某格闘ゲームのファンの皆さんでしたら嬉しいキャラが正体を明かします(これまでの表現なら熱心なファンの方々ならバレバレでしょうけど…)。
ちなみに、作中に出てくるあの言葉は作者がネット等で集めたりしたものを参考にしてますので、間違いがございましたら誤字報告等でお教えくだされば助かります。
○秦始皇8年(紀元前239年)険水関攻防戦二十七日朝 趙国南西部 太行山脈西側領域南部 軹関陘○
「三番地の瓦礫はまだかー!?」
「邯鄲から来た生き残り捕虜は何処に連れていきますー!?」
「水害で流されずに済んだ装備や兵糧は七番地に運べー!!」
邯鄲で趙国全体が再び大荒れする政変が起こっていた頃、その原因である軹関陘一帯は秦軍による攻略後の後始末に追われていた。
「三番の水路には県間隊を回して、五番の溜池の方は…」
その中で白漂は戦後復旧の総指揮にあり、周囲には秦兵はもちろんのこと険水のものも多く出入りしていた。
「…はあ、まさかこんな形で負けるなんてなぁ…」
「元から好きじゃなかったけどよぉ、本当に何しに来たんだよあいつら…」
地元民からは敗戦からくる虚脱感の他に、加勢に来てたはずの他地域趙人に対する不満が大っぴらに立ち上っていた。
「…地元民から非常に多くの愚痴が立ち上ってますね…」
「…まーねー、完全にこの辺りが趙より離反した今となっては情報が大量に入ってきているけど…法が緩い人治主義は評判が外部に出づらい場所だとこういう結果になるんだな…そう言えばー、険水有力者達によれば攻略戦終盤は趙遷に諫言したばかりに幽閉されて拷問されていたという流姞はどうしているんだ?」
「流姞殿でしたら…今は拷問による負傷の治療のため扁鵲達の所へ掛かりきりとなっています。会談まではあと数日は掛かるかと」
そうした声は白漂が筆を走らせている本営本陣にも躊躇われることなく流れ込んで来ており、そこで作業している面子の一人には当然紅華が含まれていたが、彼女の双眸にはどういうわけか含みを感じさせていた。
「あー、それよりも王都から予定を早めるとの連絡が来ております」
「連絡? と言うことは…」
「はい、江殊幡の上司が一週間後にこちらへ来られます。それ以降はこの一帯から黒羊までは彼らの担当となります。我々は北に戻りそれ以北からの趙北部への東進及び南下作戦へ戻れとの事です」
「…まー、ここから趙内部に進めば向こうの感情からしてねぇ。だけど…」
その紅華の口から出た咸陽からの通達に、白漂は理解を示しつつも一部不可解さを覚えた。
軹関陘から東方へ進めば趙王都圏へ直ぐに入れるが、そこは秦昭王期にて白起に長平を始めとして多くの激戦で血を流された血であり、白起の孫である自分が大将として雪崩れ込めば怨恨から士気が上昇し、更に長平終戦の経緯からこれまでのような調略は通じにくいのは目に見えている。
だからこそ、これからの太行山脈南部及びその以南と以東への攻略を考えれば最適な人事なのだが、あまりにも早過ぎる決定に白漂は違和感を覚えた。
(…確かに邯鄲が今回の結果で再び荒れだしているから、それに釣られて奪還のための軍編成が大幅に遅れているから純粋に政戦を優先すれば正しい。だけど…ここまで横槍をしてこないのは何が起きている…?)
