、その先端でピンと勃った乳首には決して触れることなく、時折乳輪に触れて快感を煽るを繰り返しているのだ。
「後でな。今は我慢しろ」
彼女の懇願を軽く受け流したジブリールはそう言うと、片方の手で再び彼女の内腿に触れると、秘部には触れないように股関節の辺りをすりすりと擦り始める。
「んん……♡ジ、ジル……っ!やだ、これ、やだぁ……!ひぅ♡気持ちいいのに、足りないっ!足りないから、お願い……っ!んん♡」
ジブリールの手が胸や太腿を撫でる度にシルヴィアはピクピクと身体を痙攣させ、秘裂からは愛液が溢れ始める。
ジブリールはそれを見下ろしながら小さく笑むと、「仕方ないな」と溜め息を吐いた。
「ほぇ?」
シルヴィアが彼の言葉の意図を察しきれず、首を傾げた瞬間、ジブリールは彼女の乳首を思い切り抓んでやった。
本来なら絶叫するほどの激痛が走るのだろうが、じっくりと焦らされた彼女はその痛みを快感に変換し、彼女の脳天まで突き抜けた。
「んぉお♡おぎっ、ぎぃいいいいい♡♡♡」
ビクン!と身体を跳ねさせたかと思えば、野太い嬌声をあげながら絶頂した。
ジブリールはそんなことお構いなしに乳首を責め立ててれば、彼女は壊れた絡繰人形のようにビクビクと痙攣を繰り返し、秘裂からは音を立てて潮が噴き出す。
「おぉ……っ♡おひっ♡ち、乳首、らけて、イク……♡乳首、痛いのに、イくぅぅうううう♡♡♡」
あへあへと喘ぎながら絶頂を繰り返していると、ジブリールは不意に彼女を立ち上がらせ、鏡に手をついて臀部を突き出すように指示を出す。
絶頂の余韻で思考が鈍っている彼女は、言われるがまま鏡に手をつき、臀部を彼に向けて突き出すと、熱さられた鉄のように熱いものが秘裂に添えられた。
彼の意図を察した頃にはもう遅い。彼女が待ったをかける前に、ジブリールは硬さを取り戻した一物で彼女の秘部を貫いた。
「お゛……♡」
絶頂直後で痙攣していた膣肉と、降りきっていた子宮を無慈悲に殴りつけた。
彼女は野太い嬌声を漏らすとビクビクと身体を痙攣させ、滲み出た潮が太腿を伝って床に落ちていく。
「シル、前みろ」
絶頂の余韻と、再び身体が汚れた不快感に喘ぐ彼女にジブリールがそう言うと、彼女は素直に顔をあげ、同時に顔を真っ赤にした。
目の前にあるのは鏡だ。湯気で曇り、見え辛くはあるものの、そこに映っているのは快感に喘ぎ、蕩けきった自分の顔だ。
流石に羞恥心が勝ったシルヴィアは顔を背けるが、背中に覆いかぶさったジブリールが彼女の顎を掴んで無理やり鏡を向かせると、同時に腰を振り始める。
パンパンと音を立てて腰を打ちつけ、彼女の胎内を蹂躙しながら子宮口に亀頭を押しつけ、ゴリゴリと音を立てて解していく。
「んぉぉ……♡おぎっ……♡ジ、ジル……!そこ、いいよ……っ♡あへっ、気持ちっ、おお゛♡おおおお゛……♡♡♡」
痙攣しながら蠢き、異物を追い返さんとする膣肉をカリで引っ掻き回しながら、空いている手で垂れ下がりながらも重力に負けずに形を保つ胸を鷲掴み、乳首を抓んで転がしてやる。
甲高い嬌声と共に全身を痙攣させ、身体を強張らせながら絶頂した彼女は、鏡に映る快感に蕩けた自分と、そんな自分を愛おしそうに見つめる彼の表情を見遣り、気の抜けた笑みをこぼした。
同時に膣肉が途端に引き締まり、ヒダが一物を搾るように蠢き始める。
鍛えられた肉体が生み出す凄まじい締め付けと、膣肉全体で一物を扱くような動きにジブリールは低く唸ると、何かを言う前に吐精を行った。
