※この作品はR-18です。

天下の大将軍になる!! ~夜の睦言~   作:oosima

125 / 324
今回はあのそっくりな宮女と侍女兼女将兵の邂逅に触れつつ、久方ぶりにあの有名格闘技ゲームのデザイナーお姉さん(由来の子)が大人な夜を過ごせる話になっています。


124 華麗な式典に策謀は隠されやすい

 ○秦始皇8年(紀元前239年)年末 秦国中央部 王都咸陽 白一族宗家咸陽別館○

 

「「「「「……………………」」」」」

 

 白漂の咸陽における館にある、外部に知られるわけにはいかない密談を行うために設けられた秘密部屋の一つで、マルタと球泰を中心に一同が集まっていた。

 

「世の中には似た人が三人いるとは言うけどさぁ…」

「まさか自分だけでなく他人でも見る事になるとはな…」

 

 双子と言ってもほぼ差し支えないレベルで酷似している球泰とマルタに、少しの化粧などで直ぐに入れ替われるレベルで似ている白漂と嬴政は意表を突かれたという顔を向けていた。

 

「…ひ、人前では顔を隠していたり、化粧して顔を変えたりしていることが多かったのはこれが原因だったのね…」

「というかよくお二方とも見分けが付きましたね。マルタさんは…言い辛いけど子供の頃に染みついた貧乏性の都合で宴会とかではあまりものを袋に包んで服と腹の間に隠して持ち帰る癖があるらしいから、それで私のお腹もそうだと誤解されて朔方侯の手勢の方に誤解で連れ込まれたのに…」

 

 一方、当のマルタと球泰は机を挟んで向き合っている自身のそっくりさんの主人に対して色々考えていた。

 

(…ウチの黙秘主義の所々怪しいねちっこい王様と違ってこの将軍さん現場の苦労を知ってるサッパリした人が出せるいざという時の気遣いが出来る気風をしてるわね…)

(うわー、こっちの助平サボり癖将軍と違ってこの国の王様ってきりっとしてて渋い雰囲気出してるー…)

((…口には出ていないが凄く腹が立つ事を考えてるな二人とも…))

 

 一方、その主人である嬴政と白漂は各々の観察眼から自身に仕えている二人の不遜極まる思考に勘付いて内心カチンとしていた。

 

(…この部屋に向かう先程まで少々だけど話が出来たけど…聡明で人を見る目と公正さが感じ取れた…。あぁ…前の国の王もこうであれば…)

 

 それと並行して姫昭は今の王に対して安堵を抱きつつも、以前の祖国とそこに属していた頃の不運に嘆息を内心で付いていた。

 

 

 

 

 

 ○秦国中央部 王都咸陽 譜家系商館咸陽本店 倉庫○

 

「…へー、これが西域…ペルシアの絨毯による技巧や意匠も盛り込んだ加冠の儀用の新しい垂れ幕か…」

「そうそう、王宮常勤の方にも受け入れてもらえましたの♪」

 

 嬴政が白家宗家咸陽別館へ秘かな訪問をした日の夜にて、白漂は館と同じ区画にある譜家商会の倉庫で譜孝に案内されており、そこの最重要区には来年の王宮の儀式で使われるための布製品が大量にあった。

 やがて譜孝の案内は式典用のものから彼女の本業にも関わる区画へ移動した。

 

「あー、これが新技術を盛り込んだ甲冑か…」

「はい、強度は他国のそれよりも丈夫な現行のものを維持しつつも重量はそれまでの4割ほどに抑えておりますわ。それでいて可動部分は江殊幡様達との技術交換で得たものも加えて防御力を高めつつ可動性は向上させていますよ。まだ生産技術の向上が追い付いていないので各隊指揮官や精兵以上でなければ回せませんが」

 

 そこでは譜家も関わっている白漂軍の防具の試作品もいくつかあり、今現在にて何名かがその新型で試着と試運転をしている所であった。

 

「凄いわ、鎧を着ている状態で子供の頃の雑技の日雇いの時みたいな動きが出来るわ」

 

 そこで玲花が新型甲冑を着込んだ状態で、片手逆立ちによる竹馬でのケンケンをやってのけていた。

 

「こんな動きやってのけてる玲花さんの方が凄いと思うんだけど…?」

 

 それを同じく試着している一人であるミナイが苦笑いを浮かべているが、その最中に彼女は適当な茂みに近寄ると、女性の身には似合わぬ大きな籠手で固めた片腕をそれへ振り下ろした。