順調すぎる現状に、白漂は机仕事中にてしばしば咸陽と邯鄲、それぞれがある方角へ視線が彷徨っていた。
○秦始皇8年(紀元前239年)険水関攻防戦二十九日深夜 趙国東南部 某山道○
「ハアハア!」
「くそぉ! 何でこんな事に!?」
白漂が妥当な決定に不穏な気配を感じてから二日後、華南圏へ通じる趙国東南部の細い山道をある一団が南方に向けて必死に駆け続けていた。
「お待ちください! まだ先ほどの突破で負った傷の血が流れているままなのにそんな先頭を行かれては…」
「今の私達にそんな出し惜しみをしている余裕はありませんよ。ハア…雁門でもそうそうありませんでしたね…こんな碌に物見を出せない状況で夜行など…」
対斉戦線に回されていたが、二日前に邯鄲より出頭命令を発せられるも、その使者が届く前に邯鄲の協力者達より鳥でその先に待ち受けている処刑と、その理由である軹関陘防衛戦の結果、命令が拒絶された場合に発せられる討伐軍派遣を知って今現在逃走中の李牧一行である。
「李牧様!? 今どうしてその話を―――」
「あそこだぞー! 角南城より姿を消してた李牧だー!!」
「―――ぉ…!?」
その側近である女部隊長カイネが困惑を露わにしたところ、細い山道を抜けて広い道に達した所で趙軍の大隊が姿を現してきた。
「力づくで李牧らを捕えろぉ! 先の王命を無視して逃走した時点で反逆者だ!! 生け捕りが無理なら殺して首だけ取れば構わん!!」
「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」」」
「おのれぇ! 何が反逆者だ!!」
「田舎の城から鳥で命令を受けて手柄欲しさに先走って出た隊だ! 数は多くて千くらいだ!」
「それに先程よりは広い道だが両側は崖でそう広く展開は出来ん!」
「一点突破だ!」
そのまま同じ趙人同士で流血の事態となり、剣戟を打ち付け合う音が怒号や悲鳴と共に夜の大気を震わせる。
「…何でだよ!? 同じ趙人同士でこんな殺し合って…しかも李牧様を殺そうだなんて…! こんなの可笑しいだろ!!?」
その中で剣を振るうたびに、カイネからは血と共に涙と悲嘆が撒き散らされた。
○秦始皇8年(紀元前239年)険水関攻防戦三十日夜 趙国南西部 太行山脈西側領域南部 軹関陘西側地域 険水関内城○
「嫌だ! 嫌だぁ!」
李牧らが原作と呼ばれる時間軸よりも三年早い逃亡に入った日の次の晩にて、険水関上部にある内城が見える獣道で一人の幼い少年が泣き叫んでいた。
「こら! もう早く帰るわよ!」
その少年を母親は手から引っ張って連れ帰ろうとするが、子供は木の幹にしがみ付いた状態で中々離れようとしなかった。
「ココロ姉ちゃん! 僕のお嫁さんになってくれるって言ったのに…秦人の所に行くなんて嫌だぁ!!」
「馬鹿! そんなの昔にあんたがしつこくせがむから宥めるための冗談に決まってんでしょ! ここだって私達は本来は入れない場所なのにあんたは勝手に忍び込んで! ただでさえ邯鄲から移ってきたあたしらはここでは前より避けられてたのに…今じゃあここの人達は遠慮してくる必要は無くなったんだから今は早くここを離れる準備をしないと…!?」
母親はその子供を何とか連れて帰ろうとしているが、そこで幾つかの段差と茂みを超えた上の道を流姞が歩く姿が見えた。
「あ、あれは流き―――」
「!!」
「―――っ痛あっ!? あぁあんた!!」
その姿を見て母親は息子の口元を手で塞いで茂みに隠れてやり過ごそうとするも、指を噛まれて拘束を解かされて逃げられてしまう。
(な、何とかして…流姞様にココロお姉ちゃんを渡さないようにお願いしないと…!)
