○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国北部 朔方郡 朔方城 内城 大寝所○
「………んんん…」
牙雪を善がらせ、その最中に現れた庶徐に赤面させつつもその報告をさせた晩が開けて次の日の早朝にて、白漂は大寝所の大型ベッドで重い瞼が徐々に開こうとしていた。
ちなみに牙雪は白漂に散々種付けされた後で、抜けそうな腰を必死に保たせて夜警中の衛兵達に夜食を振る舞った直後、白漂によって彼女自身の部屋へ寝かしつけられて今も爆睡中であった。
(…まだ日は十分には昇っていない…。だとすると目が覚めてきたのは―――)
「…んん…はむ…本当に…名馬の魔羅を思わせまする❤️」
「ちゅるうぅぅぅぅぅうぅ…ああ、なんて大きいの…❤️」
「っぱ…❤️ ああ…朝から…凄い
(―――あ、やっぱり…)
そうしたことを思い出しつつ白漂が通常に比べて早く自身の意識が覚めつつある感触の理由を思い出していると、下半身の方から幾度となく覚えてきた淫靡な水音に言葉が伝って来た。
白漂の朧ながら回復していく視界に、赤黒く膨らんだ亀頭にしゃぶり付いている魏亶、自身の大きな乳房に挟み込まれても悠々と上へ突き出ている肉の竿に羞恥心が刺激されつつもそれ以上に高まっている愛欲に押されて舌を這わせている姫昭、早朝から子種の増産体制に入って膨らみだしている陰嚢を大きく口に含んで睾丸を飴玉のように舌の上で転がせているココロの姿が映し出されていた。
長期にわたる激戦中でもなければ、白漂はほぼ毎朝こうして女性達の軽めだが淫靡な朝の体操の巻き添えで目を覚ますようになってまっていた。
(…でもまあ、これで朝の目覚めはより早くはっきりと出来るようになってるからね…。何よりもこんな美女達に色事で起こしてもらえるのが…ん!)
この状況にもすっかり順応している自身の身体に呆れつつも快楽にもちゃっかりひたっていた白漂であったが、まだ目覚め切ってないがゆえに栓の閉まりが弱かった愚息が本日最初の随喜の迸りを見せた。
「んんんんん❣❓ っぷはぁ❣❣」
「あぁぁ❣❣」
「ふぇ…❤️」
普段の白漂のそれに比べれば小規模だが、通常の朝勃ちからの射精に比べれば十分な勢いと量を持った子種汁は亀頭を加えていた魏亶の口腔を満たして咽させて唇を離させ、自由になった男根はブルンと白濁の雨をまき散らして姫昭の鼻っ面に火傷に似た心地よい熱さを覚えさせ、最後に陰嚢の震えと共に髪が濡れていく感触を覚えたココロは朦朧とした瞳を更に強めさせられてしまう。
「……ああぁぁ❤️ 朝からまだこんなにも精を出されて…また更に血を…❤️」
自身の肌を焼いて蝕むかのような子種汁の感触は、目覚めて奉仕に託けて肉欲を求める女性達の意識も淫蕩な方向で覚醒させていき、前々世が人妻であった頃の記憶の影響が白漂と深い間柄になってから強まっていった魏亶はまだ隆起している男根の上に腰を上げて濡れ始めていた女陰に亀頭を合わせ始める。
「…ああ、魏亶殿…そんな、朝からそこまで―――」
「はいはい、気持ちはわからなくはないけどもうその辺にしてまずは朝食にしましょうか」
「―――え…あ」
その魏亶の行動に姫昭が羞恥心を更に高められつつも嫉妬もそれに釣られようとしたところで、いつの間にか目を覚ました紅華が今にも繋がろうとした魏亶の淫裂と白漂の男根の間に手を突っ込ませて無理矢理中断させた。
「ああ…! こ…こ、こんな所で酷い…」
「酷くはあるけどあんまやったらこの人また調子に乗りそうだから駄目よ。それにもうとっくに目を覚まして楽しんでる所だし」
「……ほえ…あ…」
蕩けだしていた子宮にお預けを喰らわされる形となった魏亶は非難の声を上げるが、紅華のジト目を添えた言葉に釣られてココロが視線を移すと、既に横目を向きながら白々しい鼻歌を口ずさんでいる白漂の顔を目にしてしまった。
「とりあえず皆で身を綺麗にしてから朝食、それから今日の仕事ね」
「「「………はい…」」」
それと紅華の言葉の続きを受け、三人はどうにか意識が普段の状態に戻るとやや赤面しつつも微妙そうな表情で身繕いを始めた。
○秦国北部 朔方郡 朔方城 内城 事務室○
早朝における淫靡な起床より数時間後、姫昭及び流姞として男装したココロは趙から移住してきた太行山脈以西住民関連の机仕事をしていた。
ちなみに、二人とも怜悧という言葉が似合う表情と慣れた動作で筆を走らせていたが、内面は全く真逆であった。
「……………」
ちなみに、二人も働いている事務室には度々マーティカも何度か行き来していたが、その際の一部始終にはこのようなものがあった。
(…ココロ殿…)
(…姫昭はん…)
(真面で有能な上司の下で働けるのがこんなに素晴らしい事だとは趙にいた頃は思いもよりませんでした…!!)
