銀髪武闘家との新婚旅行三話目。
早朝の交わりを終え、ようやく温泉街に繰り出したジブリールとシルヴィアの夫婦は、緩やかな休暇というものを堪能していた。
二人で腕を組みながら温泉街を散策し、休憩がてらに足湯なるものを堪能し、あちこちにある店を見て回り、思い思いの言葉を交わす。
「んふ〜!これ美味しい!!」
そして通りで買った菓子を頬張ったシルヴィアは、目を輝かせながらさらにもう一口頬張る。
はむはむと咀嚼しながら「なんて名前だっけ、これ?」とつい数分前の事をジブリールに問う。
「どらやき、だったか?『餡子』とかいうのはよくわからんが……」
先程まで同じものを食べていた彼は、店員から聞いた情報を記憶から掘り起こそうとするが、目の前で幸福に満ちた彼女の顔を見ているだけでそんな細かい話はどうでもよくなってしまう。
極東の菓子をこちらの材料でどうにか再現したというが、美味ければ何でもいいではないか。
ジブリールは美味しそうにどら焼きを食べる彼女を愛おしそうに見つめると、不意に彼女の口元に手を伸ばして指で拭った。
「んぇ?」
「餡子が着いてたぞ」
気の抜けた声を漏らし、彼にされるがまま口元を拭われた彼女に、ジブリールは苦笑混じりにそう告げた。
彼は指先に着いた餡子を舐めとり、独特な舌触りと甘みを楽しむ。
「ふふ。ありがとう」
シルヴィアは口いっぱいにどら焼きを頬張りながら礼を言うと、ジブリールは微笑みで返事をした。
温泉街を縦断する川のせせらぎを聞きながら、時折聞こえる鳥の囀りに耳を傾け、隣から聞こえるシルヴィアの咀嚼音と、幸せに包まれている表情を堪能する。
──が、ジブリールは彼女に気づかれないようにそっと彼女から視線を外すと、殺意を込めた絶対零度の視線を辺りに向けた。
彼が視線を配った直後、弾かれるように彼──正確には隣のシルヴィアから視線を外したのは、彼らと同じ旅行客たちだ。
冒険者か貴族か、旅人か、それは定かではないが、最愛の妻に邪な視線を向けてくる不埒な輩があまりに多い。
確かに慣れない浴衣を着ているせいか、歩く度に筋肉質ではあるが瑞々しく輝いている太腿が覗いてしまっているし、腰を巻かれた帯の高さのせいか豊満な胸が強調され、隙間から僅かに汗ばんだ谷間も覗いている。
まあ確かに、
「……」
ジブリールは不満そうに低く唸るとそっとシルヴィアの腰を抱き、食事の邪魔をしない程度にゆっくりと抱き寄せる。
「……?」
ぽふと彼の肩に寄りかかりながらどら焼きを食べ進めていたシルヴィアは、不意にジブリールの口元に食べかけのそれを差し出した。
彼は無言で口を開けてそれを一口頬張ると、シルヴィアは嬉しそうに微笑み、残った分を口に放り込んだ。
口に広がる餡子と生地の食感に舌鼓を打ちながら、ちらりとジブリールの表情を窺った。
先程、ほんの一瞬強烈な殺気を放っていたように感じたのだが、どうやら杞憂だったようだ。
ならいいやと視線を前に戻した彼女は、あちこちから流れてくる香ばしい匂いを肺いっぱいに吸い込む。
「次は何を食べよっか〜」
「何か食べるのは決定事項なのか」
シルヴィアは彼に寄りかかり、彼の腕を抱き寄せながら言うと、ジブリールは苦笑混じりにそう返し、彼女の唇に餡子が貼り付いているのに気付く。
彼は周囲に気を配り、相変わらず無遠慮にシルヴィアを舐め回す視線がある事を確かめると、そんな彼らを嘲るような笑みを浮かべ、彼女を呼んだ。
「シル」
「ん?」
愛する夫に愛称で呼ばれ、ご機嫌に笑みながら彼の方を向くと、間髪入れずに唇を奪われた。
彼女がぎょっと目を見開くのと、周囲から小さな舌打ちやざわめきが聞こえてきたのはほぼ同時。
ジブリールはそっと舌を這わせて唇についた餡子を舐めとると顔を離し、舌舐めずりしながら不敵に笑んだ。
「また餡子が着いていたぞ。次は気をつけて食べろよ」
「〜〜〜!!あ、あのね!こんな、人目がある場所で……!」
シルヴィアが顔を真っ赤にして怒りを露わにするが、ジブリールはそんな姿も愛おしそうにしつつ、そっと彼女の髪を撫でた。
撫でられた彼女は「誤魔化さないでよ!」と声を荒げるが、すぐに表情が蕩けていき、しまいには甘えるように彼の肩に擦り寄った。