少年はなるべく音を立てずに流姞の後を尾行し、今回の戦火や水害で生じた城壁や堀の損壊部分を利用して内城へと忍び込み、物陰に隠れながら流姞の後を尾行する。
やがて、少年は知らないがまるで日本の清水寺によく似た内城一角にある山荘へとたどり着き、そこで武装したままの白漂と戦装束の流姞の会談の場に辿り着いた。
幸いなのか二人以外には誰も姿は見受けられず、少年は物陰に隠れつつもその場に忍び込んで割り込む機会を伺いだす。
「…そういうわけで、これまでの一月に渡る戦力で劣り主君にも恵まれぬ状況でのあの奮戦の数々、畏敬の念を禁じ得ない流姞殿」
「こちらこそ、時流を読めず無駄足搔きをした身に関わらず…邯鄲からの不当な仕打ちより領内の民と我が一族をお救いし、戦後の復旧への協力まで感謝の念が付きません。朔方侯」
そして、話の初めは当然事務的な挨拶に始まるが、次に二人は互いが抱いていた違和感の方に触れる。
「流姞殿、貴殿の親族であるココロ殿について幾つか聞きたい点があるが…」
(! あいつやっぱりココロ姉ちゃんを…!)
初めの問いを聞いて少年が憤りを覚えるが、それに気付かないまま二人は互いの真相について触れあう。
「…彼女が馬南慈を殴り飛ばした際に使用したあの武術…“八極拳”か?」
白漂が口にしたその名称の武術は、彼が前の生を過ごしたであろう現代において中華圏武術の代表の一つである。
だが、その歴史は意外と新しく、彼の記憶にある表の世界史では今この時代より二千年近い後の清代で生まれた武術だ。
「…何故その名を知っておいでで?」
「その理由は彼女がご存じでは? もしくは…貴殿が…?」
互いに下手な誤魔化しは通じぬと悟りつつも不利な言質を取られぬように言葉を極力選んでの駆け引きが行われ、流姞の双眸が細くなって鋭さを帯びる。
「その前に失礼ながら貴方様こそまずは面貌を外されていただきたい」
「………」
「宮廷でしかり、戦中もずっと付けられているご様子からして只ならぬ理由があるのはわかりますが、私の顔と彼女の関係もやすやすと明かせない理由がある以上…」
「そうか、見ればそちらももう退き返せないと思われるだろうが…お見せした方が話は早そうだ…」
その提案を飲んだ方が話は手短に済むと覚えた白漂は、厳重なプロテクトが施された兜及びそれと連結式となっている仮面を外し、その素顔を流姞に見せてその眼を大きく開かせた。
「…成程…納得が行きました…」
白漂の顔を見て流姞はしばし眼を開き続け、それから不用心と承知しつつも自然と瞼が重くなって視界が黒くなり、代わりに脳裏で過去の映像が浮かび上がる。
そこは邯鄲で嘗て遊学名目に人質として過ごした頃の記憶で、行動に大きく制限を課せられていた頃の記憶。
そこで、流姞は窓越しに見える子供らの中に混じって外で遊ぶことすら易々とは許されず、彼らに羨望を感じていた。
だが、ある日にて自身より幾つか上ながらまだ幼さが残る少年が、暗く澱んだ怨嗟を周囲より浴びせられながらそれに近しい色を帯びつつあった姿を見て、怖くなって外の窓を見る事はほとんどなくなり、やがて邯鄲から故郷へ帰る事が出来た。
それから数年後、数少ない理解者に誘われて従者の一人として向かった中華の西の果てでの王都で大きくなったその少年を見やるが、そこには幼少の頃に纏っていた澱みを脱ぎ払って猛々しい光を見せる大きくなった少年に再会できた。
再び見た時の当初は我が目を疑ったが、やがて現実だと悟ると王都やそこまでの道中の景色からして、その王と国に対して羨望を抱くようになった。
今現在、目前に立っている白漂のその素顔は、その頃よりも成長したであろう少年の今の姿と非常に近しいだろう顔だった。
「そちらが最も見たがっていた手札はもう見せた。次はそちらの番だ」
「…無論です」
流姞もまた兜と覆面を外し、化粧も脱ぎ落して結われていた髪を解いて解放していく。
(…え、あの姿…まさか……!?)