 

「ぶべぇ!?」

 

 すると、茂みに隠れ潜んでいたらしい不審者が右肩を潰されて肺まで圧迫を受けた状態で倒れるように飛び出てきた。

 

(あんなカラクリやら装甲を仕込んだ籠手を只の手袋みたいに軽々扱って人を殴り殺せる子も大差ないと思う)

「はいはい、鋭い子にはわかる程度に表情にまで出ちゃってるからここで不審な思考もしないでくださいませー」

 

 それに頬をポリポリと掻きだした白漂を譜孝は宥めつつ、侵入者の処理を当番の同僚達に任せると彼を連れて館にある自身の寝室へ誘った。

 

「…それでー王宮で使う物品を作る際に出た切れ端などが多く出ましたので…、勿体なくて何かに使えないかと考えましたらこういうのが出来まして」

 

 そして、開かれた窓より入り込んでくる月光に照らされて夜風にカーテンが揺れて幻想的な雰囲気が漂うその室内で、譜孝はシュルリと衣服を足元へ降ろした。

 

「相変わらずちゃっかりしてるね」

 

 白漂が目にした譜孝の女体は、儀式用のものから取られたとはいえ切れ端を繋ぎ合わせたものとは思えない藍色の美しいマタニティ用下着で固められていた。

 彼女の戦者と職人どちらの特徴を併せ持っている引き締まりと女性らしい豊満さを備えた女体は、露出度が高いがそれもまた気品の一つに変える緻密な刺繍が施された下着で固められていたが、それら全てが彼女の子を宿して膨らんでいる腹部を強調するように出来ていて、白漂の愛欲を刺激するようになっていた。

 

「…申し訳ありません。貴方様の胤で宿ったこの子と公務があるとはいえ…、幾月も空膣に耐えるのはやはり苦行でして…、貴方様が王都に到着されたお姿を目にした時からここは…」

 

 譜孝は発情した雌豹の如き微笑みを浮かべつつ、胎児を労わるようにその膨らんだ腹部を寝台に預けて逆V字に開いた足の付け根を白漂に見せるが、セクシーマイクロショーツのクロッチは既にあふれ出ている愛液で濡れ切っていた。

 

「大丈夫、君をここまで愛欲が強い女の子にした責任が僕にはあるからね。けれどまだ働いてる子がいるから早めに満足させられるようにするよ」

「構いませんわ…❤️ むしろ私ごときの体よく取り繕った我儘を聞いてくださる貴方様の寛容さには言葉も出せませ…ああぁ❣❣」

 

 その譜孝の愛に飢えて蜜を溢れさせている秘裂より下着を白漂は瞬時に降ろし、直後にボトムと下穿きからブルンと解放させた男根で、ジュポンと彼女の飢えた下の口をジュポンと割り込ませて甘い嬌声を上げさせた。

 

「…ああぁぁ…❤️ 前の最後に抱かれた時よりも凶悪さを増した凶器が…ふふふ、これは増々堕落させられそうですね―――」

「夜分遅く申し訳ありません。式典で使う品目で気になることが…」

「―――え…もう…」

 

 久方ぶりに淫裂で生じて脊髄を駆けあがって脳髄を溶かし始める甘き痺れに譜孝は瞳の潤いを強めるが、急な邪魔に入られて口を尖らせた。

 

「珍しいわね、何があったのかしら?」

 

 扉を少し開けていつもの営業スマイルになった譜孝が廊下側にいる丁稚の少女に顔を見せる。

 

「はい、それがこの点で…」

「ん? 珍しいわね…確かに北のあの領域からの品だから不安はあったけど、これまでは順調に納品をして来てくれたのに―――!?」

 

 だが、丁稚の少女が持ち込んできた資料に目を通そうとした譜孝の身がビクッと震え、その頬に薄っすらとした朱色が滲み出てしまう。

 

「―――い…ね、ねえ…この資料…今すぐにでも知って対策を打たなくちゃいけないような案件は…?」

「特にありませんが…?」

「…じゃあ、明日までに纏めておいてちょうだい。出来るわよね?」

「え? 良いですけど…いつもは自分で直ぐに確認するって…?