甘えモードになったシルヴィアの撫でながら、ジブリールは不意に天を仰いで息を吐いた。
──我慢、か。もう無理そうなんだが……。
彼女との約束で数日はのんびり過ごすと決めはしたが、既にあの時の覚悟が大きく揺らぎ始めていた。
彼女が見せる一挙手一投足が彼を魅了し、彼女が見せる表情が彼の理性をゆっくりとだが削っていく。
そして彼女に無遠慮に向けられる邪な視線を感じる度、心の奥底にあるドス黒い独占欲が沸々と煮えたぎり、彼女を旅館に連れ戻し、そのまま閉じ込めてしまいたいと思ってしまう。
自分はこんなに醜くかっただろうかと自問しても、そんなもんだったろと心の中の自分が嘲ってくる。
むぅと低く唸る彼を他所に、シルヴィアもシルヴィアで不満そうに彼の腕を抱き締めた。
彼は気付いていないかもしれないが、先程からすれ違う女性たちが振り向き、小さく黄色に悲鳴をあげたり、こそこそとジブリールに関して話しているのが聞こえてくる。
確かにジブリールの顔は恐ろしいほどに整っている。鷹を思わせる鋭い目には夜空を閉じ込めた蒼い瞳が揺れ、顔には大小様々な傷跡はあれどそれは彼の冒険者としての強さを象徴する勲章に他ならない。
普段はフードで隠れ、滅多に人目に晒さない素顔を曝け出していることと、その危険性に彼は気付いているのだろうか。
「今の人見た?」
「見た見た、カッコよかったよね。……あの連れの人がいなかったら」
ほら見ろ。今すれ違った女性──おそらく冒険者だ──と、ジブリールを見るなり会話を止め、捕食者の眼光をもってこちらを睨んでくる。
「むぅ……!」
シルヴィアは頬を膨らませるとぎゅっと彼を抱きしめた。
彼女に突然抱き締められたジブリールは多少驚くものの、すぐに苦笑を浮かべて「どうかしたのか?」と問いかける。
そんな彼に「別に」と冷たい声音で返してしまい、自分でも出るとは思わなかった声に驚いてしまうが、ジブリールは気にする様子を見せない。
この際、何か買い込んで部屋で二人きりで過ごそうか。
シルヴィアの脳裏にそんな思慮が過るが、それを彼が望まないだろうと却下し、もうしばらく街を散策することにしよう。
彼女はそんな心の奥底にある暗い欲望から目を逸らし、いつものように匂いに釣られるがままに手頃な店に彼を引き摺り込んだ。
それは、ほんの一瞬の隙だった。
二人揃って入った土産屋で、思いの外多かった人混みに揉まれてはぐれてしまい、シルヴィアが店の外に弾き出されてしまう。
彼女はすぐに戻ろうとしたが、人の出入りが激しいそこに入っても、彼と入れ違う可能性がある以上動き辛い。
仕方ないと溜め息を吐いた彼女が手頃なベンチに腰掛けていると、やはりと言うべきか五月蝿い虫が寄ってくる。
時には上辺だけ紳士的な貴族──その目は明らかに彼女の胸や組んでいる足に向けられている。
時には見せつけるように銀色の認識票を見せつけてくる冒険者──勿論、相手の名前も顔は知らない。
その悉くを左手薬指の指輪や、彼女の髪や瞳と同じ銀色の認識票で切り捨てるのだが、それでも負けじと擦り寄ってくる輩もいる。
軟派な吟遊詩人。硬派そうな騎士かぶれ。あるいは一晩の相手を探し求める人肌恋しい旅行客。
それら全てを切り捨てていると、彼女は不意に店の出口で何人かの貴族令嬢に捕まったジブリールを見つけた。
何かが入った小さな箱を懐にしまいながら、どうにか断ろうと言葉を選んでいるようだが、令嬢たちも諦めが悪いようだ。
むぅと頬杖をつきながら不満げに唸る彼女だが、勿論彼女にも引っ付こうと離れない男たちが多い。
この際、殴り倒してしまおうかと物騒な選択が脳裏を過るが、不意に令嬢たちから顔を背けたジブリールと視線があった。
同時に愛想笑いを浮かべていた表情から感情が消え失せ、彼の突然の変化に狼狽える令嬢たちに一言「失せろ」とだけ告げて歩き出す。
一切の感情を排し、淡々と冷たく告げられた言葉に小さく悲鳴を漏らす令嬢らを捨て置き、ジブリールはずかずかと無造作な足取りでシルヴィアに向かう。
シルヴィアもまた寄ってくる男たちを腕力に物を言わせて押し退けながら歩き出し、自分たち夫婦に擦り寄ってくるお邪魔虫たちに見せつけるように、彼を迎え入れんと両手を広げた。