その後姿は少年にとって最も恋焦がれるものであり、故にこそ過去最大で困惑を掻き立てられる姿であった。
「…ココロ殿か…」
白漂がそう口にした通り、面貌を完全に表した流姞のそれはココロのものだった。
『その通りどす。この身は…険水領主流姞にして…その身は一門衆の一人であるココロどす。改めてよろしうに』
(…え、そ、そんな…流姞様って…ココロお姉ちゃん…だったの…!?)
そして、流姞改めてココロは少年が盗み見ているなど露ほども気付かず、この時代においては本来存在しない言語、されど今この場では周囲に悟られず目前の男と話をするには最も良いだろう言語で話す。
『…少なくとも今の僕じゃない前の僕が知りえている人と縁ある身のようだね。けれど…どうしてそのような一人二役のような真似を…?』
『…そう難しう話じゃありまへん。単に先祖が戦に敗れるも除名されてこの地へ流されし際に…男系が途絶えたんなら家を取り潰すとの契りを交わさせられただけどすえ。せやから、一族の都合で当主を継ぐはずであった従兄殿が流行り病で急死してしもうた際に…。その影武者もする羽目になっただけですわ。表向きは流行り病に掛かってからはお互い病弱になって代わるがわる表舞台に立つということにして…。まあ…それも趙から秦へ秦が変わってもうた今じゃあ無きに同然どすけど…』
『まあ、今はそういう事にしておくよ。まさか…魂が同じだろう世界軸から来た人と…こんな形で新しく出会う機会が来るとはね…。前の親の名は…フェイムさんとかミヤコさんとは言わないか?』
『…どうやら前の世ではまるっきり赤の他人というわけではなさそやね。今の一門衆として名乗ってる名はーそこで付けられてた平仮名の方の“こころ”やさかい。けれど…その辺の詳しい話はまた次の機会にしましょうえ。今晩はもう一つの本題に入らせて欲しいどす』
この時代とは異なる別の時での縁を感じ合うと、ココロは立ち上がって己が衣服に手を掛け始めた。
『どういうつもりかな?』
『…この一月の間に貴方が戦も政も心根も良い意味で強いんは十分知りましたわ。まだ確かめてないのはー…オトコとしての強さだけでっしゃろ?』
ココロの動きは手慣れたもので、白漂の困惑と興味が混ざった視線を浴びつつも特に躊躇いは無い様子で、やがて背の傷を隠すための包帯を付けている以外は生まれたままの姿になる。
『…本当にそれだけかい?』
『…………っ………』
男としてみれば普通に眼福の光景だが、その奥底に隠された深い自嘲と哀しさを白漂は見逃さず、その深く艶のある黒髪と白い頬に触れてココロの表情を崩させた。
見透かされていることを悟ったココロはフッと軽く自嘲の笑みを浮かべると、今度は自ら白漂と顔を寄せ合って囁きかける。
『…そうでんなぁ、本音を言えば…嫉妬ですわ…。貴方の眼…私なんか鼻で笑われてまうような闇を見てきた眼をしとるのに…それでいて負けん気が強いん光を放っとりますやろ。この世界で初めて出会えた同類はんが…私よりもぉ遥かに強いんなって恵みを掴んだ姿を見とると…、羨ましうと同時に…妬ましいって思いますわなぁ。せやから…出来る手で貶めて気休めにしようと思うただけですわ―――』
『いや、そんなの人それぞれオンリーワンなこの世の中で昔から色々答えが出てても無くならない問いじゃね?』
『―――あってぇぇぇええええ!?』