「あなたもここで色々知って来たことを試してみたいでしょ? 大丈夫…さあ、早く纏めに…」

「あ、は、はい」

 

 それに丁稚の少女は不信を覚えるが、譜孝に促されて来た道を戻っていく。

 

「…もうぅ…❤️ 本当に女性にとって甘露だけど毒の如き人ですねぇぇ…❤️」

「君のここも中断してほしくなさそうだったからね…んん…」

 

 譜孝が苦笑しつつも通夜を増した表情で背後を振り返ると、そこには露わになったままの彼女の尻を付かんで肉壺に己が男根を差し込んでいる白漂の姿があって、彼は再び腰を動かして細やかな絹糸で編まれた蚕の群れを思わせる細やかで吸いついてくる肉壺を久方ぶりに楽しみだした。

 

「…ふあぁぁぁ…❣ 体とそれを用いた技だけではなく…女性の心も責める智慧も増されてぇえぇぇ❤️」

 

 十数分後、譜孝は胸と子を宿している腹部を硝子窓に押し付けられた立ちバックの姿勢で涙と嬌声を垂れ流しにさせられ、何時人に気付かれるかもしれないスリルとそれで高められた性感、そこ等を適切に抉ってくる男根で極みへ突き上げられつつあった。

 一方、白漂もまた譜孝のきめ細やかさを増した締め付けをしてくる肉壺の久方ぶりに感触で、筋肉を繊維ごとに解かれて神経を直に彼女のそれへ繋ぎ合わされた一体感のある快楽を味わわされ、いつもよりも早めに精嚢の栓を緩めて噴火を促していく。

 

「っ!!」

「ッッッッッッ~~~~~~~❣❣」

 

 

 そして、数秒後に大気を震わせる嬌声こそ口腔内に閉じ込められたが、忘我して天へと突きあげられんばかりの極みを味わった二人の震えで、硝子窓が一際揺れて大きく軋んだ。

 

 

 

 

 

 ○秦始皇9年(紀元前238年)初頭 秦国中央部 王都咸陽 大広場○

 

 譜家の商館でその主である譜孝と夫であり主君である白漂が久方ぶりに閨を共にしてから数日後、年も変わったその日の朝より咸陽の王宮前にある大広場には、身分別に大勢の群衆が集って賑わっていた。

 

「おお―! 大王様が姿を現したぞ!」

「相国様に両丞相様方もおられるぞ!」

 

 秦王嬴政を始めとした同国最重要人物たちが集うこの正月の式典に参加するためで、広場に集っている群衆はこの国の王やそれに近い者達の姿を見れて歓声を上げていた。

 

「…うわー、琵ちゃん人がこんなにも集まってる」

「ええ、本当…皆が明るい顔をしているわ」

「さぁ、御父君のお仕事を見させてもらいましょう」

 

 その様子を王宮側望楼の一つより、周囲を護衛の宦官に守られながら向や扇琵に田共召と言った嬴政と子を設けた妃達も、それぞれの子を連れて見守っていた。

 

「……………」

 

 その場にはまだ生まれていないが嬴政の胤で子を宿している面々もいたが、その中で球泰は顔を薄っすらと朱色の染めつつも何処かウズウズとした様子をしていた。

 

「ん? 何だか顔が赤いけど熱でも出したの?」

「い、いや…何でもないわ…(な、何かあの白漂将軍の館に行ってから…下半身中心にもやもやした熱が高まってるというか…それでいて夜伽には呼ばれる気配が無いし…! ど、どうしたら…ぁ!?)」

 

 球泰は原因不明の欲求不満状態に陥っていたが、そこで彼女は嬴政達がいる壇上に新たな人物らが上がってくるのを目にしてしまう。

 

「うおお! 見ろ! あのお二人も昇ってきたぞ!!」

「秦国のみならず今や中華一の怪力剛将と名高い蒙武大将軍だ!!」

「そして白起将軍の嫡孫で神速と称される白漂大将軍も姿を見せられたぞ!!」

 

 現在、秦軍の顔に数えられている蒙武と白漂が壇上に登ってきて、人々は嬴政達に向けるものとは趣が違う歓声を立ち上らせた。

 

「ハッハッハ、足元が違っていてもやはりこの両将が揃うと頼もしく感じるのう」

 

 その中には陣営の違いによる政治的対立などお構いなしという様子で、童心染みた賞賛の声を上げている呂不韋も混じっていた。

 

「…もう前線に戻っていいか?」

「はは、そうつれんことを言うでない蒙武よ」

「相変わらず面倒なことに嫌じゃない意味で大きいな。だが…」

「そうだ漂…もう届かぬという差ではなくなっている」

 

 式典が進んで群衆の賞賛を受けながら要人達は彼らに背を向け始めるが、その裏側で両派は対決の終結に向けてさらに加速させていっていた。

 