直後、僅かに歩調を強めたジブリールが彼女を正面から抱き締め、愛おしそうに彼女の髪や頸の辺りを撫でながら、彼女を囲んでいた男たちを絶殺の殺気を込めて睨みつける。
同時にシルヴィアも彼に撫でられて心地よさそうにしながらも、すっと目を細めて殺意と自慢混じりの視線を彼に擦り寄った女たちに向けながら、愛撫するように彼の背を撫でた。
結果、前後から男女の悲鳴があがるが、二人は気にする素振りも見せずにお互いの体温と心音を感じ合うと、互いの手をとって同じ方向に歩き出す。
二人に声をかけていた人たちは黙って人混みに消えていく二人を見送ると、二人から逃げるように背を向けて走り出した。
肩越しにそんな彼らの背中を睨みつけたジブリールとシルヴィアは、お互いに悪戯が成功した子供のように無邪気に笑い合うと、ジブリールは不意に溜め息を吐いて僅かに先行。
彼に手を引かれる形になったシルヴィアは僅かに驚くものの、彼に引かれるがまま温泉街を進む。
大通りから脇道にそれ、通りの喧騒から遠ざかっていく。
「……?ジル、どこにいくの?」
どんどんと人気がなくなり、悪い言い方をすれば周囲の建物が段々と寂れていく中、僅かに不安を覚えたシルヴィアは彼の背中に声をかけた。
それを合図に足を止めた彼は周囲を見渡して人がいない事を確かめると、彼女を裏路地に引き摺り込んだ。
「わわ!?」
突然の方向展開に体勢を崩した彼女を支えながら、裏路地の奥まで進んだ彼は、少々乱暴に彼女を壁に押し付けた。
「ぴっ」と奇妙な悲鳴を漏らす彼女の顎をくいっと持ち上げながら、片手を壁について彼女の逃げ道を封じる。
いつかの王都で行った壁ドンなる体勢になった二人は、言葉もなく見つめ合う。
その時間はほんの数秒。シルヴィアの顔が段々と赤く染まり、逃げるように目を逸らす。
「シル。さっきはすまなかった」
その瞬間、ジブリールは謝罪の言葉を口にした。
先ほど彼女を見失い、他の女の相手にうつつを抜かしていた不甲斐ない夫である事を謝罪する。あの場での最適解は、あの令嬢らを無視して彼女の元に最速で馳せ参じることだった。
「そ、そんな。気にしてないよ」
シルヴィアはそう言って彼を許す姿勢を見せるが、ジブリールは間髪入れずに口を開いた。
「それと、すまない」
「……?」
突然吐かれた謝罪の言葉。何に対する言葉なのか見当もつかないシルヴィアが首を傾げると、彼は暗い欲望を映した蒼い瞳を細めた。
「──お前との約束、破らせてもらう」
彼はそう言うや否や、彼女の唇を奪った。
シルヴィアは突然のキスに目を見開いて驚きを露わにするが、ジブリールはそんな彼女に構うことなく、僅かに開いていた隙間から舌を捻じ込み、彼女の口内に侵入。
僅かに残る餡子の味や、彼女の唾液の味を堪能しながら、舌で彼女の口の粘膜を削ぎ落とさんばかりに暴れさせる。
「んん!?んぐっ……!んちゅ!じ、ジル……?んん……!い、いきなり、どうして……!んちゅ!じゅるる!んぁ……っ♡」
顎を掴まれている為、逃げることもできないシルヴィアは彼のキスを受け入れながら困惑していると、不意に彼の手が彼女の豊満な胸を持ち上げるように揉み始めた。
「ちゅ……!んぁ……♡ジル、ジル……!んんっ♡ま、待って!のんびりするって、約束したじゃん……!」
「だから、さっき謝っただろう」
さわさわと撫でるように優しく胸を揉まれ、彼の熱烈なキスを受け止めながら、シルヴィアは彼に抗議の声を投げるが、彼はそれを軽く受け流してしまう。
彼女の浴衣をはだけさせ肩まで露出させた彼はそこに吸い付き、今朝つけたキスマークを上書きするように吸い上げていく。
「んぁあ……!ジル、駄目、待って……!我慢してよ!」
彼は歯を立てているのか、僅かに感じる痛みに喘ぎながら彼の肩を叩くが、ジブリールは構う様子もなく胸を揉んでいた手を離し、浴衣の隙間から覗く太腿を撫で、そのまま彼女の股に手を滑り込ませた。
「ひぅ!」と小さく呻いた彼女の反応を見ながら、ショーツを退かして秘裂を撫でた。
「ひゃ……っ♡」
くちゅりと僅かな湿った音と、その音の通りの湿り気を感じ、彼女の口からも噛み殺した嬌声が漏れる。
ジブリールは小さく笑むと「駄目という割には期待しているな」と彼女を煽る。
「そ、そんなわけ──」
ぐちゅり!