(ウチもどすえ…!!)
ちなみに、二人には念話能力みたいなのはないが時々のアイコンタクトだけでこのような同調を見せており、その思念を読み取った時のマーティカの脳裏で二人は明るい野原を嬉し泣きしながら走り回っていた。
「あーすみません。姫昭さんと竜姞(ココロ)さんはいらっしゃいますかー?」
そうしてホワイト職場で机仕事に勤しんでいる姫昭と竜姞(ココロ)の前に、天井板の一角を外していつも通りひょこっと頭をぶら下げた状態で庶徐が現れた。
「(い、色々な意味で奇人変人が多いけど…それはそれよね…)はい、こちらにいますけどご用件は?」
「紅華義姉様よりお二人によく助けてもらってるということでこちらの菓子の差し入れをお届けに来ました。それではー」
一方で真面目な気質からまだ慣れていないこの地の特徴に内心で動揺しつつも表情は出さなかった姫昭に、庶徐は菓子を入れたらしい木箱を落として彼女が受け取ると再び天井裏へ戻った。
「まだ新参の身でこのようなものを貰っても…え、これって」
「どないしたん姫昭は……っ…」
姫昭は元々敵だった身に対する気遣いに気後れしつつも木箱の蓋を開けるが、その中に入っていた焼き菓子の表面を走る甘味料の意匠を見て目を細め、流姞(ココロ)もまた焼き菓子を見ると怜悧な眼光を静かに浮かべた。
○秦国北部 朔方郡 朔方城 役所○
「…おー、陶工してたなら太行にある蓮という城が…」
「農民なら西にある制粉という地が開拓者募集中で…」
「坑道掘りの経験と技術があるなら蜀南の方で銀山が…」
姫昭と流姞(ココロ)に菓子が送り届けられてから数十分後、今でいう職業安定所的な職務が増えた役所は今日も職を求める流民や移民やらの列が出来ていた。
「…ふぅー、戦場と違って命懸けじゃないのが良いけど…慣れた今でも机仕事だって大変だなぁ…」
「いや、南に伝手がある貴女がいて本当に助かります。というかもう身籠ってるのにこんなに長く筆を動かされてると私達の立場が無いので今日はもうお帰りに…」
「わかりましたー、南でわからないことが有れば明日までにまた纏めてくださいねー」
そうした箇所も含めて、北の地は先のスキャンダルもあって何処も忙しく、今現在妊娠中の白漂の妻達も机仕事に駆り出されており、妊娠の経過に伴い戦は無論として激しい運動もし辛くなった庶徐もそこへ度々出入りしていた。
その時、近場を変装した状態で難なく溶け込んでいた白漂一行も歩いていた。
「…白漂様、今朝に急な任務を話したいから同行するようにとのお話ですが…何故このような状態で…?」
ただ一人、髪の色などを変えて外見は別人になりつつも慣れなさと思わぬ内容に動作が所々でぎこちなくなっているのが姫昭で、彼女は同じく変装中のココロと共に今回の白漂による街の散策を名目とした特殊任務に付き合わされていた。
「いやねー、普段のは目立ちすぎて却って相手も警戒して手を出しにくくなるし。こうして一見するとわからないけどよく見ればあーこいつだって格好の方がこれからする内容には都合がいいからね」
「ほんでどのようなお仕事どす? うちらは今朝に庶徐はんが届けてくれた焼き菓子の表面に甘味料で書かれた文ででこの時刻にここへこの格好で集合しろとしか聞いてまへんし…?」
その姫昭とは対照的にココロはこの世界における古い訛りを交えつつも自然体で口を動かしていたが、それに対する白漂の答えを聞いて一変する。
「わかりやすくいいとねー。これから定期的な鼠狩りをするからさー。そのために僕ちょっと死ぬからその犯人とっ捕まえてね」
「え…それどういう意味で―――!?」
ココロがようやく明かされた本日の業務内容に表情を引きつらされたその直後、白漂の首筋に小さな吹き矢がプスンと当たって彼は口から少々血を吐くとそのままこてんと倒れた。
「―――えってえぇぇぇぇええええ!?」
あまりに急すぎて且つそれには見合わない任務内容を受けてココロは素で驚いてしまい、その自然に狼狽した大声を受けて周囲にそれは瞬く間に感染していく。
(…や、やった…! 本当に殺れたぞ!)