だが、凡人は実体験せねば理解できない辛苦を自嘲と共に語るココロの眼前で、あろうことか鼻を穿るというそのイケメンフェイスではやっていけない暴挙を白漂はやってのけて彼女を絶句させた。
『あんた何やってますの!?』
『え、いやーこれさー妻や皆の前ではさすがにやらないけどさー。一人の時は嗅覚維持のためにしてる行為だよこれ。それにさー君がねーよく頭が良過ぎる子に共通するありふれた疑問でめっさ深刻そうな顔してるからさー。それを崩すためにはこれくらいパンチ力があるボケした方が良いかなーって…』
『いやいやいや!? ボケにしたってそれ明らかにやっていけない類どすやろ!? 人前でしたら頭おかしいと思われる類ですわ…!?』
先ほどまでの重い鬱顔などどこぞに吹き飛ばした勢いで大阪出身者を思わせる高速突っ込みをかますココロであったが、そこで白漂もまたテキパキと衣服を脱ぎだすとそれに焚き付けられた困惑と羞恥心で落ち着きを取り戻した。
『見てごらんココロ、僕の身体なんて子供の頃から戦場で付けられまくった傷で服を着てないと酷いものだし、何より今じゃー君のその悩んだ様子すら色気に変える使い込みと修繕を重ねて深い趣を刻みつつもまだまだ将来の長い体でこうなってるでしょ』
『……あ…』
自身の肉体を指さし、特に雄々しき隆起を見せる男根をコンコンとした音が聞こえそうになるまでに指で弾いて示しながら誇示する白漂に、ココロは先ほどの若くして苦海に塗れた女性を思わせる哀しい艶のあるそれではなく、思いを寄せ合う殿方と初めて床に挑まんとする強張った貌になっていた。
『双子とかですら趣味とかで違って完全一致なんてない、ましてや君がこれから僕とで臨む交わりは君がそれまで守りたいものを守るために行ってきたそれと完全コピーというわけがないだろう。白漂やココロという人間はそれぞれ一人ずつしかいないんだから』
『…それは…そうでっしゃろうけど…!?』
その己をあまり知られたくない経歴越しではなく目前に立つ女性として見てくる白漂に、ココロは忘れて久しかった生娘に近い恥ずかしさを思い出すが、そこで己が武技と女性の特徴が調和した一種の美しさがある指を白漂に掴まれて、そのままドクンドクンと脈打っている彼の性器へそっと触れさせられた。
『…それとも、もう既に紅華達に正体を明かしてこのような事を行う認証を得ただろう後で…確かめるのが怖くて退くのかい?』
『…言わせてもらいやすけど…京女を侮ると恥をかきますえ?』
そこまでされて、なおも子供をあやす大人の態度で優しく囁いてくる白漂に、ココロは齢相応にムッとした表情を浮かべて彼と顔を近づけ合う。
やがて、二人は視線を交わし合って互いの同意を得合うと身を深く寄せ合いだし、それが少年の反発に火を付けた。
(な、何の言葉で話してたかわかんないけどココロね―ちゃん騙されちゃだめだ―――)
だが、少年が妄想混じりの義憤で物陰からその場に乱入しようとしたまさにその時、氷の刃で刺してくるような冷たい怒気を向けられて、身が縮こまって影の中で止まってしまう。
(―――あ…あ…ひぃ!?)
少年の存在を明確に感じ取れたわけでは無いが、彼が立てた足音で誰かが自分達の近くにいて邪魔建てしようとしている気配を感じ取ったココロの怒気であった。
(誰かは知りまへんが…そのやろうとしとること、可笑しいんと違いますぅ?)