「んんっ……♡」
彼女の否定の言葉を秘裂に指を挿し込むことで黙らせ、ざらついた感触の強い膣肉──Gスポットを優しく撫でてやる。
「んん……っ♡ぉ……♡ま、待って……!んぉおおお♡そこ、すりすり、らめ……♡」
ピクピクと身体を痙攣させながら快感に喘ぐシルヴィアは、彼の腕を掴んでせめてもの抵抗するが、その程度で彼は止まらない。
ぐちゅぐちゅと湿った音を立てながら指の抽送させ、次々と滲み出てくる愛液を掻き出していく。
プルプルと震える膝や太腿に愛液が滴り落ち、彼女の足元に小さな水溜まりを生み出していく。
「じ、ジル!んん……♡ぅぉおお♡ど、どうしたの、急に……!?んぁああ♡」
ぐりぐりとGスポットを抉りながら、肩や首にキスマークをつけるジブリールに、シルヴィアが切羽詰まった声で問うと、彼は不意に責めの手を止めた。
ようやく責めが止まり、呼吸を整え始めるシルヴィアに向け、ジブリールは問いかける。
「男どもが、お前を見ていたのには気付いていたか?」
「んぇ……?まあ、ちょっと、なら……?」
彼の問いかけに、シルヴィアは僅かに嘘を入れて返答した。周囲からの視線には気付いていたが、それはジブリールを見る女たちの視線だ。自分が見られているなど、あまり気にしていなかった。
そんなジブリールからすれば危機感不足の妻に、彼は溜め息混じりに告げた。
「お前が誰かに見られて、声までかけられて。その様を見せられて冷静でいられるほど、俺は大人じゃない」
先程の責めで足腰から力が抜けかけている彼女をぎゅっと抱き締めながら、己の胸の内にある暗い感情を発露した。
「お前は俺の妻だと。お前は俺のものだと。お前が他の誰かに靡くはずがないとわかっているのに、他の誰かに奪われるじゃないかと、少し不安になった」
「こうして誰もいない場所でお前に俺のものだという印をつけて、少しでも安心したい自分が情けないが、他にどうすればいいのかが思いつかん」
「だから、許してくれ。お前はこの旅行を楽しみたいんだろうが、俺はお前の全てを楽しみたい」
蒼い瞳の色が褪せ、普段よりもより一層暗い色を放つそこに映るのは、彼の心と頭の中のほぼ全てを統べる愛する妻の顔だ。
彼女は困惑し、狼狽える様子を見せるが、すぐに微笑みを浮かべて彼の首元に顔を寄せ、そこに噛み付いた。
「……っ」
ジブリールが首元を駆け抜けた鋭い痛みに眉を寄せると、シルヴィアは顔を離し、首についた噛み跡を満足そうに見つめると、愛する夫の頬を撫でながら言う。
「そんなこと言えば、ジルだってそうだよ?女の人たちがキミを見る度になんか言ってたし、何なら声かけようとしてたし……」
「そ、そうなのか?」
彼女の言葉にジブリールは言われて気付いたのか、露骨に慌てた様子で声を漏らすと、シルヴィアは不満そうに頬を膨らませた。
「ジルは私の旦那さんで、ジルは私のなのに。ジルも危機感足りてないと思うよ」
彼女はそう言うと再び彼の首元に顔を寄せ、今度は優しく唇を落とした。
そこを思い切り吸い上げて、彼にされた分と同じだけのキスマークを彼に付けていく。
「──でも、心配はお互い様だね」
彼女はそう言いながら彼の唇に口付けを落とし、にこりと太陽を思わせる笑みを浮かべた。
「キミは私のものだって、印を付けたいし」
そっと彼の耳元に顔を寄せ、耳朶を甘噛みしながら客に媚びる娼婦のような声で言う。
──私はキミのものだって、いっぱい
その声が鼓膜を揺らし、脳に達した瞬間。
ブチン!と、何かが切れる音が、頭の中に響いた。