「…!」
それを見て役所を見下ろせる近場の高楼より歪んだ達成感を覚えた者がいたが、それで滲み出た気配を幼少期における人質暮しの性で身に着いた勘で姫昭は感じ取った。
「…皆さん、方向は気付かれるかもしれないので指させませんが役場を見下ろせる赤黒くて獅子を象った門構えが付いた屋敷の三階の窓の隙間から誰かがあの人を狙いました。気付かれないように裏口から…」
即座に姫昭は小声で護衛に混じっていた西貴メンバーに命じた。
○秦国北部 朔方郡 朔方城 再開発予定地○
「…それで間違いないな?」
「はい、内城は既に門を固く閉ざされていて現場にいた者達の大半が捕らえられていますから間違いありません! 脅してやらせた下手人はこちらの場所などは知らせていませんので…」
白漂が白昼の城内にて刺客に襲われて倒れた日の翌日の深夜にて、朔方城で再開発が予定されている区画に残る廃屋にて他国、特に趙から来た間者達が大勢集まって密談を交わしていた。
「そうかそうか、儒者の連中が派手にやらかしてくれたおかげでここに我々も入りこめられたから上手くいったが…!?」
だが、概ね喜色を滲ませた表情で彼らが話し込んでいたその時、壁のひび割れで出来た隙間より鼠が潜り込んできたが、それは何故か背嚢を背負っていた。
「…え、何故鼠がこのような所に…!?」
間者らの一人がそれに気付いて不信を覚えたその直後、背嚢から勢いよく派手な色の煙が噴き出して彼ら全員を猛烈な睡魔が襲い掛かった。
「…し、しまった! 気付かれたのだ! 早く出るの―――」
「ほい、待ってましたー」
「―――おぶげぇ!?」
「全員捕まえろー! 一人も逃がすなぁ!」
「「「「「!!!!」」」」」
何人かは重くなった身を引きずって廃屋から出てくるが、そこを待ち構えていた信に叩きのめされ、続けて手勢達が煙の収まった廃屋の扉を蹴破って眠りこけている間者達を縛り上げていく。
「…やっぱり僕も行っちゃ駄目?」
「駄目です。貴方はまだ一応城内では急病で倒れているとの事になってますから」
ちなみに、間者達が忍び込んでいた廃屋を見下ろせる近場の丘陵に位置する別のそれより、昨日の昼間にて刺客の放った吹き矢で倒れたはずの白漂が望遠鏡越しにその様子を見ており、願望を口にするが護衛で同行しているマーティカに突っ込まれていた。
「いくらこちらの隠密特殊工作兵によって連中が使用していた猛毒吹き矢を無毒なものに変えたからって、貴方程の立場の人がこんな小さなことでまで火中の栗を拾うような真似をするなど…」
「でもさあ、今回もおかげで適当な数を吊り上げられたでしょ? 昨日の昼間にバレバレだった只の吹き矢をわざと首に当てさせた時に口に含んでいた桜桃(サクランボ)果酱(ジャム)での吐血の演技上手かったでしょ?」
「…自画自賛ですか…。というか本当にすごいのは一日の間にあれだけ少ない手掛かりでここに気付いた信の推理力だと思いますけど。まー後も予定通りに動きますね…」
どうやらその会話からして元より気付いていて利用していたらしい白漂達であった。
○秦始皇8年(紀元前239年) 秦国北部 朔方郡 朔方城 歓楽街○
姫昭に信達が城内の間者を大勢捕まえた日の翌日の晩にて、城内は白漂の暗殺未遂及びその事件の表向きにおける顛末が話題になっていて、それは夜中でも大勢の賑わいを見せる歓楽街でも同様であった。
「表向きは急病だけどやっぱ刺客に襲われたらしいなぁ」
「偉い人は大変だよなぁ」
「…それでよー、どうやら姫昭とか新参の連中を襲った刺客はやっぱまだ帰順してない狄戎か…?」
「他にも城主様の影武者を襲った連中は匈奴とか…」
「いや、それにしちゃー何かどっちも訛りが趙の中央辺りのが強く出てるってよ」
「でもよぉ確か忍び達も大勢いるし陰で目を光らせるはずだろ。どうやってあそこまで近づけたんだ?」
「やっぱ誰か手引きしたんじゃねえか?」
「そうなると趙から移ってきたばかりっていう西貴や険水の連中とか…?」
「でもよぉ、確かあそこって今の趙王に酷く扱われててそれが我慢できなくなって寝返った連中だろ?」
「今になって内応させようとすんなら目立ちそうなあそこよりももっと別なのを…」
「それに刺客とそれにつるんでた間者連中を捕まえたのは趙から離反した連中で、更に捕まえた後でお役所に生きたまま引き渡したって話だぜ」