声こそ出していなかったが、ココロの殺気は見えない誰かに対して心中でそう唱えながら無言の圧力を掛けていた。
『じゃあ、どうしたい? 僕はここでもいいけど?』
『秦の男は大胆やけど少々品がありまへんなぁ。もう少し品のある場所でしましょうな』
少年の細かい心中など知らず、白漂とココロは衣服や鎧を抱いて後者が流姞として使用している寝室へ移動する。
『…うわ、懐かしい…前の世界を最も長く過ごしたあの国を中心とする文化圏のそれに近いな…』
『…イグサに近い草がこの辺りでは生えておりましてな。前の世界にいた頃によく預けられてた畳屋のお爺さんから教わったのを元にここの皆に再現した貰いましたやけど…やっぱ前のまんまとはいきまへんでしたわ。けれども慣れればこれはこれで趣深くなられると思いますわ』
白漂が見たココロの寝室は、彼の前世にいた文化圏でよく見られた畳で床の大半が敷き詰められており、障子は紙の替わりに薄布が使われていて中華式の円形状のものだったりと、所々でこの世界と前の世界の故地が入り乱れており、それが不思議でありつつも懐かしくもあった。
『さあ、どうぞ、こちらへ横になって…』
その空気が浸り始めて身から力が抜けようとしていた白漂は、ココロにそっと部屋の寝室の中心に敷かれていた敷布団に押し倒され、その上を月光でうっすらと照らされた彼女の身が馬乗りしてきた。
肌の艶からわかる年齢と、白漂がこれまでに娶ったり関係を抱いたりしてきた女性達と比べて小柄なので(それでも身長158センチとこの時代の中華女性平均身長よりかは高い)彼女らには劣りはするが背丈相応に十分以上なプロポーションを持ち、腰まで伸ばした艶のある黒髪と東洋系の可愛い美貌を基本としつつも白人系の済んだ明瞭さも合わせ持っていた。
『…僕の方からサービスしたいところだけど…?』
『迎え入れた客人に動いてもろうたら舞妓であった身として情けないでっしゃろ。今宵はよしなに…ん…❣』
その洗練された動きに混じるほのかな震えを鋭敏に感じた白漂の気遣いを微笑みながら遠慮すると、ココロは既に充血して高々と聳え立つ男根の亀頭を指で固定し、その黒く薄い陰毛に包まれている朱色を帯び始めた淫裂をやや強引にそれへ被せ始めた。
『…う…ぐ…き…つ…っっあぁ❣❓』
白漂の特上の大型マツタケを思わせる亀頭だけでもココロはだいぶ苦しそうで、やっと赤黒きキノコの上部を淫裂が通り抜けてカリ首まで達すると、彼女は極みに達したようで背を小さからず仰け反らせるが、その吐息は快楽と共にそれ以上の苦しさを訴えていた。
『…ココロ、君のその表情…処女ではないけど…』
『はいぃ…恥ずかしゅうどすぇけど…この身は、領地と民を守るために…取引のたびにぃ…近場の有力者はん達にぃ…流姞としてではなく…ココロとして肌を重ねるのを許してきた身どすぇ…。特にぃここ一月の間はぁ…幼いのを考慮してもぉ小さい遷王子のを相手にして…膣も縮まっておったさかい…、せやから…服着てる時はぁ細身に見えるけどぉ…脱いでもうたらほんまにすごいぃ白漂はんの中でもとりわけご立派なぁ一物にぃ…身が驚いてしもうたようどす…!?』
それを気付かれたココロは情欲に後ろめたさも交えた表情で白漂に説くが、その途中でその両脚をがしっと掴まれると亀頭を抜かれてうつ伏せに姿勢を変えさせられた。
『…な、何をなさるおつもりや?』
『これから前の君の強さを思い出させてそれを見せてもらい、そしてそれを加えて生まれ変わる君の新たな強さを見せてもらう。その代わりにここから先は僕主導でやらせてもらう』
『……え…!?』
困惑と怯えが見える表情で振り返ったココロが目にしたものは、自身の僅かばかりに滲み出た愛液とそれ等比較にならない先走り汁を滴らせて、それを彼女の大きな白桃を思わせる尻の割れ目に塗布している白漂の雄々しき巨根で、それはやがて再び彼女の怯えたようにヒクヒクと震えながら薄っすらと開いている淫裂に再び当てられる。