僅かに俯き、静かになったジブリールの様子にシルヴィアが首を傾げると、彼は彼女の肩を掴んで身体を反転させ、壁に手をつかせた。
抵抗できるだろうに何もせず、むしろ「あ……♡」と期待の色だけが込められた声を漏らし、彼がやりやすいように臀部を突き出す。
フッと小さく笑みをこぼした彼は彼女の帯を緩め、浴衣をずらして安産型の臀部を露出させた。
愛液で濡れたショーツをずらし、湿り気を帯びた秘裂も露出させると、彼も浴衣とパンツをずらして一物を露出させた。
ぼろんと音を立てて顔を出したそれは既に臨戦体勢となっており、目の前の最愛の女に
振り向き、肩越しにそれをまじまじと見つめたシルヴィアが生唾を飲むと、ジブリールは両手で臀部に後が残るほどの強さで鷲掴んで固定。
そして何の合図もなく腰を突き出し、一物を彼女の秘部に叩き込んだ。
早朝の交わりの余韻が残る膣肉は、再び入り込んできた一物をあっさりと受け入れた。
「お゛……♡き、たぁぁ♡♡」
挿れられただけで絶頂してしまったのか、ブルブルと身体を震わせて快感に酔いしれる彼女を見ながら、ジブリールもまた低く唸った。
痙攣する膣肉が締め付けながらも一物を扱き、ヒダが吸い付いてくる感覚たるや、何度抱いても飽きがくる気配すらない。
ジブリールはすぐにでも暴発しそうな射精感に耐えながら、腰を振り始めた。
パンパンと乾いた音を立てながら腰を突く度に彼女の臀部が波打ち、その度にシルヴィアの口から「お゛♡んお゛♡ぉぉぉおお゛お♡」と獣のような野太い嬌声が漏れる。
亀頭が子宮口を殴りつける度、鈍い快感がシルヴィアの身体を駆け抜けていき、声を抑えようとしても我慢できない。
「ぉ……♡ジル、ジルゥ!!しゅき、だいしゅき……♡あへっ♡んぉおおお♡♡」
ジブリールの一物が最奥を突く度にシルヴィアは絶頂を繰り返し、両足は爪先までピンと伸び、筋肉質でありながら美しい曲線を描く太腿に愛液と潮が混ざった液体が垂れていく。
「あへ……♡イク♡イグッ♡♡朝は我慢しよって言ったけど、んぉお♡ホントは、んん♡ずっと、こうして欲しかったの♡んぉ……♡ぎっ……♡」
あへあへと気の抜けた嬌声を漏らしながら、彼女は胸の内にしまっていた本音を曝け出す。
彼女とてこの旅行を楽しもうとしていたが、やはり愛する夫と二人きりという状況では、どんな建前があろうともどうでも良くなってしまうのだろう。
今の彼女はただひたすらに、夫との熱い一時を楽しみたいのだ。
えへへと快感に喘ぎながら笑うに、ジブリールも笑みを返した。
彼とてその想いは同じだ。誰にも邪魔されず、彼女とひたすらに求めあう。ある意味で一番求めていたのは、こういう色欲と怠惰に満ちた時間だったに違いない。
それを自覚してしまえば、後は早かった。
もう我慢する必要も、彼女に気を遣う必要もないとわかったのだ。なら、後はお互いに貪り合うのみ。
ジブリールが獰猛な笑みを浮かべ、彼女と共に絶頂を向かおうと抽送の動きを早め、尿道を精液が駆け上がる熱さに目を細め、それを解放しようとすると、
「ここまで来れば流石に人がいねぇな」
「ご、ごめんなさい……。人混みに疲れてしまって」
「あ?いや、俺だって疲れてたから、気にすんな」
「「……っ!?」」
二人が盛大に交わっている裏路地に、二つの人影が入り込んできた。
二人が慌ててそちらに目を向ければ、そこには只人の男性と森人の女性が連れ添う形でこちらに向かってきており、おそらく自分たちと同じ目的でここに来たのが何となくわかる。