「昌文君、皆、戻るぞ」

「酒でも飲もうか」

 

 秦王嬴政と相国呂不韋の二人を中心とした九年に渡る権勢闘争に決着をつける年が来たからである。

 

 

 

 

 

 ○秦国東北部 毐国 首都太源○

 

「「「「「毐国万歳!! 万歳!! 万々歳!!!!」」」」」

 

 一方、今現在の秦国で最も頭を悩ませている内政問題と化しているその地でも正月の式典が行われており、その賑やかさの裏でこちらもまた内外含めて策謀が渦巻いていた。

 

「…やれやれ、こちらは忙しいのに御目出度いものだ…」

 

 その一角である式典参加の高官たちが集う望楼で歪んだ笑みを浮かべている同国の軍幹部達も同様である。

 

「…軍の規模自体は趙攻略戦で出続けている負けて表向き帰順しても内心不満たらたらな元趙人も秘かに合流してますから大きくなってるんですけどねぇ…」

「如何せん、大権を得ている白漂軍による監視の目も強化されてますから最初の頃みたいな派手な練兵はし辛い状況でして…」

「案ずるな。すでに手は打っている…お、来たか」

 

 そこで話し込んでいる毐軍将校らの元へ、例の墨意匠の者達がいつの間にかひょっこりと姿を現して話に加わりこんできた。

 

「樊於期様、北の方での例の話ですが…」

「そうか、こちらも準備は進めるので今後も協力を頼むぞ…」

「は、それでは…」

 

 墨意匠の者達は毐軍司令官である樊於期に何かを耳打ちで伝えると、今度は人ごみに紛れて再び姿を消した。

 

「父上、今度はどのようなお話を…?」

「大した話ではない。単に…他所の混乱に巻き込まれて労苦も忠義も無駄になる男がまた出そうというだけの話だ…。この戦国ではよくある事よ」

「ほほう?」

 

 それに興味をそそられた息子を持つ樊於期の眼差しは王都と北の間を少々行き来した。

 

 

 

 

 

 ○秦国中央部 王都咸陽 官庁街○

 

「…呂不韋様、想定以上に昌文君による工作が広く深くなっています。寝返ったものも多数出ており…」

「ほーう」

 

 各地で正月の式典が終わってから数日後、咸陽の官庁街では政争と絡んだ業務が続いており、呂不韋は李斯からの報告に楽しそうな反応を示していた。

 

「事を起こすのは念を入れねば…」

「心配をするな。儂らがそこまでする必要なはい」

「?」

「北の方から動き出す。それも一つだけでは無いのだ」

 

 呂不韋の視線は王都のある一カ所に向けられていた。

 

「…十三番の布にはこちらの藍色を用いて、七十二番は日光の透過も考えてこちらの染料を…」

「おお、このような素材が…!」

「ありがたく使わせて頂きます!!」

 

 呂不韋が視線を向けているそこでは加冠の儀に向けられた準備が今日も進められており、その責任者の一人に譜孝の姿があった。

 それを昌文君は見守り、これまでの事を感慨深く回想しつつ指示を飛ばしていた。

 

「(…八年前には大王様ご自身を王都の外へ逃がさねばならなかった我々が…多くの支えを得てそれを逆転なる飛躍の第一歩とし、ついにここまで来た。儀式さえ終えれば中立派が大王様の元へ合流してそれで決着はつくが…故に呂不韋はそれを黙って受け入れはすまい…)王弟長安君(成蟜)ら要人の警備は惜しむな。それと瑠衣公主に譜孝らその一族もまた警備がしやすい地に集めよ。呂不韋の動きはほんの些細なものでも見逃してはならぬ!! 調略も手を抜かず続けよ!!」

 

 だが、その意気込んでいる昌文君に思わぬ報せが舞い込んできた。

 

「殿、北の方より急報が…」

「む? どうした? また毐国か?」

「いいえ、それがもっと北の方です。まだ公表されてはいませんが…どうやら匈奴で…」

「…何だと!?」

 

 今年の中華における大事件の一つで北中華一帯を巻き込む、後に春秋戦国で最も奇々怪々な事件の一つと称される大政変の始まりとなる報せが舞い込んできたのだ。




何やらまた北辺りで不穏な空気が漂いだしてきましたね。
次回から、今回で久方ぶりに再会できたあのそっくりさんたちの絆も試されるその北の大異変が本格的に始まる予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。