びゅるびゅると音を立てて吐き出された精液が彼女の子宮に叩き込まれ、昨晩仕込んだ種を上書きしていく。
「〜〜〜♡♡♡イ、イグ……っ♡ジルに、中出しされて、イっちゃうっ♡イク!イくぅぅううう♡♡♡」
子宮を精液が舐め回す快感に目を見開き、身体を仰け反らせながら絶頂する彼女を見つめながら、ジブリールは小さく笑んで彼女の耳元に顔を寄せた。
「また洗ってやるから、もう少し相手してくれ。頼む」
「うん……っ♡いい、よ……っ!ジルが満足するまで、んん♡いっぱい、んぁ……♡出して、いいから……っ♡」
ジブリールの言葉にシルヴィアは恍惚の表情を浮かべながら応じると、ジブリールは心の底から嬉しそうに笑いながら「ありがとう」と感謝の言葉を投げ、同時に腰の動きを再開。
日の出前の静かな森の中に、男女に交わる淫靡な音が吸い込まれていった。
「「ああ〜〜〜〜」」
そんな朝の交わりを終えた二人は、寄り添う形で温泉に浸かっていた。
あの後改めて身体を清めた二人は、また事を起こす前にとさっさと湯船に浸かり、性的な快感ではなく温泉が与えてくれる心地よい快感に身を任せたのだ。
シルヴィアはジブリールの腕を抱きながら肩に頭を乗せ、ジブリールは寄りかかってくる彼女の頭に自分の頭を預ける。
隙間なく寄り添う二人は言葉こそ交わさないが、この緩やかな時間を堪能しているのは間違いない。
そんな言葉を発するのも億劫な時間を過ごしていると、不意にシルヴィアが口を開いた。
「あ、あと何日ここにいるのかはわかんないけど、ここにいる間はのんびりしよう!このままだと、疲れて帰ることになっちゃいそうだし……」
「……そうだな。のんびり、するか」
彼女の提案にジブリールは渋々ながら応じると、彼女は嬉しそうに笑みながらそっと彼の顎に手をやり、自分の方を向かせた。
「せっかく遠くまで来たんだから、今日はのんびり見て回ろう?お土産とかも探したいし」
「そうだな。ああ、のんびりするか」
彼女は遠く辺境の街で今日も頑張っている後輩や、この旅行を贈ってくれた友人達へのお土産を探さねばならない。
そんな彼女の優しさに笑みを返したジブリールは、不意に彼女の胸に目を向けた。
豊満なそれは水面に浮かび上がり、外気に晒された乳首がピンと勃って存在を主張している。
あれに、これから数日間触れてはならないというのか。
「ジル……?」
そんな彼の視線に気づいたシルヴィアが半目になりながら彼を呼ぶと、ジブリールは申し訳なさそうに笑いながら顔を背けた。
「とにかく、朝ごはん食べたら街を見て回ろう!わかった?」
「了解。あいつらが喜びそうな土産が見つかればいいが……」
そっぽを向いた彼の背中に声をかけると、ようやく観念したジブリールが肩を竦めながらようやく頷いた。
よしと、シルヴィアも頷き返すと、彼から離れて一足先に温泉から上がった。
「先に着替えてるから、すぐに来てね」
シルヴィアは振り向きながらそう言うと、とたとたと軽い足取りで部屋に戻り、下着を付けて浴衣を上から羽織った。
窓越しにその様子を眺めていたジブリールは、温泉の中でいきり勃つ己の分身に目を向け、小さく溜め息を吐いた。
──あいつとの約束だ。二、三日くらい、我慢しよう。
その約束が朝食を済ませてすぐにあっさりと破られることになるとは、ジブリールにも、シルヴィアにも予期はできなかった。
二人の怠惰で色欲に塗れた新婚旅行は、始まったばかりだ。
感想、リクエスト等ありましたら、よろしくお願いします。