二人は慌てて身なりを整えると、件の二人から見つからないように裏路地から脱出しようとするが、生憎と出口は件の二人の方向のみ。
ならばと二人は建物の壁を登り、屋根伝いに裏路地から脱出。シルヴィアは念のためと下を確認すると、只人の男性と森人の女性が熱いキスをしている場面に遭遇し、慌てて顔を引っ込めた。
一足先に裏路地から脱出し、着地点を確保していたジブリールは、シルヴィアが屋根から壁伝いに降りてくるのを確認しつつ周辺を警戒。
そうしてすたっと軽い足音と共に着地したシルヴィアは、もぞもぞと身動ぎしているジブリールの手を取り、笑みを浮かべながら告げた。
「──キミだけ途中だったもんね。うん、じゃあ、旅館に戻ろっか」
そうして戻ってきた旅館の一室。
ほんの数時間の外出から戻ってきた二人に女将は特に言及することはなく、ただごゆっくりどうぞとだけ告げてきた。
その言葉をジブリールが聞いていたかは不明だが、シルヴィアは顔を赤くして頭から煙を吹いた。
だが、そんなものジブリールにとってはどうでもよかった。
「んぎっ♡ジル、待って……♡んぉおお゛おお゛♡♡」
こうなると予期していたように敷かれていた布団にシルヴィアを押し倒し、湿り気を保っていた彼女の秘部に、射精寸前でお預けをくらった一物をぶち込んだのだ。
布団に仰向けで寝かせ、足を開かせた彼女に覆い被さりながら、我武者羅に腰を振って一物を叩き込み続ける。
「っ……!」
そして低く唸ったかと思った直後、押さえつけられていた精液が逃げ場を見つけ、鈴口から勢いよく吐き出された。
びゅるびゅると音を立てて吐き出されたそれは瞬く間に彼女の子宮を満たし、逆流してきたものが二人の接合部から溢れ出す。
「イグ……ッ♡な、なかだしされて、イクゥゥウウウウ♡♡♡」
ビクン!と身体を跳ねさせ、逆流してきた精液と共に潮を噴き出しながら絶頂したシルヴィアを他所に、ジブリールは射精を続けながら腰を振り回した。
カリでGスポットをゴリゴリと削り、亀頭で子宮口を殴りつける。
「んほぉ……♡まへ、動かないで……っ♡射精しながら、動いちゃ、駄目ぇぇえええ♡♡♡」
秘裂からはぐちゅぐちゅと湿った音をたて、白濁した泡を噴きながら絶頂するシルヴィアは、首を左右に振って快感から逃れようとするが、ジブリールは気にしない。
彼女の要望通り、自分の臭いを一生消えないように、自分の妻であることを忘れないように、吐き出した精液を膣肉に擦り込み、馴染ませていく。
「あへっ♡えへへ……♡こんなに出されたら、私、えへへ♡」
そうして数分かけて行われた射精をシルヴィアは恍惚の表情で何かを言いかけるが、今はこの時間を楽しもうと彼の背に手を回した。
そのまま彼を抱きしめようとするが、ジブリールはそれよりも早く腰を動かし始める。
「んぉおおお♡ジル♡ジルゥゥ♡♡いいよ、キミが満足するまで♡私が、滅茶苦茶になるまで、出しまくって♡」
膣肉を掻き回され、子宮を潰されて虐められながら、彼女は上擦った猫撫で声で彼にそう言った。
ジブリールはそんな彼女を愛おしそうに撫でると、奥を突かれる度に揺れる豊満な胸を揉みしだく。
「時間はまだあるんだ。二人っきりで、のんびりしよう」
「うん♡
彼の言葉にシルヴィアは恍惚の表情と共にそう告げて、彼を抱き寄せてそっと彼の唇を奪う。
一応の予定では二泊三日。まだ時間はある。
もっと怠惰に、欲に塗れて、
ジブリールも彼女の口付けを受け入れると、彼女を抱きしめるのだった。
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