「内応してたんならそんな自分で自分の首を絞めるような真似は…」
玉石混合の会話が飛び交う中、そうした周囲を一歩引いた態度で見つめていた何名かが各所で加わりだす。
「…なあ、あくまでもこれは噂なんだが…」
「実はな…」
彼らが口に出していく内容は細かい点では違っていたが、基本は同じで他の客たちの興味を大きく引いていくものであった。
○秦国北部 朔方郡 朔方城 内城○
「……と、そういうわけで…今回の事件を受けて…あくまでも噂程度にですが、今回の事件は趙と匈奴が秘かに再び近づいてこちらを仲違いさせるために起こしたという話が流れておりますわ。まー先の合従軍による匈奴の動きやその後離反した部族が持ってきた証拠からしてほぼ確定してますがのう」
白漂の館で純粋に密談の為だけに作られた石造りのその部屋で、白漂軍最年長たる里甲を中心に要人達が、昼間の暗殺未遂事件を受けての城内の情報を整理していた。
「ご苦労、里甲爺」
当然、その中心には城主である白漂の姿もあって、今回の件で手柄を立てた面子に加われた体になっている姫昭とココロの姿もあった。
「…以前、剣戟も実際に交えながら…それと経過して調略で引き抜かれた身としては、引き抜く側に回ったこの状況は…」
ちなみに、黒羊戦終結直後にその時の調略の裏側を話されていた身である姫昭は、それもまた戦国の習いと自身に言い聞かせていたが、今回は同類の仕事を任された事に複雑であった。
「でもまぁ、今回のおかげでうちらも安全が回復したから文句はありまへんなぁ」
一方、表向きは流姞として白漂軍の軍師陣の末席に加わっているココロは姫昭以上に割り切っていて今回の効果を正確に分析していた。
此度の事件で敵はこちらの多民族居住という状況を利用し、その要である白漂を排除すると共に民族間に不和を撒いて秦北部を内紛で弱体化させるのが目標であった。
「その疑念は今回の件で最小限度の負担で済む逃げ道が用意されたわけです。今や北の民の大半が民族問わず北の道で利益を受けている以上はそれを打ち壊されるような事態になることを望んではおりません。ならば、その破壊を目論むのはその利益に被っている者と対立している集団。そうした工作を最初の内に潰しておいて、その背後関係の情報もある程度流すのが最小不幸で済みます。今後似たような工作をされてもまたあいつらだろうなと疑念は趙側へ自然に向けられますから。実際に彼らが黒幕の片割れなので我々はそれを明らかにしているだけと言えますが…。少なくとも彼らもその程度のことはわかるでしょうから同じ手を用いる事は減ります。まー他にもいろいろ手はありますから油断は禁物ですが…。とりあえず先ほど帰らせた西貴や険水以外の別枠で趙からの亡命者を装ってる間者はまだ泳がせますか?」
「今は泳がせておいた方が良い杏橋。敵からの情報よりも味方の口から話されたそれの方が信を向けられやすいから情報を操作しやすい。残しておいた趙からの他の間者も今後引き続き泳がせつつ監視させよう。それと噂に乗じて都合の悪いのは他所に被せようって便乗犯も間違いなく出るからその辺も注意だね」
しかし、杏橋がその破壊活動を逆手に取った此度の対策の顛末を説明したとおり、白漂達は趙側が忍ばせてきた諜報網をほぼ把握済みでちゃっかり逆用までしていた。
「…それよりも今は北の方が気になる。バトゥ、例の話は?」
「ああ、どうやら…今の単于の身体だが…そう先は長くない状態らしい」
そのため、白漂達の意識が大きく割かれているのは対趙方面ではなく、この場に呼ばれて白漂に問われているバトゥも嘗て所属していた匈奴ら北方民族情勢であった。
そして、この北方民族と北中華を巻き込む異変が、来年にて中華全土を震撼させる幾つもの大事件の一つとして起きる事も、それに付随してある人物らの驚愕する出生が明らかになるなど、この時点で誰も知る由は無かった。
次回より久々に、規模はそこまで大きくはありませんが戦争パートに移る予定です。
そして、だいぶ前に投稿された感想でこの世界がギャグ時空になるのではと心配された例の新キャラ(半分は別の春秋戦国漫画キャラ)が深く関わって、ある人物の(このSS世界における)出生の秘密が徐々に明らかにされていく予定です。