『今までの男がマセガキの児戯や野良犬による噛み傷にしか思えなくなる程にね!』
『ッッッッッッ❣❣❓ ひ…ふあぁぁぁぁぁ❣❣❓❓』
そして、白漂は己が亀頭でココロの淫裂を彼女の性感が最も掻き立てられる角度で抉り、その初めて男に引き裂かれるような圧迫感を味わわされたココロは今までの身売り同然の経験には無かった脳髄を白くなめ尽くされる感覚も染み込まされて、始め何が起きたのかわからず苦痛と快楽が混ざり合った膣の拡張間で大きく悲鳴を上げた。
(あ…あああぁ…ココロ…お姉ちゃん…あんな…動物みたいに後ろから……)
それを寝室の扉まで近づけてその隙間より覗き見ている少年は、止めたいと理性が願いつつも、初めて見る男女の交わりで血を集め始めた一物とそれへ指を這わせている時の感覚の心地よさで躊躇してしまう。
『…あああぁぁぁ❣ し、死んでまうぅぅ…❣ か、堪忍してぇなぁぁ…ああ❣』
少々して、元より身を鍛えていたおかげで痛みが引き始めて、胎奥よりドクンドクンと静かに強まってくる鼓動に似た男根の震えで下半身から徐々に崩壊していっていきそうな快楽にココロは飢えに似た快楽を覚えるが、今までの不快感と苦痛しか知らない情事とは異なるその甘い衝動に怯えも憶えて白漂を制止しようとするも、そこで初めて子宮口をグリグリと亀頭でなぞる様に抉られて軽く口を開かされる感覚に内臓から爆ぜてしまいそうなショックを覚えて背を仰け反らせて涙を零してしまう。
『…遠慮なく今までの強さを晒せなかった自分等死なせればいい。前の君の美しく強気姿を思い出し…それをこの世界で今まで眠らされてきた強さと共に併せ…生まれ変わるんだ…!』
『ァアアアアアアアアアア❣ し、白漂はん❣ そ、そんなぁ近くから…ひうぅ❣❓』
その甘美な性感に沿うように白漂は彼女の背を包帯越しながら舐め上げ乍ら、その艶のある黒髪を嗅ぎつつ甘い言葉を耳元に囁き、彼女の後ろめたさと自嘲で構成されていた快楽への拒絶心を溶かして、その身を体内よりゆったりとしつつも深い動きで解放へ導いていく。
初めて真の意味で雄に雌としての本能を暴き出されたココロの肉体が本当の極みへと近づくのにさほど時は掛からず、それを白漂が見逃す訳もなく陰嚢に掛けられたリミッターを意図的に解除してぐつぐつとした精子の群れを装填していく。
『…んん、君の身体はもう果てに行きそうだなね。 この際…僕もついでに連れて行ってもらおうか…』
『ファアアアアアアアア❣❣❓ は、果てってぇぇぇ❣❓ ま、まさかぁ―――❣❓』
その噴火前の蠢動に似た震えも上乗せした男根で掘削しながら、白漂はココロを抱き上げて胡坐による背面座位に移行して止めの言葉をささやいた直後、彼女の子宮口をぐわっと穿ち抜いて上側の子宮内壁まで突き上げてしまう。
『―――っっっ~~~~~~~~~~~~~~~❣❣❣❣❣❣❣❣』
『…っ!』
それにココロは下半身から噴火で爆ぜさせられたような極みに叩きあげられて言語の体を成していない嬌声を麓まで達しかねない声量で放ってしまい、白漂はそれに鼓膜を心地よさげに振るわされながら彼女の極みに連れていかれるべく白く粘り気のある巨大な縄付き銛を彼女の胎内にドバっと打ち込んだ。
「………」
それを少年はこの世の終わりを迎えたような顔で見届けつつ、その小さな手は齢相応に小さな陰茎を自然と扱き続け、ピュッと精通を迎えて少量の白濁汁で床を汚した。
今回はNTR表現になりました(もっとも、当事者二人にとっては全くそのつもりは無いでしょうけど…)。
次回より主人公たちは新規参入者を伴っての帰国に入る予定です。